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禁断の箱庭と融合する前の世界(12)
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グランデモニウム城門前の跳ね橋手前を守っていたスケルトンオークはドォスンにとって強敵であったがベンキやスカーにとっては一撃で粉砕出来る雑魚であった。
グランデモニウム城に関するクエストを受けたスカー、ベンキ、ドォスンは門前でスケルトンオークの群れと対峙している。
ここに辿り着くまでに余裕を持って倒す事の出来たゾンビに比べると、スケルトンオークは生前、ドォスンより格上だったのか新米戦士にとっては難敵だった。
「ヒジリの神の御柱からどうやって逃れたのだ、アンデッド達は」
「さぁな。神の御柱の後に発生したんじゃないのか?それよりもドォスンを助けなくて良いのか?ベンキ」
ベンキは一撃で倒したスケルトンオークの頭蓋骨を無造作に踏み砕いて蹴飛ばし、ズボンのポケットから柔らかい布を取り出した。
そして眼鏡を外し大事そうに拭いた。
オーガの戦士にしては珍しく読書が趣味のベンキは暇さえあれば薄明かりの中でも本を読む。それが原因で十年くらい前から眼鏡が必須となっている。ベンキは羊の腸で出来た耳かけ紐の付いた眼鏡を更に拭きながら厳しい声でスカーに返事をする。
「いくらヒジリに頼まれたからって、そこまで面倒を見てやる必要はない。助けたらあいつは一生弱いままだ」
ベンキに突き放すような言動にスカーは困惑する。オーガにしては珍しく他人を気遣う事の出来るスカーはヤキモキしながらドォスンを心配そうに見ている。
スケルトンオークの曲刀は何度もドォスンを斬りつけており、斬りつけられる度に「うわぁヤメロ!」と喚くが大してダメージは受けていない。
「見た通りあいつは尋常じゃなく固い。ただ攻撃する術が少ない。殴るか蹴るかしかしていないから攻撃が単調で直ぐに軌道を敵に見破られる」
ベンキは綺麗で涼し気な目で、ぼんやりとしか見えていないドォスンを見つめると眼鏡をかけて彼の弱点を指摘した。
実際、スケルトンオークはドォスンの攻撃を見切ってひらりひらりと回避している。スカーは遂に我慢できなくなりドォスンにアドバイスを出した。
「ドォスン!攻撃の合間に一回か二回、殴る振りを混ぜてみろ!殴る振りだぞ!」
「わがっだ!」
ドォスンは言われた通り素直にパンチを躱された後にもう一度殴ろうとした手を止めた。
今までの単調な攻撃は受ける側にも単純な回避を誘う。
油断していたスケルトンオークはフェイントのパンチを避けようと軽く横にジャンプした。が、着地した所をドォスンの蹴りの追撃で脚を砕かれ動けなくなった。
倒れるスケルトンオークの頭を踏み砕くと、ドォスンは両手を上げてヤッター!と叫んだ。
「おで強くなった!」
喜ぶドォスンにスカーは呆れて肩を竦める。
「んなアホな。スケルトンオークを倒したぐらいで強くなるかよ」
「以前よりは強くなったんだろ。さぁ仕事に取り掛かかるぞ。スカーはドォスンと一緒に周りを見張っててくれ」
そう言うとベンキは跳ね橋の上から堀の水に向かって聖水をばら撒き、門の脇に札を貼った。
「これでよしと」
骨となったオーガやオークがベンキに気が付き、城内からワラワラと出てきた。堀の対岸までベンキは走ると振り返って札と聖水の効果を確かめる。
門を通り過ぎ、吊橋の真ん中辺りでスケルトン達はただの骨となり山を作った。それを確認したベンキは少し離れた場所で周囲を警戒していた二人に声をかける。
「お~い!みんな撤収だ~。後は樹族国の仕事だ。帰って報告する頃には城は浄化されているだろう」
