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オビオ視点
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「ケリマワルさんが、キリマルだったとは・・・」
そう言って呆ける俺を見ながら、白いドレスのサーカはフンと鼻を鳴らした。
「しかもピーターが私たちを裏切ってキリマル側についた。これもお前の人徳がないせいだ、バカオビオ」
弱った心に追い打ちをかけるようにして、前髪パッツン樹族が罵倒してきた。
いつものように浴びせられるサーカの罵詈雑言よりも、俺の頭の中ではピーターの憎たらしい声が響いている。
会議室で顔合わせが終わって、キリマルたちにこっそりとついていくピーターが、邪悪な顔をして振り返って俺に浴びせた言葉。
――――あの悪魔はケリマワルなんて名前じゃないぞ。あれはキリマルだ、アホ。(※脳内残響音:アホッアホッアホッ)それから俺はキリマルと組むからな。ブブブブブブ。
ブブブブブとはピーターが舌を出して息を吐いている音だ。つまり俺を馬鹿にしているって事な。あぁ、腹が立つ。
と同時に湧き起こる恐怖の感情。
「知ってるか? サーカ! キリマルは人修羅とかいう武闘派悪魔なんだぞ! あんなのとまた戦う事になるのか! こええよ!」
「ハ! オーガのくせに情けない。いいか、悪魔は確かに強い。キリマルはダンジョンの最深部レベルの悪魔かもしれん。だがな、決定的な弱点がある。それは帰還の祈りや魔法に弱い事だ」
「でもさ、ここには修道騎士であるメリィさんも、正騎士見習いのフランちゃんもいないのだがぁ?」
俺は半ば不貞腐れ、キレ気味にそう答えた。
そもそもキリマルレベルの悪魔を魔界だか地獄だかに、追い返すだけの精神力を持った聖職者がこの世に存在するのだろうか?
ヒト種ってのは、精々グレーターデーモン一体をパーティでなんとか倒せるくらいだろ。アークデーモンなんて英雄レベルのパーティじゃないと無理だ。
こないだキリマルと戦えたのは、トウスさん曰く、奴が本気を出していなかったからだし、チート性能なヤンスさんの吟遊詩人としての能力があったからこそ。
「くそ・・・。どうしたら・・・」
今まで俺とサーカのやり取りを気にせず、机で紙にペンを走らせていたクロノさんが振り返ったので俺は素早く謝る。
「あ、煩くしてすみません・・・」
黒ローブのエルフは自分の目的を阻まない限り、雑多な事には意外と寛容だった。
「構わん。オビオ君。君は少々自分を過小評価し過ぎではないかね。或いは自分の力に気が付いていないのかな? ならば教えてやるが、君は能力持ちだ。如何なるアイテムも装備でき、完璧に使いこなすという能力者。だからこそ、その赤い革鎧を君に貸したのだが・・・」
「へ? そうなの? サーカ」
俺はサーカに振り返ると、ツンデレベジータみたいに腕を組んで横を向いた。
「お前の事など、オーガの料理人であるという情報以外に知る必要があるものか、馬鹿者。それに私の鑑定魔法とて、練度はそれほど高くはない」
俺は上位鑑定の指輪を持っているとはいえ、自分自身を視る事はできない。しかもこの指輪は血の装備といって、持ち主が一度決まると、他者が使ってもただの指輪でしかない。
なので他人に貸して自分のステータスを知ることはできないのだ。だから高位の鑑定魔法を使う人物でないと、俺の本来の力を知る事は不可能。無駄にレジスト率高いからな、俺。魔法無効化が四分の一で発動する。
(そうだった、この人は魔法の探求者。ウィザードだった。鑑定魔法の練度を極めていても当然か。いつの間にか俺はクロノさんに鑑定されてたって事ね)
「しかしまぁ、オビオ君もサーカ姫も能力者とはな。能力者は本来、稀な存在なのだが」
そう、サーカも早覚えという能力者で、魔法書を読んですぐに魔法を習得出来てしまう能力者だ。
本来ならば魔法習得には、イメージ固めの為に何日もかかるものだ。
更に習得しても自分に合うように最適化するまでにまた時間がかかる。それからようやく練度を上げていくのだ。
