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第十四章 他学年試合編
1087話 しばしの昼休み
しおりを挟む「あむばくもしゃ……!」
「相変わらずよく食べるわねぇ」
「あんっ……むぐほほ、ごぼあむぶべへ!」
「食べるか喋るかどっちかにしなさい」
「……!」
「食べるのね」
食堂に来た私たちは、注文した料理をもぐもぐと食べていた。
まあ私が食べている様子を、クレアちゃんたちが唖然として見ているわけだけど。
だって、いっぱい食べないと……だから!
「そんなに焦って食べなくても、料理は逃げませんわよ?」
「すごい食べっぷりですねぇ」
クラスのみんなも、私に注目している。なんだかそんなに見られると恥ずかしいなぁ。
なんだかんだ、クラスのほとんどみんなと食堂に来るのは初めてだ。たいていルリーちゃんやナタリアちゃんたちと一緒だし。
今日は、食堂にクラスでやって来たから、わざわざ離れる理由がなかっただけだ。
「お前は本当に下品な女だな」
「ばびおう!」
「……口にものを入れたまま喋るな」
呆れたように、ダルマスが言う。
そりゃ、他の女の子はみんな優雅にお上品に食べてるけどさ。
しょうがないじゃん、お腹減ってるんだから!
「むしゃむしゃむしゃ!」
「……エランちゃんに丁寧な食べ方をしろとは言わないけど、エランちゃんの食べ方を見てフィルちゃんもそれを真似するってことは知っておいたほうがいいわよ」
「む……」
クレアちゃんに促されて見てみれば、そこには確かにむしゃむしゃむしゃ……と料理を口にしているフィルちゃん。
私の真似……と言われると、ちょっと考えてしまう。
フィルちゃんはまだ子供なんだし、という気持ちはあるけど、こういうのは子供のうちからちゃんとしておかないと私みたいになっちゃうよなぁ。
「……ごくっ。わ、わかった……」
「お、さすがママ」
「ママじゃない」
「ママー!」
「違うー!」
……結局私は食べ方を変えて、みんなと同じように食べていくことに。
といっても、さっきまでめちゃくちゃ食べてたからもう残りは少なくなってるんだけどね。
魔法を使えばお腹が空く。単純なことだ。みんな頑張ったし、それは私だけではない。
フィルちゃんがめちゃくちゃに食べているのだって、試合で頑張ったからだ。
使い魔召喚だって自分の魔力を使う。出し続けていれば、それだけ消費する魔力も多くなるのだ。
……もしかしてフィルちゃんの食欲が旺盛なのって、普段からもふもふを召喚しているからとかなのか?
「……それにしても、まさか二年生と試合をして勝てるなんてね」
クレアちゃんが感慨深そうに言った。他のみんなも、ほとんどが同じ気持ちを抱いているようだ。
やっぱり、一年生にとっては上級生相手というのはかなり緊張するんだなぁ。
私はエルフの師匠と日々訓練していたり、学園に入ってからもゴルさんと決闘なんかしているから、相手が上級生でもあんまり緊張することはないけど。
「やっぱり、クラスの団結力も強くなったってことかな」
「そうね」
「とはいっても、やっぱあそこはちょっと反省点が……」
こうして、クラスごとに試合をして、そこでの反省点をしていくというのはいいことだよね。
私としても、見えてくるものもある。
一流の魔導士を目指す者として、避けては通れない道だ。魔力の力や使い方も大切だけど、それより大切なのは周りとのコミュニケーションを深めることだと師匠は言っていた。
いくら個人が強くても、それだけでは意味がない。
人を頼り、人に頼られる存在になることが重要だと師匠は言っていた。
私が知らないだけで、師匠もきっとそういう存在だったのだろう。
「ダルマス様が一人果敢に立ち向かったところは感動しました!」
「……大したことではないだろう」
「そんなことないですよ!」
中でも、ダルマスが結構持ち上げられている。
まあ、あいつ一人でオークのミヤ先輩とやり合っていたもんな。ダルマスの力は私がよく知ってるし、そのダルマスと互角にやり合うミヤ先輩も凄まじい。
もしミヤ先輩を自由にしていたらと思うと、どうなっていたかわからない。
最初に比べて、かなり周りと馴染んできたよなダルマスのやつ。
こういうのも、成長って言うんだろうな。
「な、なんだ」
「別にー?」
私にとって、クラスの中で一番印象が変わったのはこの男かもな。
ま、今もダークエルフに対しての価値観は変わっていないのだろうから、またルリーちゃんにひどいことを言うことがあったらその時は……ね?
そんなこんなで、クラスのみんなと面白おかしくもお話をしたり、さっきの試合の反省会をしたり、逆にいいところを挙げたり、他の試合の感想を言ったり……この後の試合について話したり。
「さあて……充分休めたし、次も頑張りますか!」
時間も経過して、昼休み終わりの時間が迫る。それはつまり、午後からの試合が近づいてきているということだ。
私は気合いを入れるように伸びをする。みんなも、いい顔つきをしている。
他のクラスも、それぞれ準備を終えたようだ。もっとも、みんながみんな食堂に残っているわけではなく、食べ終わった後に外に出ていった人たちもいるけどね。
「よぉし、みんな気合い入れて頑張ろー!」
「「「おー!」」」
「勝つぞー!
「「「おー!」」」
うん、いい感じだ!
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