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鍔迫り合いの末
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リンネがギルドの酒場で紅茶を飲んでいると、ボロボロになったビャクヤが入って来た。
「だ、大丈夫?」
ポルロンドは世界中から色んな種族が集まる国とはいえ、あの道端に座っていた浮浪者が、上位魔法を数々操るビャクヤをこんな目に遭わせる力を持っていた事にリンネは驚いた。
「ええ・・・。大丈夫です」
木の棒を支えにしてよろめく彼の体を支えて、椅子に座ららせるとリンネは給仕に紅茶を頼む。
「ビャクヤがそんなになるって、あのホームレスさんは余程強かったのね? でもビャクヤを倒すのってキリマルでも難しそうだけど・・・」
目を丸くしてビャクヤの体に傷がないかをリンネは調べたが、問題なさそうだ。
「ホームレスかと思っていた彼はッ! 実は元冒険者の情報屋でしたッ!」
「情報屋? じゃあなんで襲ってきたのよ・・・」
「吾輩たちを怪しく思ってッ! 何者なのか調べようとしたみたいでんすッ!」
「もっと他のやり方があるでしょうに・・・」
「変質者を装うのがッ! 自然であると思ったそうですよッ!」
「う、嘘臭い・・・(人を試す為に陰部を露出するかしら?)」
「元アサッシンだった彼のイチモツはッ! 猛者のそれでしたッ!」
「そんな話、聞きたくないんだけど・・・」
しかしビャクヤは夢中になっており、リンネの反応すら見ていない。
「彼はッ! 吾輩の鉄の如き肉棒と鍔迫り合いをできるほどのッ! チン強度を持っておりまんしたッ! 童顔が多い地走り族の中でもッ! 彼はオッサン臭さを漂わせていたのでッ! もしかしたらッ! 結構なご年配かもしれないッ! なのにッ! 彼のその硬いナニはッ! 的確に吾輩の尻穴を狙ってくるのですッ! お尻マウントを取られた時にはッ! 流石に心がくじけッ! 負けを認めそうになりましたがッ! 先祖代々から伝わるッ! 我がリフレクトマントがッ! アヌスを守ってくれたのですッ! 激闘の末、リンネとの夜を想像しながらビッキビキになった吾輩のイチモツでッ! 彼の頭を強く叩いてやったらッ! 彼は軽い脳震盪を起こして跪きッ! 負けを認めましたッ! テデーン!」
「なに、その戦い・・・。ビャクヤはメイジなのになんで肉弾戦なんかしたの?(元アサッシンと格闘をして互角なメイジってのも凄いけど・・・)」
「いえ、肉弾戦ではなく肉棒戦なので、無問題デスッ!」
「馬鹿・・・」
カップルの奇妙な会話に眉根を寄せる給仕は、運んできた紅茶をビャクヤの前に置いて、リンネからお金を受け取ると他の客の注文を取りに行った。
「もう報酬は貰ったのですねッ? 言葉が通じないのにご苦労様でしたッ!」
「受付に行って依頼達成票を見せるだけだしね。報酬は銀貨五枚。これだけあれば今日の宿代は余裕ね。お金貰って直ぐに魔法具店に入って、翻訳のペンダントも買っておいたから、もう紅茶でもなんでも注文できるわよ?」
「流石は行動力があるンネッ!」
「行動力があるという言葉と、私の名前を一緒くたにして言わないでよ」
「今はまだお腹が空いていないので、食事は後にします。ところでリンネッ! 吾輩はすんばらしい報を手に入れましたよッ!」
「なぁに?」
リンネは机に肘を突くと前のめりになってビャクヤに顔を寄せる。
ビャクヤは顔の近い彼女にキスをしたくなったが堪えた。
「吾輩ッ! 情報屋と激闘の末に仲良くなりましてなッ! ただで情報を頂いたのでんすッ!」
「もしかして、樹族国の地下図書館だか地下書庫の話?」
「その通りッ!」
ビャクヤは仮面にドヤ顔を表している。そしてその仮面を少し上にずらすと、小指をピンと立てて紅茶のカップを持った。
「既に冒険者の間ではッ! あの場所は知れ渡っていたようですッ!」