「もっと深くその赤い鎧を鑑定してみたのかね? オビオ君」
「いえ、さらっと名前を見ただけで全部は・・・。確か赤古竜の革鎧ですよね?」
「そう。その鎧の本来の力を発現させるには、同じ装備者が何度も戦いに出なければならない。しかし、この平和な島国にそうそう戦いは起こるわけもなく・・・。極稀に霧の魔物が田舎町を襲い、海の魔物が港町を襲ってくるくらいで、後は領主同士の戯れのような合戦ばかりだ。つまりこの島にいる限り、ワシの寿命が尽きる前に性能を発揮した赤古竜の鎧を見る確率は低かった。君が来るまではな」
俺は能力者だったのか・・・。いつ発現した? もしかしたら最近かもしれない。以前キリマルと戦ったのがきっかけかもな。
「料理人であり、付魔師でもあり、道具使いの能力者、か・・・」
サーカはこめかみをトントンと指先で叩きながら何かを考えている。
「ということは、良い装備をつければそれだけ強くなるということか。しかもオビオは魔法をエンチャントした料理で仲間や自分も強化できる。が、それでもキリマルに対抗できるとは思えないのだが。それにあの仮面の魔人族のオーラ・・・」
そうだった。樹族は相手の魔法に関する総合的な力を、オーラとして見る事が出来るのだった。
「何色だったんだ?」
「何色どころじゃない。多分、闇竜の吐くブレスよりも闇色だ。いつ闇堕ちしてもおかしくない状態だな。魔力の高い者が最後に辿る道を歩んでいると言っても過言ではない」
「狂気の暴走かね・・・・」
「ああ」
西の大陸では百年から数百年に一度、何かしらの危機が訪れる。
その危機の内の一つが、魔力の高い狂ったメイジの暴走だ。この星に来てちょくちょく聞く噂。いや、噂なんかじゃない。事実だ。歴史書や文献にも載っている。
惑星ヒジリは、これまでに何度も都市や国が一瞬で滅ぶ出来事が起こっていた。
狂った召喚士に呼び出されたエルダーリッチの魔法で国が滅んだ話や、狂気のメイジの自爆のような広範囲魔法で消し飛んだ都市の話。
つい最近もグランデもニウム王国がアンデッドだらけになって滅んだらしい。大神聖がアンデッドを消し去り、逃げ出した王族や貴族に成り代わって占領統治したとの噂は聞いている。
まぁ実際アンデッドを消したのは、宇宙船カプリコンなんだろうけども。前世代の宇宙船サジタリウスだったら出来なかった芸当だな。カプリコンも今となっては旧式だけど。
「じゃあ、俺らは戦闘能力の高い人修羅と、狂人一歩手前の優秀なメイジを相手に戦う事になるのか?」
「そうなるな」
サーカはそう言って、テーブルの上の皿に盛ってあるリンゴを取って齧った。なんでこいつはこんなに落ち着いているんだ? 戦い慣れした騎士だからか? 酔っ払ったらスゲェ甘えん坊になるくせに。
「アーマーメイジのリンネと盗賊のピーターとやらは、数に入れてないのかね?」
エルフの老人は椅子を回して机に向かい、また書物を書き始めた。一体何を書いているのやら。
「ピーターは屁垂れですし、リンネさんは・・・。どうだった? サーカ」
「普通だったな。赤寄りの黄色いオーラだ。真ん中より少し上程度。格下のメイジだ」
「だそうです、クロノさん」
「まぁ雑魚とはいえ、油断はしないことだ。とはいえ、その鎧の性能を発現させた君はキリマルに匹敵するとワシは思っておるよ」
エルフのウィザードは前に突き出た顎髭を扱いて、俺たちを安心させる言葉を投げかけた。
「できれば鎧とオビオ君の力だけでキリマルを倒してみせてほしいのだが、一応高レベルの僧侶とメイジを後ほど紹介する。彼らが帰還の祈りや魔法を使うのはあくまで最終手段だと思って戦ってくれたまえよ」
純粋に強さを競いたいだけなのか。料理人の俺にそこまで求めてくるとはなぁ。できれば厨房で働かせてくれよ・・・。まぁ拾ってもらった恩もあるしな。キリマルを一発で沈める祈りや魔法があるなら安心か。
俺は少し落ち着きを取り戻して、上位鑑定の指輪で赤古竜の革鎧を詳しく見た。
最上位竜の古竜の革鎧か・・・。龍鱗鎧ではなく革鎧。一体どんな強者が古竜の皮なんて手に入れられるんだよ。鑑定してみっか・・・。なになに、ゲェー!材料を入手したのはクロノさんだ!
