婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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慌ただしい日々 2

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かつての食卓……帝国の皇族との会食ですから食材はとても良かったですし、品数も多かったです。
ただ惜しむらくは基本が塩(薄め)と砂糖で洋食と言うより和食寄りな感じもします。
後、野菜や肉や魚から出汁を取ってるのも王国よりも良かったです。
しっかり出汁を取ってる新料理(我が領地で流行ってる料理の数々はちまたでは、そう呼ばれてるらしいです)の作り方は帝国では簡単レシピすら流れて来てないらしく、時間と共に視線が熱くなったのは皇太子殿下だけでなくお母様の無遠慮な自慢も関係してます。
後、お祖父様(お母様のお父様ですよ!)が幾つか皇帝陛下に私のお手製甘味をおすそ分けしたのも大きかったようです。
帝国の甘味は砂糖で甘さ爆アゲした物ばかりで、新鮮な果物を使った上品な甘さの物は無いので強烈なインパクトだったらしいです。
……白桃のシロップ漬けかな?いや、あれしか思いつかないわ……
ポテンと馬車の座席に体を横たえようとしてルークに凭れる形になったのは許して貰いたいです!

「会食の時の圧、凄かったな」

凭れたままで瞼を閉じてあの時の圧を思い出す。

「王国よりはマシだけど、それでもうちの料理の噂が流れてるのかぁ……」

「後、お祖父様が食べた甘味の味が忘れられなくて、もう一度食べたいってさ」

あー……白桃のシロップ漬けかぁ……

「甘味は簡単に作られるけど、材料がね……いや、後数年もしたら少しずつでも輸出出来るわよ」

「そうだね。白桃の果樹も大分植えたからね。もっと増やす予定だろ?大丈夫だって」

「そうね。まあ、無限収納に白桃は沢山あるから幾らでも作れるし大丈夫だけどね」

「ありがとう。お祖父様が元気な内に食べさせたいからエリーゼに無理させちゃうけど、本当にありがとう」

「そうね……陛下も中々のお年だもの、隙を見て作る……いや、ちょっと待って。収納にあるかも……」

カッ!と目をかっ開いて早速無限収納のリストをチェックする。

「あった!……ん?一十百……きっかり千個あるわ……ドユコト……チビナビちゃん達ったら頑張り過ぎじゃない?」

「いや、チビナビ達はエリーゼの為になる事なら何でもやりたいそうだから、いつ何時でも手に入る様にしたいんだって力説してた。エリーゼは心配するより、どんどん使ってお礼を言っておけば良いと思うな」

「そっか……ごめんねよりありがとうの方が良いわよね。ありがとうルーク」
 
うん。ちょっと注意しないとね。
ネガティブな言葉や考えは胎教にも良くないものね!
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