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裏切られた王
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(めそめそとうっとおしい。いつまで泣いているつもりだ? 王子に渡された手紙から、シソの匂いがすると言った途端これだ)
私室の椅子に座って声を出さずに泣く、栗毛の王の王冠でも斬って泣き止ませようかと思ったが、王の盾がシュラスの肩に触れて泣き止むよう慰めた。
「泣き止みませい、シュラス国王陛下。以前と違ってもうここには、最善策を授けてくれる辺境伯はおらんのですぞ。この者の報告をどこまで信用し、どのような処分を下すかは、王である貴方が決めねばなりません」
「わかっておる。しかしじゃ・・・。信じておった弟と妹に裏切られて泣かずにおれるか? しかも息子は遺跡に閉じこもり死ぬまで出て来んつもりじゃ。なにせワシは息子を疑って殺そうとしたんじゃからな。父としてどうして息子を信じてやれなかったのか・・・」
嘆く王を見て、王を常に守る盾でもあるシルビィの父親は、立派な赤い髭を撫でて鼻から静かに長い息を吐く。
「それも致し方がない事です。陛下の親族はサラサス様とシソ様だけですからな。きっと二人は旧王族にでもたぶらかされたのでしょう。しかしながら、牙を剥く者が親兄弟であれなんであれ、陛下は非情にならねば。国の主が真っ先に考えなければいけない事はなにか。それは民の安寧です。壊れた秤のようにお上が不安定では、国に平和など訪れません。さぁ背筋を伸ばして泣き止みませい、我が王よ」
しゃくりあげる王の動きが止まり、目に光が灯ったように見えた。それから「そうじゃ、もうワシは傀儡王ではない」と呟いて背筋を伸ばした。
「小僧だったお前が、偉そうな物言いをするようになった」
やもすれば地走り族に見える小さな王は、洋紅色のベルベット服の袖で涙を拭い、立ち上がるとリューロックの脚絆を叩いた。
「リューロック、裏側の長をここへ呼べ。あれはこちらが訊くまで、情報を出さんからな。訊いても国防の為と言い張って情報を出さん時もあるが・・・。何か知っておるかもしれん。キリマルの持ってきた情報の裏を取る。もし裏が取れたならば・・・。キリマルにはもう一仕事頼む。じゃがその前にやってもらいたいことがある」
シュラスは、片目を瞑って素知らぬ顔をするリューロックを見てから俺を見て頷いた。リューロックの娘であるシルビィを救出しろって事だろうな。
「ワシは・・・。知っておったのじゃ、リューロック。息子が親友に王位継承権を与えていた事を。しかしそれが誰かまでは分からなかった。だからコノハの親友であるシルビィたちが、上手く息子を説得してくれる事を願っておった。決してお前の娘を捨て駒にしたわけではないぞ」
その情報は俺が貰った資料にはなかったなぁ? つまり悪魔である俺に対しては純粋に王子殺しの依頼だったわけか。俺が道中で情報を得ず、王子を見つけ次第殺していたら、一体どうするつもりだったんだろうな?
「騎士の道を選んだのは彼女自身です。騎士は王の命令であれば、命を投げ出すのも厭わないものです。今回の任務で死んだとしてもそれは名誉の死。それから陛下。我が娘の為にワンドリッターと表立って敵対する必要はありません」
俺は涼しい顔でそう言ってのけるリューロックの顔を見てムカムカしてきた。
(くそったれが。なんでそう簡単に自分の娘を見捨てる事ができるんだぁ? お前のせいでシルビィの顔がミドリの顔と重なるだろうが)
父親面するのは柄にもねぇと自覚しつつも、俺はチッと舌打ちをした。
「シルビィは騎士である前によぉ、お前の娘じゃぁねぇのか?」
シルビィと同じ、赤い髪の筋肉達磨を睨み付ける。
「暗殺者風情が口を挟むな」
リューロックは俺を睨み返して、鬼の金棒のような武器で床を軽く叩いて威嚇してくる。
この赤髭をくそブチ殺してやろうかと思っていると、剣呑とした空気を察したシュラスが割り込んできた。
「待て、リューロック。彼も人の親。キリマルにも娘がいたんじゃったかの?」
「そうだ」
「だったら一人の親としてお前もシルビィの救出を頼め。ここは王の私室。誰の目もない。今は裏側も下がらせておる。お前の娘を助けられるのはキリマル以外にはおらんのだぞ」
「なぜそう言い切れます? そもそもキリマルとは何者なのですか? 陛下」
