27 / 36
第一章 怖くて偉大で大きな木
26.大樹戦 情報共有
しおりを挟む
ーこれは?
唐突に自分の身を拾い上げられた感覚。カウラはあまりの心身の疲労損傷により目を開けることすら困難であったがかろうじて意識は飛ばさずにいた。
雷突を放った反動によって天樹の元へと落下すると思っていた。身体は動かず、根たちに抗うことはもうできないだろうと思っていた。
正直、死だって覚悟したものだ。
だが、そんなカウラの一瞬の諦めは土壇場で駆けつけた男によって打ち消される。
「…馬鹿野郎」
ふいに、真上から声がかけられた。よく、聞きなれた声音だ。何度も戦場において声を掛け合い、叱咤し合った、声音。
その男の声には少しの懴悔じみたものも含まれており、言の意味合いとしてはカウラに非があるとそう言いたげな言葉だった。
カウラは少しばかりの力の残滓を用いて瞼を開ける。瞳にはやはり見知った顔が映り込み、
「……ラザ…ク?」
「…ああ?気ぃ、失ってなかったのかよ。」
「こんな…乱暴なかつぎ方を…されては、意識は失うにも失いま…せんよ。」
「今にも死にかけてたやろうが何言ってんだ。…無茶しやがって、馬鹿野郎」
ふと、カウラは担がれながらそんなラザクの言葉を聞き、少なからず驚愕してしまう。
なぜなら、ラザクは眉を悲観げにひそめながらカウラに目を向ける姿が見えたから。心配されていると自覚できるほどに。
「………」
思わず、そんな見慣れない相方の眼差しを受け、黙り込んでしまうカウラ。ラザクに余裕がなくなるほど自分はそこまで無茶をしてしまっていたということか。
「…すみません。」
「…ああ?急にどうした。」
思わず、カウラは謝礼を告げる。
それに対し、ラザクは何食わぬ声音で返答した。
「…いえ。」
カウラはラザクから目を背けた。
今、自分が身動きできなくなってしまったのはただの自業自得だ。
最高練度の雷突を作り上げ天樹を倒せると考えた。焼き尽くし、損傷させ、討ち亡ぼすことができるのだと。
ーそんなのはただの自負だ。
後先を考えず、怒りに任せた行為だった。
戦心を侮辱され、プライドを傷つけられたが故の行動。何とも浅はかだったか。
戦闘とは命のやりとりだ。選択を違えば敵に己の死体を見せることになる。
「…別に、お前を責めることはしねぇ。」
ふと、カウラの真上からラザクが言葉をこぼす。ラザクの瞳は前を向いたままだった。
「…俺だって、俺らしくないことをした。戻ってきたとはいえ一時的に戦線離脱しちまったんだ。というか、あれにぶっ叩かれた時にもしかしたら死んでたかもしれなかったんだからよ」
ラザクはカウラに目を向けぬままそんなことを言いこぼす。ラザクの瞳にはそんな自分の未熟さを省みる様子が垣間見えた気がした。
「…お互い、まだまだ…ですね。」
「…知ってるよ。」
二人は空で軽口を叩き合う。しかし、こんな死の間際である状況の中であるが、ラザクとカウラは少しだけふふっと笑い合った。
「…とりあえず、地上に降りて、策を伝える。」
「…策?」
「…ああ、ちょっとばかし、分かったことがあってだな。」
ラザクはそう言うと、急降下し、山林の少しだけ、開けた場所に留まった。
負傷状態のカウラをそっと寝かしつけ、自分は刀を携える。
「…ラザク、こんなところに…いては、すぐ根が」
カウラはさほど天樹から離れていない場で寝かしつけられたことに不平を言う。それも仕方ない。こんなところにいてはすぐ根の餌食になってしまうではないか。
カウラは今、雷突の反動により身動きがとれず、ラザクも身体の所々に怪我を負っていた。こんな二人、天樹にとっては格好の的であろう。
しかし、そんなカウラの懸念を差し置いてラザクは刀を地に垂直に突き刺した。そして、
「…氷頲羅」
ラザクは突き刺した刀に手を置き一言詠唱する。
すると突如、刀の周りから白い霧が発生していった。純白の霧はその場にいる二人を覆い尽くすように広がり、ラザクとカウラの身を隠した。
「…氷術?ですか。この霧は、?」
「…ああ、そうだ。」
カウラはこの霧が冷気を帯びていることに気づく。しかし、モヤモヤとしたこの霧を発生させたこの意味に一体何の意味があるのか未だにわからない。
「…ラザク。目くらましの…つもりですか?けれども、…あの怪物には目くらましなど。」
「いや、違えよ。目くらましじゃねえ。けど、天樹には効力を発揮する霧だ。」
「…?」
ラザクの言い分にまだ理解が追いつかない。いったい、この霧が何だと言うのか。
「……⁈」
しかし、疑念に思うのもつかの間、二人の元に天樹が根を使って襲いに来た。おぞましさを体現したかのような根たちは二人めがけて突き刺しにくる。
突き刺しにくるはずなのだが。
ーえ?
