ニュートンの林檎のアップルパイ

はなえ

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 月曜日の朝はなんだかほっとする。
 週末、っていうのは、月曜日から金曜日まで働いてる人のためにあるのだ。
 土曜日と日曜日の街は、やっと迎えた週末を楽しんでいる人達の解放感にあふれていて、そこは今の私には居心地が悪すぎる。
穏やかな午後の光が差し込む電車に揺られる。
人気はまばらで、小さな子供の言葉にならない声だけが時折車内にひびく。
このままどこか遠くへ行きたい、と思った。
思いながら、今日の面接場所の地図を確認した。

聞いたことのない名前の派遣会社は、意外とキレイなビルの6階にオフィスを構えていた。
対応に現れたのは、学生と社会人のちょうど中間のような雰囲気を漂わせた男の子だ。
「ええと」
男の子は私の提出した履歴書を真剣な表情でみつめている。
そんなに見たって、たった3日間のティッシュ配りの人員としてふさわしいかどうかの判断基準になるようなことは書かれていない。
「一社目は、正社員ですか? この会社名はなんと読むんですか?」
「はい、そうです。会社名は」
そう言うと、彼は履歴書の余白にボールペンでメモを取り始めた。
履歴書に記入したことについて、こんな風にイチイチ聞かれるんだろうか。
そう思ったら憂鬱さがハンパ無い。
「退職された理由は?」
 あたりさわりのない答えをつぶやくと、彼はうんうんと大げさにうなづきながらそれもメモした。いくつくらいだろう。24くらいかな。
6コ下だとしたら、中学高校はもちろん、普通に考えたら四年制大学でもカブらない。
そんな若い男の子に面接されている私ってどうなんだろう。
もしかしてコレは屈辱的な事態なのだろうか。
でもそんなこと言ってたら、働けないよなこの先。
社会人8年目。
毎年毎年、4月が来るたびに自分より年下の社会人が大量に増えるんだから。
ぼんやりとそんなことを思っているうちに、面接は滞りなく終わり、採否は後日連絡、と言い渡された。
時給900円、2日だけの仕事なのに、交通費を使って面接に来て、これで仕事貰えなかったら最悪だ。
時給900円って、学生の頃のバイトと変わらないし。
ま、学生の頃にくらべてティッシュ配りの能力が向上したという自信はないけど。
むしろ、学生の頃の自分のほうが、体力もあるし、真面目にやったと思う。若い女子大生が配ったほうが、受け取る人も多いかもしれないし。
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