去り際に雪がちらほら降りだしたのを見てベンキは空を見つめて、毛皮の鎧から剥き出す肩を擦った。
ベンキが見つめた空はゴデの街にも雪を降らせていた。
「雪か・・・。急がないと本格的な冬が来て難民たちが凍えるな」
ヒジリは富裕層街の空き家となった貴族の屋敷を総督府として充てがわれており、シュラスから直々にグランデモニウム王国の総督に封ぜられていた。
同じ部屋で机の前に座り、事務仕事をするシオ男爵が不満を言う。
「子爵様はいいよな~。俺達に仕事を押し付けてアルケディアに帰っちゃったんだから。今頃のんびりと部屋で紅茶でも飲んでるんじゃないかな」
其の頃、タスネはシオの予想に反して自室で普通に書類に目を通しサインをしていた。
場面は総督府に戻る。
ヒジリは後ろ手を組んで窓の外から通りを見つめていた。種族問わず数人の僧侶や修道女が跪いて此方に向かって祈りを捧げているのが気に入らないのだ。
光の御柱(実際は分子分解フラッシュ)の際のエフェクトは大失敗だったと後悔はどんどんと膨らむばかりであった。
「また僧侶たちが来ているのか・・・。神ではないと何度も言っているのに・・・」
ぼやくヒジリにシオは仕事をしながら言う。
「シュラス陛下のもとに司祭が何度も訪れて抗議しているんだってよ。ヒジリ聖下を俗世に関わらせるなー!ってさ。現人神であるヒジリ聖下は神学庁の管轄だから王都に呼び戻せって言ってるぜ」
ハッ!と短く笑いヒジリは肩を竦める。
「要らぬお世話だ。ところで、難民への家の割当は順調かね?」
シオは長い金髪を手櫛で後ろに流すと机の上の資料を捲り数字を調べる。
「んー家を充てがわれたのはまだ三割程度だな」
ヒジリは驚いてツカツカと歩み寄り資料を見ようと、座るシオの真上から覗き込む。
「なに?まだ多くの人々が砦の野営地でキャンプ生活をしているのか!てっきり宿屋の一室に住まわせているのだと思っていたが。誰も住んでいない貴族の大きな屋敷の一室を割り当てたらどうだ?」
真上から腰を折って覗きこむヒジリに顔を上げてシオは答える。
「そうしたいのは山々なんだけどもよぉ、他の街で生き延びた屋敷の持ち主の親戚が屋敷の権利を主張して上手くいかないんだわ」
金髪が床に向かって垂直に垂れ下がり、おでこが見えている。金色の目が「俺も苦労してんだぞ」とヒジリに語りかけてきた。
部屋の隅に立てかけられている聖なる杖が小さな声で何か囁いている。
「そのままキスしちゃえよ!」
杖の空気の読めなさに怒り、変にヒジリを意識させられて恥ずかしくなったシオは顔を真っ赤にして前を見た。
と、同時に空気が動いた事でシオの体から女性特有の甘い匂いがムワッとヒジリに襲いかかる。
(一緒に仕事をするようになってからシオはどんどん女のようになってきているぞ。以前はもっと骨ばっていた気がするが・・・)
シオのふっくらと丸みを帯びてきた顔と体から目を離すと、また後ろ手を組んでヒジリは窓際まで戻っていった。そして変な妄想が膨らまないようにドォスンの事を考えた。
(ドォスンは任務を終えただろうか?お金が入用だったみたいだから、冒険者ギルドのクエストを斡旋したが・・・。ナンベルの孤児院での警備の仕事を休んでまでリスクのある仕事を欲するなんて余程お金が必要なのだな。帰ってきたら何にお金を使うのか聞いてみるとしよう。それから難民の部屋は・・・仕方ない。ウメボシに頼むか)
少し活気の戻った商店街をウメボシはイシーと共に見て回っていた。
「香辛料たっぷりの具沢山なスープ等はどうでしょうか?イシー」
難民の炊き出しの食材を買いに来た二人は、食材を見てはどの料理が腹が膨れて腹持ちがいいかなどを話していた。
「スープは直ぐにお腹が減りますよウメボシさん」