カウラは天樹が自分達を今にも襲いにくる様子を目の当たりにしていた。蔓延る根の切っ先は殺意を剥き出しにしており、凄絶な勢いで猛進していた。
しかし、カウラは瞳に映る目前の光景に驚きを隠せなかった。
なぜなら、その根がこの白い霧に侵入する直前、急に動きを止めたのだ。
まるで嫌がるかのように、霧に触れるのを拒むように。
ーなぜ?あのような
カウラは、今の天樹の行為に驚きを隠せないといった様子だ。
「…だろうな。」
しかし、そんな天樹の様子を見かねたラザクは納得した表情で呟く。カウラはそんなラザクの言葉を聞くや否や眼差しを向けた。
「…どう言うことなのですか。なぜ、根は…入ってこれない?」
「…ああ、まず手短に説明する。」
ラザクは冷えた霧の中で話す。カウラもコクリと頷いて説明を求めた。
「…いいか、まず、天樹の性質だ。」
「…性質?」
「そう。奴はまず水を嫌っている。それでいて、今見てもわかるだろうが、氷の類も嫌うみてぇだ。つまり、天樹は低温に弱いってことだ。」
ラザクは自分の知りえた天樹についての知識をカウラに伝える。
しかし、カウラはいきなりそんなことを言われて思わず目を見開く。そして、
「…ちょ、ちょっと待ってください。水が嫌い?低温が弱点?そんなの…根拠は?」
口頭で説明だけされても納得しきれない。まさか、そんなあれほどの怪物が水程度を嫌っているなどと。
「…今も奴が俺たちを襲わないのはこの霧が冷気に満ちてるからだ。」
「…な?」
ラザクはカウラの疑念に対しそう言い加えた。
たしかに、現状、天樹は自分達を襲ってきていない。冷気が弱点であるから殺しに来ない。
全く、にわかに信じ難い話だ。
「…疑問も懸念もあるのはわかるが、今は事実だと納得してくれ。それで、さっき言った策ってのを伝えるぞ。」
カウラはラザクから急かされるようにそう言われる。カウラはまだ腑に落ちないといった様子だが、余裕がないのも確かである。
ー今、見えているもの、それが真実か。
カウラは自分にそう言い聞かせた。理由も根拠もわからない。だが今、自分達が殺されていないと言うことはそう言うことなのだろうと、無理矢理納得するしかない。
「…わかりました。半信半疑ではありますが、戦況の打破が優先事項です。その策とはなんですか?」
「…ああ、まずお前がいなきゃこれは成り立たねえ。そこでだ。」
ラザクはカウラに目を向けながら言い放つ。
しかし、カウラは直感的に何か嫌な予感が芽生えた。何か、この男が仕方なしに不本意なことをするような気がして、
「…回操術を、やる。」
「…え、嫌です。」
ラザクの発言。
それに対し、カウラは即答で怪訝そうに否定した。それはもう、秒速で。
唐突に自分の身を拾い上げられた感覚。カウラはあまりの心身の疲労損傷により目を開けることすら困難であったがかろうじて意識は飛ばさずにいた。
雷突を放った反動によって天樹の元へと落下すると思っていた。身体は動かず、根たちに抗うことはもうできないだろうと思っていた。
正直、死だって覚悟したものだ。
だが、そんなカウラの一瞬の諦めは土壇場で駆けつけた男によって打ち消される。
「…馬鹿野郎」
ふいに、真上から声がかけられた。よく、聞きなれた声音だ。何度も戦場において声を掛け合い、叱咤し合った、声音。
その男の声には少しの懴悔じみたものも含まれており、言の意味合いとしてはカウラに非があるとそう言いたげな言葉だった。
カウラは少しばかりの力の残滓を用いて瞼を開ける。瞳にはやはり見知った顔が映り込み、
「……ラザ…ク?」
「…ああ?気ぃ、失ってなかったのかよ。」
