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タケシ
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ツィガルの城下町を歩くマサヨシは、召喚士の師匠であるロロムと他愛もない話をしていた。
「はぁ~、ウェイロニーちゃん可愛いかったなぁ。俺も早くサキュバスを召喚出来るようになりたいですぞ」
ロロムは苦笑いして、それに答える。
「チョールズは、あれを若気の至りで使い魔にした事を、今でも後悔していますよ。歳をとってからサキュバスの相手は、かなり厳しいものがあると言ってましたし。早まらない方がいいですな。悪魔は歳をとりませんから」
「え~・・・」
サキュバスを使い魔にする事のデメリットを考えた事がなかったマサヨシがあれこれ考えていると、周りがにわかに騒がしくなった。
どうも良い感じの騒がしさではないな、とロロムは眉根を寄せる。
「皆、リツちゃんの屋敷の方に向かってるみたいですぞ。師匠」
「何事でしょう? 行ってみますか」
フーリー家の次男ウラヌスは、投げ飛ばされた時に受け身を取らなかったので、背中から着地する事となった。
「あぁ~? ノーマルオーガが何だって~? そのノーマルオーガに倒されて、地面で金魚みたいに口をパクパクさせているのは誰だ?」
ウラヌスは自分を覗き込む侵入者の顔を見て、坊主頭に汗を滲ませる。
巨体の自分の体を簡単に投げ飛ばすその技は、ノームの格闘術だ。それに加えて人ならざる圧倒的な腕力。きっとオーガが着る奇妙なゴツゴツとした鎧の魔力だろう。
「さぁどうするんだ? この屋敷で一番強いのはお前だったのか? あぁ?」
更に顔を近づけて威嚇するオーガの顔に、ウラヌスはパンチを打ち込んだ。
「いてぇ!」
パンチに仰け反ったオーガの後頭部を、誰かの蹴りが襲う。普通の者ならば頭が跳ね飛ぶような勢いの蹴りだったが、オーガは「ブッ!」と呻いて前に転がっただけであった。
「フーリー家で誰が一番強いだと? 帝国で我らの事を知らぬ者はおらぬ。貴様は外国から来たな?」
「兄上!」
ウラヌスは立ち上がると、スーツ姿の長男ハサウスに近づいた。
ハサウスは近づいて来る情けない弟に、裏手でビンタをする。
「ただのオーガ如きに投げ飛ばされるとは、一族の恥だな」
「すまん、兄上」
フンと鼻を鳴らして弟を見た後、名も知らぬオーガを見ると、彼は全くダメージを受けていないように見える。
オーガは奇妙な音を赤い鎧から出して、地面を滑るようにしてこちらに向かって来る。
「中々やるじゃねぇか! オールバック野郎! 神の力を思い知れ!」
全身を光らせての体当たりを、ハサウスは冷静に見切って躱す。
「神だと? お前の様な頭の悪いオーガが? 笑わせてるな。少し良い鎧を身に着けただけで、神気取りか?」
「はぁ? お前らは地球人を神だと崇めているのだろう? だったら俺様は神だ」
「地球人? 何の事だ? 星の国の事か?」
「ああ、それそれ。確かカプリコンの報告書には、そう書いてあった」
「カプリコン? 良く解らん事を・・・。とにかく、手続きも踏まずに腕試しに来たお前を、生きて帰す事は出来んな。覚悟しろ? 小さなオーガ」
しかし鼻を穿ってハサウスの話を聞いていないオーガは、ポンと手を叩く。
「そうだ! 力試ししようぜ! 四つ手で!」
フッ! と笑ってハサウスは腕に力を籠めると、上品な黒のスーツの腕の部分が破け、筋肉に盛り上がった腕を披露する。
「私はアイテムで腕力をブーストしているぞ? いいのか?」
「いいから、いいから。さぁ、お前の力を試してやるぜ!」
正体不明のオーガはとんでもなく長いリーゼントヘアーを櫛で整えると、胸ポケットにしまって指でクイクイとハサウスを挑発した。
リツが騒ぎの場所に駆けつけてみると、ハサウスとウラヌスが重なるようにして倒れており、その上に侵入者のオーガが腰を駆けてリーゼントを整えている。
「中々根性あったぜ、お前ら! ハッハー!」
自分よりは少し劣るものの、決して弱くない弟たちの無様な姿に驚くリツの横で、空気が揺れる。
「何事ですかな?」
ロロムが【姿隠し】から現れたのだ。続いて隠遁術を使っていたマサヨシが、スキルを解き姿を現す。
