婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

慌ただしい日々 5

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皇宮で女子会じゃなかった、お茶会です。
皇后陛下と側妃殿下達、皇太子妃殿下と側妃殿下達、皇女殿下達が帝室側。
お母様を始めとしたシルヴァニア家の女性達(アニス情報)と私とアニスとお母様の専属侍女。
帝国貴族の女性の姿が見えません。

「エリーゼ、皆様に甘味を振る舞って欲しいのだけど」

「勿論ですわ。何がよろしいかしら?」

うん、お母様。ソコは想定内ですけど好みが一切分からないのでリクエスト下さい。

「そうね、手軽に摘める松露とバタークッキーと後は食べやすい物が良いのだけど」

松露とバタークッキーとは軽いジャブにもならないと思うけど、まあリクエストがそこなら出しますよ。後、食べやすいかぁ……あ!イチゴ飴あるから、それにしよう!可愛いしツヤツヤピカピカのイチゴ飴はウケが良いと思うのよね!
では!出しますか!
無限収納から織部みたいな深い緑色の少し深いお皿を出して、そこに松露の白と緑をコロコロと出す。
お母様をチラリと見たら目茶苦茶良い笑顔でしたわ。どれだけアンコ好きなのか……
各テーブルに行き渡る数(お皿のよ)を出したら今度はバタークッキーです。
白磁の大皿を数分出して、ザラザラとバタークッキーを山盛りに出す。
エミリ達が素早く各テーブルにお皿を置いて行く。仕事が早い!
最後にさっきのと同じ白磁のお皿を置いて、イチゴ飴(一粒ピン付き)をコロコロ出す。
ん?周りからため息が……

「エリーゼ……イチゴ飴よね?お母様食べた事あったかしら?」

「え?お出しした事ありませんでしたか?」

「こんなに沢山見た事なかったわ……」

しまった!お母様が拗ね拗ねモードに!

「お母様、沢山ありますから好きなだけお食べ下さい!」

(ナビさん!緊急事態です!イチゴ飴を至急増産して下さい!危険な予感しかしません!)

〈かしこまりましたマスター。すぐさまチビナビ達に作らせます〉

(頼んだわよ!)

お母様がニコリトしました。ヤベーヤベー、お母様はスイーツクイーンなので新しい甘味は最初に食べて貰わないと拗ねちゃうんだよね!
拗ねても可愛いんですけど。
こんなに見た目可愛くて声も可愛いのに性格と言うか考え方がとんでもなくSなのがね……いや、可愛い系女王様は人気あるって前世どこかで聞いた覚えがあるから、需要あるのか……お父様はМじゃないのに、男女の仲は難しいわね。
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