そう言ってビャクヤは紅茶を上品に一口含み、口の中で香りを楽しんだ。しかし、徐々に仮面の表情が厳しくなる。
「ま、まずぃ・・・。紅茶はやはり樹族国のものが一番ですな・・・。ポルロンド国の人は、商売っ気が強くて客を喜ばせる事よりもッ! 利益を優先してしまいますのでッ!」
「で、情報とは?」
「地下図書館の大凡の位置と、その他の情報でしたッ!」
「ありがたいわね。お金を取られてもおかしくないくらいの情報よ」
「ええ。チン迫り合いをした甲斐があったウホッ!」
リンネが白けた目で見てくるので、ビャクヤは咳ばらいをして話を続ける。
「階層は地下一階しかないのですがッ! 樹族国の首都アルケディアの真下に広がる広大な墓地にはッ! 勿論アンデッドが徘徊していますッ! お化け屋敷的なアトラクションとして使われている場所もあり、そこは比較的安全デスッ! そこから入って北を目指していけばッ! 大きな扉が見つかるそうデスッ! 場所的には、アルケディアの中心部ですねッ!」
「無駄に探索せずに済みそうだね。大きな扉って開くの?」
「それが・・・。扉の向こう側にはジャイアントゾンビが座っていてッ! ドアを押さえているそうでぃすッ!」
「えぇー・・・。ジャイアントゾンビかぁ・・・。中級だから私でもギリギリ倒せるかもしれないけど、扉の向こう側にいるんだったら、【光玉】が当たらないじゃない・・・。出来れば障害物があっても関係なくアンデッドを浄化できる僧侶か聖騎士あたりがいてくれると助かるなぁ」
「更にその奥には謎の老婆ッ! ―――恐らくは図書館の司書だとは思いますが・・・。彼女に気に入られなかった者は地上へ送り返されるそうですッ!」
「えーー! ジャイアントゾンビを突破しても、召喚術書の下巻は確実に手に入らないんだ?」
「ええッ! だから召喚術書をノームに売った冒険者は、老婆に出会う前に盗んできたのだと思いますッ!」
「よくジャイアントゾンビを倒せたわね・・・」
「いえ、一応小さな抜け穴があるらしいのですがッ! 地走り族の中でも特に小さい者以外はッ! 出入りが難しいとのことッ!」
「そっかー。でもほんと手探り状態だったから、ビャクヤが情報を手に入れてくれて良かったわ」
「ええ、チン迫り合いした甲斐・・・」
「もういいって、チンの話は・・・。それにビャクヤのおちんちんは私のものなんだから、変な事に使わないで? 約束よ?]
顔を赤くしてそういうリンネにビャクヤは胸がキュンと鳴る。
「ああ、愛しきリンネッ! そんなにまで吾輩のおちんちんを愛してくれているなんてッ!」
「ちょっと! 声が大きい! もう!」
周りの客がクスクスと笑っているので、リンネは恥ずかしくなって立ち上がると、酒場の主に宿代を払って部屋の鍵を受け取り、さっさと二階へと上がって行ってしまった。
「照れ屋さんめッ!」
ビャクヤは踊るようにしてリンネの後を追う。
勿論、ビャクヤは部屋に入ってからリンネと滅茶苦茶セックスした。
「セックスの話はもう止めろ! アマリもさっさと刀に戻れ!」
実力値の上がったアオは戦いに余裕があるせいか、休憩時間になるとアマリと「きゃあきゃあ」言いながら下ネタトークに盛り上がっていた。アマリはアオと気が合うのか、迷宮に入ってから二人でいる事が多くなった。
「そうだ! そうだ! 下ネタトークばっかりしやがって! 童貞の俺の身にもなれ! アオは意外とむっつりスケベだったんだな!」
レッドが前屈みになりながらそう言う。こいつ自分で童貞キャラを前面に出しだしたな・・・。
「わ、私はただの好奇心で話を聞いていただけです! 冒険者はいつ死ぬかわからないのですから、子孫を残す事に興味を持つのは当たり前でしょう! ね? モモ」
思わぬところから巻き添えを食らったモモは、「ふえぇ?」と答えただけだった。
「ちょっと気が緩み過ぎだなぁ? アオよ。俺たちはまだまだ技や術の練度を上げなきゃならねぇんだぞ。実力値ってのは実力の器の総合値だ。その器を満たさないと完全な力は発揮できねぇんだからよ、気を引き締めていこうや」
