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11.個性豊かな三人衆
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女の花園前で、凄まじくピリピリとした空気がただよっていた。
じっとこちらを見てくる目線は俺に身動きを許さない。
あかん。何か、この場を切り抜けるいい方法はないか。この三人を納得させる事ができる何か。
「…どうした?何も言わぬのか。やはり、貴様、下心のみで入っていたのか?まあ、その場合は私の剣で貴様を切って捨てるのみだがな。」
そう言い、腰元にある剣の柄に手を据えるメラ。
こちらに向ける視線は獲物を仕留める瞳だ。
あかん‼︎本当にあかん!これ、発言を間違えたら割とここでお陀仏じゃん⁈
俺まだ転生して1日目よ⁈
「メラちゃん、メラちゃん、さすがに切り捨てはかわいそうだし、この敷地内で殺しは御法度でしょ?」
けれども、そんな俺の過度な危惧はフワフワした声音が打ち消してくれる。
こちらの様子を見守るルネルはメラのしでかそうとする行為に待ったをかけた。
あれ?この人、毒舌だと思ってたけどやっぱり見た目通り優しい人?
今、俺のこと庇ってくれたよね。
「むう。そうだったな。ならば敷地を出て、近くの茂みにこやつを持って行って処すというのはどうだ?」
こっちの人は見た目通り怖すぎる‼︎台詞がもう不良のそれだよ。
容赦のかけらもない!慈悲のかけらもない!
手元の剣、今にも抜こうとしてるよ!暗黒の目線は顕在だよ!
「まあまあ、メラちゃん、落ち着いて。私にいい考えがあるよ。」
「ほお?ルネル、いい考えか。して、それはどのような処罰なのだ?」
なんで、もう処罰確定なんですかね。いや、まあ俺の方にも非はあるけど、被告人の人権ももうちょっと考えてほしい。
すっくと立ち上がり、メラはルネルに詳細を求める。
ルネルはピンと指を立て笑顔を見せると、
「…尋問官の人に預ければいいんじゃないかな?」
「ちょっと、待てぇぇ‼︎」
あんまりな判決にさすがの俺も反発する。
いきなり大声を出したため、一番後ろのおどおどミリイがすこぶるびっくりしているのが見えた。目を瞑ったまま「ひゃう!」と驚く姿がなんとも俊敏な動きだったが、………今はそんなの関係ない。
てか、やっぱ毒舌かよ!めちゃめちゃいい笑顔でなんてこと言ってんの、このルネルって子⁈
声音と内容が全然マッチしてないよ!
「お、貴様、喋れたのか。ずっと黙っているから剣を抜いて貴様のはらわたをつついてやろうかと思っていたぞ。」
こちらに目をやり(というか見下ろし)俺に告げるメラ。
というか、言うことエグくない?
「それ、つついてって可愛く言ってってけど、絶対ザックリ行くやつだよね。はらわたって言ってるあたり絶対ツンツンじゃないよね。」
「それは貴様の想像次第だ。」
「あんたの加減次第だろ。」
「…フッ。みなまで言うな。」
なんでドヤ顔なんだよ。
誇った顔する理由が微塵もわかんねえよ。
「それでそれでぇ。なーんであなたはこちらのトイレから出てきたんですかぁ?あなたが使うべきはあちらでしょう?」
柔らかなトーンを挟みながら、しかし、直球でものを聞いてくるルネル。
ええと、それ聞いちゃう?ちょっとはこっちの心情察してよ…。
「いや、それは…。」
どう言えばいいのだろうか。単純に男女の文字の違いがわからなかったんですと言っても信じてもらえるのだろうか。いや、なんだか信じてもらえる気はしない。
よく知っているのだ。女性が男性に対して軽蔑の眼差しを向けるとき、そこに信頼性というものはいっさい存在しないものなのだと。
やばぁい!なんとかこの状況を切り抜けたいけど納得してもらえる言葉が見当たらない!
「やっぱり、下心ですかぁ?下心ですねえ。」
「やはり貴様は私が処す!案ずるな楽に逝かせてやる。」
「違っげぇよ‼︎勝手に話を進めるな!なんで、死罪確定なんだよ!」
「咎人は自分を省みなければならない。これは誰もが知り得る教訓だろう。故に貴様は己の罪を贖え。」
「死ぬイコール償いなんですか⁈それは大昔に廃れた風習じゃないんですか⁈」
「だから、メラちゃん、メラちゃん。ここでやっちゃうのは駄目だよ。尋問官だよ。尋問官。」
「あんたもあんたでとんでもないな⁈」
なんでウキウキワクワクした表情で苛烈な単語並べてるの。笑顔で腕ブンブン振り回しながら言う台詞じゃないよ。
「ミリイ、お前はどう思う?」
メラは後ろを向き、茶髪の女の子ミリイに質問する。ミリイは少しずつ口を開き、
「ルネルの言うこと…の方が…いい。メラちゃんが…法度にふれるのは…やだから。」
「おおー!そうだよねぇ。ルネルの言うこと聞いてありがとう!ミリイ。可愛いなぁもお。よしよしよし。」
喜びを表に出し、ミリイの頭を撫でまくるルネル。
おどおどミリイは顔をすくめながら少し赤面しているようであった。
一方、メラは少し嘆息すると、
「…ふむ、まあミリイがそう言うのならそれで良い。よし、貴様、斬れぬのは残念だがそういうことだ。とくと、尋問されてくるがよい。」
俺の言うこと為すことそっちのけで判決が下される。なんだか、この場はひと段落しているようであった。
俺の処罰が決まり、三人は一悶着している。
そう、だから、俺はこの場で唱えるのだ。
本日、二度目の反発の意志を、
「ちょっと、待てぇぇぇい!」
じっとこちらを見てくる目線は俺に身動きを許さない。
あかん。何か、この場を切り抜けるいい方法はないか。この三人を納得させる事ができる何か。
「…どうした?何も言わぬのか。やはり、貴様、下心のみで入っていたのか?まあ、その場合は私の剣で貴様を切って捨てるのみだがな。」
そう言い、腰元にある剣の柄に手を据えるメラ。
こちらに向ける視線は獲物を仕留める瞳だ。
あかん‼︎本当にあかん!これ、発言を間違えたら割とここでお陀仏じゃん⁈
俺まだ転生して1日目よ⁈
「メラちゃん、メラちゃん、さすがに切り捨てはかわいそうだし、この敷地内で殺しは御法度でしょ?」
けれども、そんな俺の過度な危惧はフワフワした声音が打ち消してくれる。
こちらの様子を見守るルネルはメラのしでかそうとする行為に待ったをかけた。
あれ?この人、毒舌だと思ってたけどやっぱり見た目通り優しい人?
