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最前線の聖女様
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――◆◇◆◇――
「外壁の補修準備急げ! 次に奴らを下げた時に速攻で直すぞ!」
「武器の補充はまだか! もう矢が足りなくなるぞ!」
「どけどけ! 怪我人だ! 道塞いでんじゃねえ!」
辺境伯領までは途中で野営を一回しただけでつくことができた。道中に危険な事なんてなかったし、天候にも恵まれたから問題らしい問題なんて何もなかったんだけど……
「ここまで慌ててるってことは、そうとうマズい感じかなー、っと」
どうやらここは問題だらけみたいだ。まだ砦に入っておらず城壁の外にいるというのに、砦の中の叫びがここまで聞こえてくるんだから相当な状況ってことだと思う。
「何者だ!」
緩く馬を走らせて砦の門に近づくと、当然ながら警備の兵に呼び止められた。私が来た方向は敵国のある方向じゃないけど、敵が回り込んで後ろからやってこないとも限らないからこの反応も仕方ない。
「戦時中に失礼いたします。私はティックナー伯爵が娘、『聖女』ルーナリア・ティックナーと申します。辺境伯より要請を受けて援軍として参りました」
「おお! それはありがたい! 聖女が来てくださったとなれば我々はまだ戦う事ができます!」
私がやって来たことを告げると、門番の内片方の男はこれ以上ないほどに分かりやすく喜んでみせた。聖女がひとり来ただけでこの反応はちょっと大げさすぎる気もするけど、門の向こうの状況を思えば無理もないかもしれない。
けど、もう一人の方はそうではなかったのか訝しげな表情で私のことを見ている。
「しかし援軍は貴女お一人なのでしょうか?」
ああ、だからか。まあそりゃあそうか。普通なら女が一人で援軍なんて来るわけがない。いくらそれが『聖女』って言っても、普通はもっと大勢で来るものなんだから。
だから私が本物なのか、あるいはほかに援軍はいないのか不安に思ったのだろう。
「いいえ。我がティックナーでは急ぎ援軍の準備を進めていますが、それでも軍を動かすには時間はかかってしまいます。ですので、先に私だけがこちらに参じることといたしました。辺境伯領側としましても、突然援軍が現われても備えができておらず寝食に困ることとなるでしょうから、先触れの役割も兼ねています」
「そうでしたか。……ああ! 失礼いたしました。すぐに辺境伯の元へご案内いたします」
私が他の援軍の存在を告げると、訝しげな表情をしていた門番の男も安堵したようにホッと息を吐き、すぐに気を取り直して門番としての仕事に移ろうとした。
本来ならそうするのが正しい対応だってことは私だってわかってる。でも、今だけはその〝正しい対応〟から外れる行動をとりたい。
「いえ、それよりも先に、要救護者の許へ案内してください。こうしている間にも苦しみ、死に向かっている者はいるはずですから、先にそちらをどうにかしてから話をしたく存じます」
「それは……」
「辺境伯に罰せられることがあれば私の名を出してください。私が勝手に行動したのだと言えば何のお咎めもなく終わるでしょう。さあ早く」
「……こちらになります」
そうして私が退かないと理解したのか、あるいは地位を考えたのか、それとも怪我をしている仲間を助けたいという思いが勝ったのか、渋っていた門番の男は私の言葉に頷き案内をし始めた。
これは私のわがままだ。こんな本来の流れを無視した勝手な行動をすることで、軍の上層部が考えていた流れをぶち壊すことになるかもしれない。
でも、それで救うことがいることは確かなのだ。
怪我人を助けに来たのに、話をしている間に時間を無駄にして助けられない人が出てきた、なんてなったら後味が悪すぎる。
どうせ私の名前なんてもうとっくに地に堕ちているんだし、ここでルール違反の一つや二つしたところで何の問題にもならない。
それに、すぐに治して辺境伯のところに話しに行けばそれでおしまいだ。
「これはまた……酷い有様ね」
――なんて思っていたんだけど、実際に怪我人の収容されているテントに行くと、そこはまあ酷い状況だった。
怪我人たちから悲鳴は聞こえず、うめき声だけが聞こえる。それだけ叫ぶ余裕すらないということだろう。
