未来人が未開惑星に行ったら無敵だった件

藤岡 フジオ

文字の大きさ
1 / 373

地球人はオーガ

しおりを挟む
「う~・・・。魔法学校在学中に罠解除の魔法を覚えておけば良かった・・・」

 草木が芽吹きだした春の草原で、黒髪を三つ編みにした小柄な地走り族の少女は不機嫌そうな顔で頬杖をついていた。

 傍らのバスケットには、この時期にしか生えないキノコが山盛りに入っている。

 分厚い生地のロングスカートから覗く右足に、光の粘液のようなものが絡みついていて、どう動こうが放してくれない。

「キノコを採って家計の足しにしようと思ったらこれだよ・・・。猟師さんが見回りに来るまで、ずっとこのままなのかな・・・。もしかしたら誰も来ないままひっそりと死んでいくのかも・・・。私自身がキノコの養分になってマタンゴのタスネ爆誕! なんちゃって・・」

 本来、彼女くらいの年齢の地走り族はこの程度の猟師の罠であれば簡単に解除が出来る【罠解除】の魔法を覚えている。

 しかしタスネはそれを覚える前に、家庭の事情で魔法学校を中退している。

 波のごとく押し寄せる嫌な思い出を振り払うようにメロディーを口ずさんでみたものの、逆に親が死んだも同然になってしまった時の事や、学校に通っていないという周りからの差別、毎日の苦しいお金稼ぎに疲れ果てたという気持ちが重くのしかかってきた。

 涙目でうぅ~と唸りながら頭を抱えるタスネの前方十メートル先が、とつぜん薄暗くなったかと思うと、今まで聞いた事も無い重低音とともに空間が歪んだ。

「え・・・? 何?」

 野原に雷のような轟音が響き、遅れて風が沸き起こる。

 タスネが微動だにせず見つめたその先には二つの姿があった。

 しゃがんだ姿勢からぬうっと立つその人物は、身長が二メートル以上もある筋骨隆々の黒髪のオーガだ。その横には薄いピンク色をした球状ボディに一つ目だけが付いているイービルアイがフヨフヨと浮いている。

 それを見た途端、タスネの顔からすーっと血の気が引く。自分の周りには身を隠せるような背の高い草が無くオーガ達には丸見えだったからだ。

「終わった・・・。アタシ終わった・・・。はい、死に確定~! 絶対食べられるじゃん、この状況! 妹達よ、お姉ちゃんは先にあの世に逝くけど強く生きてね!」

 タスネはやけっぱちになって地面の上でギュッと目を閉じて大の字になって寝転んだ。

 が、いくら何分経ってもオーガたちが襲ってくる気配はない。

 地走り族特有の好奇心の強さが、彼女の頭をもたげさせてオーガ達を観察させる。

 全く光を反射しない、体にぴったりと張り付く黒い服を着たオーガ。

 睫毛の長い一つ目を忙しなくキョロキョロさせる羽のないイービルアイ。

 二人はしばらく周りを見回した後、聞いた事も無い言語で会話をし始めた。

 そして暫く会話をした後、オーガは顎をさすって何か考え、倒木に座る。イービルアイはまだオーガに何かを話しかけていた。

(珍しい。彼はオーガのメイジだわ。使い魔は可愛い声をしているからメスね。確かオーガメイジってメイジなのに簡単な魔法しか使えないんだよね。アタシと同じだ・・・、っていうかそんな事はどうでもいいか。もう! 食べるなら早くしてよね!)

 タスネの視線に気が付いたオーガとイービルアイはゆっくりこちらに向かって歩き出した。オーガはかなりのハンサムだが、体のごつさと端正な顔の釣り合いが取れていない。

 草を踏みしめ土を蹴る音とともに訪れる死のカウントダウンに覚悟を決めた彼女は、後頭部を地面につけ目を固く閉じて終わりを待った。

 残される妹達の苦難に満ちた人生を憂い神に祈る。

(ああ、神様! 妹達の今後の人生がどうか幸せでありますように!)

