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第一章 四度目の勇者の実力
戦い方と獣人の国
しおりを挟むクラスメイト達から質問攻めに遭った後、騎士団の団長であるアレンが俺に話し掛けてきた。
「ユウト殿」
「あぁ、アレン、クラスメイト達の引率御苦労様」
「いえ、任務ですからお気になさらず。ですがまあ、疲れはしましたね……」
苦笑いと頬を人差し指で掻きながらそう言うアレン。
「弱音を吐かないアレンがそんなこと言うって、よっぽど大変だったんだな。今のアイツらのレベルは?」
「大方60まで上がっていますが、自分勝手に行動する方が居て他の方がレベルを上げられないということもしばしば」
そう言ってため息をつくアレン。
終いには「その点、ユウト殿はそんなことは無かったでしたから、苦労が無くてよかったんですけどね……」と言ってくる始末。
「まぁ、異世界で勇者っていう夢のようなことを体験してる訳だし、浮かれる気持ちもわからないでもないけどな。う~ん、ここは異世界勇者の先輩として少しお灸を据えないといけないかな……」
「是非、お願いします!」
ちょっとした提案のつもりで言っただけだったのに、それはもう素晴らしい程の満面の笑みとお辞儀でお願いしてくるアレン。
どんだけアレンに迷惑を掛けたんだ、うちのクラスメイト達は……。
アレンが可哀想に思えてきたので、リーアとリルのレベル上げと一緒にクラスメイト達の戦い方を見ることにした。
鳴神先生にその事を伝えると快く許可してくれたので、クラスメイト達をモンスターと戦わせてみることになった。
鳴神先生も一部の子達が自分勝手に行動していることを遺憾に思ってはいたが、自分にもそういう気持ちが無かったわけではないらしく、止めるに止められなかったそうだ。
それに対して俺は、「まぁ、異世界で勇者ですもんね」と同意した上で、「ラノベを読んでたら一度は自分もなりたいなと思うのは必然ですし、いざ本当になったら気持ちが浮かれるのもまた必然ですよ」とも言っておいた。
すると先生が、「今まで、なんでそんなに大人びているのかと思ってたけど、今ならその理由がわかるよ」と言ってきた。
そりゃあこの世界で培ったものがあるし、色んな出来事のせいで精神面が異様に大人びちゃったんだから仕方ない。
そんな鳴神先生とのやり取りもそこそこに、クラスメイト達には先程リーアとリルが一生懸命戦って勝ったバジリスクを宛がった。
するとどうだろう、クラスで一番元気で授業態度は悪いがギリギリ不良ではない西堀春輝とその取り巻きの石岡慶人と高取滉平が真っ先に突っ込んでいったではないか。
マジかよ……なんの情報も聞かずに突っ込んでったぞ?
これから対処法やら戦い方やらを説明しようと思ってたのに。
仕方ないので【麻痺の矢】を放って止める。
くふぅという声を発しながら倒れる3人を見た他のクラスメイト達は唖然とする。
「はいストップ。なに勝手に突っ込んでんの? 今からあのモンスターについて説明しようとしてたのに突っ込むとか、自殺願望でもあんの? それともMかドM? どちらにしろ、なんの情報もなしに突っ込むのは自殺行為だから、今後勝手な行動をした奴は今みたいに動けなくするから覚悟しておくように」
俺がそう宣言すると、クラスメイト達は必死に首を縦に振った。
それを見てから俺は説明を始めた。
「で、あのモンスターだけど、バジリスクって言って、牙に猛毒が有って3分以内に解毒しないと死ぬから注意すること。戦い方は、前衛が直接ダメージを与えて後衛は前衛が怪我をしたら治療という感じでいこうと思うけど、何か意見や質問は?」
俺がそう聞くも、何も言わないので始めることにした。
前衛と後衛の分け方は、鳴神先生が個々の能力を見極めて分けてくれた。
鳴神先生マジ有能。
ただ、鳴神先生自身は後衛というのが残念だった。
剣捌きや体捌きができないからだそうだ。
俺的には、イケメン且つ冷静な判断と指示ができる鳴神先生に先陣を切ってもらった方が絵になると思ったのに。本当に残念。
代わりに頭の回る倉田に先陣を切ってもらうことにした。
