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レイナールが危ない
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対峙して直ぐにツンツン頭野郎のアレスは、自分になにやら魔法をかけ始めた。
「いいのか? 悪魔キリマル。自己強化しなくてよ?」
「俺ぁ魔法が使えねぇんだわ。まぁ丁度いいハンデかもな」
「そっか。じゃあ俺は遠慮なく、魔法とスキルを使うぜ!」
「ああ、好きにしろ」
殺してぇ。こういう粋がった小僧を、死の恐怖で竦ませる瞬間が堪らんのよ。
「んんん、待ったぁ! キリマル、吾輩の強化魔法を受けたまえ!」
ビャクヤが踊るように俺に近づいてきた。うぜぇ。
「断る。下がれ、ビャクヤ」
「なななな、にゆぇ!」
「あの騎士にハンデをやると約束したからよぉ。俺ぁな、真正面からコイツをボコボコにしてやりてぇんだわ」
「はん! ではどうなっても知らないからねッ! 吾輩の強化魔法はかなり強力なんだが、君がそう言うのなら、もう支援はしない。吾輩とリンネはベンチで見守るとするよッ!」
「ああ、そうしてろ」
俺がそう言うと、リンネとビャクヤはベンチに座って人形のように動かなくなった。奇妙だ。そこまでしろとは言ってねぇんだがな。
「主様の申し出を断るなんて馬鹿な悪魔だな。せっかく室外に出たんだ。俺は竜騎兵らしく竜殺しの槍を使わせてもらうぜ?」
「大層な名前の槍だな? 竜殺し? ただの長いランスにしか見えねぇな?」
「好きなだけ馬鹿にしてろ。いくぞ! 吠えろ! 竜殺し!」
中二病か? 槍が吠えるわけねぇだろ、アホが。
が、奴が剣を使って斬撃を放った時と同じように、今回は槍から龍のような形をした突撃が放たれる。一体どうなってんだ?
空気を切り裂いて龍は噛みつこうとしてきたが、俺は咄嗟に避けた。
確かに避けたんだが、龍は軌道を変えて俺を追撃してくる。
「これも魔法の何かか? もう何でもありだな? え?」
「わりぃな。いきなり必殺技なんてよ。だがそれはお前に敬意を示しての事だ。恨むなよ?」
ツンツン頭野郎は逃げ回る俺を見て、腰に手を当てて笑っている。隙だらけだな。
「この龍、天邪鬼で斬れたりするかな? まぁ斬れねぇだろうな。取りあえずやってみっか」
俺は龍の顎をギリギリで躱して、太い蛇のような首に天邪鬼の斬撃をお見舞いした。
「フンッ!」
スン・・・。
手応えはねぇが・・・。竜は音もなく消えた。
そっか。俺が斬れるわけねぇと思ったから、竜のエネルギー弾みたいなのが斬れたんだな。
じゃあもう次は無理じゃねぇか。斬れるって解ってるんだからよ。天邪鬼は使いにくいな・・・。
「は? 必殺技を斬っただと? そ、そんな事あるんすか! 隊長!」
「そんな非常識な事があるものか。しかし必殺技を消すなどとは・・・。流石は悪魔いったところか。油断するなよ、アレス」
ヒャハハ! 驚いてる驚いてる!
「じゃあ以降は、必殺技を使わずに戦えって事っすか?」
「そういう事になるな。お前は魔法も使えるだろう。魔法と槍術だけでも十分強い。自信を持て」
戦いの最中に外野とお喋りなんていけないなぁ?
俺は地面を滑るように身を低くして走ると、一気にアレスとの間合いを詰めた。
「アレス! よそ見をするな!」
おい、外野がアドバイスなんて卑怯じゃねぇか?
アレスは咄嗟に竜殺しの槍の柄で、俺の薙ぎ払いを受け止めた。
「あ、あぶねぇ!」
一撃で終わると思うなよ? 俺はお前を殺したくてウズウズしてんだ。至近距離では槍は不利だと聞いたぞ? 次は防げるかなぁ? 小僧。ヒャハハハ!