「ウメボシの故郷にはカレーという料理があります。作り方は簡単です。具材を炒めてから煮込みカレールーを入れるだけです。出来たらご飯の上に乗せて完成です。本格的な物はもっとスパイスを混ぜる所から始めるのですが・・・。カレーを作るのであればカレールーは特別にウメボシがデュプリケイトします」
イシーは暫く考えこんだ後、
「一度に沢山大鍋でつくれそうですし、それにしますキャ!」
自分のお金ではないが毎日の炊き出し二食の費用もバカにならない。節約できるに越したことは無いのだ。
他の街や村から避難してきた70世帯分の食材を買い込むとウメボシがそれらを浮かせてオーガの酒場まで運ぶ。そこでオーガ達が食材の下処理をして野営地で作るのだ。
「早くしねぇと昼の炊き出しに間に合わねぇぞ!急げ!息子達!」
ゴールキ将軍は砦の戦士たちを大声で急かす。
砦の戦士達は名目上ヒジリが雇っている傭兵だ。
雇う金の出処は勿論光側の行政からである。一度役人がゴールキ達を雇おうとしたが頑として首を縦に振らなかった。そこでヒジリが直接声をかけると簡単に承諾してくれたのだ。
決して高くない給料だが、自分たちの仲間である出世頭のヒジリ一等兵が―――例え光側の任命で総督の地位にあったとしても―――それが誇らしく思えるのだ。
「よーし、材料と鍋は持ったか?行くぞ!」
「うーい!」
オーガ達とイシーとウメボシは野営地に向かった。
お昼前には野営地にスパイシーでお腹の減る匂いが漂っていた。大きな寸胴鍋二つをヘカティニスとミカティニスがメイド姿でかき混ぜている。
「では皆さ~ん、お皿を持って並んで下さい~!」
イシーはご飯の鍋の前でそう言うと、ゴブリン、オーク、ドワーフの老若男女の列がすぐに出来た。
イシー達は次々とご飯をよそおい、カレーをかけていく。見たこともない黄色いドロっとしたスープのかかったご飯に難民たちは困惑する。
「なんだこれ。匂いは旨そうだけど色がウンコじゃねぇキャ。ウンコ入ってないだろうな?」
過去にウンコキャンディーをうっかり食べて虹色のゲロを吐いた事がある、ゴブリン谷のゴブリンは疑い深い。街で仕事を得られなかったゲートギルドのゴブリンたちも難民扱いで食事が貰えるのだ。
「ウンコでもワシは構わんぞ。もう腹ペコじゃ。食う!」
暫くミスリル鉱山で生活していたドワイト達は日に日に寒くなる冬の空気と狩りによる食料確保の難しさに負けてゴデの街にやって来た。
「ドワイトさん、ウンコだなんて失礼ですよ。その料理はカレーという名前でヒジリ総督とウメボシさんの故郷の料理らしいですよ。実際はインドとかいう国の料理で郷土料理ではないとかどうとか言ってましたが」
先にゴデの街に来て総督府で仕事をするようになった魔人族のルーチは事務能力の高さからシオの下で働いている。
ドワイトはルーチの説明など聞いておらずカレーをガツガツと胃袋に収めていく。
「うむ、辛いが旨い!美味しすぎて飲み物みたいに喉を通ってしまうわぃ。おかわり!」
「まぁ!小さな子供みたいですね、ドワイト様。ウフフ!」
美味しそうにカレーを食べるドワイトを見てはウメボシは嬉しそうにしている。
ドワイトの皿を浮かすとイシーの前に運び威勢よく言う。
「おかわり一丁!」
「はーい!」
ご飯をルー係のヘカティにスに渡すイシーの前に見慣れない魔人族の男が立った。
禍々しい頭蓋骨を模した血の色の鎧は鈍く黒い光を放っている。背中からは魔力の篭ったハルバードの刃が顔を覗かせていた。
何かを守るタイプの者ではないと誰もが一目で気がつく。その目だけを覆う黒いマスクが着けられており異様さを更に際立たせていた。
「私にも貰えるかな?」
「は、はい」
イシーは新しい皿にご飯を乗せヘカティニスに渡す。
ヘカティニスは見慣れぬ魔人族の男が出す禍々しいオーラに警戒の色を隠さない。
