76 / 373
混乱のバートラ
しおりを挟む
夜のバートラに建物の崩れる音が響き渡る。誰もが寝ぼけて、夢の中から聞こえてきた幻聴だと信じ、中々起きようとしない。
貧しいバートラの中でも、裕福な方だといえる大きいバラック小屋から、母親と妹の手を引っ張ってムロは逃げ出した。レンジャーの素質もある彼の勘が、少しでもここから離れた方がいいと警告する。
近所の家が何者かの集団に襲われている。ムロの母親は振り返って崩れゆく隣家を見た。
「お隣さんの家が・・・」
その襲われているバラック小屋から、仲の良かったムロの友人の悲鳴が聞こえてくる。
「くそ! デシンがやられた・・・。母さん急いで! お義父さんの形見は諦めて!」
母親は家に置いてきた夫の形見のペンダントに未練があるのか、走り方に迷いがある。
アサッシンだった義理の父親は歳の離れた妹が生まれた頃、仕事に失敗して帰らぬ人となった。
無口で印象の薄い父親だったが、母親が彼を愛していたのはよく知っていた。仕事のない日はいつも古墳のある丘陵地帯へと二人で散歩に出かけていたからだ。
「ムロ! やっぱり母さんは、あの人の形見を置いていけない。先に逃げてて。古墳で待ち合わせだよ!」
「母さん!」
母親はムロの手を振り切って、自宅へと走っていった。
「お兄ちゃん怖いよ! お母さんどこいったの?」
妹のチキは不安そうな声で兄の腕にしがみつく。
「大丈夫だよ、チキ。さぁ古墳まで走ろう。お母さんは後で来るって」
「なぁ、おい・・・。大丈夫なのか? お前・・・、霧の向こうから来た血を吸う化物を本当に操れているのか?」
そう言われたゴブリンサモナーは、ターゲットだけを狙うはずの化物が、関係ない家まで襲っていることに不安を覚えた。
「大丈夫だって。あいつらちょっと遊んでいるだけだろ。この王様ゲームの王冠とかいうヘンテコな名前のマジックアイテムがあれば平気だってシャーマンも言っていた。もし本当に効果が無いなら、俺達は今頃あいつらに殺されてるだろうキャら」
そう言って自分の頭にはまっている禍々しい冠を、コンコンと指先で叩く。
「そうなんだけどよ、俺らが話を持ちかけた時、あいつらニヤニヤしてなかったキャ?」
「気のせいだって。そういう顔してんだ、あいつら。今だってほら・・・」
霧の向こうからやって来た三人のヴァンパイアは、逃げ惑うゴブリンを捕まえては血を吸ってゲラゲラと笑っている。
「セイレーンのように美人なのに、なんとも残酷だな。口の周りが血だらけだ。見ろよ、あの牙・・・」
「おい! あれ! ターゲットだ! ロロムの妾だったシカズだ。ムロとチキはどこだ?」
「子供は逃げていくな。ふん、馬鹿な女だ。何しに家に戻るんだ?」
隣人が犠牲になっている間に、シカズは建物の陰に隠れながら家に戻ってきたのだ。
鏡台の引き出しから夫の形見のペンダントを取り出すと、ドアへと一目散に走る。
「早くあの子達を追わなきゃ!」
震える脚を拳で叩いて恐怖を追い払い、勇気を振り絞る。
そして家から出ようとしたその時、外から聞こえる隣人の悲鳴とジタバタと藻掻く音が止んだ。
「バァー!」
ドアの隙間から血塗れの女の顔が見えた。血が通っていないような青白い顔は、ガチガチと鋭い犬歯を鳴らして、シカズに噛み付こうとする。
「きゃあ!」
急いでドアを閉めたが、貧相な薄い木の板は簡単に破られてしまった。
シカズはそれでも急いでクローゼットに隠れる。見つかっていると解っていてもそうせざるを得ない。生存本能が体を無意識に動かすのだ。
女はクスクス笑いながら血走った目でクローゼットを開け、中でへたり込むシカズに顔を近づけた。
「みぃ~つけた! 私と歌って踊ろんぱぁぁ~!」
オーガでも乗れる大きな馬車は、帝国ではごく標準的なものだ。樹族国と違って馬車を引くのは馬ではない。多足のスレイプニルだ。重量級のオーガを複数人運ぶのに馬では心許ないからだ。
「これは馬車ではなくスレイプニル車だな。どうでもいいが」
客車でヒジリは、嬉しそうだ。いつもはヘルメスブーツで馬車と並走しているが、今日は違う。
マサヨシはいつもより浮かれる友人に、合いの手をいれる。
「帝国のオーガを運ぶなら普通の馬じゃ無理でしょうな。鉄騎士なんて重い鎧も着てるし。ヒジリ氏は彼らに比べれば軽量級だろうから、スレイプニルも今日の仕事は楽でしょうな。オフフ」
ヒジリの向かいに座るロロムは二人の会話に混ざる。
「低位の鉄騎士程重い鎧を身に着けていますからね。階級が上がれば性能の良い軽いものを支給されます。まぁ金持ちは、低位のうちから自前で良い装備を揃えますが」
「そういえばセイバーは軽そうな鎧を着ていたな。魔法金で出来ているとか何とか言っていた」
「セ、セイバー? フーリー家の? 彼は病弱で、一族の恥と言われて隔離されておりますが・・・」