陰キャのブラックがアオを訓戒する。
流石ネガティブな思考しているだけあって、常に最悪を想定して生きているな。どんな時も現状を良しとしない性格は気に入った。
「そうだぞ。ちょっとの事で命取りになる迷宮で、慢心は禁物だ。練度を上げて、そのちょっとした失敗を減らさねぇとな。まぁでも一番何か仕出かしそうなのはドンだけどよ。ガッハッハ!」
イエローが笑うと珍しくウッドペックが口を開いた。
「イエローの大声に、何かが反応して近づいてきた」
「おい、イエロー! 人の事言えねぇじゃねぇかよ!」
レッドが咎める。
「すまねぇ」
素直に謝ってイエローは、魔法のグレートハンマーを構えるとウッドペックが指差す方へと歩く。
元々魔法の武器を持つイエローは、侍大将の兜を売った金で魔法の胸鎧を買っていたので、タンクとしてはより一層頼もしくなっていた。
「あんまり無茶するなよ。お前のハンマーも防具もレジェンドじゃなくて、ただの+1なんだからよ」
何かとふわふわしているパーティなのでブラックが釘を刺す。
「わかってるって。だからお前らがいるんだろ。危なくなったら盾役代われよ?」
「ああ」
軽装戦士のブラックは新しく買ったサーベル+1をすらりと抜くと左手を後ろにして、暗闇で蠢き近づく魔物に向けて構える。
「敵はなんだ? キリマル見えるか?」
前衛の中で唯一全身鎧を着るレッドは、赤い鎧を魔法の灯りに煌めかせながら、イエローの横に並んでバスタードソードを両手持ちした。
「スライム・・・の類か? 俺も魔物の事はそんな詳しくねぇんだわ。ゴミを纏ったスライムみたいなのが這い寄って来るな」
「ダスターか。迷宮の掃除屋だな。楽勝だ」
「俺はお前らがピンチになるまで動かねぇからな」
俺がそう言うとイエローが「ガハハ」と笑った。
「問題ねぇ! 実力値が上がって慢心する気はねぇが、ダスターは格下だ!」
そうかよ。じゃあ俺は観戦させてもらう。
「だ、大丈夫?」
ポルロンドは世界中から色んな種族が集まる国とはいえ、あの道端に座っていた浮浪者が、上位魔法を数々操るビャクヤをこんな目に遭わせる力を持っていた事にリンネは驚いた。
「ええ・・・。大丈夫です」
木の棒を支えにしてよろめく彼の体を支えて、椅子に座ららせるとリンネは給仕に紅茶を頼む。
「ビャクヤがそんなになるって、あのホームレスさんは余程強かったのね? でもビャクヤを倒すのってキリマルでも難しそうだけど・・・」
目を丸くしてビャクヤの体に傷がないかをリンネは調べたが、問題なさそうだ。
「ホームレスかと思っていた彼はッ! 実は元冒険者の情報屋でしたッ!」
「情報屋? じゃあなんで襲ってきたのよ・・・」
「吾輩たちを怪しく思ってッ! 何者なのか調べようとしたみたいでんすッ!」
「もっと他のやり方があるでしょうに・・・」
「変質者を装うのがッ! 自然であると思ったそうですよッ!」
「う、嘘臭い・・・(人を試す為に陰部を露出するかしら?)」
「元アサッシンだった彼のイチモツはッ! 猛者のそれでしたッ!」
「そんな話、聞きたくないんだけど・・・」
しかしビャクヤは夢中になっており、リンネの反応すら見ていない。
「彼はッ! 吾輩の鉄の如き肉棒と鍔迫り合いをできるほどのッ! チン強度を持っておりまんしたッ! 童顔が多い地走り族の中でもッ! 彼はオッサン臭さを漂わせていたのでッ! もしかしたらッ! 結構なご年配かもしれないッ! なのにッ! 彼のその硬いナニはッ! 的確に吾輩の尻穴を狙ってくるのですッ! お尻マウントを取られた時にはッ! 流石に心がくじけッ! 負けを認めそうになりましたがッ! 先祖代々から伝わるッ! 我がリフレクトマントがッ! アヌスを守ってくれたのですッ! 激闘の末、リンネとの夜を想像しながらビッキビキになった吾輩のイチモツでッ! 彼の頭を強く叩いてやったらッ! 彼は軽い脳震盪を起こして跪きッ! 負けを認めましたッ! テデーン!」
