未来人が未開惑星に行ったら無敵だった件

藤岡 フジオ

文字の大きさ
133 / 373

博士の復活?!

しおりを挟む
 マサヨシから送られたインプの報告を受けて、帝国に向かおうとしていたヒジリとウメボシは、大規模な遮蔽フィールド降下現象により、桃色城のエントランスで気を失って倒れていた。

 それを買い物から帰って来たタスネが見つけて、大声でイグナとフランを呼ぶ。

「大変! イグナ、フラン! 早く来て! ヒジリとウメボシが!」

 二階の自室から二人は飛び出て来て、階段を駆け下りた。

「どうしたの? お姉ちゃん。やだ! ヒジリどうしたの?」

「買い物から帰ってきたら、二人がエントランスで倒れていたの!」

「ヒジリとウメボシは病気に罹る事はほぼないと言っていた。だから多分、気を失っているだけだと思う」

 イグナは懐から嗅ぎ薬を出すと、ヒジリに嗅がせた。

「うぉっと! 臭いな・・・」

 ヒジリは意識を取り戻すと上半身を起こし、周りをキョロキョロ見渡した後、ウメボシを真っ先に見つけ強制起動する。

 ピピっと音が鳴って、ウメボシの目に瞳が映った。

「マスター・・・」

「異常はないかね? ウメボシ」

「はい・・・。ここは遮蔽フィールドに開いた穴の下なのに、これほどまで影響を受けるとは思いませんでした」

「大丈夫? ヒジリ、ウメボシ」

「ああ、気を失っていただけだ。心配してくれてありがとう、皆」

「良かった」

 イグナがヒジリに抱きつく。

「もし私とウメボシが遮蔽フィールドのある帝国領に入っていたらと思うと・・・。それにリツの事も気になる。何とかして向かわねば・・・」

「良く判らないけど、今出かけるのが危ないのなら、行かないでヒジリ・・・」

「しかし・・・」

「イグナの言う通りです。あの大規模な遮蔽フィールドの降下が、また起きないとも限りません。暫くはグランデモニウム王国から出ないで下さい。それに我々は穴の下でも、これほどまでの影響を受けたのです。タケシはもう生きてはいないでしょう」

「ふむ・・・。どれくらい気を失っていた?」

「ヒジリとウメボシが慌てて出かけようとするのを見てから、私たちが自室に籠って三時間ぐらい経ったかしらぁ?」

 フランがそう言うと、ドアがノックされた。

「は~い! どちら様?」

 タスネが玄関に向かい、ドアを開けるとそこにはマサヨシが立っていた。

「おい~! 何してたんですか~、ヒジリ氏~!」

 そう言ってマサヨシは、乗って来た畳みムカデから大きな何かが入った袋を、必死になって引きずり下ろした。

「リツは無事かね? タケシは?」

「タケシならリツちゃんが倒しまつたよぉ~、もぉ~。彼は冷たくなって、この袋の中にいますしお寿司。俺がリツちゃんに秘策を教えてあげたんよ。パワードスーツの首の所にある解除ボタンを押せって。リツちゃんがそれを押して、裸になったタケシの鳩尾に、ドーンとパンチ一発かましたら、体中カビカビになって彼は死んだのでつ」

 ヒジリは袋の中身をイグナ達に見せないようにして確認し、ウメボシと顔を合わせる。

「やはり・・・。免疫機能を完全に破壊されている。しかもパワードスーツを脱がされた時点で、こうなったのだろう。タケシは明日の我々だ。気をつけねば。ところでリツは?」

「リツちゃんは皇帝陛下に報告に行きますた。なので俺一人で来ました。タケシの死体は重すぎて大変だったわ」

「カプリコン、タケシを再構成してくれ。情報を聞き出す」

 それに対してカプリコンは、申し訳なさそうに答える。

「残念ですが、地球政府から命令が出ています。死体はこちらでお預かりします」

 タケシの遺体は直ぐに光の粒子となって消えた。

「ふむ。まぁ気持ちは判らんでもないな。このところ、地球政府は失態ばかりだ。最初は私を転送事故で、ここに飛ばしてきた。そして今も尚、ヴィラン遺伝子を持つ者をずっと放置している。そしてタケシを惑星ヒジリに侵入させてしまった。マザーコンピューターの信頼性は、地に落ちたと言っても過言ではない。なので政府は是が非でも原因を突き止めようとするだろうな」