その代わりというわけではないが、患者ではなく手当をしている者達の間で怒号が飛び交っている。
通常の病院とは真逆といってもいい状況が目の前の光景だった。
「ここは特に重傷者が集められている場所ですので。できれば奥の者から治していただけると助かります」
「奥? ああ……ここに運ばれてきた順番ですか?」
「いえ、奥の方に運ばれている方程、その……身分が」
あー、そっか。そういうのもあるよね。言い辛そうにしてるけど、一介の兵士としては複雑な気持ちもあるでしょうよ。
「身分ですか。……いえ、何も言いません。こういった非常時では身分による上下関係は大事でしょうし、立場あるものが消えれば混乱が生まれますから」
「ご理解いただき感謝いたします」
私としても身分で分けるんじゃなくて怪我の度合いで分けろと思うけど、軍を一つの生き物として考えた場合は立場のある者から治そうとするのは正しい。だって、こんな混沌とした中で指示を出す立場の人間がいなくなったら余計に混乱するだけなんだから。
ただ、そんな治す順番なんてものは私にとっては関係ない。
「ですが、そのような心配をする必要はありません」
聖女としての装備の一つである杖の石突で床を叩くと、その振動によって杖の先端についた鈴がシャンと音を鳴らす。
そんな小さい音だけではこの騒乱の中ではすぐに飲まれて消えてしまうが、それも最初だけ。
最初は小さくシャンとなっていただけだった鈴も、徐々に力を込めて床を叩いていくと、シャン、シャンとその音を怪我人だらけの空間に響き渡らせる。こんな喧騒の中にあって鈴の音が聞こえてくるのが不思議だったのか、皆がこちらを見ている。
慌ただしく走り回っていた医者達も最初は苛立ち交じりの視線だったが、私の服装や杖を見て教会の関係者である、あるいは治癒術を使える者であると理解したようで、その場にいた全員が黙り込んで動きを止めた。
それを見て私は一度だけ深呼吸をすると、口を開いてクソッタレな神様にお祈りの言葉を吐き出すことにした
「我らを見守りし偉大なる神よ。あなたの無垢なる子供が祈りを捧げます。苦痛を齎す暗闇を祓い、苦難に満ちた道を切り開く光を我らにお与えください。我らの道は常に光と共に」
本当ならこんな言葉は言いたくないし、ぶっちゃけるなら言う必要はない。
私が呪文を口にし終えると私を中心として光が辺りを照らし、その光に照らされた者は徐々に、でも確実に傷が癒え始めた。
でもそんなの、呪文……いや、神様への祈りなんて言わなくたって発動することは出来る。
ならなんでこんなことをするのかと言ったら、その方が雰囲気が出るから。
冗談で言っているわけではない。こういう雰囲気というのは大事なのだ。苦しい状況の中であっても神聖さを感じられる行動を目の当たりにし、それによって自身の苦しみが無くなったとなれば、神様が見てくれている、だからまだやれるんだと思うものである。だから意味はなくとも意味がある行為。
まあ、これが普通の聖女だったら鈴の音に魔力を乗せて癒しを届ける、なんてこともするんだけど、私の場合は力のごり押しだけでどうとでもなるからこの杖も鈴の音も、本当に意味がない雰囲気づくりでしかない。
「これでここにいる者の傷は全て消えた事でしょう」
なんて茶番をしているうちに光は徐々に消えていき、今この場にはいたもの全員の傷を癒し終えた。
ほら、これでおしまい。ちょっと話している間に治せるんだし、治せる数に限りはない。
だから地位や立場で順番なんて考える必要もないわけよ。
「な、な……まさか、このような事がっ……!」
「自分で言うのは恥ずかしいのですが、私は『史上最も神に愛された者』と呼ばれておりますので、この程度のことであればいくらでも。さあ、早く次の患者の許へ案内してください」
「え、あ……はっ!」
普通の聖女であればこんなことは出来なかっただろうし、私をここまで案内した兵士もここにいる全員が治るだなんて考えていなかったんだろう。困惑した様子でうろたえていたけど、今はそんなことで時間を取られるわけにはいかない。私が治さないといけない人はまだたくさんいるんだから。
「外壁の補修準備急げ! 次に奴らを下げた時に速攻で直すぞ!」
「武器の補充はまだか! もう矢が足りなくなるぞ!」
「どけどけ! 怪我人だ! 道塞いでんじゃねえ!」