「えっ、僕!? 無理無理っ! インテリ系の僕に指示されたって動きたくないに決まってるよ!」
「その時は、言うことを聞いてくれない人から順に動けなくするから大丈夫」
「大丈夫、なのかな、それ……」
なぜか不安そうにする倉田。
「聞いてみればいいだろ。倉田が指示することに文句がある人!」
『異議なーし!』
俺の質問に、全員が手を上げながらそう言った。
「ほら、文句無いってさ。頑張れ倉田」
「わ、わかったよ、やればいいんでしょ!? やれば!!」
若冠逆ギレ気味にそう言った倉田は、皆に指示を出していった。
クラスメイト達はあれでいいとして、リーアとリルのレベル上げを再開するか。
そう思った俺は、こちらのメンバー全員を呼んだ。
そして、グランとフーリエに監督を頼み、クラスメイト達の邪魔にならないところでレベル上げの続きをしてほしいと伝えた。
「私達に任せておけ」
「そうそう、大船に乗った気持ちで任せておいて!」
「いや、泥船だろ? 俺がレベル上げしてるとき監視役だったのに放置してたんだから」
「うぐっ……む、昔のことじゃないか。もうやらないだろう?」
「そ、そうだよ! 今そんなことしたらユウトに何されるかわからないんだからさ……!」
「ふーん?」
ジーッと二人の目を見ると、二人とも揺らがない真剣な目をしていたので信じることにした。
「まぁ、いいか。頼むぞ、二人とも」
俺がそう言うと、二人ともホッとしてからこう言った。
「あぁ、任せろ」
「うん、任せといて!」
その後、グランとフーリエの引率のもと菜奈とリーアとリルはレベル上げに向かった。
グラン達を見送った後、クラスメイト達に戦闘開始の指示をする。
そこからは俺は一切口出しはしない。
口出しはしないが【麻痺の矢】は出す。
勝手な行動をする奴が居ないとも限らないからな。
戦闘が始まると、前衛がバジリスクに剣で攻撃を仕掛けた。
前衛は、特に剣捌きや体捌きが得意な人達が選ばれており、鳴神先生が見極めただけあってそれなりに良い動きをしている。
倉田は、前衛と後衛の間、どちらにも声が届く所で魔法で攻撃をしている。
後衛は、剣捌きも体捌きもできるけど前衛で戦うほどではない人達が選ばれている。
それでも鳴神先生の何倍は剣捌きと体捌きができるそうだ。
まぁ、鳴神先生の担当教科国語だし、仕方ないよな。
高校の先生って立ってるか座ってるかぐらいだし。
これが体育の先生だったら、運動が少しは他の教科の先生よりできると思うんだけど。
そんなことを考えていると、いつの間にかバジリスクが虫の息になっていた。
この人数でレベル50のモンスターは楽勝過ぎるか。
あ、そうか、1体だけだからすぐ終わっちゃうんだ。
数体引き連れて来て戦わせればいいんだ。
良いことを思い付いた俺は、クラスメイト達にその場で待機していてもらい、モンスターを数体引き連れてくることにした。
それから探し回って手頃なモンスターを見つけたのでクラスメイト達の所へ引き連れていった。
「おーい、連れてきたぞー!」
そう言いながらクラスメイトの所へ行くと、クラスメイト達がなぜか驚いている。
「どうした? なんかあった?」
疑問に思って訊いてみると、倉田がこう言ってきた。
「いや、なんでモンスターに追われてるのにそんなに清々しいの!? 結構遠くから走ってきてたよね!?」
「まぁ、慣れだよ、慣れ。それよりも、早く倒さないと怪我人が出るよ?」
「そのモンスターを連れてきたのは石崎君でしょ!?」
くっ、上手くツッコまれたか。
誤魔化すために「あっ、そうだった。テヘッ☆」とお茶目なことをしてみたが、「キモいし、誤魔化てせないからね」と一蹴された。
ショボンとなる俺を放置し、倉田はスタスタとクラスメイト達の所へ行ってしまった。
戦闘の方はというと、多少苦戦はしていたがクラスメイト達だけで対処できる程度だった。
クラスメイト達の戦闘が終わって休憩をしていると、グラン達が戻ってくるのが見えた。
そして一人、俺に向かって走ってくる人がいた。
あれは……リーアか。
「ユウト様~!」
俺を呼びながら走ってきたリーアが跳んで抱きつきそうになったので、サッと避けた。
