頭がおかしい攻略対象ばっかの乙女ゲームで悪役令嬢楽しみます

藍原美音

文字の大きさ
23 / 30

23.親子か

しおりを挟む
一つわかったのは、やはり村長は見た目通りの年齢だということ。
先々代侯爵を知っている人なんて限られている。ミーグルは年齢よりも若く見えるけど、同い年くらいだったらやっぱりおじいちゃんだ。

ただ黙って行く末を見守っていると、ハッと我に返った様子の村長が慌てて私に目を向けた。

「こ、これは失礼しました…! お見苦しいところをお見せしましたな。息子とはいっても数年前野垂れ死にそうになっている此奴を拾いましてな。子どもがいなくて寂しかったのもあり息子として育てているのですじゃ。しかしどうにも生意気になってしまいまして…」
「なるほど、養子でしたか。それなら納得の年齢差ですわね。安心しました」
「はて?」
「いえ、こちらの話です」

疑問が解消してスッキリ。
なんだ、良いおじいちゃんじゃないの。
可哀想だからお父さんと呼んであげなさい。
照れ臭いのかしら?

「おい! 俺を無視すんじゃねえ!」
「恥ずかしがり屋なのね。可愛いとこあるじゃない」
「は!? 一体何の話だ…おい勝手に頭を撫でるな!!」

うん、昔から小動物ってつい触りたくなるんだよね。
キャンキャンよく吠える犬みたい。

「そんなに私のことが信じられないなら侯爵家に来る?」
「はあ?」

何言ってんだこいつ、みたいな顔で私を見る少年。
おじいちゃん…じゃなかった、村長は驚きながらも悲しそうな表情で私達を交互に見る。

「私が信用に足る人物かどうか、その目で見極めれば良いじゃない。満足したら村に帰ればいいし。どう? その方が安心でしょう?」

すると、少年は考え込み、村長はちょっとだけ嬉しそうにした。
おじいちゃんたら、愛息子を私に取られると思って一瞬焦ったのね。
だってあのままじゃ引き下がらなさそうで面倒だったんだもの。
ちょっと小汚いけど手入れすれば見目は良くなるだろうし、小間使いには丁度良いだろう。

人員確保をミーグルにだけ任せるのは申し訳ない。私の方でもちょっとずつ探すとしよう。

「ロペル、世間を知る良い機会じゃ。お言葉に甘えて侯爵様のもとで学びなさい」
「じいちゃん…!」
「…帰ってくる頃には、儂のことを父さんと呼んでくれると期待しているぞい」

まだ言うか村長。どんだけ呼んでほしいんだ。



それはともかくとして、無事領地の今後について話し合えたし、一匹のワンコを連れて帰ることになった。

手懐けるのに時間はかかるだろうけど、それはそれで楽しそうだ。
前世で『ペットの心得』って本を読んだから大丈夫だろう。



あとは侯爵家に帰るだけだ。
ちょっと呆気ない感じもするけど、やることはまだいっぱいある。
油断せずに処理していこう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冗談のつもりでいたら本気だったらしい

下菊みこと
恋愛
やばいタイプのヤンデレに捕まってしまったお話。 めちゃくちゃご都合主義のSS。 小説家になろう様でも投稿しています。

痩せすぎ貧乳令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます

ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。 そして前世の私は… ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。 とあるお屋敷へ呼ばれて行くと、そこには細い細い風に飛ばされそうなお嬢様がいた。 お嬢様の悩みは…。。。 さぁ、お嬢様。 私のゴッドハンドで世界を変えますよ? ********************** 転生侍女シリーズ第三弾。 『おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』 『醜いと蔑まれている令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』 の続編です。 続編ですが、これだけでも楽しんでいただけます。 前作も読んでいただけるともっと嬉しいです!

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日7時•19時に更新予定です。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

気がついたら乙女ゲームの悪役令嬢でした、急いで逃げだしました。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 もっと早く記憶を取り戻させてくれてもいいじゃない!

モブ転生とはこんなもの

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。 乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。 今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。 いったいどうしたらいいのかしら……。 現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。 どうぞよろしくお願いいたします。 他サイトでも公開しています。

【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。

樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」 大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。 はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!! 私の必死の努力を返してー!! 乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。 気付けば物語が始まる学園への入学式の日。 私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!! 私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ! 所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。 でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!! 攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢! 必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!! やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!! 必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。 ※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。

処理中です...