狂ったような連撃をアレスに浴びせる。防戦一方の竜騎兵騎士団のエースは額に冷や汗を流し始めた。
「いいぜ~? その顔。もっと怯えろ。キヒヒヒ!」
俺は手を休めず、一撃をなるべく重く、そしてできるだけ素早くなるよう集中した。
「こいつ、素早い上にそれなりに力もある・・・。細い体のどこにそんな力が・・・」
知らねぇよ。こっちの世界に来たら勝手に強くなってんだよ。そういや素手で相手の体に触れると、爆発するんだったな。
俺は刀を片手持ちに切り替えて、時々アレスを触ってみた。
「おい! さっきからなに俺にベタベタ触ってんだよ!」
刀を片手持ちした事で一撃が軽くなったが、それでも防戦一方なアレスは、鼻に皺を寄せて嫌悪の表情で俺を見る。
「男色の気はないから安心しろ。ヒヒヒ!」
爆発しないな・・・。条件でもあるのかねぇ? じゃあいいや、お触りは無しだ。アレスも気味悪がってるからなぁ?
正直、もう勝負は見えているような気がした。このツンツン頭野郎よりも俺の方が実力は上だ。
「くそ! 離れろ! どこまでも密着しやがって!」
距離をとって槍のリーチを作ろうとするアレスを、ネチネチと追い回す。俺は常に接近戦を挑んでいるので、アレスは槍を満足に使えない。いいザマだぜぇ?
「離れるかよ。なんでお前に有利になるような事してやりゃあなんねぇのよ? アホなのか? 戦う相手がなんで気を使ってくれると思ってんだ? 甘ちゃんだなぁ? 騎士様よぉ?」
「ぐぇ!」
ほーら、刀が鎧の隙間からスーッと入っていったぜ? 柔らかい内臓を貫通したのが解る。気持ちいいねぇ。
ツンツン頭野郎の顔が苦痛と恐怖に歪んでいる・・・。そうそうこの顔この顔! ヒヒヒ。
「た、隊長・・・。俺死んじゃうのかな? もしこいつの蘇生の話が嘘だったらどうしよう・・・。俺怖いっす! グフッ!」
刀を少し抜き差しするとアレスは口から出した血を俺にかけた。汚ねぇな。
「アレス!」
勝ちを確信した俺の背中に何かがぶつかった。
「あちぃ! なんだ?」
隊長が真っ赤な顔をして肩を怒らせている。いや肩だけではなく実際に怒ってるな。火系の魔法を使ったな? 背中に火傷を負ったかもしれん。くそが。
「おい! 卑怯じゃねぇのか? こっちは(珍しく)正々堂々と戦ってやってんのによぉ? 横やり入れてくるなんて騎士の典範に背くんじゃねぇのか?え?」
男みたいな名前のアニエル隊長は俺を押しのけると、倒れそうになったアレスを抱き支えた。
「アレス! アレス!」
はっはーん! こいつらデキてるな? じゃあこいつもアレス共々殺そう。いいよな? ビャクヤ?
俺はベンチで背筋を伸ばして座るビャクヤとリンネを見たが、あいつらは真っ直ぐ前を見たままで動かない。
んだよ、支援を断った事を拗ねてんのか? でもビャクヤが拗ねるのはともかく、リンネは拗ねる必要ないだろ。
何も言わねぇのなら殺してもいいって事だな? じゃあ殺しまーす!
「勝負はあったのぉ?」
マギ学園長が近づいてきた。邪魔するなよ。
「さぁアニエル隊長。そこをどきなさい。キリマル君にアレス君のトドメを刺させるのじゃ」
お、解ってんじゃねぇか、ジジイ。
「嫌だぁ! もしアレスが生き返らなかったらどうするんです! 私の愛おしいアレスが! 彼を失ってずっと生きていく自信が、私にはない!」
「なら死ねッ!」
俺はまずアニエルの首を刎ねた後、アレスの髪を掴んで同じく首を刎ねた。咄嗟の事で周りの竜騎兵騎士団も呆けて動けない。
「あぁぁぁぁぁ! ンギモヂィィィィ!!」
噴水のように辺りを濡らす血を見て俺は白目を剥いて恍惚とする。人を殺すと、なぁ~んでこんなに気持ちがいいんだぁぁぁ!! これはもう脳内麻薬がドバドバと出てるだろう! あひぃぃぃ!
