史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星

文字の大きさ
1,132 / 1,198
第十四章 他学年試合編

1119話 久しぶりの出番だな

しおりを挟む


 青い空に羽ばたく白い身体……黄金の翼がバサバサと羽ばたき、真鍮しんちゅうのひづめと金のたてがみが輝く。
 人一人乗せて優雅に駆け回るのは、ペガサスだ。その美しさに、思わず見惚れてしまう。

 ただし……その背中に乗っている筋肉モリモリの男が高笑いしているせいで、台無しだけど。

「ふっははははハ!」

「あいつ、なにを……」

 今まで頑なに動いてこなかった筋肉男が、ここで動いた。さすがに決勝戦だから、血が騒いだのだろうか?
 これまでペガサスってやつの活躍する姿を見たことなかったけど、ついにその力が発揮されるのか。さっき魔法をかき消していたのも、その力の一部だろうか。

 いったい、どんな力を持っているのだろうか……

「はーはっはっはっハ! 見たまえエレウテリアの優雅な姿ヲ! はーはっはっはっハ!」

「……」

 ……活躍しねえ! なんもしねえ! ただ空跳んでるだけじゃねえか! 伝説の生き物召喚してまで、高笑いしてなにやってんの! ただ自慢したいだけ!?

 だめだあいつは、行動が読めない……ただ目立ちたいんだろうなってことしかわからない。
 やっぱりあいつはいないものとして考えよう……

「せい!」

「あっ」

 とりあえず、みんなの注意がそれた間に私は炎の檻をぶった切り、脱出。
 こうして切ってしまえば、私にダメージがきてしまうことはない。

 さて、お次は……

「グエーッ!」

「えっ」

 下を観察しタイミングを見計らっていたところ、やかましい鳴き声が聞こえた。正面を見ると、鳥型のモンスターがいた。
 それも、三体。誰かの使い魔だろう、まさか飛行系の使い魔が三体もいるとは。

 浮遊魔法で空中にいる私を、空中戦が得意な使い魔で倒してしまおうってことか。

「けど……といや!」

「クエッ!?」

 空中戦だって私は、あの日以来練習してきたんだ。こんなこともあろうかと、ゴルさんと決闘をしたあの日から。
 自在に……とまではまだいかないけど、それでもある程度事由に動き回れるようになった。

 それに……

「来て、クロガネぇ!」

「ゴギャアアアア!」

 隙をついて使い魔を召喚することだってできる。
 空中なら、周りに被害が出ることもない。地上でいきなりクロガネみたいな大きなモンスターが出現したら、味方もびっくりしちゃうもんね。

 召喚したクロガネの圧力に、三体の使い魔は怯んでいる。モンスターとしての格……というやつか、それに怯えているのだ。
 魔物を相手にした時も、こんな感じだったな。

『やれやれ、久しぶりの出番だな』

「ごめんごめんて、なかなかクロガネを召喚できるタイミングがなくてさ」

『ふっ……ま、いい。だが、暴れさせてもらうぞ』

 その言葉通り、クロガネは口の中へと魔力を溜め……強力な竜魔息ブレスを放つ。

 三体の使い魔も対抗するが、クロガネの威力には敵わず……その魔力の塊に飲み込まれてしまう。そのまま、消滅……魔法陣の中に戻ってしまった。
 こっちからやっといてなんだけど、すごく痛そうだ。

「よし、この調子で……」

「ドラ、切断カット!」

 下から声が……いや魔力を感じる。注意を向けると、赤い鱗を持つ巨大なモンスターの口からいくつもの風の刃が放たれていた。
 それは凄まじい威力で、私たちを斬りつけようとする……けど、クロガネが翼を羽ばたかせ突風を起こし、刃の軌道をそらす。

 下には……ゴルさんの召喚した使い魔、サラマンドラがこちらを睨みつけていた。

『奴か……』

 その姿に、クロガネは小さくつぶやく。
 文化祭のときは、予期せぬ事態でクロガネとサラマンドラとで戦うことになったもんね。決着はつけられなかったけど。

 今こそ、あの時の続きを……ってことだ。

『契約者よ、奴の狙いは我だ……ここは我が引き受けよう』

「クロガネ……」

『契約者は、契約者にできることを!』

 そう言い残し、クロガネは私から離れ……サラマンドラに向けて竜魔息ブレスを放つ。
 サラマンドラもまた、対抗するように強烈な炎を放った。二つの攻撃はぶつかり合い、強力な衝撃を生む。どちらも魔術に匹敵する威力だ、それが通常攻撃扱いなのだから凄まじい。

 使い魔同士の戦い……あそこに割り込む人はいないだろう。私は私の、やるべきことを!