「フガガフガフガ、モンガー。ゴゴバモレモレ・・・」

 そんなタスネの様子など気にも留めず、太く整った眉にアーモンド型をした大きな目のオーガはしゃがんで何やら話しかけてきた。

 簡単にまとめてあるポニーテールの長髪を揺らし、手振り身振りで何かを伝えようとしている。

 きっとオーガ語で私を罵倒しているに違いないと思ったタスネは、最初のうちは目をつぶって何も答えなかった。

 しかしオーガは執拗に話しかけてくるので死を受け入れる覚悟が遂に揺らいでしまう。

 カッ! と目を見開いて上半身を起こし、タスネは叫んで激怒した。

「何の真似よ! 私はオーガ語なんて分からないから何を言っても無駄よ! もう怖くてオシッコちびりそうなんだからね! まずくなるよ! オシッコ漏らしたらお肉が絶対まずくなるよ! 食べるならさっさとしてよ!」

「モキュ? ホドドイゲリカモンガー?」

「もぉ・・・。ちゃんと共通語でしゃべってよ・・・。オーガが頭悪いのは知っているけど共通語くらいしゃべれるでしょう・・・」

「ギョーツウゴ? ゴンジリホシホシイデラッキョ」

「ああ、そういう事ね! そうやってアタシを馬鹿にして楽しんだ後に頭から丸かじりするんでしょ! も~わかった! も~~怒った! 漏らす! 絶対に漏らす!」

 タスネは本気で漏らそうかと思ったが、この邪悪なオーガは鼠を弄んで殺す猫のようだと思うと更に怒りが沸々とわき立ち、せめてもの報いにと自分が唯一使える【眠れ】の魔法を使って抗ってやろうと考えた。

 魔法大国に住む地走り族が最初に覚える基本的かつ実戦的な魔法【眠れ】。

 ほぼ無詠唱で使う事が出来る。タスネの魔力ではオーガを眠らせてもせいぜい一分ぐらいなので、焼け石に水だ。

(それでも! あたしは魔法国家樹族国の住人! 最後っ屁を喰らえ!)

 魔法動作を悟られないように手を隠し、渾身の願いを込めて魔法【眠れ】をオーガとイービルアイに向けて指先から放った。

(いっけぇぇえ!!)

 心の中で叫びながら放った【眠れ】は指先から放射状に広がる拡散ビームのような魔法で、オーガとイービルアイを撃つ。

 が、その渾身の魔法は彼らの手前であっさりと霧散し、タスネの願いとは裏腹にオーガは何事も無かったような顔をして話しかけてくる。

「そんな・・・・。オーガなんかにレジストされるなんて・・」

 焼け石に水とは言え、一分眠らせている間にもしかしたら見回りの猟師が来て助けてくれたかもしれない。心のどこかに”なんとかなるかも!”という期待があったが、それはもろい泡のように弾けて消えてしまった。

 一矢報いる事も叶わず、悔しさと絶望でタスネは何も考えられなくなり、ただただ呆然とするしかなかった。

「日常会話レベルの言語解析終了、マスターに今現在解析済みのデータを転送します」

 今まで空中に浮いて微動だにしなかったイービルアイが急に喋り出した。

「ようやくかね。珍しく手間取ったな、ウメボシ」

 タスネの分かる言葉で喋りだすオーガと使い魔。

 所々オーガ語が交じっているように聞こえるので会話内容の全てまでは分からないが。

「言語パターンから考察するに、残念ながらここは地球ではないようです。マスター」

「やはりか」

「太陽は地球で見る物と同じですので、ここは間違いなく太陽系の惑星です。知的生命体が太陽系にいると知ったら地球人は驚くでしょうね。今も知的生命体を探して外宇宙の惑星を探査している同胞を気の毒に思います。取りあえず救難信号ビーコンを惑星軌道上に打ち上げておきますので、巡回中の無人船や人工衛星が信号を拾ってくれるかもしれません。しばしこの星で暮らす事となるでしょう。なので情報を集めておきましょう」

 やれやれと大袈裟な態度で首を振り、オーガはタスネの方に向き直る。

「というわけでそこの異星人。私の名前は大神 聖、この薄いピンクの球体はアンドロイドドローンのウメボシ。色々と情報が欲しいので近くの村か街まで案内してくれたまえ」

「何よ! アタシを食べるんじゃないの? 意味がわからないよ!」

 やはり所々理解出来ない単語で話しかけてくるオーガにタスネは涙目でキレながら喚く。

「こちらこそ意味がわからないな。何で私が君を食べなきゃならないのかね? この星はカニバリズムの習慣があるのだろうか?」

 ヒジリは恐ろしい星に来てしまったと口をヘノ字口にして肩をすくめる。

「だって貴方は! 下劣で! 邪悪な! 人食いオーガだからでしょうが!」

 ウメボシがヒジリの耳元で囁く。

「マスター、恐らくこの星で地球人に一番類似する種族はオーガと呼ばれる種族なんだと思われます。会話をスムーズに行う為にオーガを演じてみてはいかがでしょうか」

「いかがでしょうかって・・ウメボシィ・・。君の言うオーガは二千年以上前の地球で流行った小説やアニメとかに出てくる架空の鬼みたいな種族だろう? いくら私が二十世紀代好きのオタクだからといって演じきれるわけなかろう。それに何故、未開の惑星に地球人の想像したオーガがいるのかね?」