「こんな…乱暴なかつぎ方を…されては、意識は失うにも失いま…せんよ。」
「今にも死にかけてたやろうが何言ってんだ。…無茶しやがって、馬鹿野郎」
ふと、カウラは担がれながらそんなラザクの言葉を聞き、少なからず驚愕してしまう。
なぜなら、ラザクは眉を悲観げにひそめながらカウラに目を向ける姿が見えたから。心配されていると自覚できるほどに。
「………」
思わず、そんな見慣れない相方の眼差しを受け、黙り込んでしまうカウラ。ラザクに余裕がなくなるほど自分はそこまで無茶をしてしまっていたということか。
「…すみません。」
「…ああ?急にどうした。」
思わず、カウラは謝礼を告げる。
それに対し、ラザクは何食わぬ声音で返答した。
「…いえ。」
カウラはラザクから目を背けた。
今、自分が身動きできなくなってしまったのはただの自業自得だ。
最高練度の雷突を作り上げ天樹を倒せると考えた。焼き尽くし、損傷させ、討ち亡ぼすことができるのだと。
ーそんなのはただの自負だ。
後先を考えず、怒りに任せた行為だった。
戦心を侮辱され、プライドを傷つけられたが故の行動。何とも浅はかだったか。
戦闘とは命のやりとりだ。選択を違えば敵に己の死体を見せることになる。
「…別に、お前を責めることはしねぇ。」
ふと、カウラの真上からラザクが言葉をこぼす。ラザクの瞳は前を向いたままだった。
「…俺だって、俺らしくないことをした。戻ってきたとはいえ一時的に戦線離脱しちまったんだ。というか、あれにぶっ叩かれた時にもしかしたら死んでたかもしれなかったんだからよ」
ラザクはカウラに目を向けぬままそんなことを言いこぼす。ラザクの瞳にはそんな自分の未熟さを省みる様子が垣間見えた気がした。
「…お互い、まだまだ…ですね。」
「…知ってるよ。」
二人は空で軽口を叩き合う。しかし、こんな死の間際である状況の中であるが、ラザクとカウラは少しだけふふっと笑い合った。
「…とりあえず、地上に降りて、策を伝える。」
「…策?」
「…ああ、ちょっとばかし、分かったことがあってだな。」
ラザクはそう言うと、急降下し、山林の少しだけ、開けた場所に留まった。
負傷状態のカウラをそっと寝かしつけ、自分は刀を携える。
「…ラザク、こんなところに…いては、すぐ根が」
カウラはさほど天樹から離れていない場で寝かしつけられたことに不平を言う。それも仕方ない。こんなところにいてはすぐ根の餌食になってしまうではないか。
カウラは今、雷突の反動により身動きがとれず、ラザクも身体の所々に怪我を負っていた。こんな二人、天樹にとっては格好の的であろう。
しかし、そんなカウラの懸念を差し置いてラザクは刀を地に垂直に突き刺した。そして、
「…氷頲羅」
ラザクは突き刺した刀に手を置き一言詠唱する。
すると突如、刀の周りから白い霧が発生していった。純白の霧はその場にいる二人を覆い尽くすように広がり、ラザクとカウラの身を隠した。
「…氷術?ですか。この霧は、?」
「…ああ、そうだ。」
カウラはこの霧が冷気を帯びていることに気づく。しかし、モヤモヤとしたこの霧を発生させたこの意味に一体何の意味があるのか未だにわからない。
「…ラザク。目くらましの…つもりですか?けれども、…あの怪物には目くらましなど。」
「いや、違えよ。目くらましじゃねえ。けど、天樹には効力を発揮する霧だ。」
「…?」
ラザクの言い分にまだ理解が追いつかない。いったい、この霧が何だと言うのか。
「……⁈」
しかし、疑念に思うのもつかの間、二人の元に天樹が根を使って襲いに来た。おぞましさを体現したかのような根たちは二人めがけて突き刺しにくる。
突き刺しにくるはずなのだが。
ーえ?