酔いしれて緩んだ手から落ちたアレスの首が、コロコロと転がってアニエルの首と向き合って止まった。
「へへへ、そんなに好き合ってるんだったらよぉ。キスさせてやるよぉ」
俺は二つの頭を近づけて唇と唇を合わせた。
「死んでも愛し合うなんて素敵ですねぇ? 学園長・・・?」
「おわぁ・・・。キリマル君、君やばいね・・・。心が病んでるよ・・・。君が蘇生術を使えると知っていなければ、邪悪な悪魔として退治しているところじゃわい」
「そりゃあどうも」
「で、どうやって生き返らせるんじゃね?」
「さぁ?」
「さぁって・・・。おい! キリマルくぅーん!」
学園長は手足をジタバタさせながらオタオタしている。なんだか可愛いじゃねぇか。髭とサイドの髪を刈り上げて更に可愛くした後、殺そうかな。
「ほっといたら生き返る。もし頭をメインにして蘇るのなら、こいつらキスをしたまま蘇るぞ! ヒャハハ!」
「ひゃあ! キリマル君はエッチじゃのう・・・。ではライアン君とヘンナーさん。彼が嘘をついていない証拠をその目で確かめ・・・。んあ?」
さっきまでいたライアンとヘンナーがいない。
「どこいったんじゃ?」
んー。糞みたいな予感がするな。あの変態二人の思い通りになるような展開の予感が・・・。
「・・・・」
そうか! あいつらめ!
「おい! ビャクヤ、リンネ! レイナールがあぶねぇぞ! おい!」
何だあいつら!ずっと同じ姿勢で微動だにしねぇ! まぁレイナールが口封じのために殺されようがどうでもいいけどよ・・・。
一応良い子ちゃんしとくか。
「学園長、医務室に急いだ方が良いぜ? レイナールの命が狙われている」
「まじで!」
驚くと言動が軽くなるんだな、この爺さん・・・。
「いいのか? 悪魔キリマル。自己強化しなくてよ?」
「俺ぁ魔法が使えねぇんだわ。まぁ丁度いいハンデかもな」
「そっか。じゃあ俺は遠慮なく、魔法とスキルを使うぜ!」
「ああ、好きにしろ」
殺してぇ。こういう粋がった小僧を、死の恐怖で竦ませる瞬間が堪らんのよ。
「んんん、待ったぁ! キリマル、吾輩の強化魔法を受けたまえ!」
ビャクヤが踊るように俺に近づいてきた。うぜぇ。
「断る。下がれ、ビャクヤ」
「なななな、にゆぇ!」
「あの騎士にハンデをやると約束したからよぉ。俺ぁな、真正面からコイツをボコボコにしてやりてぇんだわ」
「はん! ではどうなっても知らないからねッ! 吾輩の強化魔法はかなり強力なんだが、君がそう言うのなら、もう支援はしない。吾輩とリンネはベンチで見守るとするよッ!」
「ああ、そうしてろ」
俺がそう言うと、リンネとビャクヤはベンチに座って人形のように動かなくなった。奇妙だ。そこまでしろとは言ってねぇんだがな。
「主様の申し出を断るなんて馬鹿な悪魔だな。せっかく室外に出たんだ。俺は竜騎兵らしく竜殺しの槍を使わせてもらうぜ?」
「大層な名前の槍だな? 竜殺し? ただの長いランスにしか見えねぇな?」
「好きなだけ馬鹿にしてろ。いくぞ! 吠えろ! 竜殺し!」
中二病か? 槍が吠えるわけねぇだろ、アホが。
が、奴が剣を使って斬撃を放った時と同じように、今回は槍から龍のような形をした突撃が放たれる。一体どうなってんだ?