今、俺のこと庇ってくれたよね。
「むう。そうだったな。ならば敷地を出て、近くの茂みにこやつを持って行って処すというのはどうだ?」
こっちの人は見た目通り怖すぎる‼︎台詞がもう不良のそれだよ。
容赦のかけらもない!慈悲のかけらもない!
手元の剣、今にも抜こうとしてるよ!暗黒の目線は顕在だよ!
「まあまあ、メラちゃん、落ち着いて。私にいい考えがあるよ。」
「ほお?ルネル、いい考えか。して、それはどのような処罰なのだ?」
なんで、もう処罰確定なんですかね。いや、まあ俺の方にも非はあるけど、被告人の人権ももうちょっと考えてほしい。
すっくと立ち上がり、メラはルネルに詳細を求める。
ルネルはピンと指を立て笑顔を見せると、
「…尋問官の人に預ければいいんじゃないかな?」
「ちょっと、待てぇぇ‼︎」
あんまりな判決にさすがの俺も反発する。
いきなり大声を出したため、一番後ろのおどおどミリイがすこぶるびっくりしているのが見えた。目を瞑ったまま「ひゃう!」と驚く姿がなんとも俊敏な動きだったが、………今はそんなの関係ない。
てか、やっぱ毒舌かよ!めちゃめちゃいい笑顔でなんてこと言ってんの、このルネルって子⁈
声音と内容が全然マッチしてないよ!
「お、貴様、喋れたのか。ずっと黙っているから剣を抜いて貴様のはらわたをつついてやろうかと思っていたぞ。」
こちらに目をやり(というか見下ろし)俺に告げるメラ。
というか、言うことエグくない?
「それ、つついてって可愛く言ってってけど、絶対ザックリ行くやつだよね。はらわたって言ってるあたり絶対ツンツンじゃないよね。」
「それは貴様の想像次第だ。」
「あんたの加減次第だろ。」
「…フッ。みなまで言うな。」
なんでドヤ顔なんだよ。
誇った顔する理由が微塵もわかんねえよ。
「それでそれでぇ。なーんであなたはこちらのトイレから出てきたんですかぁ?あなたが使うべきはあちらでしょう?」
柔らかなトーンを挟みながら、しかし、直球でものを聞いてくるルネル。
ええと、それ聞いちゃう?ちょっとはこっちの心情察してよ…。
「いや、それは…。」
どう言えばいいのだろうか。単純に男女の文字の違いがわからなかったんですと言っても信じてもらえるのだろうか。いや、なんだか信じてもらえる気はしない。
よく知っているのだ。女性が男性に対して軽蔑の眼差しを向けるとき、そこに信頼性というものはいっさい存在しないものなのだと。
やばぁい!なんとかこの状況を切り抜けたいけど納得してもらえる言葉が見当たらない!
「やっぱり、下心ですかぁ?下心ですねえ。」
「やはり貴様は私が処す!案ずるな楽に逝かせてやる。」
「違っげぇよ‼︎勝手に話を進めるな!なんで、死罪確定なんだよ!」
「咎人は自分を省みなければならない。これは誰もが知り得る教訓だろう。故に貴様は己の罪を贖え。」
「死ぬイコール償いなんですか⁈それは大昔に廃れた風習じゃないんですか⁈」
「だから、メラちゃん、メラちゃん。ここでやっちゃうのは駄目だよ。尋問官だよ。尋問官。」
「あんたもあんたでとんでもないな⁈」
なんでウキウキワクワクした表情で苛烈な単語並べてるの。笑顔で腕ブンブン振り回しながら言う台詞じゃないよ。
「ミリイ、お前はどう思う?」
メラは後ろを向き、茶髪の女の子ミリイに質問する。ミリイは少しずつ口を開き、
「ルネルの言うこと…の方が…いい。メラちゃんが…法度にふれるのは…やだから。」
「おおー!そうだよねぇ。ルネルの言うこと聞いてありがとう!ミリイ。可愛いなぁもお。よしよしよし。」
喜びを表に出し、ミリイの頭を撫でまくるルネル。
おどおどミリイは顔をすくめながら少し赤面しているようであった。
一方、メラは少し嘆息すると、
「…ふむ、まあミリイがそう言うのならそれで良い。よし、貴様、斬れぬのは残念だがそういうことだ。とくと、尋問されてくるがよい。」
俺の言うこと為すことそっちのけで判決が下される。なんだか、この場はひと段落しているようであった。
俺の処罰が決まり、三人は一悶着している。
そう、だから、俺はこの場で唱えるのだ。
本日、二度目の反発の意志を、
「ちょっと、待てぇぇぇい!」
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