カウラは天樹が自分達を今にも襲いにくる様子を目の当たりにしていた。蔓延る根の切っ先は殺意を剥き出しにしており、凄絶な勢いで猛進していた。
しかし、カウラは瞳に映る目前の光景に驚きを隠せなかった。
なぜなら、その根がこの白い霧に侵入する直前、急に動きを止めたのだ。
まるで嫌がるかのように、霧に触れるのを拒むように。
ーなぜ?あのような
カウラは、今の天樹の行為に驚きを隠せないといった様子だ。
「…だろうな。」
しかし、そんな天樹の様子を見かねたラザクは納得した表情で呟く。カウラはそんなラザクの言葉を聞くや否や眼差しを向けた。
「…どう言うことなのですか。なぜ、根は…入ってこれない?」
「…ああ、まず手短に説明する。」
ラザクは冷えた霧の中で話す。カウラもコクリと頷いて説明を求めた。
「…いいか、まず、天樹の性質だ。」
「…性質?」
「そう。奴はまず水を嫌っている。それでいて、今見てもわかるだろうが、氷の類も嫌うみてぇだ。つまり、天樹は低温に弱いってことだ。」
ラザクは自分の知りえた天樹についての知識をカウラに伝える。
しかし、カウラはいきなりそんなことを言われて思わず目を見開く。そして、
「…ちょ、ちょっと待ってください。水が嫌い?低温が弱点?そんなの…根拠は?」
口頭で説明だけされても納得しきれない。まさか、そんなあれほどの怪物が水程度を嫌っているなどと。
「…今も奴が俺たちを襲わないのはこの霧が冷気に満ちてるからだ。」
「…な?」
ラザクはカウラの疑念に対しそう言い加えた。
たしかに、現状、天樹は自分達を襲ってきていない。冷気が弱点であるから殺しに来ない。
全く、にわかに信じ難い話だ。
「…疑問も懸念もあるのはわかるが、今は事実だと納得してくれ。それで、さっき言った策ってのを伝えるぞ。」
カウラはラザクから急かされるようにそう言われる。カウラはまだ腑に落ちないといった様子だが、余裕がないのも確かである。
ー今、見えているもの、それが真実か。
カウラは自分にそう言い聞かせた。理由も根拠もわからない。だが今、自分達が殺されていないと言うことはそう言うことなのだろうと、無理矢理納得するしかない。
「…わかりました。半信半疑ではありますが、戦況の打破が優先事項です。その策とはなんですか?」
「…ああ、まずお前がいなきゃこれは成り立たねえ。そこでだ。」
ラザクはカウラに目を向けながら言い放つ。
しかし、カウラは直感的に何か嫌な予感が芽生えた。何か、この男が仕方なしに不本意なことをするような気がして、
「…回操術を、やる。」
「…え、嫌です。」
ラザクの発言。
それに対し、カウラは即答で怪訝そうに否定した。それはもう、秒速で。
0
あなたにおすすめの小説
無能妃候補は辞退したい
水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。
しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。
帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。
誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。
果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか?
誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる