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28.至福のひと時
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「そうか…順調のようだな」
説明している間陛下はキラキラとした笑みで聞き入っていた。
特に演説のところなんか爆笑だったな。
『そなたは指導者の素質がある』などと揶揄われた。
「まだまだこれからですが、活気溢れる領地にしてみせます」
「余に手伝えることがあればなんでも言いなさい」
「あら、それなら遠慮なく。我が領地に魔法師を派遣していただけますか?」
「魔法師?」
待ってましたとばかりにお願いを言ってみれば、陛下は不思議そうに首を傾げた。
「ええ、雨を降らせてほしいのです」
干ばつに悩む我が領地に必要なのはある程度の雨量。
でも、雨を降らせる魔法を使える魔法師はほとんどいない。
私には一人、心当たりがあるけど。
「雨を降らせるとな…そんな高位魔法の使い手──まさか、そなたはあやつのことを言っておるのか?」
「ええ、お察しの通りです」
「筆頭宮廷魔法師とは…なかなか強く出たな」
「ふふふ、『なんでも言いなさい』と仰っていただけたもので…つい甘えてしまいました」
さらりと受け流す私を見て陛下は呆れたように笑みを浮かべた。
『男に二言はありませんよね?』という隠れたメッセージをどうやら受け取ってくれたみたいだ。
「わかった。派遣しよう。ただ、余が命じてもあやつが素直に従うかどうかは別問題だぞ?」
「ええ、心得ております」
「ほう? あの気難しさを集めたような男を動かす手立てがあると?」
「さあ。それは試してみないとなんとも」
未来のことはなんとも言えないので誤魔化すと、私の表情を見た陛下が「そなたならなんでもやってのけそうな気がするな」と極上の褒め言葉を言ってくださった。
ご期待に応えたいものだ。
「ところで、皇太子の件だが、婚約破棄は進めて構わないのだな?」
雑談をいくつか交わしてそろそろお暇しようとした頃、陛下がこちらの様子を窺いながら質問してきた。
それににっこりと笑みを彩る。
「お願いします」
「そなたほどの者が皇后になってくれれば帝国の未来は安泰だというのに…」
「ふふ、そうですね。皇太子殿下が床に頭を擦り付けて『悪かった』と許しを請うのなら考えてみてもいいかしら」
「はははは! あの傲慢不遜な皇太子が頭を下げるか。それはまた傑作だ」
息子のことを誰よりもわかっている陛下は、『あり得ないことだ』と笑い飛ばしたようだ。
だけど、すぐにニヤリと試すように視線を向ける。
「余があと数十年若かったら、そなたに猛アプローチしたのにな」
「あら、若返りの薬をご所望で? 良い薬師を見つけたら紹介しますわね」
「はっはっは! これは一本取られた。やはりそなたは愉快だな」
「うふふ、光栄ですわ」
陛下は相変わらず面白い。
冗談ではなく、若返りの薬開発しようかしら?
いや、それより時を戻す魔法を修得する必要があるわね。
あ、でも皇后と出会う前の陛下に会うとすると…タイムトラベルしないとか?
なんて真面目に考えてしまうほどには陛下が好きだ。
疲れた時は陛下に会いにいって癒してもらいたいわね。
説明している間陛下はキラキラとした笑みで聞き入っていた。
特に演説のところなんか爆笑だったな。
『そなたは指導者の素質がある』などと揶揄われた。
「まだまだこれからですが、活気溢れる領地にしてみせます」
「余に手伝えることがあればなんでも言いなさい」
「あら、それなら遠慮なく。我が領地に魔法師を派遣していただけますか?」
「魔法師?」
待ってましたとばかりにお願いを言ってみれば、陛下は不思議そうに首を傾げた。
「ええ、雨を降らせてほしいのです」
干ばつに悩む我が領地に必要なのはある程度の雨量。
でも、雨を降らせる魔法を使える魔法師はほとんどいない。
私には一人、心当たりがあるけど。
「雨を降らせるとな…そんな高位魔法の使い手──まさか、そなたはあやつのことを言っておるのか?」
「ええ、お察しの通りです」
「筆頭宮廷魔法師とは…なかなか強く出たな」
「ふふふ、『なんでも言いなさい』と仰っていただけたもので…つい甘えてしまいました」
さらりと受け流す私を見て陛下は呆れたように笑みを浮かべた。
『男に二言はありませんよね?』という隠れたメッセージをどうやら受け取ってくれたみたいだ。
「わかった。派遣しよう。ただ、余が命じてもあやつが素直に従うかどうかは別問題だぞ?」
「ええ、心得ております」
「ほう? あの気難しさを集めたような男を動かす手立てがあると?」
「さあ。それは試してみないとなんとも」
未来のことはなんとも言えないので誤魔化すと、私の表情を見た陛下が「そなたならなんでもやってのけそうな気がするな」と極上の褒め言葉を言ってくださった。
ご期待に応えたいものだ。
「ところで、皇太子の件だが、婚約破棄は進めて構わないのだな?」
雑談をいくつか交わしてそろそろお暇しようとした頃、陛下がこちらの様子を窺いながら質問してきた。
それににっこりと笑みを彩る。
「お願いします」
「そなたほどの者が皇后になってくれれば帝国の未来は安泰だというのに…」
「ふふ、そうですね。皇太子殿下が床に頭を擦り付けて『悪かった』と許しを請うのなら考えてみてもいいかしら」
「はははは! あの傲慢不遜な皇太子が頭を下げるか。それはまた傑作だ」
息子のことを誰よりもわかっている陛下は、『あり得ないことだ』と笑い飛ばしたようだ。
だけど、すぐにニヤリと試すように視線を向ける。
「余があと数十年若かったら、そなたに猛アプローチしたのにな」
「あら、若返りの薬をご所望で? 良い薬師を見つけたら紹介しますわね」
「はっはっは! これは一本取られた。やはりそなたは愉快だな」
「うふふ、光栄ですわ」
陛下は相変わらず面白い。
冗談ではなく、若返りの薬開発しようかしら?
いや、それより時を戻す魔法を修得する必要があるわね。
あ、でも皇后と出会う前の陛下に会うとすると…タイムトラベルしないとか?
なんて真面目に考えてしまうほどには陛下が好きだ。
疲れた時は陛下に会いにいって癒してもらいたいわね。
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