「おっと、そうだった。彼はセイバーではなかった。失礼、今の話は忘れてくれ」
「よく判りませんが、そうします」
ロロムは、謎の多い目の前のオーガメイジの装備を今更ながら観察した。
(黒いつや消しの薄い鎧。・・・鎧なのか? 体にピッタリし過ぎている。武器での攻撃は簡単に貫通しそうだが・・・。グレーターデーモンをどうやって倒したのか見ておくべきだった。そういえば「ヒジリ☆連弾」という掛け声が聞こえたな。何故、技名を一々叫んだのだ? 叫ぶことで発動するスキルがあるし、そういうことか? 私は戦士職の技やスキル名を知らない。武器を持っていないところを見ると、格闘家の素質とメイジの素質を持つのか。チョールズは彼を欲しがっている。少しでも情報を集めねば・・・)
「旦那様。おで、ちょっぴりお腹空いた」
ヒジリにぴっとりと寄り添うヘカティニスは、彼の太ももを指先で擦りながら甘えるような声でそう言った。
「ドラゴンの尻尾亭であまり食べていなかったな、そう言えば。ウメボシ何か食べ物を出してやってくれ」
「いやですーだ。ツーンだ!」
嫉妬するウメボシを見てヒジリは肩を竦め、肩のポケットから携帯食料をヘカティニスに渡した。
「こで、何味?」
「フルーツ味」
「肉味がいい。あるか?」
「マニアックだな。だが、あるんだな、これが」
ヒジリが胸ポケット(と言っても切れ目があるだけで、袋状のポケットはない)からピンク色の細長いビスケットを取り出して、ヘカティニスに渡した。
「オフフ、肉味のガムみたいなものですかな? オエッ! ヒジリ氏、退屈だからシャアの物真似をしてくれよー」
「冗談ではない!」
「オフフ! ウケる! そっくりだ! 何千年前ものサブカルが流行っているのが凄いですな。なんでなのかな?」
「マサヨシの世界線は、かなり我々の世界に近いようだな。もしそうであれば二十一世紀の半ばで世界大戦が始まり、追い打ちのように天変地異がやってくる。生きるのも大変な中で、君たちのようなオタク達は膨大なアニメや漫画の詰まったデータを地中深くに埋めて保存した。その後、氷河期やアンドロイドの反乱で、人類は絶滅寸前にまで追いやられたが、何とか苦難に打ち勝ち、繁栄を取り戻したのだ。で、過去の遺物を探していた人々がオタクの遺産を見つけたというわけだ。最初は幼稚な内容を鼻で笑っていたのだがね。だが、そのうちに心酔する人々が現れだした。それらの人々は、人間らしさを失った地球人のノスタルジーなのではないかと今となっては思うのだよ」
「解説臭が凄ぇ! え、あと三十三年でそんな恐ろしい出来事が起こるん? こわっ!」
「まぁどこで大きく違いが出てくるのかは私にも判らない。マサヨシの世界が似通っているのも、現時点までかもしれないのだ。マサヨシの世界で戦争も天変地異も起こらない可能性は十分にある」
「だといいけど。オフフ・・・」
その後はバートラはどんな場所か、暗殺業以外に何か産業はないのかという話で盛り上がり、気がつくとスレイプニル車はバートラの郊外まで来ていた。
「街から煙が上がっているな」
「何者かが暴れまわっています」
ウメボシはスキャニングで暴れまわる人型種の行動を把握する。
「まさか・・・。シカズ達を見せしめに・・・? 私が帰ってきた事がばれたか?」
ロロムは窓を開け、杖を空に向けた。
「偵察を頼む。現われよ、イービルアイ!」
杖の先に小さな魔法陣が現れ、そこからイービルアイがバートラへ向かって飛んでいった。
貧しいバートラの中でも、裕福な方だといえる大きいバラック小屋から、母親と妹の手を引っ張ってムロは逃げ出した。レンジャーの素質もある彼の勘が、少しでもここから離れた方がいいと警告する。
近所の家が何者かの集団に襲われている。ムロの母親は振り返って崩れゆく隣家を見た。
「お隣さんの家が・・・」
その襲われているバラック小屋から、仲の良かったムロの友人の悲鳴が聞こえてくる。
「くそ! デシンがやられた・・・。母さん急いで! お義父さんの形見は諦めて!」
母親は家に置いてきた夫の形見のペンダントに未練があるのか、走り方に迷いがある。
アサッシンだった義理の父親は歳の離れた妹が生まれた頃、仕事に失敗して帰らぬ人となった。
無口で印象の薄い父親だったが、母親が彼を愛していたのはよく知っていた。仕事のない日はいつも古墳のある丘陵地帯へと二人で散歩に出かけていたからだ。
「ムロ! やっぱり母さんは、あの人の形見を置いていけない。先に逃げてて。古墳で待ち合わせだよ!」
「母さん!」
母親はムロの手を振り切って、自宅へと走っていった。
「お兄ちゃん怖いよ! お母さんどこいったの?」
妹のチキは不安そうな声で兄の腕にしがみつく。
「大丈夫だよ、チキ。さぁ古墳まで走ろう。お母さんは後で来るって」
