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序章
2話 娘と無駄死に
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「とにかく、僕が掛けた呪いが君に効いていない原因を調べさせてもらうよ」
そう言うと神様は俺の胸に手を当てた。
薄く輝く手に触れられた場所はじんわりと暖かく心地良い。
「ふむ。なるほど。そういうことか」
納得がいった。と言いたげな顔をして神様は俺の胸から手を離した。同時に心地良い熱も引いていきちょっとだけ残念だった。
「原因、解ったのですか」
「うん。簡潔に言うとね。あの少女君の娘だ」
「……ホワッツ?」
娘? MUSUME? むしゅめ……?
「君の、と言うか前世の君の娘だね」
な、なんだびっくりした。そうか前世か。前世の俺はリア充出来てたんだな。
「血縁というのは魂に多分に関わりがあるものだ。君の魂は完全に浄化され彼女とのリンクは切れていたが、彼女の魂は完全に浄化するに至らず僅かながら君との繋がりが残っていた。そこに君が彼女に近づいたことにより切れていたリンクが再び繋がったというわけ」
俺と魂の繋がりがあったから呪いが効かなかったということか。
……待てよ。彼女が俺の娘で、その娘が大罪を犯したという事は。
「こ、この度はうちの娘がとんだ粗相を……」
「ははは、そうだね。お宅の娘さんのおかげで世界は滅亡の危機だったよ」
世界滅亡!? 大罪って時点で人をKillしちゃったりは予想してたけどそんなレベルかよ!
「ふふ、冗談さ。君に罪はない。あの少女の父親ってことは君の前世が誰だったかも僕はわかる。君は立派な人物だったよ。それにあの少女にしても罪こそ犯したが同情の余地はあるんだ」
同情の余地。罪を犯すに至った原因に少なからず「あぁ、そりゃ仕方ないな」って思う所があるってことかな。
「さて、僕の疑問は解決したし次は君の質問に答えようじゃないか」
「え? あ。じゃあ、あの少女……。娘はちゃんと助かりましたか?」
「うん。ちゃんと死んだよ」
「うええええ!? 俺無駄死に!?」
「そうなるね。君が突き飛ばしたおかげでトラックに撥ねられる事はなかったけど、その衝撃で対向車線にはみ出してそっちを走ってた乗用車にドーン」
なんてこった……。完全に無駄死にどころか俺が娘を殺したようなもんじゃないか。
「一応言っておくけど娘だったのは前世であって今生の君とはまったく関係ないからね」
衝撃の事実に打ちひしがれる俺に神様の冷静なツッコミが突き刺さった。
そう言うと神様は俺の胸に手を当てた。
薄く輝く手に触れられた場所はじんわりと暖かく心地良い。
「ふむ。なるほど。そういうことか」
納得がいった。と言いたげな顔をして神様は俺の胸から手を離した。同時に心地良い熱も引いていきちょっとだけ残念だった。
「原因、解ったのですか」
「うん。簡潔に言うとね。あの少女君の娘だ」
「……ホワッツ?」
娘? MUSUME? むしゅめ……?
「君の、と言うか前世の君の娘だね」
な、なんだびっくりした。そうか前世か。前世の俺はリア充出来てたんだな。
「血縁というのは魂に多分に関わりがあるものだ。君の魂は完全に浄化され彼女とのリンクは切れていたが、彼女の魂は完全に浄化するに至らず僅かながら君との繋がりが残っていた。そこに君が彼女に近づいたことにより切れていたリンクが再び繋がったというわけ」
俺と魂の繋がりがあったから呪いが効かなかったということか。
……待てよ。彼女が俺の娘で、その娘が大罪を犯したという事は。
「こ、この度はうちの娘がとんだ粗相を……」
「ははは、そうだね。お宅の娘さんのおかげで世界は滅亡の危機だったよ」
世界滅亡!? 大罪って時点で人をKillしちゃったりは予想してたけどそんなレベルかよ!
「ふふ、冗談さ。君に罪はない。あの少女の父親ってことは君の前世が誰だったかも僕はわかる。君は立派な人物だったよ。それにあの少女にしても罪こそ犯したが同情の余地はあるんだ」
同情の余地。罪を犯すに至った原因に少なからず「あぁ、そりゃ仕方ないな」って思う所があるってことかな。
「さて、僕の疑問は解決したし次は君の質問に答えようじゃないか」
「え? あ。じゃあ、あの少女……。娘はちゃんと助かりましたか?」
「うん。ちゃんと死んだよ」
「うええええ!? 俺無駄死に!?」
「そうなるね。君が突き飛ばしたおかげでトラックに撥ねられる事はなかったけど、その衝撃で対向車線にはみ出してそっちを走ってた乗用車にドーン」
なんてこった……。完全に無駄死にどころか俺が娘を殺したようなもんじゃないか。
「一応言っておくけど娘だったのは前世であって今生の君とはまったく関係ないからね」
衝撃の事実に打ちひしがれる俺に神様の冷静なツッコミが突き刺さった。
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