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二章
危険に向かう姫と従者
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当然すぐに離れたし、口と口ではなかったが、俺からスティアに口付けをしたという結果は変わらない。
「……? ……んにゃっ!?」
一瞬何が起こったのかわからなそうにしていたスティアだったが、自身の鼻を触って何かを確かめた後、ピクピクと鼻を動かし、叫んだ。
「んにゃっ……にゃにっ……!?」
両手で鼻を押さえながら言葉を紡ごうとしているが、うまく言葉が出てこないようだ。しかも、それだけ慌てているということだろう。言葉が猫のようになってしまっている。
……その程度で慌ててどうする。先日は自分のことを獅子だと自慢しながら迫ってきただろうに。もっと落ち着け。
言ったら言ったで面倒なことになりかねないので言わないが。
「すまぬな。やはり、このような場では不用意な行動はしない方が良いだろう」
特に意図したわけではないが、話し方が固いものに戻ってしまっていることが自身でも理解できた。おそらく、いやまず間違いなく、俺もそれだけ動揺しているということなのだろう。
「そ、そそそそ、そうね! 後十メートルくらい離れないと!」
「そんなに離れたら逸れるであろうが、阿呆」
いくら動揺しているからと言っても、慌てすぎだ。
十メートルも離れるのであれば、確実にお前は迷うことになるぞ。それにそれは、一緒に行動しているとはいえないだろう。
このまま話を続けると本当に離れかねないので、話を戻すことにしよう。
「先ほどの話に戻るが、確かに澄んだ綺麗な目をしているな」
「で、ででででしょ~? おえっへっへっへっ……」
なんだその不気味で小者臭のする笑い方は。まだ動揺しているのはわかるが、その笑い方はないのではないだろうか?
「だが、それとこれとは別だろう。澄んだ目をしていようが頭のおかしな奴はいるものだ。純粋にイカレたまま行動し、嘘をつき、法を犯す。それ以外にも、理解できないことを為す阿呆はいるものだ。故に、目だけで判断することはできないな」
狂人や狂信者という者は、えてしてそういうものだ。自身を信じ、純粋な想いで行動に移す。そのせいで表面上は常人に見えるのだからタチが悪い。
「それって、私がそんなアホと同じってこと!?」
「イカレかどうかは別にしても、頭がおかしいのは間違いではなかろう?」
先ほどの笑い方を聞いて、尚更そう思ったぞ。
「間違ってますう~!」
唇を尖らせながら否定するが、それに対して俺はため息を吐くだけで特に何かを言ったりはしないで再び歩き出——
「——きゃああああああああっ!」
悲鳴? これは……暴漢に襲われた、というだけではないな。詳しくはわからないが、もっと違う類のものに聞こえた気がする。
だが、ここでは周りがざわつきすぎていてよく聞こえない。
「ねえ、なんかいっぱいの人が叫んでるのが聞こえるんだけど……」
いっぱいとなると……それだけの規模の脅威が存在しているということだ。であれば、単なる暴漢や喧嘩などではないな。
ここは港町で、さまざまな場所から別の組織、種族が集まる。そのうちのどこぞの集団が別の集団と問題を起こして武器を抜いた、と考えるのが妥当なところか。先ほどの悲鳴は武器を抜いたのを見た、あるいは、問題に巻き込まれそうになった一般人のものではないかと思う。
とはいえ、それが絶対に正しいとも言い切れない。実際に見てみるまでは何が起きているのかは断定しないほうがいいだろう。
ないとは思うが、街に魔物が現れた、賊が暴れている、空から龍が襲ってきた、という可能性も十分に考えられるのがこの世界なのだから。
「……スティア。警戒しろ。何が起きているのかわからんが、何が来てもいいようにしておけ」
「わかってるわ。もう二度と攫われたりとかしないんだから」
スティアの様子を確認するが、その顔にはすでに先ほどまでの動揺はなくなっており、鋭い戦士の顔つきになっていた。この様子ならば、何かあってもすぐに対応することができるだろう。
しかし、装備に若干の不安があるな。
今のスティアは普段着というか、この街の滞在中に買った一般人の服を着ている。一応身につけることのできる魔法のかかった装飾品などは身につけているようだが、それでも戦場に出るには心許ない。
「とりあえず、これを纏っておけ。不意打ちを防ぐことくらいはできる」
「オッケー。あんがとね」
俺が差し出したマントを受け取ると、すぐにそれを身に纏い、調子を確認しだした。
これで身体能力は強化されたのだから並大抵の敵ではスティアを捕えることはできないし、倒すことも困難であるはずだ。
不意打ちを受けたとしても、簡単な魔法や弓程度であれば鎧代わりに防いでくれることだろう。
これで準備は整ったが、どう動くべきか。とりあえず、先ほどの悲鳴は街の中から聞こえたものだ。であれば、その発生源から離れる……つまりは街から出た方が安全か?