「あれは・・・」
いつもふざけてばかりのマサヨシの顔が真剣だった。
リツはマサヨシの表情が気になったが、侵入者のオーガに向き、名を聞いた。
「そこのオーガ。名を名乗りなさい! 私は亡き父に変わってフーリー家の当主を務める、リツ・フーリーです!」
「ヒュー! 眉毛は太いが中々のベッピンさんじゃねぇか! 俺の名は岩砕 猛!」
興味深そうにこちらを見るオーガに眉毛の事を言われて、リツは慌てて前髪を整えて太い眉毛を隠した。
「なんだ? コンプレックスなのか? その眉毛。俺は気にしないけどな!」
「我が家は常に挑戦者への門を開いています。ちゃんと手続きをすれば、貴方の腕試しも正式に受けましたわ。それなのに、いきなり乗り込んできて何なのです? 無粋ですわよ!」
「あ? そうなのか? 知らなかったわ。ほら、俺様って、昨日この星に来た神だから」
「はぁ? 何を寝ぼけた事を・・・」
呆れるリツの言葉に被せるようにして、マサヨシは話始めた。
「いや、奴の言葉、あながち嘘じゃないですぞ、リツちゃん。ありゃ、形は違うがヒジリ氏と同じ地球製のパワードスーツに違いない。確かヒジリ氏は帝国へ、そうそう転移出来なかったはず。というか監視役の宇宙船カプリコンは、何をしてんですか?」
マサヨシの言葉を聞いていたのか、タケシの顔に焦りが見えた。
「なんだぁ? ヒジリの他にも地球人がいるのか? しかも珍しいナチュラルか・・・。おい! おまえ! カプリコンや地球政府に告げ口をしたら、シュンコロだからな!」
「シュンコロ・・・?(ああ、瞬殺の事ね・・)じゃあ、せめて星の統治者であるヒジリには連絡させてもらいまっせ。彼は、タイマンに勝った物なら星をくれてやる! と言ってましたし。オフッ! (嘘だけど)」
「マジかよ? じゃあ連絡しろ」
しめた! とマサヨシは心の中で舌を出す。
(こいつ、アホだ。とんでもなくアホですぞ。そういえばヒジリ氏に聞いた事があるな。特化型地球人は、他の能力を犠牲にしてピーキーに偏ると)
マサヨシはインプを一匹召喚すると、供物のお菓子を渡す。
「いいか、ヒジリ氏にこう伝えろ。フーリー家の庭に、パワードスーツを着た地球人がいる。急いで来られたし、と」
「キィー!」
インプは一声鳴いて飛び去って行った。
伝書鳩ならぬ伝書インプを見て、タケシは時間の掛かる伝達方法だなとため息をつく。
「えらいアナログな方法な連絡手段だな。原始人か? お前。ヒジリを待つまで退屈だわ。誰か俺の相手してくれねぇかぁ?」
鋭い目が、マサヨシを睨み付ける。
「無理無理無理無理カタツムリ! 俺は肉体派じゃありませんから!」
「何人でもいいぜ? なんならこの国の軍隊でもな!」
「だったら最初からヴャーンズ皇帝陛下に戦いを挑めばいいでしょうが・・・。(やっぱ、こいつアホだ)」
「知らねぇよそんな事。俺はよぉ、偶然ここに来る手段を見つけてよ、突発的に来たわけ。だから事前に、詳しくこの星の情報を調べるなんて事はしてねぇのよ。他のヴィランのように、星の遮蔽フィールドを突破しようとして、途中で装備が壊れて、大気圏で灰となるようなリスクは犯せねぇからな」
「まぁ来るのは勝手ですが、こんなに派手に暴れたら、タケシ君の存在がバレバレになるでしょうが。そしたら地球政府に捕まって強制送還ですぞ?」
「問題ねぇ。最新式の遮蔽装置が、この鎧についているしな。一世代前の設備しか積んでないカプリコンには見つかりっこねぇ。それにここはどうやら遮蔽フィールドの下みたいだしな」
「で、何しに来たの?」
「決まってらぁな。この星の支配よ。もうこれ以上、ヴィラン遺伝子を隠して良い子ちゃんぶって生きるのは嫌なんだよ。俺はこの星で好きなように生きていく」
「なに夢見るyoutuberみたいな事を言っているのやら・・・。支配なんかしたら、いずれ地球政府にもバレるでしょうが。オフフ」
「うるせぇな! おめぇは! そこは・・・、ほれ! あれだ! ほれ! 頭の良い仲間を呼び寄せて、上手くやるんだよ!」
「そんな事したらタケシ君は、その頭の良い仲間に良い様に利用されてお終いですが。すがっすがっすがっ。自前エコー」
「なんかわかんねぇが、お前ムカツクな。ぶっ殺してやんよ!」
(し、しまったー! からかい過ぎた玄白!)