「ひ、東の大陸からやって来た凄腕の剣士じゃ」
「ほう。樹族の剣士。樹族国ではあり得ないですが、東の大陸ならば、なくはないですな」
リューロックは俺が何者か見抜いているぞ、王様よ。
奴の目線が、俺の胸にある変身の魔法を付与された首飾りで留まっている。このマジックアイテムがどういった物なのかを知っているって顔だ。
赤髭を撫でてシルビィの父親は両目を閉じた。
「だが、断る! 陛下の申し出であろうとも! ここで親が出張ればシルビィは一生、生ぬるい覚悟を持った中途半端な騎士となろう!」
「頑固者の阿呆め!」
小さな王が地団駄を踏んで憤慨する。
俺も王と同じ意見だ、頑固者の阿呆が。その鼻の下のターンAガンダムみたいな髭をちょび髭にしてやろうか。
「ハ! 娘の命よりも騎士道かよ! 騎士の典範に糞の神の糞が落ちてきますようにと、祈っておくぜ。俺はシルビィに助けてくれと頼まれた。だから助けに行く」
「ふん! 背ばかり高くてヒョロヒョロのお前が、どうやってワンドリッターに挑むつもりだ?」
お前こそ、何をどうやったら華奢な樹族が筋肉パンパンになるんだ? あぁ、そういえば似たようなのがいたな。あのオッサンを思い出すぜ。超兄貴みたいな禿親父。リンネの父親。タイタンだかアトラスだか名前は忘れたが。
「ヒャハハ! どうやってもなにもよぉ、俺様を城のど真ん中にでも転移してくれればいい。そしたらワンドリッターの首でも何でも斬ってやるぜ」
「策もなしに行くのか! 実に浅はか! そこまで言うなら止めはせん。お前は王からの信頼も厚そうだしな。これを持っていけ」
分厚いガラスの小瓶に、白く輝く液体が入った物をリューロックは投げて寄越した。手渡せよ、糞が。
「なんだ? これは」
「お前は樹族なのに、これが何かもわからないのか? 実に嘆かわしい。強力な回復薬だ。一気に飲むでないぞ、殺し屋。一口で十分だ。それで三回分ある。身体欠損も治すから、使いどころをよく考えるのだな」
「へぇ、ありがたいね。ではシルビィに使うとしよう」
「べ、別に娘の為に渡したのではない!」
オッサンのツンデレほど気持ちの悪いものはねぇな。
「ではワンドリッター城まで転移を頼む」
床を這う淫ら虫は、下着姿で磔台に縛られているシルビィの脚を遂に見つけ、絡みついてきた。
「や、やめさせろぉ! 拷問官! こんな気色の悪い拷問があるものか!」
視線を向けられた拷問官は興味無さそうにシルビィを一瞥すると、奥の部屋に入って扉を閉めた。
粘り気のある体液で濡れる淫ら虫は――――、縛り付けられた脚でシルビィがどう抗おうが、閉じた股の付け根までやってくる。そして匂いを確かめるようにして鎌首を振る。
ある程度匂いを確かめると、のそりと下着の隙間に頭を突っ込んだ。まだ秘部には入ってこない。割れ目に沿って動き、陰核をヌルヌルの頭で擦っているのだ。
「ぐぅ・・・。くそ! ふ、ふん! まだ耐えられる。まさか毎夜密かに読んでいた『凌辱されしダスティネス』のような目に自分が遭うとはな・・・・! ん? ふぁぁ!」
淫ら虫は突然激しく頭を振って陰核を強く刺激しだした。脳みそが痺れるような快楽が押し寄せてくる。
「まだだ! まだ濡れてはおらん! えぇい! キリマル! 早く来い」
歯を食いしばって快楽に抗うシルビィの耳に、聞きなれた皮肉屋の声が聞こえてくる。
「君の愛おしいキリマルじゃなくて申し訳ないね。それにしても・・・、オェッ!」
どうやって潜り込んだのか、拷問官が入っていった部屋からステコが現れた。
そして腕を組んで、シルビィの股で蠢くピンクの淫ら虫を気味悪そうに見ている。
彼の隣には兄トメオもいた。トメオは拷問官を気絶させて肩に担いでいた。
「早く虫を何とかしてくれ! 頭がもうアソコに入りかけている!」
シルビィの大声にステコは驚いて口に指を当てた。
「シーッ! 大声を出すな。今やる。しかし私はアレに触りたくないな・・・。トメオ兄さん頼む」
トメオは頷くと魔法詠唱を開始した。
「蠢く虫の呼吸を止めろ!【虫殺し】」
シルビィの下半身を白い雲が包むと、淫ら虫はズリュっと音をさせて床に落ちた。
「もう奥まで入っていたのではないかね?」
ステコのニヤニヤ顔に、シルビィは顔を真っ赤にして否定する。
「いやっ! ギリギリセーフだった! 私の純潔は守られたのだ! 助けてくれた事、一生感謝するぞ! ステコ!」
