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三章
マリア対グラハム1
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——◆◇◆◇——
・マリア
さっきまでいた建物の前にアルフ君を残して、私は敵の幹部らしい四人組の一人と場所を移して戦うことになった。
今回のこの戦いは、元々私が勝手に首を突っ込んで戦うことになった戦い。それなのに、その相手を彼やスーちゃん達に相手してもらうのは少し気が引ける。
それに、敵の実力はかなりのもの。彼をあの場に残しはしたし、スーちゃんもああ言ってたけど、やっぱり少し心配。
だけど、私じゃ手に余るのも本当。多分、この目の前にいる男を含め、幹部の人たちと一人で戦えばなんとか勝てるくらいの力しか私にはない。守りに徹するんだったら二人……ううん。三人まではなんとか耐えて見せるけど、それだけ。耐えてるだけじゃジリ貧になって、そのうち負けてた。
それに何より、襲われてた人たちを逃すこともできずに終わってたはず。
だから、正直なところ助けに来てくれたのはすっごいありがたかった。
それに、助けに来てくれたってことは、勝つ算段があるってことだと思う。だって彼、無闇に踏み込んでくるようなタイプじゃないもの。
だから今はそれを信じて他の敵はアルフ君たちに任せて、私は目の前の男に集中しないと。
「よお、騎士様。俺はグラハムってもんだが……一応聞くが、投降するつもりはあるか?」
「グラハムね。私はマリアよ。で、今の答えだけど、あると思う?」
「まあ、だよな。だったらはなっからこんなところに来てねえか。——そんじゃあまあ、やるとするか。あんまし気は乗らねえがな」
男——グラハムは自分も騎士のような鎧を着てるくせに、私のことを騎士様、だなんてふざけた態度で呼んできた。
でも、私も戦いたくて戦うわけじゃないし、気が乗らないって言うんだったら引いてもらえると嬉しいんだけどな。
「なら、このまま引いてもらっても良いんだけど?」
「それができりゃあいいんだがなぁ。あいにくとそれを許してくれる相手じゃねえのよ。それに——」
グラハムはそこで言葉を止めると、それまでの少し緩い態度を改めて剣を構えた。
その瞬間、グラハムから体を押し込まれるような強烈な武威が放たれた。
これは……この感じは、まずいっ。
この人、多分私よりも強い。それも、ギリギリとかそんなのじゃなくって、明確な格上。
「引くほどの相手ってわけでもねえ」
「っ! このっ……あんまり私のことを舐めないでちょうだい!」
グッとての中にある盾を握り締め、構える。
これでいける。これならいける。この盾は私の魔創具で、そうそう壊れはしない。相手がどれほど強者であっても、守りに徹していればすぐに崩されるってこともないわ。
そうして守り続けて我慢比べをして、相手の集中が途切れたところで反撃に出る。
問題は相手の集中が途切れるまで私が格上の攻撃から耐え切ることができるのか、ってことだけど……大丈夫。耐えるのには慣れてるから。
「そりゃあ嬢ちゃんの実力次第だな!」
私が盾を構えたのを見て、グラハムはだらりとぶら下げていた剣を上段に構え、そのまま私へと駆け寄り、剣を振り下ろした。
攻撃が来る。そう体が理解した瞬間、頭で考えるまでもなく体は動いた。
これまで何度となくやってきた動作と同じ。相手の攻撃に合わせて盾を動かし、逸らしつつ押し込んで弾く。
そうすることで、今まで何度も敵の攻撃を弾いてきた。だから今回も同じように攻撃を弾こうと体を動かす。
でも、今回はいつもとは少し違っていた。
弾くことはできた。でも、少しだけだったけど、想定してたよりも衝撃がこっちに抜けてきた。多分これは、この人が私の盾の動きに合わせて自分の剣の動きを修正したからだと思う。
けど、そんなことができるなんて普通じゃない。少なくとも、そこら辺にいる冒険者や騎士程度にはできない芸当。それなのにどうしてこの人はそんなことができるんだろう?