男から目を離さずカレールーを乗せて渡す。男は空いていたドワイトの横の椅子に座るとテーブルに皿を置いて食べだした。
「美味い。そして辛い。しかしこの辛さが病みつきになりそうだ。ハハ!」
同じ魔人族のルーチは怪しい男が美味しそうに食事をしている姿にホッとする。
(悪い人では無さそうだけども・・・)
カレーを勢い良く平らげた魔人族の男はガタッ!と椅子から立ち上がると、突然大きな声で自己紹介を始めた。
「私はツィガル帝国騎士団の四騎士が一人、暗黒騎士のセンだ。グランデモニウム城をあのような形で落とした事は非常に残念な事だと思う。結局、城だけのはずが失敗してこの国の国民の多くをアンデッドにしてしまった。これでは占領する意味が無い。しかし休暇の一人旅の途中でたまたまに見つけた。ここにはまだまだ多くの者が生き残っており、街としての機能も健在だ。これは僥倖である。一応言っておくが、ここも我々の帝国領にしようとヴャーンズ皇帝陛下は考えておられる。今日は私が帝国民となるであろう諸君らに挨拶をしにきたのだと思ってくれても良い。おめでとう、諸君」
凍りつく空気の中、センはただ一人拍手をしながら周りの者をぐるりと見る。
それを無視して食事を続ける者、敵意を視線に籠めて睨みつける者、怯える者、ニヤついている者、反応は様々だった。
近くの少年ゴブリンがセンを睨みつけながら言う。
「お前ら帝国の糞共は黒竜山脈から飛んでくる砂まじりの雪でも食ってろよ、ペッ!お前たちのおかげで家族がゾンビになって浄化されちゃったんだぞ!」
憎しみの篭った唾はセンの鎧を纏うオーラが弾き、地面にピチャっと落ちた。
暗黒騎士は少年の肩に手を置くと顔を近づけて形だけの謝罪をした。
「それはすまなかったな、少年。しかし、君は我々闇側の本質を忘れていないかね?弱い者は強い者に従う。力こそ全て。君たちの王は長年、我々の勧告を無視して帝国の傘下に入ろうとしなかった。そのツケの支払いが君の家族の命であり国民の命だったのだ。恨むのであれば、のらりくらりと長年はぐらかしてきたグランデモニウム国王を恨め」
へカティにスはメイド服のまま、配給テントの近くに置いていた魔剣”へし折り”を片手で持ち上げ、それでセンを指す。
「帝国とか国王とか闇側の本質とか知ったことか。おでたちはおでたちで生きてきたし、これからもそうだ」
センは魔剣”へし折り”を見てからヘカティニスを見る。
「ほう、英雄傭兵ヘカティニスか。名は知っているぞ。戦場で何人もの敵を空中に撥ね上げて殺す様から死の竜巻という二つ名が帝国では付いている。どうだ?帝国に雇われないか?」
魔剣を肩に担ぐとヘカティニスは鼻で笑って断った。
「おでたちは今はヒジリに従っているんだど。どこの馬の骨かわがんねぇ、お前の言うことなど聞くか!馬鹿もん」
ヘカティニスの後ろにある視線にも気が付いた。相当の手練と思われる砦の戦士達が此方を睨みつけている。
「そうか。ここには優秀な戦士が沢山いるのだな。流石の私もこの手練達を一人で相手にするには厳しいものがある。日を改めさせてもらおう。次会う時は必ずお前たちを従わせてやるぞ。戦場でな!従わなければ待つのは死のみだ。ではさようなら諸君」
マジックアイテムを手で砕くと、センは瞬間移動をしてこの場から去った。
突然のことで誰も言葉が出なかった。
この様子を見ていたウメボシはいち早く主へ報告に向かい飛び去る。
(これは大変な事になりました。人々のアンデッド化は帝国の仕業だったとは・・・。このまま手を拱いていれば、樹族国も同じ憂き目に遭うやもしれません)
冬の風が人々の顔に不安を吹き付け、野営地を通り過ぎていく。
ついさっきまで灰色だった雲は黒くなり、僅かな雪を小麦粉のように振り撒いていた。
雪が僅かに積もる孤児院の砂場で魔人族の子供は北の空を見上げている。そして歌詞と母親を思い出すように徐ろに子守歌を唄いだす。