空気を切り裂いて龍は噛みつこうとしてきたが、俺は咄嗟に避けた。
確かに避けたんだが、龍は軌道を変えて俺を追撃してくる。
「これも魔法の何かか? もう何でもありだな? え?」
「わりぃな。いきなり必殺技なんてよ。だがそれはお前に敬意を示しての事だ。恨むなよ?」
ツンツン頭野郎は逃げ回る俺を見て、腰に手を当てて笑っている。隙だらけだな。
「この龍、天邪鬼で斬れたりするかな? まぁ斬れねぇだろうな。取りあえずやってみっか」
俺は龍の顎をギリギリで躱して、太い蛇のような首に天邪鬼の斬撃をお見舞いした。
「フンッ!」
スン・・・。
手応えはねぇが・・・。竜は音もなく消えた。
そっか。俺が斬れるわけねぇと思ったから、竜のエネルギー弾みたいなのが斬れたんだな。
じゃあもう次は無理じゃねぇか。斬れるって解ってるんだからよ。天邪鬼は使いにくいな・・・。
「は? 必殺技を斬っただと? そ、そんな事あるんすか! 隊長!」
「そんな非常識な事があるものか。しかし必殺技を消すなどとは・・・。流石は悪魔いったところか。油断するなよ、アレス」
ヒャハハ! 驚いてる驚いてる!
「じゃあ以降は、必殺技を使わずに戦えって事っすか?」
「そういう事になるな。お前は魔法も使えるだろう。魔法と槍術だけでも十分強い。自信を持て」
戦いの最中に外野とお喋りなんていけないなぁ?
俺は地面を滑るように身を低くして走ると、一気にアレスとの間合いを詰めた。
「アレス! よそ見をするな!」
おい、外野がアドバイスなんて卑怯じゃねぇか?
アレスは咄嗟に竜殺しの槍の柄で、俺の薙ぎ払いを受け止めた。
「あ、あぶねぇ!」
一撃で終わると思うなよ? 俺はお前を殺したくてウズウズしてんだ。至近距離では槍は不利だと聞いたぞ? 次は防げるかなぁ? 小僧。ヒャハハハ!
狂ったような連撃をアレスに浴びせる。防戦一方の竜騎兵騎士団のエースは額に冷や汗を流し始めた。
「いいぜ~? その顔。もっと怯えろ。キヒヒヒ!」
俺は手を休めず、一撃をなるべく重く、そしてできるだけ素早くなるよう集中した。
「こいつ、素早い上にそれなりに力もある・・・。細い体のどこにそんな力が・・・」
知らねぇよ。こっちの世界に来たら勝手に強くなってんだよ。そういや素手で相手の体に触れると、爆発するんだったな。
俺は刀を片手持ちに切り替えて、時々アレスを触ってみた。
「おい! さっきからなに俺にベタベタ触ってんだよ!」
刀を片手持ちした事で一撃が軽くなったが、それでも防戦一方なアレスは、鼻に皺を寄せて嫌悪の表情で俺を見る。
「男色の気はないから安心しろ。ヒヒヒ!」
爆発しないな・・・。条件でもあるのかねぇ? じゃあいいや、お触りは無しだ。アレスも気味悪がってるからなぁ?
正直、もう勝負は見えているような気がした。このツンツン頭野郎よりも俺の方が実力は上だ。
「くそ! 離れろ! どこまでも密着しやがって!」
距離をとって槍のリーチを作ろうとするアレスを、ネチネチと追い回す。俺は常に接近戦を挑んでいるので、アレスは槍を満足に使えない。いいザマだぜぇ?