「勿論戦って手にれたわけではない」
背中を見せたまま、筆を走らせるクロノさんが、読心の魔法で俺の心を読み取ってそう答えた。
「上位竜は世界から世界へと次元を超えて旅する生き物なのだ。その異世界への旅を拒絶した古竜の最期を看取ったのがワシだったというだけだ。彼は老齢でな、もう旅をする力がなかったのだ。だからダンジョンの最下層に転移して、ひっそりと死ぬつもりだったらしい。だが、死に際に黒ローブのワシが現れて死神かと思って驚き、その後に涙を流してゲラゲラと笑っていた」
「そうなんですか・・・」
なんだか切ない話だな。
「古竜は、最期に笑わせたくれた礼だと言って、死体の一部を持ち帰っても良いと許可をくれたのだよ。そこでワシは息絶えた彼の剥げた鱗の隙間から見える皮を貰って地上へと戻った」
意外とクロノさんは律儀だな。何回かに分けて色んな部位を持ち帰ればいいのに。
「そうしたかったのだがな。不思議なことに・・・フハハ! 皮を剥ぎ取った瞬間に彼は光の粒となって消えたのだ」
「フン! そんな話はどうでもいい。鎧の性能を聞かせろ」
サーカは平民に対して、ほんと偉そうな態度を取るな。シルビィさんの前だとカッチカチなのに。
俺は鑑定の指輪の鑑定内容をサーカに話すことにした。
「この鎧はな・・・・」
そう言って呆ける俺を見ながら、白いドレスのサーカはフンと鼻を鳴らした。
「しかもピーターが私たちを裏切ってキリマル側についた。これもお前の人徳がないせいだ、バカオビオ」
弱った心に追い打ちをかけるようにして、前髪パッツン樹族が罵倒してきた。
いつものように浴びせられるサーカの罵詈雑言よりも、俺の頭の中ではピーターの憎たらしい声が響いている。
会議室で顔合わせが終わって、キリマルたちにこっそりとついていくピーターが、邪悪な顔をして振り返って俺に浴びせた言葉。
――――あの悪魔はケリマワルなんて名前じゃないぞ。あれはキリマルだ、アホ。(※脳内残響音:アホッアホッアホッ)それから俺はキリマルと組むからな。ブブブブブブ。
ブブブブブとはピーターが舌を出して息を吐いている音だ。つまり俺を馬鹿にしているって事な。あぁ、腹が立つ。
と同時に湧き起こる恐怖の感情。
「知ってるか? サーカ! キリマルは人修羅とかいう武闘派悪魔なんだぞ! あんなのとまた戦う事になるのか! こええよ!」
「ハ! オーガのくせに情けない。いいか、悪魔は確かに強い。キリマルはダンジョンの最深部レベルの悪魔かもしれん。だがな、決定的な弱点がある。それは帰還の祈りや魔法に弱い事だ」
「でもさ、ここには修道騎士であるメリィさんも、正騎士見習いのフランちゃんもいないのだがぁ?」
俺は半ば不貞腐れ、キレ気味にそう答えた。
そもそもキリマルレベルの悪魔を魔界だか地獄だかに、追い返すだけの精神力を持った聖職者がこの世に存在するのだろうか?