――― 寂しい猫ちゃん ねんねこねー 母ちゃん探して 鳴いたなら 撫でてあげよう ねんねこねー ―――
グランデモニウム城に関するクエストを受けたスカー、ベンキ、ドォスンは門前でスケルトンオークの群れと対峙している。
ここに辿り着くまでに余裕を持って倒す事の出来たゾンビに比べると、スケルトンオークは生前、ドォスンより格上だったのか新米戦士にとっては難敵だった。
「ヒジリの神の御柱からどうやって逃れたのだ、アンデッド達は」
「さぁな。神の御柱の後に発生したんじゃないのか?それよりもドォスンを助けなくて良いのか?ベンキ」
ベンキは一撃で倒したスケルトンオークの頭蓋骨を無造作に踏み砕いて蹴飛ばし、ズボンのポケットから柔らかい布を取り出した。
そして眼鏡を外し大事そうに拭いた。
オーガの戦士にしては珍しく読書が趣味のベンキは暇さえあれば薄明かりの中でも本を読む。それが原因で十年くらい前から眼鏡が必須となっている。ベンキは羊の腸で出来た耳かけ紐の付いた眼鏡を更に拭きながら厳しい声でスカーに返事をする。
「いくらヒジリに頼まれたからって、そこまで面倒を見てやる必要はない。助けたらあいつは一生弱いままだ」
ベンキに突き放すような言動にスカーは困惑する。オーガにしては珍しく他人を気遣う事の出来るスカーはヤキモキしながらドォスンを心配そうに見ている。
スケルトンオークの曲刀は何度もドォスンを斬りつけており、斬りつけられる度に「うわぁヤメロ!」と喚くが大してダメージは受けていない。
「見た通りあいつは尋常じゃなく固い。ただ攻撃する術が少ない。殴るか蹴るかしかしていないから攻撃が単調で直ぐに軌道を敵に見破られる」
ベンキは綺麗で涼し気な目で、ぼんやりとしか見えていないドォスンを見つめると眼鏡をかけて彼の弱点を指摘した。
実際、スケルトンオークはドォスンの攻撃を見切ってひらりひらりと回避している。スカーは遂に我慢できなくなりドォスンにアドバイスを出した。
「ドォスン!攻撃の合間に一回か二回、殴る振りを混ぜてみろ!殴る振りだぞ!」
「わがっだ!」
ドォスンは言われた通り素直にパンチを躱された後にもう一度殴ろうとした手を止めた。
今までの単調な攻撃は受ける側にも単純な回避を誘う。
油断していたスケルトンオークはフェイントのパンチを避けようと軽く横にジャンプした。が、着地した所をドォスンの蹴りの追撃で脚を砕かれ動けなくなった。
倒れるスケルトンオークの頭を踏み砕くと、ドォスンは両手を上げてヤッター!と叫んだ。
「おで強くなった!」
喜ぶドォスンにスカーは呆れて肩を竦める。
「んなアホな。スケルトンオークを倒したぐらいで強くなるかよ」
「以前よりは強くなったんだろ。さぁ仕事に取り掛かかるぞ。スカーはドォスンと一緒に周りを見張っててくれ」
そう言うとベンキは跳ね橋の上から堀の水に向かって聖水をばら撒き、門の脇に札を貼った。
「これでよしと」
骨となったオーガやオークがベンキに気が付き、城内からワラワラと出てきた。堀の対岸までベンキは走ると振り返って札と聖水の効果を確かめる。
門を通り過ぎ、吊橋の真ん中辺りでスケルトン達はただの骨となり山を作った。それを確認したベンキは少し離れた場所で周囲を警戒していた二人に声をかける。
「お~い!みんな撤収だ~。後は樹族国の仕事だ。帰って報告する頃には城は浄化されているだろう」
去り際に雪がちらほら降りだしたのを見てベンキは空を見つめて、毛皮の鎧から剥き出す肩を擦った。
ベンキが見つめた空はゴデの街にも雪を降らせていた。
「雪か・・・。急がないと本格的な冬が来て難民たちが凍えるな」
ヒジリは富裕層街の空き家となった貴族の屋敷を総督府として充てがわれており、シュラスから直々にグランデモニウム王国の総督に封ぜられていた。