目を据わらせたタケシが威圧するように、マサヨシに近づいて来る。
「あわわわわ! 師匠! 今すぐ【姿隠し】の魔法を教えて!」
「無理ですね。ここは覚悟を決めて戦うしかないでしょう」
樹族国で常に死を覚悟して生きてきたロロムは、こういった場面でも肝が据わっている。
「我の敵なる者を屠れ、グレーターデーモン!」
地面の魔法陣が光り、青黒い肌をしたグレーターデーモンが現れた。
「へぇ~。そいつが俺様と遊んでくれるってわけ?」
「そうです。まぁ以前召喚したグレーターデーモンは、ヒジリ氏に一撃で倒されましたからね。だからしっかりと修行をし、問題なく操れるグレーターデーモンを召喚しました。あなたが星のオーガだとしても、手こずると思いますよ?」
「し、師匠! 頼もしい!」
マサヨシはイケメンとなった今も、中身は以前のままだった。ロロムに縋りついて喜んでいる。
「楽しみだな。だったらよ! 俺様も一撃で倒してやらぁな!」
タケシのパワードスーツから駆動音が激しく聞こえ、隙間から熱が放射された。
感情が高ぶっている地球人は、顔を赤黒くして喚いた。
「宴の始まりだぁ~!」
「はぁ~、ウェイロニーちゃん可愛いかったなぁ。俺も早くサキュバスを召喚出来るようになりたいですぞ」
ロロムは苦笑いして、それに答える。
「チョールズは、あれを若気の至りで使い魔にした事を、今でも後悔していますよ。歳をとってからサキュバスの相手は、かなり厳しいものがあると言ってましたし。早まらない方がいいですな。悪魔は歳をとりませんから」
「え~・・・」
サキュバスを使い魔にする事のデメリットを考えた事がなかったマサヨシがあれこれ考えていると、周りがにわかに騒がしくなった。
どうも良い感じの騒がしさではないな、とロロムは眉根を寄せる。
「皆、リツちゃんの屋敷の方に向かってるみたいですぞ。師匠」
「何事でしょう? 行ってみますか」
フーリー家の次男ウラヌスは、投げ飛ばされた時に受け身を取らなかったので、背中から着地する事となった。
「あぁ~? ノーマルオーガが何だって~? そのノーマルオーガに倒されて、地面で金魚みたいに口をパクパクさせているのは誰だ?」
ウラヌスは自分を覗き込む侵入者の顔を見て、坊主頭に汗を滲ませる。
巨体の自分の体を簡単に投げ飛ばすその技は、ノームの格闘術だ。それに加えて人ならざる圧倒的な腕力。きっとオーガが着る奇妙なゴツゴツとした鎧の魔力だろう。
「さぁどうするんだ? この屋敷で一番強いのはお前だったのか? あぁ?」
更に顔を近づけて威嚇するオーガの顔に、ウラヌスはパンチを打ち込んだ。
「いてぇ!」
パンチに仰け反ったオーガの後頭部を、誰かの蹴りが襲う。普通の者ならば頭が跳ね飛ぶような勢いの蹴りだったが、オーガは「ブッ!」と呻いて前に転がっただけであった。
「フーリー家で誰が一番強いだと? 帝国で我らの事を知らぬ者はおらぬ。貴様は外国から来たな?」
「兄上!」
ウラヌスは立ち上がると、スーツ姿の長男ハサウスに近づいた。
ハサウスは近づいて来る情けない弟に、裏手でビンタをする。
「ただのオーガ如きに投げ飛ばされるとは、一族の恥だな」
「すまん、兄上」
フンと鼻を鳴らして弟を見た後、名も知らぬオーガを見ると、彼は全くダメージを受けていないように見える。
オーガは奇妙な音を赤い鎧から出して、地面を滑るようにしてこちらに向かって来る。
「中々やるじゃねぇか! オールバック野郎! 神の力を思い知れ!」
全身を光らせての体当たりを、ハサウスは冷静に見切って躱す。