ヒト種ってのは、精々グレーターデーモン一体をパーティでなんとか倒せるくらいだろ。アークデーモンなんて英雄レベルのパーティじゃないと無理だ。
こないだキリマルと戦えたのは、トウスさん曰く、奴が本気を出していなかったからだし、チート性能なヤンスさんの吟遊詩人としての能力があったからこそ。
「くそ・・・。どうしたら・・・」
今まで俺とサーカのやり取りを気にせず、机で紙にペンを走らせていたクロノさんが振り返ったので俺は素早く謝る。
「あ、煩くしてすみません・・・」
黒ローブのエルフは自分の目的を阻まない限り、雑多な事には意外と寛容だった。
「構わん。オビオ君。君は少々自分を過小評価し過ぎではないかね。或いは自分の力に気が付いていないのかな? ならば教えてやるが、君は能力持ちだ。如何なるアイテムも装備でき、完璧に使いこなすという能力者。だからこそ、その赤い革鎧を君に貸したのだが・・・」
「へ? そうなの? サーカ」
俺はサーカに振り返ると、ツンデレベジータみたいに腕を組んで横を向いた。
「お前の事など、オーガの料理人であるという情報以外に知る必要があるものか、馬鹿者。それに私の鑑定魔法とて、練度はそれほど高くはない」
俺は上位鑑定の指輪を持っているとはいえ、自分自身を視る事はできない。しかもこの指輪は血の装備といって、持ち主が一度決まると、他者が使ってもただの指輪でしかない。
なので他人に貸して自分のステータスを知ることはできないのだ。だから高位の鑑定魔法を使う人物でないと、俺の本来の力を知る事は不可能。無駄にレジスト率高いからな、俺。魔法無効化が四分の一で発動する。
(そうだった、この人は魔法の探求者。ウィザードだった。鑑定魔法の練度を極めていても当然か。いつの間にか俺はクロノさんに鑑定されてたって事ね)
「しかしまぁ、オビオ君もサーカ姫も能力者とはな。能力者は本来、稀な存在なのだが」
そう、サーカも早覚えという能力者で、魔法書を読んですぐに魔法を習得出来てしまう能力者だ。
本来ならば魔法習得には、イメージ固めの為に何日もかかるものだ。
更に習得しても自分に合うように最適化するまでにまた時間がかかる。それからようやく練度を上げていくのだ。
「もっと深くその赤い鎧を鑑定してみたのかね? オビオ君」
「いえ、さらっと名前を見ただけで全部は・・・。確か赤古竜の革鎧ですよね?」
「そう。その鎧の本来の力を発現させるには、同じ装備者が何度も戦いに出なければならない。しかし、この平和な島国にそうそう戦いは起こるわけもなく・・・。極稀に霧の魔物が田舎町を襲い、海の魔物が港町を襲ってくるくらいで、後は領主同士の戯れのような合戦ばかりだ。つまりこの島にいる限り、ワシの寿命が尽きる前に性能を発揮した赤古竜の鎧を見る確率は低かった。君が来るまではな」
俺は能力者だったのか・・・。いつ発現した? もしかしたら最近かもしれない。以前キリマルと戦ったのがきっかけかもな。
「料理人であり、付魔師でもあり、道具使いの能力者、か・・・」
サーカはこめかみをトントンと指先で叩きながら何かを考えている。
「ということは、良い装備をつければそれだけ強くなるということか。しかもオビオは魔法をエンチャントした料理で仲間や自分も強化できる。が、それでもキリマルに対抗できるとは思えないのだが。それにあの仮面の魔人族のオーラ・・・」
そうだった。樹族は相手の魔法に関する総合的な力を、オーラとして見る事が出来るのだった。
「何色だったんだ?」
「何色どころじゃない。多分、闇竜の吐くブレスよりも闇色だ。いつ闇堕ちしてもおかしくない状態だな。魔力の高い者が最後に辿る道を歩んでいると言っても過言ではない」
「狂気の暴走かね・・・・」
「ああ」
西の大陸では百年から数百年に一度、何かしらの危機が訪れる。
その危機の内の一つが、魔力の高い狂ったメイジの暴走だ。この星に来てちょくちょく聞く噂。いや、噂なんかじゃない。事実だ。歴史書や文献にも載っている。
