気まぐれに手を出した男がちょっと重い

藍原美音

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 結果は言わずもがなでした。

 快楽に弱い己の身体が恨めしい。
 生まれ変わったら不感症になってやる……いや、海里くん相手だと開発される気しかしないな。
 むしろ余計依存していたかもしれない。
 海里くんにしか感じない身体とか……想像するだけで恐怖だ。

 え?いや私はさすがにそこまで末期じゃないよ?
 ただ最近他の男とヤってないだけで……海里くんほどの満足感は得られないとしても感じはすると思う……だよね?

 ええ……こわ……最早確かめるのが怖いわ……。
 海里くんにこんな恐怖を抱くとは……。
 この前のなし崩しヤンデレプレイも過去最高にヤバかったけどまた別ベクトルの怖さだ。

 はあ……距離を置くか迷うなあ。
 このままだったらマジで依存しちゃうかもしれない。
 たかがセフレ相手に依存とか滑稽でしかないでしょ。
 てか、私がそんなメンヘラっぽくなったら絶対海里くんから縁切られると思うし。

 ……よし、こんな時は友達に相談だな。

 ◆◇◆

「舞ー!超久しぶりじゃない?最近全然遊んでくれないじゃん」
「ちょっとね……いろいろあって」

 夜遊び仲間である悪友の瑠美。
 中学からの付き合いなのでお互い気心が知れている。
 瑠美は恋愛脳なので私みたいに不特定多数と、というよりは彼氏がコロコロ変わる感じだ。
 だけど彼氏しか目に映らない!って感じでもなく、私が遊びに誘うと大抵付き合ってくれるので大好き。

 あ……そう考えると今まで私酷かったな……これからはちゃんと誘いに応じよう……。

 ちなみに今日も海里くんには誘われたけど友達と会うからと言って断った。
 久しぶりに断ったのでかなり驚いていたし、『何時からなら会える?』なんて何故か会う前提のことを言われた。
 とりあえず『わからない』とだけ送ってあとは放置。

 私が大嫌いな追いラインだけは絶対にしてこないので大丈夫だろう。
 これをされるといくら海里くんでも会う気が失せると思う。むしろしてくれたら縁切れるのに。

「いろいろってなに~?詳しく!」

 目をキラキラ輝かせる瑠美に苦笑いを返す。
 まあ最初から相談するつもりで来たので包み隠さず今までの経緯を全て話した。

「あー確かに前に言ってたよね、気の合うイケメンのセフレができたって。そん時はおめでとうって感じだったけど……その人のせいで夜遊びできなかったんだ」
「まあ、そうだね。その人のせいっていうと少し語弊があるかもだけど」

 夜遊びしようと思えば今日みたいに誘いを断ればいいわけだし、百パー相手のせいとは言い切れない。
 だけど私をこんな身体にしたのは海里くんなのでやはり恨めしく思う気持ちはある。

 すると、暫く考え込んでいた様子の瑠美が恐る恐ると言った感じで口を開いた。

「あのさ……そもそも疑問なんだけど」
「なに?」
「そのセフレくんとやるヤンデレプレイ?って何さ。そんなのあるなんて聞いたことないよ?」
「まあメジャーではないよね」

 私だって海里くん以外でそんなプレイしたことないし。
 さらりと受け流した私に、瑠美は「そうじゃなくて、」と少し厳しい視線で見上げた。

「……それ、本当にプレイなの?」
「え?」

 一瞬、瑠美が何を言っているのかわからなかった。
 なんていうか、当たり前すぎて。
 聞くまでもなくない?

「プレイに決まってるじゃん。じゃなかったら何だっていうの?」
「だから、セフレくんがガチのヤンデレかもしれないってこと!」
「ぷっあはは!それはないでしょ。ヤンデレが男遊び許すわけないじゃん」
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