「神だと? お前の様な頭の悪いオーガが? 笑わせてるな。少し良い鎧を身に着けただけで、神気取りか?」
「はぁ? お前らは地球人を神だと崇めているのだろう? だったら俺様は神だ」
「地球人? 何の事だ? 星の国の事か?」
「ああ、それそれ。確かカプリコンの報告書には、そう書いてあった」
「カプリコン? 良く解らん事を・・・。とにかく、手続きも踏まずに腕試しに来たお前を、生きて帰す事は出来んな。覚悟しろ? 小さなオーガ」
しかし鼻を穿ってハサウスの話を聞いていないオーガは、ポンと手を叩く。
「そうだ! 力試ししようぜ! 四つ手で!」
フッ! と笑ってハサウスは腕に力を籠めると、上品な黒のスーツの腕の部分が破け、筋肉に盛り上がった腕を披露する。
「私はアイテムで腕力をブーストしているぞ? いいのか?」
「いいから、いいから。さぁ、お前の力を試してやるぜ!」
正体不明のオーガはとんでもなく長いリーゼントヘアーを櫛で整えると、胸ポケットにしまって指でクイクイとハサウスを挑発した。
リツが騒ぎの場所に駆けつけてみると、ハサウスとウラヌスが重なるようにして倒れており、その上に侵入者のオーガが腰を駆けてリーゼントを整えている。
「中々根性あったぜ、お前ら! ハッハー!」
自分よりは少し劣るものの、決して弱くない弟たちの無様な姿に驚くリツの横で、空気が揺れる。
「何事ですかな?」
ロロムが【姿隠し】から現れたのだ。続いて隠遁術を使っていたマサヨシが、スキルを解き姿を現す。
「あれは・・・」
いつもふざけてばかりのマサヨシの顔が真剣だった。
リツはマサヨシの表情が気になったが、侵入者のオーガに向き、名を聞いた。
「そこのオーガ。名を名乗りなさい! 私は亡き父に変わってフーリー家の当主を務める、リツ・フーリーです!」
「ヒュー! 眉毛は太いが中々のベッピンさんじゃねぇか! 俺の名は岩砕 猛!」
興味深そうにこちらを見るオーガに眉毛の事を言われて、リツは慌てて前髪を整えて太い眉毛を隠した。
「なんだ? コンプレックスなのか? その眉毛。俺は気にしないけどな!」
「我が家は常に挑戦者への門を開いています。ちゃんと手続きをすれば、貴方の腕試しも正式に受けましたわ。それなのに、いきなり乗り込んできて何なのです? 無粋ですわよ!」
「あ? そうなのか? 知らなかったわ。ほら、俺様って、昨日この星に来た神だから」
「はぁ? 何を寝ぼけた事を・・・」
呆れるリツの言葉に被せるようにして、マサヨシは話始めた。
「いや、奴の言葉、あながち嘘じゃないですぞ、リツちゃん。ありゃ、形は違うがヒジリ氏と同じ地球製のパワードスーツに違いない。確かヒジリ氏は帝国へ、そうそう転移出来なかったはず。というか監視役の宇宙船カプリコンは、何をしてんですか?」
マサヨシの言葉を聞いていたのか、タケシの顔に焦りが見えた。
「なんだぁ? ヒジリの他にも地球人がいるのか? しかも珍しいナチュラルか・・・。おい! おまえ! カプリコンや地球政府に告げ口をしたら、シュンコロだからな!」
「シュンコロ・・・?(ああ、瞬殺の事ね・・)じゃあ、せめて星の統治者であるヒジリには連絡させてもらいまっせ。彼は、タイマンに勝った物なら星をくれてやる! と言ってましたし。オフッ! (嘘だけど)」
「マジかよ? じゃあ連絡しろ」
しめた! とマサヨシは心の中で舌を出す。
(こいつ、アホだ。とんでもなくアホですぞ。そういえばヒジリ氏に聞いた事があるな。特化型地球人は、他の能力を犠牲にしてピーキーに偏ると)