なんだか言い訳がましいなと思いつつ、ステコは拷問官のローブを脱がせた。その間にトメオがシルビィの手足の縄を解いて磔台から解放する。
「ありがとう、ステコの兄上殿」
「へへ、どういたしまして」
ワンドリッター家に似つかわしくないトメオの素直さは母親似なのだろうと、シルビィが思っていると、彼は更に肩にマントをかけて肌を隠してくれた。
見知った顔なのか、ステコは女の拷問官に【変身】の魔法をかけてシルビィに変える。
「悪いね、ドリン」
ステコが兄を見てこれぐらいでいいかという顔をする。
「これで逃げる時間ぐらいは稼げるだろう?」
「いや、もう少し細工をした方がいいな」
トメオは床に寝る女拷問官にさるぐつわをして、手足を縛り死んだ淫ら虫をズロースの中に突っ込んだ。
「こんなものでいいか。さぁ急ごう、ステコ」
そう言って立ち上がったトメオの左肩を魔法の矢が貫く。
「くそ! もう戻ってきやがったか。ジナルだ! ワンドを構えろ、ステコ!」
戦い慣れしているトメオは、瞬時に敵が誰かを見極めて、右手でワンドを構え階段を狙った。
「貫け! 稲光! 【稲妻】!」
しかし稲妻は木の手すりに当たって焦げた匂いを辺りに漂わせただけだった。
「落とし子ごときが、ワンドを振るうなんて生意気だぞ」
再び魔法の矢がトメオを貫く。今度は右肩だった。
「くっ!」
トメオは両手をだらりとさせてワンドを落とす。
「止めておくれよ! ジナル兄さん!」
ステコがトメオを庇うようにして立つと、階段から黒騎士が続々と現れて周りを囲む。
「よくも私を騙してくれたな、ステコ。貴様がトメオと落ち合うところを小鳥が見ていなければ、危うく出鱈目な作り話を父上に報告するところだったぞ!」
私室の椅子に座って声を出さずに泣く、栗毛の王の王冠でも斬って泣き止ませようかと思ったが、王の盾がシュラスの肩に触れて泣き止むよう慰めた。
「泣き止みませい、シュラス国王陛下。以前と違ってもうここには、最善策を授けてくれる辺境伯はおらんのですぞ。この者の報告をどこまで信用し、どのような処分を下すかは、王である貴方が決めねばなりません」
「わかっておる。しかしじゃ・・・。信じておった弟と妹に裏切られて泣かずにおれるか? しかも息子は遺跡に閉じこもり死ぬまで出て来んつもりじゃ。なにせワシは息子を疑って殺そうとしたんじゃからな。父としてどうして息子を信じてやれなかったのか・・・」
嘆く王を見て、王を常に守る盾でもあるシルビィの父親は、立派な赤い髭を撫でて鼻から静かに長い息を吐く。
「それも致し方がない事です。陛下の親族はサラサス様とシソ様だけですからな。きっと二人は旧王族にでもたぶらかされたのでしょう。しかしながら、牙を剥く者が親兄弟であれなんであれ、陛下は非情にならねば。国の主が真っ先に考えなければいけない事はなにか。それは民の安寧です。壊れた秤のようにお上が不安定では、国に平和など訪れません。さぁ背筋を伸ばして泣き止みませい、我が王よ」
しゃくりあげる王の動きが止まり、目に光が灯ったように見えた。それから「そうじゃ、もうワシは傀儡王ではない」と呟いて背筋を伸ばした。
「小僧だったお前が、偉そうな物言いをするようになった」
やもすれば地走り族に見える小さな王は、洋紅色のベルベット服の袖で涙を拭い、立ち上がるとリューロックの脚絆を叩いた。
「リューロック、裏側の長をここへ呼べ。あれはこちらが訊くまで、情報を出さんからな。訊いても国防の為と言い張って情報を出さん時もあるが・・・。何か知っておるかもしれん。キリマルの持ってきた情報の裏を取る。もし裏が取れたならば・・・。キリマルにはもう一仕事頼む。じゃがその前にやってもらいたいことがある」
シュラスは、片目を瞑って素知らぬ顔をするリューロックを見てから俺を見て頷いた。リューロックの娘であるシルビィを救出しろって事だろうな。
「ワシは・・・。知っておったのじゃ、リューロック。息子が親友に王位継承権を与えていた事を。しかしそれが誰かまでは分からなかった。だからコノハの親友であるシルビィたちが、上手く息子を説得してくれる事を願っておった。決してお前の娘を捨て駒にしたわけではないぞ」
その情報は俺が貰った資料にはなかったなぁ? つまり悪魔である俺に対しては純粋に王子殺しの依頼だったわけか。俺が道中で情報を得ず、王子を見つけ次第殺していたら、一体どうするつもりだったんだろうな?