それによってヘッドスライディングをするリーア。
すぐにガバッと起き上がって俺に文句を言ってきた。
「なぜ避けるのですか!?」
「いや、なんか、体が勝手に避けちゃって……」
「祐人!」
「のわっ、な、菜奈!?」
いつの間にか後ろに来ていた菜奈に抱きつかれて驚く俺。
「私達、頑張ったんだよ。レベルだって75になったし」
「へぇ、リーアは?」
「私は50になりました!」
「おぉ、頑張ったな、二人とも。お疲れ様」
ご褒美になるかわからないが、二人の頭を撫でてやると、二人とも嬉しそうに笑った。
その後、グランとフーリエとリルがやって来た。
「どうだユウト、私達に任せて正解だっただろう?」
「あの頃のあたい達じゃないからね!」
「あぁ、はいはい、スゴイスゴイ」
「「なんか雑じゃない(か)!?」」
グランとフーリエとそんなやり取りをしていると、アレンが話し掛けてきた。
「ユウト殿、そろそろ獣人の国へ向かった方がよろしいかと」
「わかった」
というわけで、一同馬車に乗り込んで獣人の国へ向かった。
◆◇◆◇◆
獣人の国に差し掛かると、門のところでドワーフの国と同じように検閲があった。
馬車から降りて顔を見せると、門番の獣人は普通に対応した。
「これはユウト様! お久し振りでございます! ドワーフの国やエルフの国での功績は聞き及んでおります」
驚かないと思ったらそういうことか。
そりゃそうだよな、ドワーフの国の方もエルフの国の方も、功績と言うには乏しい気がするけど情報は回るよな。
そんなことを思いつつ門番に訊ねた。
「城へ行きたいんだけど、大丈夫かな?」
「はい、今は大丈夫かと」
苦笑気味に答えてくれる門番。
「そうか、じゃあ、今のうちに行かないとな」
なぜこんな質問をしたかと言うと、獣人の国の王であるランギールの息子ユールが原因だ。
このユール、理由は違うがリーアと同様に助けたことがあるのだが、それからというもの、人間嫌いなくせにホモかというくらい人間の俺にベッタリ懐いている。
そのことは獣人の国の国民すべてが知っていることで、ユールと歩いていると生暖かい目で見てきたりする。
門番によれば今は寝ているらしいので、今のうちに挨拶を済ませておきたいという訳だ。
そう思ってグラン達とクラスメイト達を急かして城へ向かおうとしたその時、誰かが猛スピードで走ってくるのが見えた。
ヤバッ、ユールだ……!
「ユウト!!」
そう言って俺の目の前まで来たユールは、俺に抱きついた。
「ハァハァ、ユウトの匂いだ……! クンカクンカスーハースーハー、クンクン、スーハースーハー」
「匂い嗅ぎすぎだ! 離れろ!」
「やだよクンクン会えないと思ってた5年分のユウト分を補給しないといけないからハァハァ」
確か今リルと同い年だったはずで、しかもこの国の王子なのにこんなに変態染みてていいのか。
誰か助けて……!
そこへ颯爽と現れたのはリーアだった。
「ユールさん、私のユウト様から離れてください!」
「違うよリーア、ユウトは僕のものだよ。将来を約束した仲なんだから」
「してないし、お前男だろ!? 俺にそっちの趣味はないからな!?」
「頑張れば男だって子ども作れるよ!」
ガッツポーズをしてそんなことを言うユール。
「頑張ってできたら女性との結婚なんて要らないんだよ!」
どうしようコイツ……もう手遅れだ……。
今のやり取りで菜奈もクラスメイト達もドン引きしてるし……。
すると、鳴神先生が近寄ってきて俺の肩に手を置いてこう言った。
「まぁ、あれだ……先生は応援してるよ……」
頼みの綱の先生が、怒ることを諦めた!?
あれ? 先生の言葉にクラスメイト達が頷いてる!?
菜奈だけずっと放心状態で突っ立っている。
なので、近寄って声を掛けてみる。
「な、菜奈?」
「祐人、夜、お話、しようか」
我に帰った菜奈が、ニコッとしながら片言でそう言ってきた。
怖ッ!? 片言なところが特に怖い……!
俺に明日は来るんだろうか。
レベル的には菜奈では俺を倒すことはできないけど、他の面で倒されるかもしれない。
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