マサヨシはインプを一匹召喚すると、供物のお菓子を渡す。
「いいか、ヒジリ氏にこう伝えろ。フーリー家の庭に、パワードスーツを着た地球人がいる。急いで来られたし、と」
「キィー!」
インプは一声鳴いて飛び去って行った。
伝書鳩ならぬ伝書インプを見て、タケシは時間の掛かる伝達方法だなとため息をつく。
「えらいアナログな方法な連絡手段だな。原始人か? お前。ヒジリを待つまで退屈だわ。誰か俺の相手してくれねぇかぁ?」
鋭い目が、マサヨシを睨み付ける。
「無理無理無理無理カタツムリ! 俺は肉体派じゃありませんから!」
「何人でもいいぜ? なんならこの国の軍隊でもな!」
「だったら最初からヴャーンズ皇帝陛下に戦いを挑めばいいでしょうが・・・。(やっぱ、こいつアホだ)」
「知らねぇよそんな事。俺はよぉ、偶然ここに来る手段を見つけてよ、突発的に来たわけ。だから事前に、詳しくこの星の情報を調べるなんて事はしてねぇのよ。他のヴィランのように、星の遮蔽フィールドを突破しようとして、途中で装備が壊れて、大気圏で灰となるようなリスクは犯せねぇからな」
「まぁ来るのは勝手ですが、こんなに派手に暴れたら、タケシ君の存在がバレバレになるでしょうが。そしたら地球政府に捕まって強制送還ですぞ?」
「問題ねぇ。最新式の遮蔽装置が、この鎧についているしな。一世代前の設備しか積んでないカプリコンには見つかりっこねぇ。それにここはどうやら遮蔽フィールドの下みたいだしな」
「で、何しに来たの?」
「決まってらぁな。この星の支配よ。もうこれ以上、ヴィラン遺伝子を隠して良い子ちゃんぶって生きるのは嫌なんだよ。俺はこの星で好きなように生きていく」
「なに夢見るyoutuberみたいな事を言っているのやら・・・。支配なんかしたら、いずれ地球政府にもバレるでしょうが。オフフ」
「うるせぇな! おめぇは! そこは・・・、ほれ! あれだ! ほれ! 頭の良い仲間を呼び寄せて、上手くやるんだよ!」
「そんな事したらタケシ君は、その頭の良い仲間に良い様に利用されてお終いですが。すがっすがっすがっ。自前エコー」
「なんかわかんねぇが、お前ムカツクな。ぶっ殺してやんよ!」
(し、しまったー! からかい過ぎた玄白!)
目を据わらせたタケシが威圧するように、マサヨシに近づいて来る。
「あわわわわ! 師匠! 今すぐ【姿隠し】の魔法を教えて!」
「無理ですね。ここは覚悟を決めて戦うしかないでしょう」
樹族国で常に死を覚悟して生きてきたロロムは、こういった場面でも肝が据わっている。
「我の敵なる者を屠れ、グレーターデーモン!」
地面の魔法陣が光り、青黒い肌をしたグレーターデーモンが現れた。
「へぇ~。そいつが俺様と遊んでくれるってわけ?」
「そうです。まぁ以前召喚したグレーターデーモンは、ヒジリ氏に一撃で倒されましたからね。だからしっかりと修行をし、問題なく操れるグレーターデーモンを召喚しました。あなたが星のオーガだとしても、手こずると思いますよ?」
「し、師匠! 頼もしい!」
マサヨシはイケメンとなった今も、中身は以前のままだった。ロロムに縋りついて喜んでいる。
「楽しみだな。だったらよ! 俺様も一撃で倒してやらぁな!」
タケシのパワードスーツから駆動音が激しく聞こえ、隙間から熱が放射された。
感情が高ぶっている地球人は、顔を赤黒くして喚いた。
「宴の始まりだぁ~!」
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