「なぁ、おい・・・。大丈夫なのか? お前・・・、霧の向こうから来た血を吸う化物を本当に操れているのか?」
そう言われたゴブリンサモナーは、ターゲットだけを狙うはずの化物が、関係ない家まで襲っていることに不安を覚えた。
「大丈夫だって。あいつらちょっと遊んでいるだけだろ。この王様ゲームの王冠とかいうヘンテコな名前のマジックアイテムがあれば平気だってシャーマンも言っていた。もし本当に効果が無いなら、俺達は今頃あいつらに殺されてるだろうキャら」
そう言って自分の頭にはまっている禍々しい冠を、コンコンと指先で叩く。
「そうなんだけどよ、俺らが話を持ちかけた時、あいつらニヤニヤしてなかったキャ?」
「気のせいだって。そういう顔してんだ、あいつら。今だってほら・・・」
霧の向こうからやって来た三人のヴァンパイアは、逃げ惑うゴブリンを捕まえては血を吸ってゲラゲラと笑っている。
「セイレーンのように美人なのに、なんとも残酷だな。口の周りが血だらけだ。見ろよ、あの牙・・・」
「おい! あれ! ターゲットだ! ロロムの妾だったシカズだ。ムロとチキはどこだ?」
「子供は逃げていくな。ふん、馬鹿な女だ。何しに家に戻るんだ?」
隣人が犠牲になっている間に、シカズは建物の陰に隠れながら家に戻ってきたのだ。
鏡台の引き出しから夫の形見のペンダントを取り出すと、ドアへと一目散に走る。
「早くあの子達を追わなきゃ!」
震える脚を拳で叩いて恐怖を追い払い、勇気を振り絞る。
そして家から出ようとしたその時、外から聞こえる隣人の悲鳴とジタバタと藻掻く音が止んだ。
「バァー!」
ドアの隙間から血塗れの女の顔が見えた。血が通っていないような青白い顔は、ガチガチと鋭い犬歯を鳴らして、シカズに噛み付こうとする。
「きゃあ!」
急いでドアを閉めたが、貧相な薄い木の板は簡単に破られてしまった。
シカズはそれでも急いでクローゼットに隠れる。見つかっていると解っていてもそうせざるを得ない。生存本能が体を無意識に動かすのだ。
女はクスクス笑いながら血走った目でクローゼットを開け、中でへたり込むシカズに顔を近づけた。
「みぃ~つけた! 私と歌って踊ろんぱぁぁ~!」
オーガでも乗れる大きな馬車は、帝国ではごく標準的なものだ。樹族国と違って馬車を引くのは馬ではない。多足のスレイプニルだ。重量級のオーガを複数人運ぶのに馬では心許ないからだ。
「これは馬車ではなくスレイプニル車だな。どうでもいいが」
客車でヒジリは、嬉しそうだ。いつもはヘルメスブーツで馬車と並走しているが、今日は違う。
マサヨシはいつもより浮かれる友人に、合いの手をいれる。
「帝国のオーガを運ぶなら普通の馬じゃ無理でしょうな。鉄騎士なんて重い鎧も着てるし。ヒジリ氏は彼らに比べれば軽量級だろうから、スレイプニルも今日の仕事は楽でしょうな。オフフ」
ヒジリの向かいに座るロロムは二人の会話に混ざる。
「低位の鉄騎士程重い鎧を身に着けていますからね。階級が上がれば性能の良い軽いものを支給されます。まぁ金持ちは、低位のうちから自前で良い装備を揃えますが」
「そういえばセイバーは軽そうな鎧を着ていたな。魔法金で出来ているとか何とか言っていた」
「セ、セイバー? フーリー家の? 彼は病弱で、一族の恥と言われて隔離されておりますが・・・」
「おっと、そうだった。彼はセイバーではなかった。失礼、今の話は忘れてくれ」
「よく判りませんが、そうします」
ロロムは、謎の多い目の前のオーガメイジの装備を今更ながら観察した。
(黒いつや消しの薄い鎧。・・・鎧なのか? 体にピッタリし過ぎている。武器での攻撃は簡単に貫通しそうだが・・・。グレーターデーモンをどうやって倒したのか見ておくべきだった。そういえば「ヒジリ☆連弾」という掛け声が聞こえたな。何故、技名を一々叫んだのだ? 叫ぶことで発動するスキルがあるし、そういうことか? 私は戦士職の技やスキル名を知らない。武器を持っていないところを見ると、格闘家の素質とメイジの素質を持つのか。チョールズは彼を欲しがっている。少しでも情報を集めねば・・・)
「旦那様。おで、ちょっぴりお腹空いた」
ヒジリにぴっとりと寄り添うヘカティニスは、彼の太ももを指先で擦りながら甘えるような声でそう言った。
「ドラゴンの尻尾亭であまり食べていなかったな、そう言えば。ウメボシ何か食べ物を出してやってくれ」
「いやですーだ。ツーンだ!」
嫉妬するウメボシを見てヒジリは肩を竦め、肩のポケットから携帯食料をヘカティニスに渡した。
「こで、何味?」
「フルーツ味」
「肉味がいい。あるか?」
「マニアックだな。だが、あるんだな、これが」
ヒジリが胸ポケット(と言っても切れ目があるだけで、袋状のポケットはない)からピンク色の細長いビスケットを取り出して、ヘカティニスに渡した。
