婚約破棄されまして(笑)

連載

new world 35

晩ごはんの時間です。
帝国は宿場町が充実していて、宿にちゃんと泊まれますが食事はうちの方が美味しいので厨房を借りて作ってます。
私達家族は馬車の方が居心地良いので馬車で寝起きしてますけどね（笑）
さて、現在地は大分進んでる気がします。
帝国の地図の詳細がよく分かってないからでしょうか？道とか山とかは分かるけど、領地名が分からないのはちょっと面倒です。

「エリーゼ様、ドレスはどれに致しますか？」

「そうね、飾りの少ない黄緑色のにしてちょうだい」

「畏まりました」

チート馬車は拡張しまくったおかげでウォークインクローゼットもあります。チビナビちゃん達製のドレスやら何やらがギッチリしまわれてます。
デザインはあまり違いが出ない様に作られてます……生地は汚れても良い様に綿製です。泥汚れが付いても安心ですね！
最近は色の指定だけで靴とかお飾りがアニスセレクトで出して来て貰ってます。
綿製ドレスなので靴もシンプルな物で、お飾りも布で作られた造花に小さな宝石を少しだけあしらった物が殆どです。え？ご一緒してる皇太子殿下や殿下妃に不敬じゃないか？って？皆様、夜会でもないのでそこそこですわよ。
私一人が地味にしてる訳じゃありません。
我が家の天蚕糸で織り上げた布が特別で、一般的には木綿で高貴な立場になった所で魔物の吐き出す糸（蜘蛛系魔物）がポピュラーでしたもの。
もちろん、その蜘蛛も島に在住してるから好きなだけ入手出来るのでチビナビちゃん達がドレスやら何やら作ってたりもするのだけど。
ただ下着だけは天蚕糸で織り上げた布を使った物が、やっぱり肌触りが良くてそこだけは着用継続中です！

「エリーゼ様？跨いで下さい」

「あ！ごめん」

うっかり思考の海に旅立ってたわ。
ドレスを跨いで着付けて貰う。コルセットは着けてません！ブラジャーです！簡単でお胸のラインがキレイなのでアニスも何も言いませんでした！……ただボディスーツやウエストニッパーをチラチラ見てたので、いつか何かを言われそうです。ドキドキ。
レースとフリルが上品さを演出してるドレスは可愛くて良いです。
アニスの指示でドレッサーまで行き、髪を結い上げられお飾りをつけて貰い宿の食堂に向かいます。
皇太子殿下や殿下妃、シルヴァニアのお祖母さま達が待ってますので。