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どうやらここは問題だらけみたいだ。まだ砦に入っておらず城壁の外にいるというのに、砦の中の叫びがここまで聞こえてくるんだから相当な状況ってことだと思う。
「何者だ!」
緩く馬を走らせて砦の門に近づくと、当然ながら警備の兵に呼び止められた。私が来た方向は敵国のある方向じゃないけど、敵が回り込んで後ろからやってこないとも限らないからこの反応も仕方ない。
「戦時中に失礼いたします。私はティックナー伯爵が娘、『聖女』ルーナリア・ティックナーと申します。辺境伯より要請を受けて援軍として参りました」
「おお! それはありがたい! 聖女が来てくださったとなれば我々はまだ戦う事ができます!」
私がやって来たことを告げると、門番の内片方の男はこれ以上ないほどに分かりやすく喜んでみせた。聖女がひとり来ただけでこの反応はちょっと大げさすぎる気もするけど、門の向こうの状況を思えば無理もないかもしれない。
けど、もう一人の方はそうではなかったのか訝しげな表情で私のことを見ている。
「しかし援軍は貴女お一人なのでしょうか?」
ああ、だからか。まあそりゃあそうか。普通なら女が一人で援軍なんて来るわけがない。いくらそれが『聖女』って言っても、普通はもっと大勢で来るものなんだから。
だから私が本物なのか、あるいはほかに援軍はいないのか不安に思ったのだろう。
「いいえ。我がティックナーでは急ぎ援軍の準備を進めていますが、それでも軍を動かすには時間はかかってしまいます。ですので、先に私だけがこちらに参じることといたしました。辺境伯領側としましても、突然援軍が現われても備えができておらず寝食に困ることとなるでしょうから、先触れの役割も兼ねています」
「そうでしたか。……ああ! 失礼いたしました。すぐに辺境伯の元へご案内いたします」
私が他の援軍の存在を告げると、訝しげな表情をしていた門番の男も安堵したようにホッと息を吐き、すぐに気を取り直して門番としての仕事に移ろうとした。
本来ならそうするのが正しい対応だってことは私だってわかってる。でも、今だけはその〝正しい対応〟から外れる行動をとりたい。
「いえ、それよりも先に、要救護者の許へ案内してください。こうしている間にも苦しみ、死に向かっている者はいるはずですから、先にそちらをどうにかしてから話をしたく存じます」
「それは……」
「辺境伯に罰せられることがあれば私の名を出してください。私が勝手に行動したのだと言えば何のお咎めもなく終わるでしょう。さあ早く」
「……こちらになります」
そうして私が退かないと理解したのか、あるいは地位を考えたのか、それとも怪我をしている仲間を助けたいという思いが勝ったのか、渋っていた門番の男は私の言葉に頷き案内をし始めた。
これは私のわがままだ。こんな本来の流れを無視した勝手な行動をすることで、軍の上層部が考えていた流れをぶち壊すことになるかもしれない。
でも、それで救うことがいることは確かなのだ。
怪我人を助けに来たのに、話をしている間に時間を無駄にして助けられない人が出てきた、なんてなったら後味が悪すぎる。
どうせ私の名前なんてもうとっくに地に堕ちているんだし、ここでルール違反の一つや二つしたところで何の問題にもならない。
それに、すぐに治して辺境伯のところに話しに行けばそれでおしまいだ。
「これはまた……酷い有様ね」
――なんて思っていたんだけど、実際に怪我人の収容されているテントに行くと、そこはまあ酷い状況だった。
怪我人たちから悲鳴は聞こえず、うめき声だけが聞こえる。それだけ叫ぶ余裕すらないということだろう。
その代わりというわけではないが、患者ではなく手当をしている者達の間で怒号が飛び交っている。
通常の病院とは真逆といってもいい状況が目の前の光景だった。
「ここは特に重傷者が集められている場所ですので。できれば奥の者から治していただけると助かります」
「奥? ああ……ここに運ばれてきた順番ですか?」
「いえ、奥の方に運ばれている方程、その……身分が」
あー、そっか。そういうのもあるよね。言い辛そうにしてるけど、一介の兵士としては複雑な気持ちもあるでしょうよ。