同じ部屋で机の前に座り、事務仕事をするシオ男爵が不満を言う。
「子爵様はいいよな~。俺達に仕事を押し付けてアルケディアに帰っちゃったんだから。今頃のんびりと部屋で紅茶でも飲んでるんじゃないかな」
其の頃、タスネはシオの予想に反して自室で普通に書類に目を通しサインをしていた。
場面は総督府に戻る。
ヒジリは後ろ手を組んで窓の外から通りを見つめていた。種族問わず数人の僧侶や修道女が跪いて此方に向かって祈りを捧げているのが気に入らないのだ。
光の御柱(実際は分子分解フラッシュ)の際のエフェクトは大失敗だったと後悔はどんどんと膨らむばかりであった。
「また僧侶たちが来ているのか・・・。神ではないと何度も言っているのに・・・」
ぼやくヒジリにシオは仕事をしながら言う。
「シュラス陛下のもとに司祭が何度も訪れて抗議しているんだってよ。ヒジリ聖下を俗世に関わらせるなー!ってさ。現人神であるヒジリ聖下は神学庁の管轄だから王都に呼び戻せって言ってるぜ」
ハッ!と短く笑いヒジリは肩を竦める。
「要らぬお世話だ。ところで、難民への家の割当は順調かね?」
シオは長い金髪を手櫛で後ろに流すと机の上の資料を捲り数字を調べる。
「んー家を充てがわれたのはまだ三割程度だな」
ヒジリは驚いてツカツカと歩み寄り資料を見ようと、座るシオの真上から覗き込む。
「なに?まだ多くの人々が砦の野営地でキャンプ生活をしているのか!てっきり宿屋の一室に住まわせているのだと思っていたが。誰も住んでいない貴族の大きな屋敷の一室を割り当てたらどうだ?」
真上から腰を折って覗きこむヒジリに顔を上げてシオは答える。
「そうしたいのは山々なんだけどもよぉ、他の街で生き延びた屋敷の持ち主の親戚が屋敷の権利を主張して上手くいかないんだわ」
金髪が床に向かって垂直に垂れ下がり、おでこが見えている。金色の目が「俺も苦労してんだぞ」とヒジリに語りかけてきた。
部屋の隅に立てかけられている聖なる杖が小さな声で何か囁いている。
「そのままキスしちゃえよ!」
杖の空気の読めなさに怒り、変にヒジリを意識させられて恥ずかしくなったシオは顔を真っ赤にして前を見た。
と、同時に空気が動いた事でシオの体から女性特有の甘い匂いがムワッとヒジリに襲いかかる。
(一緒に仕事をするようになってからシオはどんどん女のようになってきているぞ。以前はもっと骨ばっていた気がするが・・・)
シオのふっくらと丸みを帯びてきた顔と体から目を離すと、また後ろ手を組んでヒジリは窓際まで戻っていった。そして変な妄想が膨らまないようにドォスンの事を考えた。
(ドォスンは任務を終えただろうか?お金が入用だったみたいだから、冒険者ギルドのクエストを斡旋したが・・・。ナンベルの孤児院での警備の仕事を休んでまでリスクのある仕事を欲するなんて余程お金が必要なのだな。帰ってきたら何にお金を使うのか聞いてみるとしよう。それから難民の部屋は・・・仕方ない。ウメボシに頼むか)
少し活気の戻った商店街をウメボシはイシーと共に見て回っていた。
「香辛料たっぷりの具沢山なスープ等はどうでしょうか?イシー」
難民の炊き出しの食材を買いに来た二人は、食材を見てはどの料理が腹が膨れて腹持ちがいいかなどを話していた。
「スープは直ぐにお腹が減りますよウメボシさん」
「ウメボシの故郷にはカレーという料理があります。作り方は簡単です。具材を炒めてから煮込みカレールーを入れるだけです。出来たらご飯の上に乗せて完成です。本格的な物はもっとスパイスを混ぜる所から始めるのですが・・・。カレーを作るのであればカレールーは特別にウメボシがデュプリケイトします」
イシーは暫く考えこんだ後、
「一度に沢山大鍋でつくれそうですし、それにしますキャ!」