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俺は涼しい顔でそう言ってのけるリューロックの顔を見てムカムカしてきた。
(くそったれが。なんでそう簡単に自分の娘を見捨てる事ができるんだぁ? お前のせいでシルビィの顔がミドリの顔と重なるだろうが)
父親面するのは柄にもねぇと自覚しつつも、俺はチッと舌打ちをした。
「シルビィは騎士である前によぉ、お前の娘じゃぁねぇのか?」
シルビィと同じ、赤い髪の筋肉達磨を睨み付ける。
「暗殺者風情が口を挟むな」
リューロックは俺を睨み返して、鬼の金棒のような武器で床を軽く叩いて威嚇してくる。
この赤髭をくそブチ殺してやろうかと思っていると、剣呑とした空気を察したシュラスが割り込んできた。
「待て、リューロック。彼も人の親。キリマルにも娘がいたんじゃったかの?」
「そうだ」
「だったら一人の親としてお前もシルビィの救出を頼め。ここは王の私室。誰の目もない。今は裏側も下がらせておる。お前の娘を助けられるのはキリマル以外にはおらんのだぞ」
「なぜそう言い切れます? そもそもキリマルとは何者なのですか? 陛下」
「ひ、東の大陸からやって来た凄腕の剣士じゃ」
「ほう。樹族の剣士。樹族国ではあり得ないですが、東の大陸ならば、なくはないですな」
リューロックは俺が何者か見抜いているぞ、王様よ。
奴の目線が、俺の胸にある変身の魔法を付与された首飾りで留まっている。このマジックアイテムがどういった物なのかを知っているって顔だ。
赤髭を撫でてシルビィの父親は両目を閉じた。
「だが、断る! 陛下の申し出であろうとも! ここで親が出張ればシルビィは一生、生ぬるい覚悟を持った中途半端な騎士となろう!」
「頑固者の阿呆め!」
小さな王が地団駄を踏んで憤慨する。
俺も王と同じ意見だ、頑固者の阿呆が。その鼻の下のターンAガンダムみたいな髭をちょび髭にしてやろうか。
「ハ! 娘の命よりも騎士道かよ! 騎士の典範に糞の神の糞が落ちてきますようにと、祈っておくぜ。俺はシルビィに助けてくれと頼まれた。だから助けに行く」
「ふん! 背ばかり高くてヒョロヒョロのお前が、どうやってワンドリッターに挑むつもりだ?」
お前こそ、何をどうやったら華奢な樹族が筋肉パンパンになるんだ? あぁ、そういえば似たようなのがいたな。あのオッサンを思い出すぜ。超兄貴みたいな禿親父。リンネの父親。タイタンだかアトラスだか名前は忘れたが。
「ヒャハハ! どうやってもなにもよぉ、俺様を城のど真ん中にでも転移してくれればいい。そしたらワンドリッターの首でも何でも斬ってやるぜ」
「策もなしに行くのか! 実に浅はか! そこまで言うなら止めはせん。お前は王からの信頼も厚そうだしな。これを持っていけ」
分厚いガラスの小瓶に、白く輝く液体が入った物をリューロックは投げて寄越した。手渡せよ、糞が。
「なんだ? これは」
「お前は樹族なのに、これが何かもわからないのか? 実に嘆かわしい。強力な回復薬だ。一気に飲むでないぞ、殺し屋。一口で十分だ。それで三回分ある。身体欠損も治すから、使いどころをよく考えるのだな」
「へぇ、ありがたいね。ではシルビィに使うとしよう」
「べ、別に娘の為に渡したのではない!」
オッサンのツンデレほど気持ちの悪いものはねぇな。
「ではワンドリッター城まで転移を頼む」
床を這う淫ら虫は、下着姿で磔台に縛られているシルビィの脚を遂に見つけ、絡みついてきた。
「や、やめさせろぉ! 拷問官! こんな気色の悪い拷問があるものか!」
視線を向けられた拷問官は興味無さそうにシルビィを一瞥すると、奥の部屋に入って扉を閉めた。