ううん。今はそんなことを考える場合じゃない。相手の正体がなんであれ関係ない。今はとにかく倒すことだけを考えないと。
相手の剣を盾で弾き、流し、牽制のために剣を振るう。
そうして何度か剣を合わせてみるけど、なんだか違和感がある。なんというか、どこか馴染みがあるのに全く知らない剣のような、そんな感じがする。
なんでだろう、なんて考えたいけど、そんなことを考える余裕は今の私には全くない。そんなことを考える余裕があるんだったら、その余裕をこの人を倒すために注ぎ込みたいくらいよ。
「なかなかやるじゃねえの」
「そう? ありがとう! でも、あなたもっ! ……結構強いみたいね」
剣を交えながら突然感心したような声をかけられたけど、それでも私たちはお互いに攻撃の手を止めない。まあ、攻撃の手って言っても、私の場合は半分以上防御の動きだけど。
「まあな。これでも昔は騎士団にいたんだ。しかも、守護騎士だぜ?」
「守護騎士……」
「ああそうさ。——お前と同じでな」
「っ!」
グラハムから、自分も以前は守護騎士だったって聞いて、一瞬だけど動きを止めてしまった。
当然この人がそんな機会を見逃すはずもなく、言葉を吐き出すのに合わせて肩から体当たりを仕掛けてくる。
それまでとは違い剣ではなく体当たりという攻撃に一瞬だけ判断に迷い、反応が遅れてしまったけど、それでも盾を構えることはできた。
でも、反応が遅れたせいで私の構え完璧なものとは言えず、構えた盾をこじ開けるかのように体に押されて弾かれてしまった。
盾を弾かれたことで体の正面がガラ空きとなってしまい、当然ながらそうなれば攻撃を受けてしまうことになる。
今は頭部を守る兜はつけていない。首から上を狙われたら即死することになる。なら、怪我を覚悟で身につけている鎧で——
そう考え、体勢を変えつつ相手の剣を体で受けたところ、なんとか鎧の胸部で弾くことができた。
けど、そんな不恰好な受け方をしてしまったために大きく弾かれ、そして胸を強打されたことで一瞬だけとはいえ呼吸が止まってしまい、地面を転がることとなった。
まだ終わりじゃない。でもこのまま攻撃を仕掛けられたら本当に終わっちゃう……!
地面を転がりながらも、盾も剣も離すことなく急いで立ち上がり、構える。
けど、グラハムはさっきまで剣を交えていた場所から動くことなく、私のことを見ていた。
なんで今攻撃を仕掛けてこなかったのかはわからない。
けど、どんな思惑があったにしても、ここで見逃したことを後悔させてみせる。
「そんな隙を晒すなんて、まだ甘いな」
「……あなたが守護騎士だったっていうのはどういうことなの? それに、私が守護騎士だったって、どうして……」
「どうして〝そう〟だってわかったのか不思議か? 別にそんなおかしなことでもないだろ。こっちは殺しの依頼を受けたんだ。そりゃあ調べるだろ」
確かにそれはそうだろうと思う。いくら殺しの依頼を受けたからと言って、対象のことを何も調べないまま襲うような人達が、裏側で一番を取ることができるわけがないんだから。
「ただ、仮に調べなかったとしてもわかったと思うぞ」
「それは……なんで?」
「動き方だ。同じ組織に所属してたんだから、同じ訓練を受けたに決まってる。そうなりゃあ、動きだって同じになるもんだろ? ま、俺は大分スレちまったからな。騎士王国の動きとはちっとばかしちげえだろうけど」
私がさっきから感じていた違和感や既視感はそれが理由なのだろう。騎士としての剣技は見覚えがある。でも自己流に崩れていたから気づけなかった。
ああ。もしかしたら、この人の態度や話し方が微妙にずれを感じたのも、それかもしれない。
なんというか、狼の皮を被った羊というか、無理してるってわけでもないんだけど、どこか混ざっていて落ち着かないような感じがするの。
それは本来は騎士として生きていたのに、騎士をやめてここで生活するようになった結果なのかもしれない。
でも……なんでこの人はここにいるんだろう? 自慢なんかじゃないけど、私は騎士王国の中でも結構やる方だった。守護騎士の中でも実力だけで言ったらそれなりに上位だったし、格上の三勲騎士にも勝ったことがある。