自分のお金ではないが毎日の炊き出し二食の費用もバカにならない。節約できるに越したことは無いのだ。
他の街や村から避難してきた70世帯分の食材を買い込むとウメボシがそれらを浮かせてオーガの酒場まで運ぶ。そこでオーガ達が食材の下処理をして野営地で作るのだ。
「早くしねぇと昼の炊き出しに間に合わねぇぞ!急げ!息子達!」
ゴールキ将軍は砦の戦士たちを大声で急かす。
砦の戦士達は名目上ヒジリが雇っている傭兵だ。
雇う金の出処は勿論光側の行政からである。一度役人がゴールキ達を雇おうとしたが頑として首を縦に振らなかった。そこでヒジリが直接声をかけると簡単に承諾してくれたのだ。
決して高くない給料だが、自分たちの仲間である出世頭のヒジリ一等兵が―――例え光側の任命で総督の地位にあったとしても―――それが誇らしく思えるのだ。
「よーし、材料と鍋は持ったか?行くぞ!」
「うーい!」
オーガ達とイシーとウメボシは野営地に向かった。
お昼前には野営地にスパイシーでお腹の減る匂いが漂っていた。大きな寸胴鍋二つをヘカティニスとミカティニスがメイド姿でかき混ぜている。
「では皆さ~ん、お皿を持って並んで下さい~!」
イシーはご飯の鍋の前でそう言うと、ゴブリン、オーク、ドワーフの老若男女の列がすぐに出来た。
イシー達は次々とご飯をよそおい、カレーをかけていく。見たこともない黄色いドロっとしたスープのかかったご飯に難民たちは困惑する。
「なんだこれ。匂いは旨そうだけど色がウンコじゃねぇキャ。ウンコ入ってないだろうな?」
過去にウンコキャンディーをうっかり食べて虹色のゲロを吐いた事がある、ゴブリン谷のゴブリンは疑い深い。街で仕事を得られなかったゲートギルドのゴブリンたちも難民扱いで食事が貰えるのだ。
「ウンコでもワシは構わんぞ。もう腹ペコじゃ。食う!」
暫くミスリル鉱山で生活していたドワイト達は日に日に寒くなる冬の空気と狩りによる食料確保の難しさに負けてゴデの街にやって来た。
「ドワイトさん、ウンコだなんて失礼ですよ。その料理はカレーという名前でヒジリ総督とウメボシさんの故郷の料理らしいですよ。実際はインドとかいう国の料理で郷土料理ではないとかどうとか言ってましたが」
先にゴデの街に来て総督府で仕事をするようになった魔人族のルーチは事務能力の高さからシオの下で働いている。
ドワイトはルーチの説明など聞いておらずカレーをガツガツと胃袋に収めていく。
「うむ、辛いが旨い!美味しすぎて飲み物みたいに喉を通ってしまうわぃ。おかわり!」
「まぁ!小さな子供みたいですね、ドワイト様。ウフフ!」
美味しそうにカレーを食べるドワイトを見てはウメボシは嬉しそうにしている。
ドワイトの皿を浮かすとイシーの前に運び威勢よく言う。
「おかわり一丁!」
「はーい!」
ご飯をルー係のヘカティにスに渡すイシーの前に見慣れない魔人族の男が立った。
禍々しい頭蓋骨を模した血の色の鎧は鈍く黒い光を放っている。背中からは魔力の篭ったハルバードの刃が顔を覗かせていた。
何かを守るタイプの者ではないと誰もが一目で気がつく。その目だけを覆う黒いマスクが着けられており異様さを更に際立たせていた。
「私にも貰えるかな?」
「は、はい」
イシーは新しい皿にご飯を乗せヘカティニスに渡す。
ヘカティニスは見慣れぬ魔人族の男が出す禍々しいオーラに警戒の色を隠さない。
男から目を離さずカレールーを乗せて渡す。男は空いていたドワイトの横の椅子に座るとテーブルに皿を置いて食べだした。
「美味い。そして辛い。しかしこの辛さが病みつきになりそうだ。ハハ!」
同じ魔人族のルーチは怪しい男が美味しそうに食事をしている姿にホッとする。
(悪い人では無さそうだけども・・・)