「細かい事は兎に角、マスターなら出来ますって。何せ万能型にデザインされて生まれて来たのですから出来ますよ」

「万能型・・・。聞こえは良いが器用貧乏なだけだよ。私は特化型が良かったんだ・・」

「さぁさぁボヤいてないで始めましょう、マスター」

 無茶振りをするウメボシに眉間にしわを寄せて不満を表した後、確かアニメで見たオーガはこんなだったかな? と思い返しながらヒジリはタスネに向かって勢いよく言う。

「そ、そうだ! 私の種族は邪悪なオーガだ! ただ私はグルメなので不味い人型の生き物を食ったり無闇矢鱈と襲ったりはしないのだ・・・。ウガ!」

「ウガウガ!」

 ヒジリの後ろで調子を合わせるようにウガウガとふざけるウメボシ。

「そんな話、誰が信じられますかって!! だったらこの魔法の罠を外してアタシを自由にしてみてよ。貴方は一応使い魔がいるしメイジなんでしょ? 解除の魔法ぐらい使えるわよね? ん? ん?」

 直ぐに食べられる事は無さそうだと思ったのか、この間抜けなオーガを出し抜いてみせるぞと言わんばかりに挑発するタスネにウメボシはプススと笑う。

「魔法? 何を言っているんでしょうか? このおちびさんは。ねぇマスター! フフッ!」

「笑うってやるな、ウメボシ。きっとおまじない等のシャーマニズム的な何かなのだろう」

「貴方達ね! 馬鹿にしてるけど解除の魔法が使えないだけでしょ! 所詮はオーガメイジだからね! バーカバーカ」

 更に挑発するタスネに分かった分かったという態度で

「で、魔法の罠とやらはどこにあるのかね? 私には見えないのだが」

 と答え、タスネに近づく。

「ここよ! ここ! 貴方メイジなのに魔法不可視症なの? それとも馬鹿なの?」

 と顔を真っ赤にして怒鳴り右足を指さすタスネ。どうやらヒジリ達の憎らしい対応で恐怖より怒りが勝ったようだ。

「では調べてみる事にしよう」

 やれやれ、ごっこ遊びに付き合ってやるかという態度で適当にタスネの右足をヒジリが触ると、スゥーっと魔法の罠である光の粘液が消えていく。勿論ヒジリにもウメボシにもそれは見えていない。

「え?」

 と驚くタスネを

「ん?」

 と、片眉を上げて見るヒジリ。

「そそそ、そうやって優しいオーガを演じて、油断したところを頭からガブーッと食べる気でしょ!」

「やれやれ、私は人を食わないとさっき言った」

「村まで善良なオーガを演じた後、油断している村人達を一気に殺して貪る気ね!」

「しつこい!」

 段々とやり取りが面倒になってきたヒジリは、身長百五十センチメートルにも満たない小さなタスネをひょいと肩に乗せてから案内しろと言って歩き出した。

「わぁぁぁ! 高い! 高い! 怖い怖い! 漏れる漏れる!」

 と下腹部を押さえて煩く騒ぐので直ぐに降ろして

「早く用を足してきたまえチビッコ、いやチビリっ子と言うべきか?」

 と面白くない駄洒落をタスネにドヤ顔で言い、すかさず残像が見える程滑らかに後方にステップして振り向き、ウメボシの反応を窺うも白眼視で迎撃される。

 漏れそうで余裕の無いタスネは慌てて森の奥へと消えていった。

 暫くして茂みの奥からふぅーと爽やかな顔をして戻ってくるタスネを見てウメボシが驚く。

「あら? お逃げにならなかったのですか? 貴方のこれまでの思考パターンからして逃げるかと思い、追跡用のナノマシンを吹き付けておいたのですが・・・」

「あーーーっ! そうだった!」

 と言った後、悔しそうに天を仰いで頭を抱え地団駄を踏むタスネ。

「トイレに行って用を足すと今まで考えていた事をすっかり忘れてしまう説、あるな・・・」

 太い眉を八の字にし、哀れむ目でヒジリはタスネを見る。

 ぐぬぬと呻くタスネだが、出す物を出したせいか今まで混乱していた頭が段々と落ち着いてきた。

(このオーガ、意地悪だけど邪悪には見えない。以前闘技場前で見た檻の中の奴隷オーガは凶暴で会話が出来るようには見えなかったし。もしかしたらこのオーガは案外良いオーガなのかも・・・。本当に邪悪なら有無を言わさず私なんか引き裂いて近くの村や街を襲っているだろうし・・)