あとは活躍の機会があって世渡りが上手ければもっと上に行ける、なんて知人からは言われていた。
それなのに、そんな私の盾を弾いて攻撃を入れるだなんて……何者なんだろう? なんでこんな実力者が守護騎士をやめてまでこんなところにいるんだろう? 全然わからない。
・マリア
さっきまでいた建物の前にアルフ君を残して、私は敵の幹部らしい四人組の一人と場所を移して戦うことになった。
今回のこの戦いは、元々私が勝手に首を突っ込んで戦うことになった戦い。それなのに、その相手を彼やスーちゃん達に相手してもらうのは少し気が引ける。
それに、敵の実力はかなりのもの。彼をあの場に残しはしたし、スーちゃんもああ言ってたけど、やっぱり少し心配。
だけど、私じゃ手に余るのも本当。多分、この目の前にいる男を含め、幹部の人たちと一人で戦えばなんとか勝てるくらいの力しか私にはない。守りに徹するんだったら二人……ううん。三人まではなんとか耐えて見せるけど、それだけ。耐えてるだけじゃジリ貧になって、そのうち負けてた。
それに何より、襲われてた人たちを逃すこともできずに終わってたはず。
だから、正直なところ助けに来てくれたのはすっごいありがたかった。
それに、助けに来てくれたってことは、勝つ算段があるってことだと思う。だって彼、無闇に踏み込んでくるようなタイプじゃないもの。
だから今はそれを信じて他の敵はアルフ君たちに任せて、私は目の前の男に集中しないと。
「よお、騎士様。俺はグラハムってもんだが……一応聞くが、投降するつもりはあるか?」
「グラハムね。私はマリアよ。で、今の答えだけど、あると思う?」
「まあ、だよな。だったらはなっからこんなところに来てねえか。——そんじゃあまあ、やるとするか。あんまし気は乗らねえがな」
男——グラハムは自分も騎士のような鎧を着てるくせに、私のことを騎士様、だなんてふざけた態度で呼んできた。
でも、私も戦いたくて戦うわけじゃないし、気が乗らないって言うんだったら引いてもらえると嬉しいんだけどな。
「なら、このまま引いてもらっても良いんだけど?」
「それができりゃあいいんだがなぁ。あいにくとそれを許してくれる相手じゃねえのよ。それに——」
グラハムはそこで言葉を止めると、それまでの少し緩い態度を改めて剣を構えた。
その瞬間、グラハムから体を押し込まれるような強烈な武威が放たれた。
これは……この感じは、まずいっ。
この人、多分私よりも強い。それも、ギリギリとかそんなのじゃなくって、明確な格上。
「引くほどの相手ってわけでもねえ」
「っ! このっ……あんまり私のことを舐めないでちょうだい!」
グッとての中にある盾を握り締め、構える。
これでいける。これならいける。この盾は私の魔創具で、そうそう壊れはしない。相手がどれほど強者であっても、守りに徹していればすぐに崩されるってこともないわ。
そうして守り続けて我慢比べをして、相手の集中が途切れたところで反撃に出る。
問題は相手の集中が途切れるまで私が格上の攻撃から耐え切ることができるのか、ってことだけど……大丈夫。耐えるのには慣れてるから。
「そりゃあ嬢ちゃんの実力次第だな!」
私が盾を構えたのを見て、グラハムはだらりとぶら下げていた剣を上段に構え、そのまま私へと駆け寄り、剣を振り下ろした。
攻撃が来る。そう体が理解した瞬間、頭で考えるまでもなく体は動いた。
これまで何度となくやってきた動作と同じ。相手の攻撃に合わせて盾を動かし、逸らしつつ押し込んで弾く。
そうすることで、今まで何度も敵の攻撃を弾いてきた。だから今回も同じように攻撃を弾こうと体を動かす。
でも、今回はいつもとは少し違っていた。
弾くことはできた。でも、少しだけだったけど、想定してたよりも衝撃がこっちに抜けてきた。多分これは、この人が私の盾の動きに合わせて自分の剣の動きを修正したからだと思う。
けど、そんなことができるなんて普通じゃない。少なくとも、そこら辺にいる冒険者や騎士程度にはできない芸当。それなのにどうしてこの人はそんなことができるんだろう?