「身分ですか。……いえ、何も言いません。こういった非常時では身分による上下関係は大事でしょうし、立場あるものが消えれば混乱が生まれますから」
「ご理解いただき感謝いたします」
私としても身分で分けるんじゃなくて怪我の度合いで分けろと思うけど、軍を一つの生き物として考えた場合は立場のある者から治そうとするのは正しい。だって、こんな混沌とした中で指示を出す立場の人間がいなくなったら余計に混乱するだけなんだから。
ただ、そんな治す順番なんてものは私にとっては関係ない。
「ですが、そのような心配をする必要はありません」
聖女としての装備の一つである杖の石突で床を叩くと、その振動によって杖の先端についた鈴がシャンと音を鳴らす。
そんな小さい音だけではこの騒乱の中ではすぐに飲まれて消えてしまうが、それも最初だけ。
最初は小さくシャンとなっていただけだった鈴も、徐々に力を込めて床を叩いていくと、シャン、シャンとその音を怪我人だらけの空間に響き渡らせる。こんな喧騒の中にあって鈴の音が聞こえてくるのが不思議だったのか、皆がこちらを見ている。
慌ただしく走り回っていた医者達も最初は苛立ち交じりの視線だったが、私の服装や杖を見て教会の関係者である、あるいは治癒術を使える者であると理解したようで、その場にいた全員が黙り込んで動きを止めた。
それを見て私は一度だけ深呼吸をすると、口を開いてクソッタレな神様にお祈りの言葉を吐き出すことにした
「我らを見守りし偉大なる神よ。あなたの無垢なる子供が祈りを捧げます。苦痛を齎す暗闇を祓い、苦難に満ちた道を切り開く光を我らにお与えください。我らの道は常に光と共に」
本当ならこんな言葉は言いたくないし、ぶっちゃけるなら言う必要はない。
私が呪文を口にし終えると私を中心として光が辺りを照らし、その光に照らされた者は徐々に、でも確実に傷が癒え始めた。
でもそんなの、呪文……いや、神様への祈りなんて言わなくたって発動することは出来る。
ならなんでこんなことをするのかと言ったら、その方が雰囲気が出るから。
冗談で言っているわけではない。こういう雰囲気というのは大事なのだ。苦しい状況の中であっても神聖さを感じられる行動を目の当たりにし、それによって自身の苦しみが無くなったとなれば、神様が見てくれている、だからまだやれるんだと思うものである。だから意味はなくとも意味がある行為。
まあ、これが普通の聖女だったら鈴の音に魔力を乗せて癒しを届ける、なんてこともするんだけど、私の場合は力のごり押しだけでどうとでもなるからこの杖も鈴の音も、本当に意味がない雰囲気づくりでしかない。
「これでここにいる者の傷は全て消えた事でしょう」
なんて茶番をしているうちに光は徐々に消えていき、今この場にはいたもの全員の傷を癒し終えた。
ほら、これでおしまい。ちょっと話している間に治せるんだし、治せる数に限りはない。
だから地位や立場で順番なんて考える必要もないわけよ。
「な、な……まさか、このような事がっ……!」
「自分で言うのは恥ずかしいのですが、私は『史上最も神に愛された者』と呼ばれておりますので、この程度のことであればいくらでも。さあ、早く次の患者の許へ案内してください」
「え、あ……はっ!」
普通の聖女であればこんなことは出来なかっただろうし、私をここまで案内した兵士もここにいる全員が治るだなんて考えていなかったんだろう。困惑した様子でうろたえていたけど、今はそんなことで時間を取られるわけにはいかない。私が治さないといけない人はまだたくさんいるんだから。
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https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/466596284/episode/5320962
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/84576624/episode/5093144
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/786307039/episode/2285646
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