「オフフ、肉味のガムみたいなものですかな? オエッ! ヒジリ氏、退屈だからシャアの物真似をしてくれよー」
「冗談ではない!」
「オフフ! ウケる! そっくりだ! 何千年前ものサブカルが流行っているのが凄いですな。なんでなのかな?」
「マサヨシの世界線は、かなり我々の世界に近いようだな。もしそうであれば二十一世紀の半ばで世界大戦が始まり、追い打ちのように天変地異がやってくる。生きるのも大変な中で、君たちのようなオタク達は膨大なアニメや漫画の詰まったデータを地中深くに埋めて保存した。その後、氷河期やアンドロイドの反乱で、人類は絶滅寸前にまで追いやられたが、何とか苦難に打ち勝ち、繁栄を取り戻したのだ。で、過去の遺物を探していた人々がオタクの遺産を見つけたというわけだ。最初は幼稚な内容を鼻で笑っていたのだがね。だが、そのうちに心酔する人々が現れだした。それらの人々は、人間らしさを失った地球人のノスタルジーなのではないかと今となっては思うのだよ」
「解説臭が凄ぇ! え、あと三十三年でそんな恐ろしい出来事が起こるん? こわっ!」
「まぁどこで大きく違いが出てくるのかは私にも判らない。マサヨシの世界が似通っているのも、現時点までかもしれないのだ。マサヨシの世界で戦争も天変地異も起こらない可能性は十分にある」
「だといいけど。オフフ・・・」
その後はバートラはどんな場所か、暗殺業以外に何か産業はないのかという話で盛り上がり、気がつくとスレイプニル車はバートラの郊外まで来ていた。
「街から煙が上がっているな」
「何者かが暴れまわっています」
ウメボシはスキャニングで暴れまわる人型種の行動を把握する。
「まさか・・・。シカズ達を見せしめに・・・? 私が帰ってきた事がばれたか?」
ロロムは窓を開け、杖を空に向けた。
「偵察を頼む。現われよ、イービルアイ!」
杖の先に小さな魔法陣が現れ、そこからイービルアイがバートラへ向かって飛んでいった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。
Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。
現世で惨めなサラリーマンをしていた……
そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。
その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。
それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。
目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて……
現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に……
特殊な能力が当然のように存在するその世界で……
自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。
俺は俺の出来ること……
彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。
だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。
※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※
※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚…
スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて…
気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。
愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。
生きていればいつかは幼馴染達とまた会える!
愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」
幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。
愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。
はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる