史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星

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第十四章 他学年試合編

1126話 続く激戦

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 うなじに手刀を食らってしまったキリアちゃんは力なく倒れ……ドサッとその場に倒れてしまう。

「ホォオオオ!」

 やられてしまったキリアちゃん……彼女の姿を見て、焦ったような声を上げパタパタと飛んでくるのは一羽のフクロウだ。
 キリアちゃんの使い魔。確か、最初の頃はキリアちゃんの言うことをなかなか聞かなくて苦労していたけど……

 その後どうなったのか。少なくとも、彼女の危機に反応するくらいには仲良くなったということか。
 でも……

「ホォ……」

 キリアちゃんを倒したリリアーナ先輩に突撃を仕掛けていたフクロウが、ふっと消えてしまう。そして、同時に倒れたキリアちゃんも。
 それは、戦闘不能扱いになったためキリアちゃんが結界の外に弾き出されたためだ。契約で繋がっている使い魔も同様に弾き出されたのだ。

 まさか、あの手刀で一気に戦闘不能まで持っていかれるなんて。いくら魔力強化していたとはいえ。

「……でも、ありがとうキリアちゃん」

 おかげで、身体を休ませることができた。キリアちゃんはきっと、大した時間足止めもできなかったと言うかもしれない。
 それでも……充分だ!

 私は立ち上がり、全身に魔力強化をする。やっぱりこれが基礎な分、やりやすい。

「エランちゃん……」

 私に気づいたリリアーナ先輩が、構える。
 先輩とまともにやりあったら、また搦め手で捕まってしまう。先輩はきっと、私を倒すことよりも私をこの場に足止めすることに気を向けている。

 普通に対峙されるよりも、よっぽど厄介だ。でも、それがわかっているなら……

「ふっ!」

「! 直接!?」

 もうまどろっこしい言葉なしだ! 直接、リリアーナ先輩を叩く!
 まだ僅かに毒が残っているけど、そんなの関係ない! キリアちゃんが稼いでくれた時間を無駄にしないためにも!

 先輩も私の動きに面食らったのか、驚き……けれどすぐに次の手を打つ。反撃するよりも避けるよりも、まずは防御して私の動きを止める算段だ。
 展開される魔力防壁。それも三重にしたもの。

 それを私は、避けるでもなく勢いを保ったまま……

「ぅおりゃああああ!!!」

 思い切り、ぶん殴り……拳をぶつけた。


 バキッ……バキキッ


「ぇ」

 その時私は初めて、リリアーナ先輩のきょとんとした顔を見たかもしれない。

 拳をぶつけた魔力防壁は音を立てて割れ、それはもう一枚……さらに奥の一枚をも砕いていく。
 結果的に、三重に張り巡らされた魔力防壁はたった一撃の拳の前にぶち割れたのだ。

 そして、なおも勢いの死なない拳は……リリアーナの胸元へと、打ち込まれた。

「かっ……!」

「ぬぇええええええい!!」

 さすがに、魔力防壁三重の影響でパンチの威力は弱まっている。
 それでも、衝突したリリアーナ先輩を吹っ飛ばすには充分だった。

 後ろに吹き飛ぶ先輩を追うように、私は脚のみを魔力強化して追いかける。
 すぐに、追いつく。

「先輩……ごめん!」

 半分ほど気を飛ばしている先輩にこんな追い打ち……と思ったけど、本気でやらないとこっちがやられる。
 だから私は飛び上がり……吹き飛ぶ先輩とタイミングを合わせるようにして、踵落としをお見舞いする。

「……っ!」

 地面に打ち付け、声もなく先輩は倒れる。
 魔導大会の時から思ってたけど……リリアーナ先輩は搦め手や攻撃を捌くやり方はとっても上手だけど、耐久力はあまりないようだ。

 だから攻撃を当てられないようにしていた。それはもちろん素晴らしいことだ。
 でも……

「筋トレ、もうちょっとしたほうがいいですよ……」

 ぜえぜえと息を吐きながら、私はそう伝えた。ちゃんと聞こえているかはわからないけど。

 そして戦闘不能扱いなったリリアーナ先輩は、結界の外に弾き出される。
 厄介だった使い魔の白蛇も同様に。

「ふぅ……」

 あぁ、なんかどっと疲れた。まだ毒が抜けきってないのに、無理やり身体を動かしたからかな。
 まあでも、仇は取ったよキリアちゃん。キリアちゃんが来てくれなければ、私はまだ動けないままだった。

 で、キリアちゃんが来てくれたってことは……向こうの戦況は……

「はぁあ!」

「とらぁあ!」

 ダルマスが特攻し、三年生の中で暴れまわっている。それをサポートするように、みんなが魔法を……という流れは変わっていない。
 だけど、サポートする側の人数が減っている。もう何人も、やられてしまっている。

 ……って、そういえばゴルさんと戦っていたフィルちゃんは!?

「きゅうー……」

「きゃうん……」

 ……使い魔の力を使い、犬耳に尻尾を生やしていたフィルちゃんは、元の姿に戻り地面に仰向けに倒れていた。目をぐるぐる回して。
 その隣には、使い魔であるもふもふも。あの姿が、二人の合体みたいなものだったとしたら……それが解けてしまっている。

 その傍らに立っているのは、やっぱりゴルさんだ。

「フィル……調べても素性の知れない人物。前例のない魔物との使い魔契約を交わし、その上使い魔の力をものにする段階まで来ている。ますます興味深い」

 ……そしてゴルさんは、フィルちゃんに向けて容赦なく魔力弾を放った。
 戦闘不能扱いとなり、フィルちゃんともふもふは結界外に弾き出される。

「フィルちゃん……!」

「……エラン。リリアーナを破ったのか……」

 振り向くゴルさんの視線が、私を射抜いた。
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