「よっしゃ……っておわぁ!?」

 気合いを入れたところで、足首になにかが絡みつく。それに引っ張られ、強制的に地面に落とされてしまう。

 尻餅をつき、痛みが走る。
 おぉっ、お尻が二つに割れる……!

「な、なにが……」

 私の足首に絡みついたなにか。それは、白いロープ……いや白い蛇だった。
 私に捕まる前に、そいつはとっさに離れた。

「ふふ、相変わらず元気ねエランちゃんは」

「リリアーナ先輩……」

 私の前に居たのは、リリアーナ先輩だ。凛とした佇まいは堂々としていて、腰まで伸びた白髪のポニーテールが風に揺れる。
 彼女の足下には、使い魔の白蛇サーペント……私の足首を捕まえたのはあの子か。

 警戒し、目を離さないようにしながら私は立ち上がる。

「あなたの使い魔は脅威だけど、ゴルドーラ様のサラマンドラが抑えてくれる。これで懸念事項は一つ減ったわ」

「なるほど……」

 確かに、クロガネを単体で抑えられるのはサラマンドラくらいだろう。
 そんで、フリーになった私を……私のことをよく知っているリリアーナ先輩が相手する、ってことか。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい

空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。 孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。 竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。 火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜? いやいや、ないでしょ……。 【お知らせ】2018/2/27 完結しました。 ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

テーラーボーイ 神様からもらった裁縫ギフト

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はアレク 両親は村を守る為に死んでしまった 一人になった僕は幼馴染のシーナの家に引き取られて今に至る シーナの両親はとてもいい人で強かったんだ。僕の両親と一緒に村を守ってくれたらしい すくすくと育った僕とシーナは成人、15歳になり、神様からギフトをもらうこととなった。 神様、フェイブルファイア様は僕の両親のした事に感謝していて、僕にだけ特別なギフトを用意してくれたんだってさ。  そのギフトが裁縫ギフト、色々な職業の良い所を服や装飾品につけられるんだってさ。何だか楽しそう。

追放された公爵令嬢はモフモフ精霊と契約し、山でスローライフを満喫しようとするが、追放の真相を知り復讐を開始する

もぐすけ
恋愛
リッチモンド公爵家で発生した火災により、当主夫妻が焼死した。家督の第一継承者である長女のグレースは、失意のなか、リチャードという調査官にはめられ、火事の原因を作り出したことにされてしまった。その結果、家督を叔母に奪われ、王子との婚約も破棄され、山に追放になってしまう。 だが、山に行く前に教会で16歳の精霊儀式を行ったところ、最強の妖精がグレースに降下し、グレースの運命は上向いて行く

転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜

みおな
ファンタジー
 私の名前は、瀬尾あかり。 37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。  そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。  今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。  それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。  そして、目覚めた時ー

無能と蔑まれ敵国に送られた私、故郷の料理を振る舞ったら『食の聖女』と呼ばれ皇帝陛下に溺愛されています~今さら返せと言われても、もう遅いです!

夏見ナイ
恋愛
リンドブルム王国の第二王女アリアは、魔力を持たない『無能』として家族に虐げられ、厄介払いとして敵国ガルディナ帝国へ人質に送られる。死を覚悟した彼女だが、あまりに不味い帝国の食事に耐えかね、前世の記憶を頼りに自ら厨房に立つことを決意する。 彼女が作った温かい家庭料理は、偶然離宮を訪れた『氷の皇帝』レオンハルトの孤独な心を癒していく。やがてその味は堅物騎士団長や宰相をも虜にし、食べた者を癒す奇跡から『食の聖女』と讃えられるように。 価値を知った故郷が「返せ」と言ってきたが、もう遅い! これは、料理で運命を切り開き、最強皇帝から世界一甘く溺愛される、美味しい逆転シンデレラストーリー。

美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ

さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。 絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。 荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。 優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。 華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。

勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり
ファンタジー
別の世界からの侵略を機に地球にばらまかれた魔素、元々なかった魔素の影響を受け徐々に人間は進化をする。 魔法が使えるようになった人類。 侵略者の想像を超え人類は魔改造されていく。 カクヨム公開中。

処理中です...