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第十章 魔導学園学園祭編
「エラン・フィールド」2
しおりを挟むエラン・フィールド。本名は不明だが、学園祭で出会ったペルソナと名乗る少女に、『ニル』という名で呼ばれる。
かつて倒れていたところを、後の師匠となるグレイシア・フィールドに拾われる。当時、推定六歳。
それ以前の記憶は自分の名前含めて覚えておらず、グレイシアから「エラン」という名を貰った。しかし「エラン」とは、グレイシアがかつて亡くした娘の名前からとったもの。(実際には娘はラッヘと名を変えて生きているが、経緯は不明)
グレイシアに拾われ、十年を彼と二人で暮らしていた。が、魔導学園に入学するために独り立ちをすることに。人里離れた場所で暮らしていたため人との接点はあまりなく、世間の常識にも疎い。
独り立ちに際しグレイシアから基本的な一般常識を教えられたが、そもそもグレイシアも抜けているので教えてもらってないこと、ズレている知識も多い。文字は読めるが書けなかった。師匠は教えるのを忘れていた。今は書ける。
その代わり、魔導に関しての知識は豊富。ただし知らないこともある。
この世界では珍しい黒髪黒目の少女で、長寿のエルフ族であるグレイシアは少なくともそのような印象の人間は見たことがない。ただし、エラン自身はベルザ国に来てからちょいちょいその特徴の人物に会う。
特徴的な見た目ゆえ家族などの情報は集まりやすいかと思われたが、手がかりは一切なし。このことも、グレイシアがエランを引き取る要因の一つとなった。
幼いうちから保有している魔力量が多く、魔導のセンスに長けている。また本人も知らないうちに精霊と仲が良かった。そのため、精霊の力を借りて放つことのできる魔術を扱える。
精霊に好かれる体質なのか、それ以外かは不明。
現時点では火属性の魔術、水属性の魔術、それらを組み合わせた氷属性の複合魔術を扱えることが確認されている。複数の魔術を複数回使える魔力に加え、あらゆる魔法と組み合わせられる才能は周りも目を見張るほど。
なお魔大陸ではなぜか、ダークエルフしか使えない闇属性の魔術を使えた。
家を出る際、グレイシアから家名「フィールド」を貰い、エラン・フィールドと名乗ることになる。
人との関わりがあまりなかったので、同年代の友達に憧れている。相手をいきなりちゃん付けくん付けで呼ぶくらいにフレンドリーだが、たまに距離感がおかしい。
名前や見た目の印象からあだ名を付けることもある。なお、あだ名を付けるのは親しみを込めた相手か、名前を覚える気のない相手のどちらかなのであだ名=友好の証とは限らない。
辛辣に呼び捨てにする相手もいる。
魔導学園に入学してから、クラスメイトとの決闘(授業の一環)、魔獣騒ぎ、他クラスとの試合、そしてベルザ王国の第一王子との決闘騒動などと、トラブルメーカーとして噂が広まっている。他にも、一年生にして生徒会に所属したり、魔獣を指揮していた人物を捕らえたり……いろんな面で話題は尽きない。その噂は学園外にまで広がり、尾ひれがすごい。
本人は不本意。
本人は至って前向きであり、まあ大抵なんとかなる、の精神。大胆不敵なため行動力にも長けていて、物事をあまり深く考えずに行動することもあり、世間知らずの面も含めてアホの子扱いされる。
本人は不本意。
グレイシアに拾われる以前の記憶がないが、本人は記憶を取り戻そうと意欲的に考えているわけではない。記憶がないことをさらっと話すこともあり、記憶喪失自体気にしている様子もない。
家族と呼べるのは彼女にとってグレイシアのみであるが、第一王子との決闘騒動の発端となったところに"きょうだい"が絡んでいたことで、本人も知らずに胸が熱くなっていた。
それをきっかけとして、エラン自身が決闘を挑むこととなった。それ以外にも、"きょうだい"のこととなると意図せず熱くなってしまう。
友人でルームメイトであるノマ・エーテンが死に瀕したときに必要以上に取り乱したり、魔獣に食い千切られた腕がいつの間にか元に戻っていたり、不可解な面も多い。
魔導学園では、最初はひっそりと潜み徐々に頭角を表していく美少女魔導士……を目指していたが、その計画は初っ端から挫かれた。
学園に入学してから友達が増え、順風満帆な生活を送っている。
意図せず夢の中でルリーの記憶を見てしまい結果彼女の過去を知ることになったり、イザリ・ダルマスからは個人訓練をお願いされたり、人間関係も広がっている。
グレイシア・フィールドの一番弟子と名乗るウーラスト・ジル・フィールド教育実習生に関しては、当初は嫌悪感を抱いていたが勝負を経て今では認めている。同じ師匠を持つ者、生徒会所属という点からちょいちょい話す。
なぜかフィルからは「ママ」と呼ばれ、最初は困惑したものの今では慣れた。(諦めた)
学園外でも知り合いは多く、クレア・アティーアの実家でお世話になっていた時は彼女の母タリアや、訪れていたガルデら冒険者とも仲を深める。
学園と冒険者ギルドは実は協力関係にあり、近く生徒を冒険者の仕事に付き添わせる……といった取り組みを考案中。
そのテストプレイヤーとして、ガルデらと行動を共にすることもある。
魔導大会ではその実力から順当に勝ち抜いていくが、イザリらと対峙した時に髪の色が白く変色する事態が発生。その際、魔導の攻撃を複数一身に受けたが、それが原因かは不明。
エラン自身、これを指摘されるまで自分でも気づいていなかったが、本人は気持ちが"ハイ"になっているなとは感じていた。
本人が意図せず全身には膨大な魔力が走り、本人の意識ではただのパンチでも実際は魔力防壁を砕いた上で相手を吹っ飛ばす威力がある。
魔導大会の決勝時にトラブルに巻き込まれ、魔大陸に飛ばされる。
魔大陸の空気でうまく魔導を扱えなかったが、持ち前の性格でなんとかなるだろうと思っていた。魔大陸では黒竜と出会い、彼と使い魔契約を結ぶ。クロガネと名付け、行動を共にする。
使い魔契約ではあるが、お互いの立場は対等である。使い魔契約は複数のモンスターと契約が可能だが、エランの膨大な魔力でも黒竜一体としか契約できないほど黒竜との契約は難しい。しかし、本来は黒竜と契約出来る人間などそうそういないので、エランがおかしいだけである。
大陸からベルザ国へ帰還中立ち寄った地では、『黒髪黒目の人間は、この世界に災いをもたらす』という言い伝えがあることを聞くが、本人はあまり気にしていない。というか忘れている。
黒髪黒目の人間に対しては、自らをテンセイシャといい迫ってきたヨルや、ダークエルフたちにひどいことをしたエレガたちの存在もありいい印象を持っていない。むしろ同じ枠で語られるのを嫌う。
とにかく強い奴と戦いたい戦闘民族的なアレであるが、学園でのあれこれから誰彼構わず噛みつく狂犬扱いされているので、一部生徒からは怖がられている。
優しい美少女魔導士……その地位を築き上げる野望を密かに抱くエランは、今日も元気にはしゃぎまわる。
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