カレーを勢い良く平らげた魔人族の男はガタッ!と椅子から立ち上がると、突然大きな声で自己紹介を始めた。
「私はツィガル帝国騎士団の四騎士が一人、暗黒騎士のセンだ。グランデモニウム城をあのような形で落とした事は非常に残念な事だと思う。結局、城だけのはずが失敗してこの国の国民の多くをアンデッドにしてしまった。これでは占領する意味が無い。しかし休暇の一人旅の途中でたまたまに見つけた。ここにはまだまだ多くの者が生き残っており、街としての機能も健在だ。これは僥倖である。一応言っておくが、ここも我々の帝国領にしようとヴャーンズ皇帝陛下は考えておられる。今日は私が帝国民となるであろう諸君らに挨拶をしにきたのだと思ってくれても良い。おめでとう、諸君」
凍りつく空気の中、センはただ一人拍手をしながら周りの者をぐるりと見る。
それを無視して食事を続ける者、敵意を視線に籠めて睨みつける者、怯える者、ニヤついている者、反応は様々だった。
近くの少年ゴブリンがセンを睨みつけながら言う。
「お前ら帝国の糞共は黒竜山脈から飛んでくる砂まじりの雪でも食ってろよ、ペッ!お前たちのおかげで家族がゾンビになって浄化されちゃったんだぞ!」
憎しみの篭った唾はセンの鎧を纏うオーラが弾き、地面にピチャっと落ちた。
暗黒騎士は少年の肩に手を置くと顔を近づけて形だけの謝罪をした。
「それはすまなかったな、少年。しかし、君は我々闇側の本質を忘れていないかね?弱い者は強い者に従う。力こそ全て。君たちの王は長年、我々の勧告を無視して帝国の傘下に入ろうとしなかった。そのツケの支払いが君の家族の命であり国民の命だったのだ。恨むのであれば、のらりくらりと長年はぐらかしてきたグランデモニウム国王を恨め」
へカティにスはメイド服のまま、配給テントの近くに置いていた魔剣”へし折り”を片手で持ち上げ、それでセンを指す。
「帝国とか国王とか闇側の本質とか知ったことか。おでたちはおでたちで生きてきたし、これからもそうだ」
センは魔剣”へし折り”を見てからヘカティニスを見る。
「ほう、英雄傭兵ヘカティニスか。名は知っているぞ。戦場で何人もの敵を空中に撥ね上げて殺す様から死の竜巻という二つ名が帝国では付いている。どうだ?帝国に雇われないか?」
魔剣を肩に担ぐとヘカティニスは鼻で笑って断った。
「おでたちは今はヒジリに従っているんだど。どこの馬の骨かわがんねぇ、お前の言うことなど聞くか!馬鹿もん」
ヘカティニスの後ろにある視線にも気が付いた。相当の手練と思われる砦の戦士達が此方を睨みつけている。
「そうか。ここには優秀な戦士が沢山いるのだな。流石の私もこの手練達を一人で相手にするには厳しいものがある。日を改めさせてもらおう。次会う時は必ずお前たちを従わせてやるぞ。戦場でな!従わなければ待つのは死のみだ。ではさようなら諸君」
マジックアイテムを手で砕くと、センは瞬間移動をしてこの場から去った。
突然のことで誰も言葉が出なかった。
この様子を見ていたウメボシはいち早く主へ報告に向かい飛び去る。
(これは大変な事になりました。人々のアンデッド化は帝国の仕業だったとは・・・。このまま手を拱いていれば、樹族国も同じ憂き目に遭うやもしれません)
冬の風が人々の顔に不安を吹き付け、野営地を通り過ぎていく。
ついさっきまで灰色だった雲は黒くなり、僅かな雪を小麦粉のように振り撒いていた。
雪が僅かに積もる孤児院の砂場で魔人族の子供は北の空を見上げている。そして歌詞と母親を思い出すように徐ろに子守歌を唄いだす。
――― 寂しい猫ちゃん ねんねこねー 母ちゃん探して 鳴いたなら 撫でてあげよう ねんねこねー ―――
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