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ピーターとの再会
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俺は今になって学園のある街の名を、案内地図掲示板で知る。
トンデ・モ・ネレという田舎街だ。面倒臭いのでトンデモネェと呼ぶことにする。
人間ばかりのこの街で、よく見るとエルフが数人混じっていた。以前は気づかなかった事だ。
観察してみたが、特に誰かが彼らを気にした様子はない。あの耳の長い種族はなんだとその辺の奴に訊くと、そいつは怪訝な顔をした後に「耳長族だ」と答えた。
ニムゲイン王国人の認識では彼らは亜人ではなく同じ人間なのだ。誰もエルフを特別視などしていない。きっと寿命なども違うだろうに受け入れてやがる。
エルフは樹族の背の高いバージョンといった感じか。
違いはエルフは植物から進化をしていないという事だ。俺の悪魔の目で得た情報だと、精霊が受肉して生まれた種族とある。哺乳類のヒト科ヒト属。
恐らく大昔に、エルフの先祖が人間と一緒に異世界から逃げてきたのだろう。
エルフよりも耳が短いハーフエルフも見かけるが、数は少ない。この商店街で二、三人程見かけた程度だ。
平和な島で長いこと生活をする間に、兄弟のように育った犬と猫が仲良くなるような感じで、共存してきたのだろうな。
「ふぁぁ~。それにしてもニムゲインは退屈だな。大陸のほうが荒々しくて、もっとこう~、人が簡単に死んでいた」
そう独り言ちて、俺は樹族国から獣人国に至る街道脇を思い浮かべた。
馬車の中から見る街道の脇には、無造作に死体が転がっていたのだ。
数キロごとに一体、或いは複数の死体を目撃していた。樹族国は他国と違って、結界のお陰で地上で死体がアンデッド化しにくいせいか、素早い死体回収や慈悲深い誰かの埋葬などはあまりない。
そもそも埋葬などしていると、魔犬やらモンスターに食われる可能性があるからだ。非戦闘職である一般人なんかは特にそんな余裕はない。
死体で一番多いのが地走り族だ。奴らは好奇心旺盛な為、すぐに物音のする方に行ったり、魔物を見ようとしたりして逆襲に遭う。
その次に獣人。理由は単純。貧乏で馬車賃がなく、徒歩で旅する者が多いからだ。身体能力が高いので、地走り族ほど死体を晒さない。
稀な死体は異世界人か樹族。死体となった人間は、ニムゲイン王国に上手いこと転移できていれば死ぬことはなかったかもしれねぇな。残念残念。クハハハ!
樹族国もまぁまぁ退屈だったな。闇夜に彷徨うゾンビ系アンデッドを相手にする必要がねぇからよ。
とはいえ樹族国でも地上でアンデッドに絶対に会わないって保証はねぇけどな。結界に耐えられる強力なアンデッドもいるだろうしよ。
俺はなんとなく、樹族国の道脇に転がっていた、スーツ姿のサラリーマンを思い出す。魔犬に襲われて内蔵を食い荒らされていた。
「霧から出てくる魔物は強い事が多いのに、人間はそうでもねぇな・・・」
異世界へ通じる霧は、レベル1のプレイヤーを気遣って、弱い敵のいるフィールドまで飛ばしてくれるという、ゲームのような、ご都合主義の扉ではないってこった。
もしかしたら大洋のど真ん中に霧が現れて海に落ちて溺死、下手すりゃ次元の異なる宇宙へ繋がっていて、霧から出た瞬間即死なんて事もあり得るな。
ここで俺は色々と考えるのを止めて、一旦公園のベンチに座る。
(あいつら今頃、汁塗れなんだろうなぁ。やりたい盛りだからな、十代ってのは)
あいつらとは勿論、ビャクヤとリンネだ。ちゃんと避妊してるといいがな。クハハ!