「なに、その戦い・・・。ビャクヤはメイジなのになんで肉弾戦なんかしたの?(元アサッシンと格闘をして互角なメイジってのも凄いけど・・・)」
「いえ、肉弾戦ではなく肉棒戦なので、無問題デスッ!」
「馬鹿・・・」
カップルの奇妙な会話に眉根を寄せる給仕は、運んできた紅茶をビャクヤの前に置いて、リンネからお金を受け取ると他の客の注文を取りに行った。
「もう報酬は貰ったのですねッ? 言葉が通じないのにご苦労様でしたッ!」
「受付に行って依頼達成票を見せるだけだしね。報酬は銀貨五枚。これだけあれば今日の宿代は余裕ね。お金貰って直ぐに魔法具店に入って、翻訳のペンダントも買っておいたから、もう紅茶でもなんでも注文できるわよ?」
「流石は行動力があるンネッ!」
「行動力があるという言葉と、私の名前を一緒くたにして言わないでよ」
「今はまだお腹が空いていないので、食事は後にします。ところでリンネッ! 吾輩はすんばらしい報を手に入れましたよッ!」
「なぁに?」
リンネは机に肘を突くと前のめりになってビャクヤに顔を寄せる。
ビャクヤは顔の近い彼女にキスをしたくなったが堪えた。
「吾輩ッ! 情報屋と激闘の末に仲良くなりましてなッ! ただで情報を頂いたのでんすッ!」
「もしかして、樹族国の地下図書館だか地下書庫の話?」
「その通りッ!」
ビャクヤは仮面にドヤ顔を表している。そしてその仮面を少し上にずらすと、小指をピンと立てて紅茶のカップを持った。
「既に冒険者の間ではッ! あの場所は知れ渡っていたようですッ!」
そう言ってビャクヤは紅茶を上品に一口含み、口の中で香りを楽しんだ。しかし、徐々に仮面の表情が厳しくなる。
「ま、まずぃ・・・。紅茶はやはり樹族国のものが一番ですな・・・。ポルロンド国の人は、商売っ気が強くて客を喜ばせる事よりもッ! 利益を優先してしまいますのでッ!」
「で、情報とは?」
「地下図書館の大凡の位置と、その他の情報でしたッ!」
「ありがたいわね。お金を取られてもおかしくないくらいの情報よ」
「ええ。チン迫り合いをした甲斐があったウホッ!」
リンネが白けた目で見てくるので、ビャクヤは咳ばらいをして話を続ける。
「階層は地下一階しかないのですがッ! 樹族国の首都アルケディアの真下に広がる広大な墓地にはッ! 勿論アンデッドが徘徊していますッ! お化け屋敷的なアトラクションとして使われている場所もあり、そこは比較的安全デスッ! そこから入って北を目指していけばッ! 大きな扉が見つかるそうデスッ! 場所的には、アルケディアの中心部ですねッ!」
「無駄に探索せずに済みそうだね。大きな扉って開くの?」
「それが・・・。扉の向こう側にはジャイアントゾンビが座っていてッ! ドアを押さえているそうでぃすッ!」
「えぇー・・・。ジャイアントゾンビかぁ・・・。中級だから私でもギリギリ倒せるかもしれないけど、扉の向こう側にいるんだったら、【光玉】が当たらないじゃない・・・。出来れば障害物があっても関係なくアンデッドを浄化できる僧侶か聖騎士あたりがいてくれると助かるなぁ」
「更にその奥には謎の老婆ッ! ―――恐らくは図書館の司書だとは思いますが・・・。彼女に気に入られなかった者は地上へ送り返されるそうですッ!」
「えーー! ジャイアントゾンビを突破しても、召喚術書の下巻は確実に手に入らないんだ?」
「ええッ! だから召喚術書をノームに売った冒険者は、老婆に出会う前に盗んできたのだと思いますッ!」
「よくジャイアントゾンビを倒せたわね・・・」
「いえ、一応小さな抜け穴があるらしいのですがッ! 地走り族の中でも特に小さい者以外はッ! 出入りが難しいとのことッ!」
「そっかー。でもほんと手探り状態だったから、ビャクヤが情報を手に入れてくれて良かったわ」
「ええ、チン迫り合いした甲斐・・・」
「もういいって、チンの話は・・・。それにビャクヤのおちんちんは私のものなんだから、変な事に使わないで? 約束よ?]
