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魂の混濁
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「あれ? サーカってそんなに恥ずかしがり屋やっけ?」
「陰部と胸を隠すのは女子の嗜みだ」
「何言ってんのよ、もう。女同士だからいいでしょ」
リュウグが俺の前面から、タオルを剥ぎ取った。
「わっ!」
サーカの膨らんだ胸、その隙間から垣間見える無毛の恥丘に思わず「ごめん」と心の中で謝った。
女性の裸を見れて嬉しいはずなのに、罪悪感が勝っている。なんか、俺おかしい。
「背中洗ってあげるよぉ。そこに座って」
メリィが指差した先に、何故かそこにあるスケベ椅子。
「な? なんだこれは!」
カビ一つ無い、無駄に高級な椅子。どうやらミスリル銀で出来ているようだ。誰も盗まないのが不思議だと思ったが、ここはエリート種が住む領地。納得。
「なんだこれはってかぁ。これは椅子っていうんだよぉ?」
どっかの変なおじさんみたいな発音で説明するなよ、メリィ。椅子ぐらい知ってらぁな!
「い、椅子だって!? では真ん中が、無駄に凹んでるのは何故だ!」
「それはね、おマンマンを洗いやすいようにするためだよ?」
知ってた。あ! 修道女がおマンマン言うた! おマンマン言うた!
「ふ、ふーん」
俺は改めて感心する。この椅子は理に適っている。陰部が綺麗に洗えそうだ。自分からも他人からも。
俺は大人しくスケベ椅子に座った。くそう。お股がパッカーンと開いて恥ずかしい。日本の風呂場みたいに、前に鏡がなくてよかった。
「よいしょ」
メリィが石鹸葛の泡を俺の頭に乗せた。石鹸葛という名の蔓を叩くと、泡が出てきてシャンプーの代用品になる。
「サーカの髪って、いつ見ても綺麗だよねぇ~」
そう言われれば、そうだな。サーカは、俺ほど頻繁に風呂に入ってはいない。なのにこのピンクの髪は良い感じにサラサラツヤツヤだ。
俺が毎日のように風呂に入って、自前の石鹸やシャンプーの香りをさせていると、自分より上品な匂いがすると言って怒るくせに。
まぁ俺は風呂に入らなくても、ナノマシンが垢を分解してくれるので、体が汚れたり臭ったりしないのだが。
――――ぷに。
背中にメリィの胸が当たっている。俺の頭を洗っていると自然とそうなるのだ。
嬉しいはずなのに、何の感情も湧かない。「肌が当たっているなぁ」程度だ。
俺の魂がサーカの体に馴染んでいるからか?
急に色々と心配になってきた。
「メリィ。今回みたいに一所で幾人かの蘇生があったりすると、魂が入れ替わったりしないのか?」
そう言って、俺はリュウグをちらりと横目で見た。彼女は髪を洗うのに一生懸命で、なにも聞こえてなさそうだ。
「え? あるよぉ? 何百年に一度、大災害が起こるでしょ? その時、聖女様が無償で大量蘇生する事があるんだけど、稀に魂の混濁が発生するって」
そうだった。この星では数百年に一度、どこかで大災害が起きるんだった。その原因は、狂ったスペルキャスターの暴走やら、強力な霧の魔物やら。
だったらやべぇ。今がその稀だ。魂の混濁は我が身に起きている。
「へ、へぇ~。そういうのは、どうやったら治るのだ?」
「う、う~んとねぇ・・・」
思考時間が長い。この調子だとメリィの返事は五分後だぞ。
「なになに? 何の話?」
勘の良い奴、キター! リュウグが会話に混じろうとしている! こんな話をしたら、一発でサーカが俺だってバレてしまう。
俺は超高速で頭と体を洗い、お湯を頭からかぶると、「ウンコしたいから!」と言って風呂場を飛び出した。
びしょ濡れのまま、タオルだけを体に巻いて、廊下をツカツカと歩きながら、自分の知識を総動員する。
確か、いにしえの漫画だかドラマだかに、お互い抱き合いながら階段を落ちると元に戻るとかあったぞ! あの話は本当か?