なんにしても、この場を離れるべきか。街の外に行くかどうかは、おいおい考えればいい。
「さて、それじゃあすぐに声のした方から離れ——あ、おい待て阿呆!」
「バカ言ってんじゃないわよ! 市民を守るのがお姫様の役目でしょ!」
そう思って声をかけたのだが、スティアは俺の声を無視して人混みの中を抜け、民家の屋根に飛び乗ってしまった。
「ここはお前の国ではないのだがな……」
「それから、阿呆じゃないですうー!」
屋根の上に乗ったスティアは悲鳴の聞こえた方向へと消えていったが、その際先ほどの俺の言葉を否定するための声が聞こえてきた。
……それは今叫んでまで否定することなのか?
「仕方ないか」
正直、気にはなっていたのだ。元貴族として、自領の民ではないとはいえど、国民に何か問題が起きたのであれば、それを助けるのが貴族の責務だ。少なくとも、俺はそう思っている。
だから助けるかどうかは別にしても、状況を確認しておきたいとは思った。
だが、今はスティアという護衛対象がいるのだ。軽々に動くことはできず、あいつの安全を第一に考えて行動すべきだった。だからこそ逃げる選択を選ぼうとしたのだが……それを実行する前にあいつが危険に向かって走り出してしまった。
であれば仕方ない。俺も向かうしかないだろう。
「おい待て、阿呆!」
スティアと同じように屋根の上に飛び乗り、すでに走り出していたスティアを捕捉して跡を追う。
「アホじゃないってば! っていうかやっぱしあんたも来たんだ」
俺がおってきたことに気づいたスティアは、不満そうに叫びながらも少し歩を落として俺と横並びとなった。
「今はお前の警護をしなければならないのだから、仕方ないだろう」
「ふーん。それはごめんあそばせ。……でも、あんたさっきよりもいい顔してるけど、なんかいいことあった?」
こいつ、謝ってはいるが、全く反省などしていないな。
まあそれは分かっていたことだから良いといえば良いのだが……俺がいい顔をしているだと?
だとしたら、それはきっとこうして心の赴くままに動けているからなのだろう。
理屈としては、スティアを連れて逃げるのがここで行うべき最善の行動であると分かっている。
だが、俺はその理屈に逆らい、守るべき対象であるスティアと共に危険に向かって突き進んでいる。
すでに俺は貴族ではない。だから、本来ならば民を助ける義務などないのだ。
だがそれでも、誰かの悲鳴を、嘆きをそのまま棄ておくなど、あってはならないのだと心が叫んでいる。
その心の叫びが『俺』のものなのか『私』としての残滓なのかはわからない。
だがどちらにしても、今の俺は助けに行きたいと思っており、その通りに民を助けに行けることが嬉しいのだ。
その嬉しさも、民を助けに行きたいと思う心自体も、純粋な善意や義侠心といったものからではないかもしれない。
ただ『民を守る』という状況をこなすことで、貴族だった誇りを失わないようにする、あるいは、貴族であったころの気分を味わえるから、なんてふざけた理由なのかもしれない。
あるいは、自由になった今でも貴族としての在り方に縛られ続けている呪いのようなものかもしれない。
だが、それでも構わない。
なぜ助けたいのかなど、考えたところで結局自分では答えが出せないのだ。であれば、今この瞬間にやりたいことをやればいい。
そして、そんな『やりたいこと』をやることができているから、俺はスティアの言うところの〝いい顔〟をしているのだろう。
「……なに。危険に向かうお姫様を守るために行動できるなど、従者としては光栄なことだろう?」
だが、それを口にするつもりはない。なので誤魔化すために、危険に向かって走り出したことに対し、少しだけ非難の色を込めて軽口を叩く。
「んまっ! 分かってんじゃない! それじゃあ行くわよ、我が従僕よ!」
「……皮肉だ。気づけ」
「ほえ?」
スティアは俺の言葉の本当の意味を理解できず、調子づいて指示を出してきた。
この程度の皮肉も気付けないとは、こいつは本当に王女か?