 地走り族は元来、陽気な種族である。タスネは地走り族の中でもかなり心配性な方だが、根っこの部分では楽天的なのだ。

 肩の力を抜いて警戒を解く。

「あの・・・名前を言ってなかったね。あたしはエポ村のタスネ。ねぇヒジリは何処から来たの? 急に転移魔法で現れたからもしかして凄い魔法使いなの?」

 また魔法等という世迷言を言っている、と思いながらも話を合わせる努力をしようと決めたヒジリはタスネに返事をする。

「私は地球・・・いや東の果て(テンプレ通り)のオーガの国からやって来た。自身は転移魔法を使えない。転送ポータルで別の場所にウメボシと一緒にテレポートしようとしたら、ここまで飛ばされてきたのだ。こういう事故は確率的にはほぼ0に等しいのだが、実際我が身に起きてしまった。今頃、事故を起こした転送管理局は青い顔をして私を探している事だろう」

「う~ん。オーガ語が混じっているし、ノームみたいな事言っててよく解らないけど。要は転移魔法の失敗で光側の国まで来ちゃったんだね?」

 横に並び歩く大きなオーガを一度見上げてから、そのまま喋るのは眩しいし首が痛いとタスネは気付き、前を見て答える。

 一歩の差も大きく、すぐに置いて行かれそうになる。

「そ、そうだ。事故で光側まで来てしまったのだ」

 ヒジリはタスネに適当に合わせたが全く理解できていない。先程からちょくちょく出てくる魔法という言葉が科学者であるヒジリの頭を悩ませるのだ。

 明らかに困惑顔のヒジリだが、タスネは前を見ているので気が付いていない。

「光側も闇側も戦争なんかせず仲良くすればいいのにねー。でもアタシね、闇側の人って皆凶暴で残虐だって教わっていたからヒジリみたいに普通に話が出来るオーガがいると解って驚きだよ!」

(ああ、戦争中というわけか、なるほど。オーガという種族は闇側と呼ばれる勢力に所属していてファンタジー小説のオーガのように凶暴なんだな)

 ヒジリは取りあえず得た情報を脳内で咀嚼し、ウメボシは情報を聞き逃すまいとタスネの背の高さまで降下した。

「うちの村なんて闇側との国境近くだからいつもビクビクしてるよ。でも貧村でめぼしい物は無いし、地走り族は魔力が低いから脅威だと思われていない所為か、一度も襲撃された事はないよ」

「心配は無用。私は平和を愛するオーガ。暫く君の村に居させてくれるのなら、敵が村を襲ってきた時に協力をさせてもらうおうか」

 どこか裏があるような話し方だが、耳に心地の良い声であるため、聞き流しそうになったが、タスネはヒジリの話に驚く。

「そうなると同胞と戦う事になっちゃうけどいいの? それにヒジリやウメボシはアタシの使役する奴隷って身分になるよ・・・。そうしないと名を上げたい騎士とかお金目当ての冒険者がヒジリの事を討伐しに来ちゃうから・・・」

 これを聞いて怒り出すのではないかとタスネは少し怯えてヒジリを見上げた。

 するとウメボシがタスネに囁く。

「マスターはオーガの中でも変わり者なんです。自分の国に居場所も友達もいない可哀想なオーガなんですよ。いわばはぐれ者のオーガで、今回の転移失敗事故も人生の新しい一歩だと思って内心で喜んでいるはずです。だから奴隷でも何でもいいので村に居させてやってもらえませんか?」

「え! それは可哀想・・・。うん、いいよ。アタシが住むエポ村に来なよ! オーガメイジなんて珍しいし力仕事も得意でしょ? 傭兵や土木作業員、村の警備や街道見回りの仕事等、色々あるよ。地走り族は非力だから力仕事してくれる人は本当に有難がられるの」

 ウメボシが何か良からぬことを吹き込んだな? と思いつつも

「助かる。よろしく頼むよ、タスネ君」

 とまるで会社のお偉いさんのような返事をしてから、歩く速度が遅いタスネを優しく片手に抱っこして歩き出した。

 急に抱き上げられて驚くタスネとそれを見て「ムムッ!」と嫉妬して少し不機嫌になるウメボシだった。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。

アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚… スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。 いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて… 気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。 愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。 生きていればいつかは幼馴染達とまた会える! 愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」 幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。 愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。 はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

処理中です...