取り敢えず、俺の体がある場所に行こう。話はそっからだ。
大部屋のドアに手をかける。あれ? ノブを回しても開かない! くそ! なんでだ? あ、この扉は引き戸だった。
――――ガラッ!
「よぉ、早かったな。って、服はどうした? サーカ!」
パーティのお父ちゃんこと、トウスさんが、年頃の乙女のあられもない姿を見て心配する。
「服、置いてきた」
俺はスルリと自分のベッドに潜り込む。トウスさんとピーターが見てようが構わねぇ。
「フヌヌヌヌ!」
自分の体(中身サーカ)の首に両手を回して、ベッドから転げ落ちようと踏ん張った。
「ハァ! ンンッ! グゴゴゴ!」
重てぇ! 体重増えたかな? 百五十キロ以上あるからびくともしねぇ。
「い、いいなぁ! オビオ! いきなりサーカに襲われて、良いことしてんじゃん! 俺も仲間に入れてくれよ!」
何勘違いしてんだ、ピーター! それどころじゃねぇんだ!
「これっ! ピーター! オメェさんにはまだ早い! こっち来なさい!」
自称十代前半のピーターは、トウスさんに子供だと思われている。
「ずるい! オビオばっかり、いつも良い目にあってずるい!」
「はいはい。野暮な事は言わねぇ。色恋沙汰ってぇのはな、他人が頭突っ込んでいいもんじゃねぇ。さ、皆を誘って飯でも食おうや。な? ピーター!」
ずるいずるいの連呼が遠ざかっていく。どう勘違いされようが構わねぇ!
「くぉ~~!」
駄目だ。そういや、今日は死闘を繰り広げたんだった。サーカだって乗っ取られたとはいえ、でっかい花火を打ち上げている。体がヘトヘトだ・・・。
猛烈に眠くなってきた。
「陰部と胸を隠すのは女子の嗜みだ」
「何言ってんのよ、もう。女同士だからいいでしょ」
リュウグが俺の前面から、タオルを剥ぎ取った。
「わっ!」
サーカの膨らんだ胸、その隙間から垣間見える無毛の恥丘に思わず「ごめん」と心の中で謝った。
女性の裸を見れて嬉しいはずなのに、罪悪感が勝っている。なんか、俺おかしい。
「背中洗ってあげるよぉ。そこに座って」
メリィが指差した先に、何故かそこにあるスケベ椅子。
「な? なんだこれは!」
カビ一つ無い、無駄に高級な椅子。どうやらミスリル銀で出来ているようだ。誰も盗まないのが不思議だと思ったが、ここはエリート種が住む領地。納得。
「なんだこれはってかぁ。これは椅子っていうんだよぉ?」
どっかの変なおじさんみたいな発音で説明するなよ、メリィ。椅子ぐらい知ってらぁな!
「い、椅子だって!? では真ん中が、無駄に凹んでるのは何故だ!」
「それはね、おマンマンを洗いやすいようにするためだよ?」
知ってた。あ! 修道女がおマンマン言うた! おマンマン言うた!
「ふ、ふーん」
俺は改めて感心する。この椅子は理に適っている。陰部が綺麗に洗えそうだ。自分からも他人からも。
俺は大人しくスケベ椅子に座った。くそう。お股がパッカーンと開いて恥ずかしい。日本の風呂場みたいに、前に鏡がなくてよかった。
「よいしょ」
メリィが石鹸葛の泡を俺の頭に乗せた。石鹸葛という名の蔓を叩くと、泡が出てきてシャンプーの代用品になる。
「サーカの髪って、いつ見ても綺麗だよねぇ~」
そう言われれば、そうだな。サーカは、俺ほど頻繁に風呂に入ってはいない。なのにこのピンクの髪は良い感じにサラサラツヤツヤだ。
俺が毎日のように風呂に入って、自前の石鹸やシャンプーの香りをさせていると、自分より上品な匂いがすると言って怒るくせに。
まぁ俺は風呂に入らなくても、ナノマシンが垢を分解してくれるので、体が汚れたり臭ったりしないのだが。
――――ぷに。
背中にメリィの胸が当たっている。俺の頭を洗っていると自然とそうなるのだ。
嬉しいはずなのに、何の感情も湧かない。「肌が当たっているなぁ」程度だ。
俺の魂がサーカの体に馴染んでいるからか?