「離れるかよ。なんでお前に有利になるような事してやりゃあなんねぇのよ? アホなのか? 戦う相手がなんで気を使ってくれると思ってんだ? 甘ちゃんだなぁ? 騎士様よぉ?」
「ぐぇ!」
ほーら、刀が鎧の隙間からスーッと入っていったぜ? 柔らかい内臓を貫通したのが解る。気持ちいいねぇ。
ツンツン頭野郎の顔が苦痛と恐怖に歪んでいる・・・。そうそうこの顔この顔! ヒヒヒ。
「た、隊長・・・。俺死んじゃうのかな? もしこいつの蘇生の話が嘘だったらどうしよう・・・。俺怖いっす! グフッ!」
刀を少し抜き差しするとアレスは口から出した血を俺にかけた。汚ねぇな。
「アレス!」
勝ちを確信した俺の背中に何かがぶつかった。
「あちぃ! なんだ?」
隊長が真っ赤な顔をして肩を怒らせている。いや肩だけではなく実際に怒ってるな。火系の魔法を使ったな? 背中に火傷を負ったかもしれん。くそが。
「おい! 卑怯じゃねぇのか? こっちは(珍しく)正々堂々と戦ってやってんのによぉ? 横やり入れてくるなんて騎士の典範に背くんじゃねぇのか?え?」
男みたいな名前のアニエル隊長は俺を押しのけると、倒れそうになったアレスを抱き支えた。
「アレス! アレス!」
はっはーん! こいつらデキてるな? じゃあこいつもアレス共々殺そう。いいよな? ビャクヤ?
俺はベンチで背筋を伸ばして座るビャクヤとリンネを見たが、あいつらは真っ直ぐ前を見たままで動かない。
んだよ、支援を断った事を拗ねてんのか? でもビャクヤが拗ねるのはともかく、リンネは拗ねる必要ないだろ。
何も言わねぇのなら殺してもいいって事だな? じゃあ殺しまーす!
「勝負はあったのぉ?」
マギ学園長が近づいてきた。邪魔するなよ。
「さぁアニエル隊長。そこをどきなさい。キリマル君にアレス君のトドメを刺させるのじゃ」
お、解ってんじゃねぇか、ジジイ。
「嫌だぁ! もしアレスが生き返らなかったらどうするんです! 私の愛おしいアレスが! 彼を失ってずっと生きていく自信が、私にはない!」
「なら死ねッ!」
俺はまずアニエルの首を刎ねた後、アレスの髪を掴んで同じく首を刎ねた。咄嗟の事で周りの竜騎兵騎士団も呆けて動けない。
「あぁぁぁぁぁ! ンギモヂィィィィ!!」
噴水のように辺りを濡らす血を見て俺は白目を剥いて恍惚とする。人を殺すと、なぁ~んでこんなに気持ちがいいんだぁぁぁ!! これはもう脳内麻薬がドバドバと出てるだろう! あひぃぃぃ!
酔いしれて緩んだ手から落ちたアレスの首が、コロコロと転がってアニエルの首と向き合って止まった。
「へへへ、そんなに好き合ってるんだったらよぉ。キスさせてやるよぉ」
俺は二つの頭を近づけて唇と唇を合わせた。
「死んでも愛し合うなんて素敵ですねぇ? 学園長・・・?」
「おわぁ・・・。キリマル君、君やばいね・・・。心が病んでるよ・・・。君が蘇生術を使えると知っていなければ、邪悪な悪魔として退治しているところじゃわい」
「そりゃあどうも」
「で、どうやって生き返らせるんじゃね?」
「さぁ?」
「さぁって・・・。おい! キリマルくぅーん!」
学園長は手足をジタバタさせながらオタオタしている。なんだか可愛いじゃねぇか。髭とサイドの髪を刈り上げて更に可愛くした後、殺そうかな。
「ほっといたら生き返る。もし頭をメインにして蘇るのなら、こいつらキスをしたまま蘇るぞ! ヒャハハ!」
「ひゃあ! キリマル君はエッチじゃのう・・・。ではライアン君とヘンナーさん。彼が嘘をついていない証拠をその目で確かめ・・・。んあ?」
さっきまでいたライアンとヘンナーがいない。
「どこいったんじゃ?」
んー。糞みたいな予感がするな。あの変態二人の思い通りになるような展開の予感が・・・。
「・・・・」
そうか! あいつらめ!
「おい! ビャクヤ、リンネ! レイナールがあぶねぇぞ! おい!」
何だあいつら!ずっと同じ姿勢で微動だにしねぇ! まぁレイナールが口封じのために殺されようがどうでもいいけどよ・・・。
一応良い子ちゃんしとくか。
「学園長、医務室に急いだ方が良いぜ? レイナールの命が狙われている」
「まじで!」
驚くと言動が軽くなるんだな、この爺さん・・・。
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