顔を赤くしてそういうリンネにビャクヤは胸がキュンと鳴る。
「ああ、愛しきリンネッ! そんなにまで吾輩のおちんちんを愛してくれているなんてッ!」
「ちょっと! 声が大きい! もう!」
周りの客がクスクスと笑っているので、リンネは恥ずかしくなって立ち上がると、酒場の主に宿代を払って部屋の鍵を受け取り、さっさと二階へと上がって行ってしまった。
「照れ屋さんめッ!」
ビャクヤは踊るようにしてリンネの後を追う。
勿論、ビャクヤは部屋に入ってからリンネと滅茶苦茶セックスした。
「セックスの話はもう止めろ! アマリもさっさと刀に戻れ!」
実力値の上がったアオは戦いに余裕があるせいか、休憩時間になるとアマリと「きゃあきゃあ」言いながら下ネタトークに盛り上がっていた。アマリはアオと気が合うのか、迷宮に入ってから二人でいる事が多くなった。
「そうだ! そうだ! 下ネタトークばっかりしやがって! 童貞の俺の身にもなれ! アオは意外とむっつりスケベだったんだな!」
レッドが前屈みになりながらそう言う。こいつ自分で童貞キャラを前面に出しだしたな・・・。
「わ、私はただの好奇心で話を聞いていただけです! 冒険者はいつ死ぬかわからないのですから、子孫を残す事に興味を持つのは当たり前でしょう! ね? モモ」
思わぬところから巻き添えを食らったモモは、「ふえぇ?」と答えただけだった。
「ちょっと気が緩み過ぎだなぁ? アオよ。俺たちはまだまだ技や術の練度を上げなきゃならねぇんだぞ。実力値ってのは実力の器の総合値だ。その器を満たさないと完全な力は発揮できねぇんだからよ、気を引き締めていこうや」
陰キャのブラックがアオを訓戒する。
流石ネガティブな思考しているだけあって、常に最悪を想定して生きているな。どんな時も現状を良しとしない性格は気に入った。
「そうだぞ。ちょっとの事で命取りになる迷宮で、慢心は禁物だ。練度を上げて、そのちょっとした失敗を減らさねぇとな。まぁでも一番何か仕出かしそうなのはドンだけどよ。ガッハッハ!」
イエローが笑うと珍しくウッドペックが口を開いた。
「イエローの大声に、何かが反応して近づいてきた」
「おい、イエロー! 人の事言えねぇじゃねぇかよ!」
レッドが咎める。
「すまねぇ」
素直に謝ってイエローは、魔法のグレートハンマーを構えるとウッドペックが指差す方へと歩く。
元々魔法の武器を持つイエローは、侍大将の兜を売った金で魔法の胸鎧を買っていたので、タンクとしてはより一層頼もしくなっていた。
「あんまり無茶するなよ。お前のハンマーも防具もレジェンドじゃなくて、ただの+1なんだからよ」
何かとふわふわしているパーティなのでブラックが釘を刺す。
「わかってるって。だからお前らがいるんだろ。危なくなったら盾役代われよ?」
「ああ」
軽装戦士のブラックは新しく買ったサーベル+1をすらりと抜くと左手を後ろにして、暗闇で蠢き近づく魔物に向けて構える。
「敵はなんだ? キリマル見えるか?」
前衛の中で唯一全身鎧を着るレッドは、赤い鎧を魔法の灯りに煌めかせながら、イエローの横に並んでバスタードソードを両手持ちした。
「スライム・・・の類か? 俺も魔物の事はそんな詳しくねぇんだわ。ゴミを纏ったスライムみたいなのが這い寄って来るな」
「ダスターか。迷宮の掃除屋だな。楽勝だ」
「俺はお前らがピンチになるまで動かねぇからな」
俺がそう言うとイエローが「ガハハ」と笑った。
「問題ねぇ! 実力値が上がって慢心する気はねぇが、ダスターは格下だ!」
そうかよ。じゃあ俺は観戦させてもらう。
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