急に色々と心配になってきた。
「メリィ。今回みたいに一所で幾人かの蘇生があったりすると、魂が入れ替わったりしないのか?」
そう言って、俺はリュウグをちらりと横目で見た。彼女は髪を洗うのに一生懸命で、なにも聞こえてなさそうだ。
「え? あるよぉ? 何百年に一度、大災害が起こるでしょ? その時、聖女様が無償で大量蘇生する事があるんだけど、稀に魂の混濁が発生するって」
そうだった。この星では数百年に一度、どこかで大災害が起きるんだった。その原因は、狂ったスペルキャスターの暴走やら、強力な霧の魔物やら。
だったらやべぇ。今がその稀だ。魂の混濁は我が身に起きている。
「へ、へぇ~。そういうのは、どうやったら治るのだ?」
「う、う~んとねぇ・・・」
思考時間が長い。この調子だとメリィの返事は五分後だぞ。
「なになに? 何の話?」
勘の良い奴、キター! リュウグが会話に混じろうとしている! こんな話をしたら、一発でサーカが俺だってバレてしまう。
俺は超高速で頭と体を洗い、お湯を頭からかぶると、「ウンコしたいから!」と言って風呂場を飛び出した。
びしょ濡れのまま、タオルだけを体に巻いて、廊下をツカツカと歩きながら、自分の知識を総動員する。
確か、いにしえの漫画だかドラマだかに、お互い抱き合いながら階段を落ちると元に戻るとかあったぞ! あの話は本当か?
取り敢えず、俺の体がある場所に行こう。話はそっからだ。
大部屋のドアに手をかける。あれ? ノブを回しても開かない! くそ! なんでだ? あ、この扉は引き戸だった。
――――ガラッ!
「よぉ、早かったな。って、服はどうした? サーカ!」
パーティのお父ちゃんこと、トウスさんが、年頃の乙女のあられもない姿を見て心配する。
「服、置いてきた」
俺はスルリと自分のベッドに潜り込む。トウスさんとピーターが見てようが構わねぇ。
「フヌヌヌヌ!」
自分の体(中身サーカ)の首に両手を回して、ベッドから転げ落ちようと踏ん張った。
「ハァ! ンンッ! グゴゴゴ!」
重てぇ! 体重増えたかな? 百五十キロ以上あるからびくともしねぇ。
「い、いいなぁ! オビオ! いきなりサーカに襲われて、良いことしてんじゃん! 俺も仲間に入れてくれよ!」
何勘違いしてんだ、ピーター! それどころじゃねぇんだ!
「これっ! ピーター! オメェさんにはまだ早い! こっち来なさい!」
自称十代前半のピーターは、トウスさんに子供だと思われている。
「ずるい! オビオばっかり、いつも良い目にあってずるい!」
「はいはい。野暮な事は言わねぇ。色恋沙汰ってぇのはな、他人が頭突っ込んでいいもんじゃねぇ。さ、皆を誘って飯でも食おうや。な? ピーター!」
ずるいずるいの連呼が遠ざかっていく。どう勘違いされようが構わねぇ!
「くぉ~~!」
駄目だ。そういや、今日は死闘を繰り広げたんだった。サーカだって乗っ取られたとはいえ、でっかい花火を打ち上げている。体がヘトヘトだ・・・。
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