惑星ヒジリは、これまでに何度も都市や国が一瞬で滅ぶ出来事が起こっていた。
狂った召喚士に呼び出されたエルダーリッチの魔法で国が滅んだ話や、狂気のメイジの自爆のような広範囲魔法で消し飛んだ都市の話。
つい最近もグランデもニウム王国がアンデッドだらけになって滅んだらしい。大神聖がアンデッドを消し去り、逃げ出した王族や貴族に成り代わって占領統治したとの噂は聞いている。
まぁ実際アンデッドを消したのは、宇宙船カプリコンなんだろうけども。前世代の宇宙船サジタリウスだったら出来なかった芸当だな。カプリコンも今となっては旧式だけど。
「じゃあ、俺らは戦闘能力の高い人修羅と、狂人一歩手前の優秀なメイジを相手に戦う事になるのか?」
「そうなるな」
サーカはそう言って、テーブルの上の皿に盛ってあるリンゴを取って齧った。なんでこいつはこんなに落ち着いているんだ? 戦い慣れした騎士だからか? 酔っ払ったらスゲェ甘えん坊になるくせに。
「アーマーメイジのリンネと盗賊のピーターとやらは、数に入れてないのかね?」
エルフの老人は椅子を回して机に向かい、また書物を書き始めた。一体何を書いているのやら。
「ピーターは屁垂れですし、リンネさんは・・・。どうだった? サーカ」
「普通だったな。赤寄りの黄色いオーラだ。真ん中より少し上程度。格下のメイジだ」
「だそうです、クロノさん」
「まぁ雑魚とはいえ、油断はしないことだ。とはいえ、その鎧の性能を発現させた君はキリマルに匹敵するとワシは思っておるよ」
エルフのウィザードは前に突き出た顎髭を扱いて、俺たちを安心させる言葉を投げかけた。
「できれば鎧とオビオ君の力だけでキリマルを倒してみせてほしいのだが、一応高レベルの僧侶とメイジを後ほど紹介する。彼らが帰還の祈りや魔法を使うのはあくまで最終手段だと思って戦ってくれたまえよ」
純粋に強さを競いたいだけなのか。料理人の俺にそこまで求めてくるとはなぁ。できれば厨房で働かせてくれよ・・・。まぁ拾ってもらった恩もあるしな。キリマルを一発で沈める祈りや魔法があるなら安心か。
俺は少し落ち着きを取り戻して、上位鑑定の指輪で赤古竜の革鎧を詳しく見た。
最上位竜の古竜の革鎧か・・・。龍鱗鎧ではなく革鎧。一体どんな強者が古竜の皮なんて手に入れられるんだよ。鑑定してみっか・・・。なになに、ゲェー!材料を入手したのはクロノさんだ!
「勿論戦って手にれたわけではない」
背中を見せたまま、筆を走らせるクロノさんが、読心の魔法で俺の心を読み取ってそう答えた。
「上位竜は世界から世界へと次元を超えて旅する生き物なのだ。その異世界への旅を拒絶した古竜の最期を看取ったのがワシだったというだけだ。彼は老齢でな、もう旅をする力がなかったのだ。だからダンジョンの最下層に転移して、ひっそりと死ぬつもりだったらしい。だが、死に際に黒ローブのワシが現れて死神かと思って驚き、その後に涙を流してゲラゲラと笑っていた」
「そうなんですか・・・」
なんだか切ない話だな。
「古竜は、最期に笑わせたくれた礼だと言って、死体の一部を持ち帰っても良いと許可をくれたのだよ。そこでワシは息絶えた彼の剥げた鱗の隙間から見える皮を貰って地上へと戻った」
意外とクロノさんは律儀だな。何回かに分けて色んな部位を持ち帰ればいいのに。
「そうしたかったのだがな。不思議なことに・・・フハハ! 皮を剥ぎ取った瞬間に彼は光の粒となって消えたのだ」
「フン! そんな話はどうでもいい。鎧の性能を聞かせろ」
サーカは平民に対して、ほんと偉そうな態度を取るな。シルビィさんの前だとカッチカチなのに。
俺は鑑定の指輪の鑑定内容をサーカに話すことにした。
「この鎧はな・・・・」
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