「地球政府管轄下の宇宙船としては耳が痛い言葉です。恐らく一週間以内に、政府からお詫びのボランティアポイントと、調査結果報告が来るでしょう」

「BPはともかく、納得のいく報告を期待している」

 ヒジリはエントランスにある客用のソファーに座ると伸びをした。

「皮肉なものだな。古代樹族が、当時は脅威でも何でもなかった地球人を警戒して遮蔽フィールドを展開し、その効果が現れたのが、九千年後なのだから」

「遮蔽フィールドは、古代樹族の怨念のように感じます」

 ウメボシはぶるっと身震いをした。

 ヒジリの頭骨にカプリコンの声が今一度響く。

「すみません、言い忘れがありました。ナビから、サカモト博士の座標が解ったという連絡がありましたので、お伝えしておきます」

「早いな・・・。まだ召喚士を用意していないのだが」

 そう言って、ヒジリは何となくマサヨシを見る。

「そういえば、優秀とは言えないが召喚士がここにいたな。取りあえず彼で試してみるか」

 マサヨシはきょとんとしてヒジリを見つめた。

 当たり前だが、カプリコンとヒジリの会話は、マサヨシには聞こえていない。

「マサヨシ、素敵な女性を紹介しよう」

「まじで?」

「ああ。ついて来たまえ」




「ババァ~じゃん! もう~!」

 マサヨシはナビを見て、不貞腐れながらヒジリのお尻を叩く。

「私は若い女性を紹介するとは、一言も言っていない」

 ヒジリはニヤッとしてそう返す。

「女性どころか、ホログラムじゃないっすか~」

 ぬか喜びとはこの事だ、とマサヨシは下唇を突き出して不快感を表明した。

「あら? 彼女は元々は実体のあるホログラムですから、今の透過する状態を直せば、恋人になる事も可能ですよ? マサヨシ様」

「恋人になるって事は、チョメチョメも出来ると?」

「はい、ナビが同意し、マサヨシ様がご年配の女性を好むのであれば」

「おえ・・・」

「おえ、とは失礼であるな。フハハ!」

 屋敷の空き部屋に居候するダンティラスは、博士の召喚に立ち会えるかもしれないのでついてきたのだ。

「全くあんたら好き放題言ってくれるねぇ。で、そこの醤油顔の男が、優秀な召喚士かい?」

 期待の篭った目で、ナビはマサヨシを見つめる。

「いや、優秀ではないが話が急だったものでね。取りあえず目の前にいた召喚士が、彼だったので連れて来た。召喚に失敗したからといって、博士は消えたりしないだろう? まずはマサヨシで感触を掴みたい」

「まぁそうだけどさぁ・・・。じゃあ今日は博士に会えないんだねぇ? 期待はしない方がいいって事かい?」

「そういう事になるな」

「あのさぁ~。騙して俺を連れて来ておいて、勝手に期待して落胆するの止めてもらえます? 俺の方が被害者ですよぉ~」

 マサヨシは細い目を吊り上げて、口を尖らせた。

「まぁまぁ。この老婆に協力しておくのも悪くはないぞ、マサヨシ。この書庫には多くの魔法書がある。君が召喚したくて仕方がないサキュバスを、簡単に召喚出来る巻物があるかもな」

「まじで? ババァ・・・、お婆さん」

「お前さんの活躍次第じゃな」

「やる気出て来た! 頑張ります! でも具体的にどうしろというのですかな?」

「博士の姿を思い浮かべる。それから捕まえて引き戻すイメージをしてくれればいいよぉ」

「っていうか、博士の姿なんて知らないんですけど。オフッオフッ!」

「ああ、勿論博士の映像を見せる」

 ナビが手を掲げると、周りが研究室になった。まだ樹族が反乱を起こす前だったのか、研究員の中には樹族もいる。

 ホログラムの中では、マサヨシよりも背の低いサカモト博士が、女性研究員のすぐ近くで白々しくこけた。

「うぉっぷ! 足がもつれてしまったわい。歳には勝てんのう・・・」

 うつ伏せの博士は腹筋だけで体を跳ね起こすと、ぐるんと回転して仰向けになった。

(パンツの色は白!)