俺はずっと持ち歩いていた本を開いた。
ビャクヤに借りた樹族国の歴史書だ。背中に当たる冬の太陽の暖かさが心地良い。
(こうやって暇を作って気を利かせてやってんだ。感謝しろよ、ビャクヤ)
「どれどれ・・・。お?」
俺は目次をなぞって、気になるページを開く。
――――南部で獣人の反乱、王国近衛兵独立部隊の活躍。
(お~。シルビィは、俺が殺さなかったシソとサラサスの子、セリススを討ち取ってるじゃねぇか。十年くらい前の話だな。まぁ本によるとセリススは、コノハ王子と違って本当に獣人を扇動しているし、当然の報いか。何気にシルビィ部隊は残酷な事をしているな。いいぜぇ~)
本によると、王国近衛兵独立部隊は、敵ゲリラが潜む樹族側と獣人国側の村を焼き払っている。死者行方不明者を合わせて数百人か。結構な数だな。
この時に、毎年のようにグランデモニウム王国と樹族国で行われていた国境沿いでの戦争も収まっていた。
樹族国に大打撃を与えたグランデモニウム王国の道化軍師ナンベルの事が書いてあるな。
「ナンベル・ウィン軍師、ねぇ・・・」
ピエロの姿が脳裏に浮かび、その幻は闇の中でタップを踏みながら近づいてくる。
「俺がアメリカ人なら悲鳴を上げているところだぞ(奴を見るたびにこのセリフを言いたくなる)」
ピエロ恐怖症のアメリカ人ではなく、日本人で良かったと思いながらページを飛ばすと、最後の方にヒジリの名があった。
「かぁ~。忌々しい。綺羅星の如く現れた“星のオーガ”だぁ? エルダーリッチを追い返して樹族国国民の命を救う。他には・・・。悪い吸魔鬼を虚無の渦に追いやり倒した。それから・・・。魔王をあっさりと倒して、暗黒大陸の千年戦争を終わらせた英雄だと?」
俺はオーストラリアに似た形の暗黒大陸に、太陽の光が当る挿絵を見てフンと鼻を鳴らす。
「こっちはもっと上の次元で戦っていたのによ、スポットライトも当たりやしねぇ。キリマルのキの字も出てこねぇぞ」
そう言ってから、俺は恥ずかしくなった。
“上”とは、世界を構築するレベルの話だ。その中でコズミックペンに駒のように扱われて、ヤツの意向を探りながら逆らいつつも、大きな力を手に入れたと思っていたが・・・・。
結局俺はヒジリに負けた。神気に当てられたのか、普段は簡単に回避できるような攻撃をまともに食らってしまった。
でもよ、あの勝負で勝ったのはビャクヤだな。奇跡的に纏った虚無のヘナチョコパンチは、どういうわけかヒジリを吹き飛ばした。結局転移で逃げたけどよ、勝ち逃げってやつだ。クハハハ!
(なに、俺がもっと強くなりゃあいいだけの話よ。相性を凌駕する程の力を!)
俺は笑いながら、腰のポーチに伸びてきた小さい手を掴む。
「いけないなぁ。盗みなんて。殺されても文句はいえねぇぞ?」
これは盗人を殺せるだけの大義はあるのか? 盗ませてから殺すと言うのが正解か? まだ制約は破ってねぇよな?
そう自問自答しながら盗人の顔を見て驚く。
なぜかそこには“邪悪なるピーター君”がいたからだ。
トンデ・モ・ネレという田舎街だ。面倒臭いのでトンデモネェと呼ぶことにする。
人間ばかりのこの街で、よく見るとエルフが数人混じっていた。以前は気づかなかった事だ。
観察してみたが、特に誰かが彼らを気にした様子はない。あの耳の長い種族はなんだとその辺の奴に訊くと、そいつは怪訝な顔をした後に「耳長族だ」と答えた。
ニムゲイン王国人の認識では彼らは亜人ではなく同じ人間なのだ。誰もエルフを特別視などしていない。きっと寿命なども違うだろうに受け入れてやがる。
エルフは樹族の背の高いバージョンといった感じか。
違いはエルフは植物から進化をしていないという事だ。俺の悪魔の目で得た情報だと、精霊が受肉して生まれた種族とある。哺乳類のヒト科ヒト属。
恐らく大昔に、エルフの先祖が人間と一緒に異世界から逃げてきたのだろう。
エルフよりも耳が短いハーフエルフも見かけるが、数は少ない。この商店街で二、三人程見かけた程度だ。
平和な島で長いこと生活をする間に、兄弟のように育った犬と猫が仲良くなるような感じで、共存してきたのだろうな。
「ふぁぁ~。それにしてもニムゲインは退屈だな。大陸のほうが荒々しくて、もっとこう~、人が簡単に死んでいた」
そう独り言ちて、俺は樹族国から獣人国に至る街道脇を思い浮かべた。
馬車の中から見る街道の脇には、無造作に死体が転がっていたのだ。
数キロごとに一体、或いは複数の死体を目撃していた。樹族国は他国と違って、結界のお陰で地上で死体がアンデッド化しにくいせいか、素早い死体回収や慈悲深い誰かの埋葬などはあまりない。
そもそも埋葬などしていると、魔犬やらモンスターに食われる可能性があるからだ。非戦闘職である一般人なんかは特にそんな余裕はない。
死体で一番多いのが地走り族だ。奴らは好奇心旺盛な為、すぐに物音のする方に行ったり、魔物を見ようとしたりして逆襲に遭う。
その次に獣人。理由は単純。貧乏で馬車賃がなく、徒歩で旅する者が多いからだ。身体能力が高いので、地走り族ほど死体を晒さない。
稀な死体は異世界人か樹族。死体となった人間は、ニムゲイン王国に上手いこと転移できていれば死ぬことはなかったかもしれねぇな。残念残念。クハハハ!