まあ、こいつらしいと言えばらしい気もするが。
「はあ。なんでもない。こちらを見ていて転ぶんじゃないぞ」
「そんなミスをするわけないってば。私を誰だと思ってるの!」
「……? ……んにゃっ!?」
一瞬何が起こったのかわからなそうにしていたスティアだったが、自身の鼻を触って何かを確かめた後、ピクピクと鼻を動かし、叫んだ。
「んにゃっ……にゃにっ……!?」
両手で鼻を押さえながら言葉を紡ごうとしているが、うまく言葉が出てこないようだ。しかも、それだけ慌てているということだろう。言葉が猫のようになってしまっている。
……その程度で慌ててどうする。先日は自分のことを獅子だと自慢しながら迫ってきただろうに。もっと落ち着け。
言ったら言ったで面倒なことになりかねないので言わないが。
「すまぬな。やはり、このような場では不用意な行動はしない方が良いだろう」
特に意図したわけではないが、話し方が固いものに戻ってしまっていることが自身でも理解できた。おそらく、いやまず間違いなく、俺もそれだけ動揺しているということなのだろう。
「そ、そそそそ、そうね! 後十メートルくらい離れないと!」
「そんなに離れたら逸れるであろうが、阿呆」
いくら動揺しているからと言っても、慌てすぎだ。
十メートルも離れるのであれば、確実にお前は迷うことになるぞ。それにそれは、一緒に行動しているとはいえないだろう。
このまま話を続けると本当に離れかねないので、話を戻すことにしよう。
「先ほどの話に戻るが、確かに澄んだ綺麗な目をしているな」
「で、ででででしょ~? おえっへっへっへっ……」
なんだその不気味で小者臭のする笑い方は。まだ動揺しているのはわかるが、その笑い方はないのではないだろうか?
「だが、それとこれとは別だろう。澄んだ目をしていようが頭のおかしな奴はいるものだ。純粋にイカレたまま行動し、嘘をつき、法を犯す。それ以外にも、理解できないことを為す阿呆はいるものだ。故に、目だけで判断することはできないな」
狂人や狂信者という者は、えてしてそういうものだ。自身を信じ、純粋な想いで行動に移す。そのせいで表面上は常人に見えるのだからタチが悪い。
「それって、私がそんなアホと同じってこと!?」
「イカレかどうかは別にしても、頭がおかしいのは間違いではなかろう?」
先ほどの笑い方を聞いて、尚更そう思ったぞ。
「間違ってますう~!」
唇を尖らせながら否定するが、それに対して俺はため息を吐くだけで特に何かを言ったりはしないで再び歩き出——
「——きゃああああああああっ!」
悲鳴? これは……暴漢に襲われた、というだけではないな。詳しくはわからないが、もっと違う類のものに聞こえた気がする。
だが、ここでは周りがざわつきすぎていてよく聞こえない。
「ねえ、なんかいっぱいの人が叫んでるのが聞こえるんだけど……」
いっぱいとなると……それだけの規模の脅威が存在しているということだ。であれば、単なる暴漢や喧嘩などではないな。
ここは港町で、さまざまな場所から別の組織、種族が集まる。そのうちのどこぞの集団が別の集団と問題を起こして武器を抜いた、と考えるのが妥当なところか。先ほどの悲鳴は武器を抜いたのを見た、あるいは、問題に巻き込まれそうになった一般人のものではないかと思う。
とはいえ、それが絶対に正しいとも言い切れない。実際に見てみるまでは何が起きているのかは断定しないほうがいいだろう。
ないとは思うが、街に魔物が現れた、賊が暴れている、空から龍が襲ってきた、という可能性も十分に考えられるのがこの世界なのだから。
「……スティア。警戒しろ。何が起きているのかわからんが、何が来てもいいようにしておけ」
「わかってるわ。もう二度と攫われたりとかしないんだから」
スティアの様子を確認するが、その顔にはすでに先ほどまでの動揺はなくなっており、鋭い戦士の顔つきになっていた。この様子ならば、何かあってもすぐに対応することができるだろう。
しかし、装備に若干の不安があるな。
今のスティアは普段着というか、この街の滞在中に買った一般人の服を着ている。一応身につけることのできる魔法のかかった装飾品などは身につけているようだが、それでも戦場に出るには心許ない。
「とりあえず、これを纏っておけ。不意打ちを防ぐことくらいはできる」
「オッケー。あんがとね」
俺が差し出したマントを受け取ると、すぐにそれを身に纏い、調子を確認しだした。
これで身体能力は強化されたのだから並大抵の敵ではスティアを捕えることはできないし、倒すことも困難であるはずだ。
不意打ちを受けたとしても、簡単な魔法や弓程度であれば鎧代わりに防いでくれることだろう。
これで準備は整ったが、どう動くべきか。とりあえず、先ほどの悲鳴は街の中から聞こえたものだ。であれば、その発生源から離れる……つまりは街から出た方が安全か?