ううん。今はそんなことを考える場合じゃない。相手の正体がなんであれ関係ない。今はとにかく倒すことだけを考えないと。
相手の剣を盾で弾き、流し、牽制のために剣を振るう。
そうして何度か剣を合わせてみるけど、なんだか違和感がある。なんというか、どこか馴染みがあるのに全く知らない剣のような、そんな感じがする。
なんでだろう、なんて考えたいけど、そんなことを考える余裕は今の私には全くない。そんなことを考える余裕があるんだったら、その余裕をこの人を倒すために注ぎ込みたいくらいよ。
「なかなかやるじゃねえの」
「そう? ありがとう! でも、あなたもっ! ……結構強いみたいね」
剣を交えながら突然感心したような声をかけられたけど、それでも私たちはお互いに攻撃の手を止めない。まあ、攻撃の手って言っても、私の場合は半分以上防御の動きだけど。
「まあな。これでも昔は騎士団にいたんだ。しかも、守護騎士だぜ?」
「守護騎士……」
「ああそうさ。——お前と同じでな」
「っ!」
グラハムから、自分も以前は守護騎士だったって聞いて、一瞬だけど動きを止めてしまった。
当然この人がそんな機会を見逃すはずもなく、言葉を吐き出すのに合わせて肩から体当たりを仕掛けてくる。
それまでとは違い剣ではなく体当たりという攻撃に一瞬だけ判断に迷い、反応が遅れてしまったけど、それでも盾を構えることはできた。
でも、反応が遅れたせいで私の構え完璧なものとは言えず、構えた盾をこじ開けるかのように体に押されて弾かれてしまった。
盾を弾かれたことで体の正面がガラ空きとなってしまい、当然ながらそうなれば攻撃を受けてしまうことになる。
今は頭部を守る兜はつけていない。首から上を狙われたら即死することになる。なら、怪我を覚悟で身につけている鎧で——
そう考え、体勢を変えつつ相手の剣を体で受けたところ、なんとか鎧の胸部で弾くことができた。
けど、そんな不恰好な受け方をしてしまったために大きく弾かれ、そして胸を強打されたことで一瞬だけとはいえ呼吸が止まってしまい、地面を転がることとなった。
まだ終わりじゃない。でもこのまま攻撃を仕掛けられたら本当に終わっちゃう……!
地面を転がりながらも、盾も剣も離すことなく急いで立ち上がり、構える。
けど、グラハムはさっきまで剣を交えていた場所から動くことなく、私のことを見ていた。
なんで今攻撃を仕掛けてこなかったのかはわからない。
けど、どんな思惑があったにしても、ここで見逃したことを後悔させてみせる。
「そんな隙を晒すなんて、まだ甘いな」
「……あなたが守護騎士だったっていうのはどういうことなの? それに、私が守護騎士だったって、どうして……」
「どうして〝そう〟だってわかったのか不思議か? 別にそんなおかしなことでもないだろ。こっちは殺しの依頼を受けたんだ。そりゃあ調べるだろ」
確かにそれはそうだろうと思う。いくら殺しの依頼を受けたからと言って、対象のことを何も調べないまま襲うような人達が、裏側で一番を取ることができるわけがないんだから。
「ただ、仮に調べなかったとしてもわかったと思うぞ」
「それは……なんで?」
「動き方だ。同じ組織に所属してたんだから、同じ訓練を受けたに決まってる。そうなりゃあ、動きだって同じになるもんだろ? ま、俺は大分スレちまったからな。騎士王国の動きとはちっとばかしちげえだろうけど」
私がさっきから感じていた違和感や既視感はそれが理由なのだろう。騎士としての剣技は見覚えがある。でも自己流に崩れていたから気づけなかった。
ああ。もしかしたら、この人の態度や話し方が微妙にずれを感じたのも、それかもしれない。
なんというか、狼の皮を被った羊というか、無理してるってわけでもないんだけど、どこか混ざっていて落ち着かないような感じがするの。
それは本来は騎士として生きていたのに、騎士をやめてここで生活するようになった結果なのかもしれない。
でも……なんでこの人はここにいるんだろう? 自慢なんかじゃないけど、私は騎士王国の中でも結構やる方だった。守護騎士の中でも実力だけで言ったらそれなりに上位だったし、格上の三勲騎士にも勝ったことがある。
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