樹族国もまぁまぁ退屈だったな。闇夜に彷徨うゾンビ系アンデッドを相手にする必要がねぇからよ。
とはいえ樹族国でも地上でアンデッドに絶対に会わないって保証はねぇけどな。結界に耐えられる強力なアンデッドもいるだろうしよ。
俺はなんとなく、樹族国の道脇に転がっていた、スーツ姿のサラリーマンを思い出す。魔犬に襲われて内蔵を食い荒らされていた。
「霧から出てくる魔物は強い事が多いのに、人間はそうでもねぇな・・・」
異世界へ通じる霧は、レベル1のプレイヤーを気遣って、弱い敵のいるフィールドまで飛ばしてくれるという、ゲームのような、ご都合主義の扉ではないってこった。
もしかしたら大洋のど真ん中に霧が現れて海に落ちて溺死、下手すりゃ次元の異なる宇宙へ繋がっていて、霧から出た瞬間即死なんて事もあり得るな。
ここで俺は色々と考えるのを止めて、一旦公園のベンチに座る。
(あいつら今頃、汁塗れなんだろうなぁ。やりたい盛りだからな、十代ってのは)
あいつらとは勿論、ビャクヤとリンネだ。ちゃんと避妊してるといいがな。クハハ!
俺はずっと持ち歩いていた本を開いた。
ビャクヤに借りた樹族国の歴史書だ。背中に当たる冬の太陽の暖かさが心地良い。
(こうやって暇を作って気を利かせてやってんだ。感謝しろよ、ビャクヤ)
「どれどれ・・・。お?」
俺は目次をなぞって、気になるページを開く。
――――南部で獣人の反乱、王国近衛兵独立部隊の活躍。
(お~。シルビィは、俺が殺さなかったシソとサラサスの子、セリススを討ち取ってるじゃねぇか。十年くらい前の話だな。まぁ本によるとセリススは、コノハ王子と違って本当に獣人を扇動しているし、当然の報いか。何気にシルビィ部隊は残酷な事をしているな。いいぜぇ~)
本によると、王国近衛兵独立部隊は、敵ゲリラが潜む樹族側と獣人国側の村を焼き払っている。死者行方不明者を合わせて数百人か。結構な数だな。
この時に、毎年のようにグランデモニウム王国と樹族国で行われていた国境沿いでの戦争も収まっていた。
樹族国に大打撃を与えたグランデモニウム王国の道化軍師ナンベルの事が書いてあるな。
「ナンベル・ウィン軍師、ねぇ・・・」
ピエロの姿が脳裏に浮かび、その幻は闇の中でタップを踏みながら近づいてくる。
「俺がアメリカ人なら悲鳴を上げているところだぞ(奴を見るたびにこのセリフを言いたくなる)」
ピエロ恐怖症のアメリカ人ではなく、日本人で良かったと思いながらページを飛ばすと、最後の方にヒジリの名があった。
「かぁ~。忌々しい。綺羅星の如く現れた“星のオーガ”だぁ? エルダーリッチを追い返して樹族国国民の命を救う。他には・・・。悪い吸魔鬼を虚無の渦に追いやり倒した。それから・・・。魔王をあっさりと倒して、暗黒大陸の千年戦争を終わらせた英雄だと?」
俺はオーストラリアに似た形の暗黒大陸に、太陽の光が当る挿絵を見てフンと鼻を鳴らす。
「こっちはもっと上の次元で戦っていたのによ、スポットライトも当たりやしねぇ。キリマルのキの字も出てこねぇぞ」
そう言ってから、俺は恥ずかしくなった。
“上”とは、世界を構築するレベルの話だ。その中でコズミックペンに駒のように扱われて、ヤツの意向を探りながら逆らいつつも、大きな力を手に入れたと思っていたが・・・・。
結局俺はヒジリに負けた。神気に当てられたのか、普段は簡単に回避できるような攻撃をまともに食らってしまった。
でもよ、あの勝負で勝ったのはビャクヤだな。奇跡的に纏った虚無のヘナチョコパンチは、どういうわけかヒジリを吹き飛ばした。結局転移で逃げたけどよ、勝ち逃げってやつだ。クハハハ!
(なに、俺がもっと強くなりゃあいいだけの話よ。相性を凌駕する程の力を!)
俺は笑いながら、腰のポーチに伸びてきた小さい手を掴む。
「いけないなぁ。盗みなんて。殺されても文句はいえねぇぞ?」
これは盗人を殺せるだけの大義はあるのか? 盗ませてから殺すと言うのが正解か? まだ制約は破ってねぇよな?
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