なんにしても、この場を離れるべきか。街の外に行くかどうかは、おいおい考えればいい。
「さて、それじゃあすぐに声のした方から離れ——あ、おい待て阿呆!」
「バカ言ってんじゃないわよ! 市民を守るのがお姫様の役目でしょ!」
そう思って声をかけたのだが、スティアは俺の声を無視して人混みの中を抜け、民家の屋根に飛び乗ってしまった。
「ここはお前の国ではないのだがな……」
「それから、阿呆じゃないですうー!」
屋根の上に乗ったスティアは悲鳴の聞こえた方向へと消えていったが、その際先ほどの俺の言葉を否定するための声が聞こえてきた。
……それは今叫んでまで否定することなのか?
「仕方ないか」
正直、気にはなっていたのだ。元貴族として、自領の民ではないとはいえど、国民に何か問題が起きたのであれば、それを助けるのが貴族の責務だ。少なくとも、俺はそう思っている。
だから助けるかどうかは別にしても、状況を確認しておきたいとは思った。
だが、今はスティアという護衛対象がいるのだ。軽々に動くことはできず、あいつの安全を第一に考えて行動すべきだった。だからこそ逃げる選択を選ぼうとしたのだが……それを実行する前にあいつが危険に向かって走り出してしまった。
であれば仕方ない。俺も向かうしかないだろう。
「おい待て、阿呆!」
スティアと同じように屋根の上に飛び乗り、すでに走り出していたスティアを捕捉して跡を追う。
「アホじゃないってば! っていうかやっぱしあんたも来たんだ」
俺がおってきたことに気づいたスティアは、不満そうに叫びながらも少し歩を落として俺と横並びとなった。
「今はお前の警護をしなければならないのだから、仕方ないだろう」
「ふーん。それはごめんあそばせ。……でも、あんたさっきよりもいい顔してるけど、なんかいいことあった?」
こいつ、謝ってはいるが、全く反省などしていないな。
まあそれは分かっていたことだから良いといえば良いのだが……俺がいい顔をしているだと?
だとしたら、それはきっとこうして心の赴くままに動けているからなのだろう。
理屈としては、スティアを連れて逃げるのがここで行うべき最善の行動であると分かっている。
だが、俺はその理屈に逆らい、守るべき対象であるスティアと共に危険に向かって突き進んでいる。
すでに俺は貴族ではない。だから、本来ならば民を助ける義務などないのだ。
だがそれでも、誰かの悲鳴を、嘆きをそのまま棄ておくなど、あってはならないのだと心が叫んでいる。
その心の叫びが『俺』のものなのか『私』としての残滓なのかはわからない。
だがどちらにしても、今の俺は助けに行きたいと思っており、その通りに民を助けに行けることが嬉しいのだ。
その嬉しさも、民を助けに行きたいと思う心自体も、純粋な善意や義侠心といったものからではないかもしれない。
ただ『民を守る』という状況をこなすことで、貴族だった誇りを失わないようにする、あるいは、貴族であったころの気分を味わえるから、なんてふざけた理由なのかもしれない。
あるいは、自由になった今でも貴族としての在り方に縛られ続けている呪いのようなものかもしれない。
だが、それでも構わない。
なぜ助けたいのかなど、考えたところで結局自分では答えが出せないのだ。であれば、今この瞬間にやりたいことをやればいい。
そして、そんな『やりたいこと』をやることができているから、俺はスティアの言うところの〝いい顔〟をしているのだろう。
「……なに。危険に向かうお姫様を守るために行動できるなど、従者としては光栄なことだろう?」
だが、それを口にするつもりはない。なので誤魔化すために、危険に向かって走り出したことに対し、少しだけ非難の色を込めて軽口を叩く。
「んまっ! 分かってんじゃない! それじゃあ行くわよ、我が従僕よ!」
「……皮肉だ。気づけ」
「ほえ?」
スティアは俺の言葉の本当の意味を理解できず、調子づいて指示を出してきた。
この程度の皮肉も気付けないとは、こいつは本当に王女か?
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