粘り気のある体液で濡れる淫ら虫は――――、縛り付けられた脚でシルビィがどう抗おうが、閉じた股の付け根までやってくる。そして匂いを確かめるようにして鎌首を振る。
ある程度匂いを確かめると、のそりと下着の隙間に頭を突っ込んだ。まだ秘部には入ってこない。割れ目に沿って動き、陰核をヌルヌルの頭で擦っているのだ。
「ぐぅ・・・。くそ! ふ、ふん! まだ耐えられる。まさか毎夜密かに読んでいた『凌辱されしダスティネス』のような目に自分が遭うとはな・・・・! ん? ふぁぁ!」
淫ら虫は突然激しく頭を振って陰核を強く刺激しだした。脳みそが痺れるような快楽が押し寄せてくる。
「まだだ! まだ濡れてはおらん! えぇい! キリマル! 早く来い」
歯を食いしばって快楽に抗うシルビィの耳に、聞きなれた皮肉屋の声が聞こえてくる。
「君の愛おしいキリマルじゃなくて申し訳ないね。それにしても・・・、オェッ!」
どうやって潜り込んだのか、拷問官が入っていった部屋からステコが現れた。
そして腕を組んで、シルビィの股で蠢くピンクの淫ら虫を気味悪そうに見ている。
彼の隣には兄トメオもいた。トメオは拷問官を気絶させて肩に担いでいた。
「早く虫を何とかしてくれ! 頭がもうアソコに入りかけている!」
シルビィの大声にステコは驚いて口に指を当てた。
「シーッ! 大声を出すな。今やる。しかし私はアレに触りたくないな・・・。トメオ兄さん頼む」
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「蠢く虫の呼吸を止めろ!【虫殺し】」
シルビィの下半身を白い雲が包むと、淫ら虫はズリュっと音をさせて床に落ちた。
「もう奥まで入っていたのではないかね?」
ステコのニヤニヤ顔に、シルビィは顔を真っ赤にして否定する。
「いやっ! ギリギリセーフだった! 私の純潔は守られたのだ! 助けてくれた事、一生感謝するぞ! ステコ!」
なんだか言い訳がましいなと思いつつ、ステコは拷問官のローブを脱がせた。その間にトメオがシルビィの手足の縄を解いて磔台から解放する。
「ありがとう、ステコの兄上殿」
「へへ、どういたしまして」
ワンドリッター家に似つかわしくないトメオの素直さは母親似なのだろうと、シルビィが思っていると、彼は更に肩にマントをかけて肌を隠してくれた。
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「悪いね、ドリン」
ステコが兄を見てこれぐらいでいいかという顔をする。
「これで逃げる時間ぐらいは稼げるだろう?」
「いや、もう少し細工をした方がいいな」
トメオは床に寝る女拷問官にさるぐつわをして、手足を縛り死んだ淫ら虫をズロースの中に突っ込んだ。
「こんなものでいいか。さぁ急ごう、ステコ」
そう言って立ち上がったトメオの左肩を魔法の矢が貫く。
「くそ! もう戻ってきやがったか。ジナルだ! ワンドを構えろ、ステコ!」
戦い慣れしているトメオは、瞬時に敵が誰かを見極めて、右手でワンドを構え階段を狙った。
「貫け! 稲光! 【稲妻】!」
しかし稲妻は木の手すりに当たって焦げた匂いを辺りに漂わせただけだった。
「落とし子ごときが、ワンドを振るうなんて生意気だぞ」
再び魔法の矢がトメオを貫く。今度は右肩だった。
「くっ!」
トメオは両手をだらりとさせてワンドを落とす。
「止めておくれよ! ジナル兄さん!」
ステコがトメオを庇うようにして立つと、階段から黒騎士が続々と現れて周りを囲む。
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