婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

春だ!芽吹き時だ!やってやるぜ! 15

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合流したのは夕方の事です。

「エリーゼ様ぁ!」

「アニス!」

赤ちゃん……ローリエちゃんを抱っこして馬車から飛び降りて駆け寄って来ました!
待って!アニス、え?身体能力高くない?いや、そこじゃない!赤ちゃん抱っこして馬車から飛び降りるのはキケン!

「あぶっ……危ないからっ!アニス!」

「平気です!やっと動ける、いえ!動けたんですけど、ローリエが中々っ!」

アニスがわあわあ言ってます。

「アニス。ローリエちゃんのお顔を見せてくれる?」

「勿論ですっ!」

目前でズイッ!とローリエちゃんを差し出されました。
うん、あのね……捧げ物とかじゃないんだから、もうちょっとお手柔らかに扱うべきじゃないのかしら?

「アニス、赤ちゃ……ローリエちゃんがビックリすると思うのよ。もう少し丁寧にね?」

「ローリエなら大丈夫ですっ!エリーゼ様の事、ちゃんと分かるはずです!」

うん、何が分かるのかな?まだ赤ちゃんだし、ねぇ?

「ローリエちゃん、ローリエちゃんのママの主人のエリーゼよ。よろしくね」

挨拶をしたら、とんでもなく良い笑顔をもらいました!天使です!アイリも天使ならローリエちゃんも天使です!
これを機にベビードレスとかヘッドドレスとか可愛いやつを作り出して売ろう!きっと皆気に入ると思うのよ!ただでさえ赤ちゃんが可愛いのに、更に可愛くなるとか良い!そしてカメラを何とかして開発せねば!記録を……可愛い時間は限られてる!何とか記録用魔道具を作らねば!

「へぇ……キースの所の娘も可愛いな!うちのアイリには負けるけど」

「当たり前です。エリーゼ様の冬に咲く薔薇の様な美しさとルーク様の万物を照らす太陽の如き輝きを受け継ぐ姫様に勝てる訳がありません」

……マジか……てか、歯が浮いて破裂する様な言葉を久しぶりに聞いた気がするわ。
スゴイね……スラスラと口から出てくるキースには感心しかないわ……

「ああ!アイリは三国一のお姫様だからな!」

……三国一……レトロな言い回し、久しぶりに聞いた。いや、あんまり違ってないのか。帝国と(元)王国と我が国って表現なら。
ちょっとだけ王族の面々を思い出して負けないな……とか思ったのは秘密にします。
帝国も……乳幼児は見れなかったけど、皆様のお顔から推測して負けなさそう……とか思いました。
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