「やはり樹族は、純白の下着が似合う」

 研究員の女性は、ヒールの踵で博士の顔を突き刺そうとする。

「うわぁ! 危ない!」

 サカモト博士はパワードスーツの背面に付いている小さなバーニアで、ヒールの一撃を緊急回避し、勢い余って壁に激突する。

「どっ!」

 頭を抱えてゴロゴロ転がって痛がる博士に対し、誰かが呆れて返っていた。

「天罰ですね」

「なんじゃい! おったんかい、ウィスプ」

 頭の側面に付く梵天のような髪を直して、ドローン型アンドロイドのウィスプを見る。

「研究員の下着を見ろと指示したのは、どうせデルフォイでしょう? あれは博士に似てスケベですから」

 マサヨシはホログラムの中で、ウメボシとウィスプを見比べている。

「うわぁ。ウメボシくりそつ! 色が青いかピンクかの違いだけですぞ」

「それはそうですよ。ウメボシの装甲は割とどこにでもあるものですから」

 そこでホログラムの映像は消えた。

「どうじゃね? イメージできそうかい?」

「まぁスケベ爺だというのはわかった。オフフッ!」

「マサヨシとはある意味、同類の人間と言えるな」

「博士は何でヒジリ氏みたいに、大きくなかったんですかな?」

「博士はナチュラルだ。デザインされて生まれてきておらず、自然分娩で生まれた。あれが本来の地球人の姿なのだ」

「え? 逆に凄くね? チート級地球人の中で、ナチュラルが博士になるなんて!」

「うむ。博士はサカモト粒子も発見している。その優秀さはある意味、デザインドにとって脅威かもしれないな・・・」

 ヒジリはナチュラルが迫害された理由が解った気がした。

 これまでは単純に、ナチュラルにヴィラン遺伝子を持つ者が多いからだと考えていたが、時折デザインドを凌駕する逸材が生まれるのも事実。その天才が、もし悪人だったら・・・。

(しかし、デザインドにもヴィラン遺伝子を持った突然変異がいる。がマザーコンピューターにとって管理し辛いのはどちらだろうか? それはナチュラルだ。制御チップも埋め込まれていないし、予測のつかない行動をするからな。だからマザーは彼らの存在を、密かに消しているのかもしれない)

「ヒジリ氏?」

「すまない。考え事をしていた。さぁ博士を召喚してみせてくれたまえ、マサヨシ」

「はぁ・・。まぁやるにはやりますが」

 マサヨシは意識を集中しだした。

 頭の両側に丸い白髪が付いている、団子鼻のスケベ爺。

「座標は、三つほど離れた宇宙の45・22、38・3、32,5にある亜空間」

「それを言われたところで、どうイメージしろと?」

「これは別にイメージせんでいい。聞き流すだけでいいんじゃ。聞く事によって、マナがお前さんの意識をそこまで運んでくれる」

「うわぁ! 目の前が真っ暗になりましたぞ!」

「そこじゃ! 周りをよく見てみぃ! 何かが浮かんでおらんか?」

「博士が浮かんでいる!」

 真空の暗闇の中でどこにも光源はない。しかし博士は宇宙空間で太陽の光を受けたかのように白く光っていた。

 パワードスーツが白いのでそれが顕著だ。

「引き寄せるイメージで! 博士を引っ張るのじゃ!」

「わかった!」

 グギギギギ、とマサヨシはこめかみに血管を浮かせながら拳を握る。亜空間に浮かぶ博士は徐々に、マサヨシの方へと動き始めた。

「そうだ! もっとこっちへ! 俺は可愛いサキュバスちゃんを! 使い魔にするんだぁぁぁ!」

 気張ったマサヨシの尻から、ぶぅ! と屁が出たかと思うと、悪臭漂う空間に穴が開き、博士がするりと出て来た。

「うそ! やった! 俺、博士をケツから生みましたぞ!」

「おお・・・。博士・・・。何千年と待ち焦がれた博士が、ついに・・・!」

 ナビは博士の遺体に突っ伏して、泣き始めた。

「正直、期待はしていなかったが凄いじゃないか、マサヨシ。一発で博士を連れ戻すとは」

「うむ、将来名の有る召喚士になるかもしれんのである」

 ヒジリとダンティラスに褒められて、マサヨシは得意げな顔をする。

「ヒヒヒ! これでサキュバスちゃんと、毎日ムフフフ!」

「はぁ・・・。イヤラシイ」

 白目でほくそ笑むマサヨシを見てウメボシは、やはりマスターは紳士的でカッコイイなと再認識したのだった。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依
ファンタジー
 氷河期世代の大野将臣(おおのまさおみ)は昭和から令和の時代を細々と生きていた。しかし、工場でいつも一人残業を頑張っていたがとうとう過労死でこの世を去る。  死んだ大野将臣は、真っ白な空間を彷徨い神様と会い、その神様の世界に誘われ色々なチート能力を貰い異世界に降り立つ。  大野将臣は異世界シンアースで将臣の将の字を取りショウと名乗る。そして、その能力の錬金術を使い今度の人生は組織や権力者の言いなりにならず、ある時は権力者に立ち向かい、又ある時は闇ギルド五竜(ウーロン)に立ち向かい、そして、神様が護衛としてつけてくれたホムンクルスを最強の戦士に成長させ、昭和の堅物オジサンが自分の人生を楽しむ物語。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

処理中です...