史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星

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第四章 魔動乱編

289話 最後に話題に出したのいつだろう

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 ノマちゃんの問題は、いくら考えても私たちにはどうしようもないことなので、すごく気をつけておくくらいしかできない。
 ノマちゃんの体に異変が出ないか、観察する。

「そういうわけで、ノマちゃんのこと見てあげていてね」

「任せてよ」

 学園では、ノマちゃんとはクラスが違うため、私の力ではどうにもできない部分もある。だから、ノマちゃんと同じクラスのコーロランに頼む。
 ただ、コーロランは男子なので……詳細は伏せて、体調が心配だから気にしてやってくれ、とそれとなくノマちゃんと仲のいい女子に伝えておいてくれるみたいだ。

 この話は、王城に集められてマーチさんから話を聞いた数人しか知らないからな。クレアちゃんやルリーちゃんにだって、話すわけにはいかない。
 ゴルさんやコーロランも大丈夫だろうけど、コロニアちゃんは口が軽そうだから心配……と思っていたんだけど。

 意外にも、口が固いらしい。なので心配いらないとのこと。

「では、いってきますわね!」

「私も行こうか?」

「毎度毎度悪いですわよ」

 それと、ノマちゃんは定期的に王城……マーチさんのところへ通うようになった。定期検診をして、本人も気づいていない、もしくは隠している異常がないかを見るのだ。
 初めのうちは私もついていっていたけど、しばらくしてからはノマちゃん一人で行くようになった。

 私としてはついていきたい気持ちもあるんだけど……ノマちゃんが検査している間、暇ではあるんだよな。
 ただ、検査は何事もなく終わる。マーチさんも、少しの異常もないように、しっかりと調べてくれているみたいだ。
 なにもないなら、それが一番……

 その後、特に際立った事件が起こることもなく、私たちは学生生活を過ごしていった。そんなある日のこと。

「魔導大会」

「そうだ」

 今日は、放課後は生徒会のターン。最近では生活リズムもある程度安定してきた。放課後には基本、お茶会か単なるおしゃべりかダルマスとの特訓か生徒会か……
 授業が終わったら一刻も早く部屋に帰ってノマちゃんと過ごそう、と考えていたときもあったけど。

 ノマちゃんもノマちゃんで、最近は放課後に人といることが多い。一人じゃないなら、安心だ。
 そんなこんなで、生徒会メンバーとして生徒会室で仕事をしている私に……いや私たちにゴルさんは言った。

 魔導大会、懐かしい響きだ。最後に話題に出したのいつだろう。

「あぁ、もうそんな時期だっけか」

「月日が経つのは早いもんじゃのぅ」

 先輩たちは、思い出したかのように相づちを打った。

「魔導大会……なんだいなんだいその面白そうな響きの大会は」

 さらに反応を見せるのが、生徒会副顧問のウーラスト・ジル・フィールド先生。なんか私と似た反応してるな。
 先生は、のんきにお菓子をつまんでいる。ポリポリ、と音が響く。

 まあ別にいいんだけど、それでいいのか副顧問。

「先生、魔導大会について知らないの?」

「教育実習生、ね。
 恥ずかしながら、ずっと森の中で暮らしていたからね。国の事業については疎いんだ」

 ふむ、森の中か……一瞬、ルリーちゃんの故郷が浮かんだけど。
 そうだよね、ダークエルフの住んでいた森とは別に、エルフが住んでいた別の森だってあるよね。

 ……エルフってやっぱ、森が好きなんだな。

「なら、私が教えてあげます!」

「おぉー」

「魔導大会とは。年に一度開かれる、魔導士による大会のことであり、国をあげての大会で、国外からも人が来るすごい大会なんです!」

 えっへん、と、私は胸を張って説明する。それを見て、先生はパチパチパチ、と拍手をしている。
 魔導大会についての説明はこれで間違いないはずだ。なんてったって、ナタリアちゃんが言ってたんだからね!

 国をあげての大きな大会。魔導士も、そうじゃない人も、みんなで競い合う大会だ。

「……まあ、簡単に言えばそういうことだな」

「ふふん! ……で、その魔導大会がどうしたんです?」

 なぜわざわざ、魔導大会の話をしたのだろうか。
 まあ話をするってことは、生徒会に関係のある話ってことなんだろうけど。

「魔導大会の運営には、魔導学園生徒会も参加することになっていてな。それで、時期的にそろそろ話を進めておこうと思ってな」

「ほうほう」

 へぇえ、そんなすごい大会に、生徒会が関われるんだ。それも運営に。
 それも、毎年のことらしく、ゴルさんたちは去年も参加したらしい。

 ……あれ? 運営の手伝いをする、ってことは……

「もしかして、大会の手伝いをするから大会には参加できないとか!?」

「え? あぁいや……」

「そんな! あんまりだよ! 私魔導大会のことずっと楽しみにしていたのに!」

「いやだからな……」

「そういうことなら私、生徒会やめます! そんで、大会に参加して……」

「話を聞けバカ。別に生徒会メンバーだから大会に参加できない、なんてことはない」

 私が取り乱す中、冷静にゴルさんは私をバカと言って、言葉を続ける。
 なんてことだ……なんか普通にバカって言われてしまったけど。

 いやそんなことより。運営の手伝いをするからって、大会に参加できないわけではないらしい。

「本当に!?」

「えぇ。その証拠に、ゴルドーラ様は去年参加されましたよ」

「あまりいい記録は出せなかったがな」

 実際に、ゴルさんも大会に参加した……それだけじゃない。ゴルさんでも、あんまり勝ち進むことはできなかったらしい。
 ゴルさんでも……ってことは、あのゴルさん以上の魔導士がうじゃうじゃいるってこと!?

 そういえば、ゴルさんは下級魔導士相当だって言ってたな。この年で、下級魔導士相当なんて大したものだ。
 でも、世の中には中級、上級魔導士がいる。そういう人たちも、大会に参加するってことだよな。

 それって……考えただけで、ワクワクが止まらないよ!
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