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23.文化の違いはあるよね
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「…そういや、あなたは誰なの?」
ガラスの修復作業をしている最中のテトナ、その幼女が唐突に俺の方を向き、そう問いを投げかけた。
「…え?俺?」
いきなりの質問に俺は自分の身に指を刺すと、テトナはコクリと首肯する。
唐突な幼女からの問いかけ。
まあ、たしかにテトナからしたら俺は未知の人物なのかもしれない。かもしれないというか確実に知らない人間だろう。
「………」
そういや、俺は自己紹介ってこの三人にしたっけ?
「あれ?そういや、俺ってまだ名前…名乗ってなくね?」
「そういや、そうだニャー。わちはお兄さんの名前知らないのにゃ。お兄さんはなんていう名前なんだにゃ?」
「そうね。私もあんたの名は知らないわね。ずっと頭の中で変態って呼んでたわ。」
「………」
レイネルとコラルはお互いに口弁する。やはりここまで一緒にいたが二人は俺の名前を知らないようだ。
とりあえずレイネルの言い分に俺はジト目で返答しておく。
この女は俺の気を逆撫ですることを常に言ってきやがるな。
「…それで?あなたは誰なの?」
俺が文句を胸中で垂れている中、テトナが同じ質問を繰り返した。
それを聞き俺は「あ、ああ、そうだな」と言い、
「えぇ、ゴホン。まあ、自己紹介が遅れちまったが、とりあえず俺は笹加里介っていう名前だ。以後よろしく。」
「ササカリスケ?」
俺の名を聞き、キョトンと首を傾げるテトナ。それから「ふーん」と言葉を紡ぎ、
「なんか変な名前だね」
「…おい。」
名前をカミングアウトしたわりにはだいぶ気分が落ちる感想を向けられた。思わず、ガクリと肩を落としてしまう。
変な名前て。テトナさん。お父さんとお母さんがつけてくれた名前なんだけど。
……あの夫婦二人、元気してるかな。
「まあ、変かどうかはともかくあまり通な名前じゃないのにゃ。お兄さん、ササカって呼べばいいのにゃ?」
肩を落とした俺に対しコラルが言葉を投げかけた。
てか、笹加かあ。名字呼ばわりなんだね。もうちょっとフレンドリーでもいいんだけどな。
「リスケでいいんじゃないですか?」
と、コラルの発言に嘆息しながら異議を申し立てるのはレイネルだ。
しかし、その言には少し違和感を感じるもので、
あれ?レイネルさんが名前の方で呼んでくれるの?
んん?あれ?そんなに俺とレイネルさんってそんな仲良いっけ?友達以上恋人未満?
「ファーストネームで呼ぶほど親密な関係でもないでしょう?」
「んー、でも、これからお兄さんここに住むんだし、ファミリーネームの方で呼ぶのはちょっと距離がある気がするにゃあ。」
「私としてはまだそれに物申したいものなんですがね」
けれども、そこから紡がれる言葉でさらに違和感を増す。というより、レイネルのその言葉でなんか軽く納得して、
ああ、そうか、そうか。分かった分かった。そういや外国の名前って姓と名が逆になるんだっけ?てか、日本の名字と名前の順の方が珍しいんだっけか?
「……」
ふむふむと、目を瞑り俺は一人頷く。
そして、「ちょっといいか」と、手を挙げて
「俺の名前はリスケなんだけど。ササカの方がファミリーネームだぞ?」
「え?」
と、レイネルは軽く驚きながら呟く。
どうやら俺の考えは的中したようだ。なるほど、この世界はマジで中世ヨーロッパみたいだな。街の風景も文化も。
「どういうこと?」
「だからつまりは名と姓が多分お前らとは逆ってこと。」
首を傾げながらのレイネルの呟きに俺は「ふんー」とため息まじりに応じる。
「え?じゃあ、ササカがファミリーネームでリスケがファーストネームってことかにゃ?」
横から声音が加えられる。コラルは少しだけ驚きまじりで俺の言ったことを理解したよう。
「ま、そういうこと。俺の生まれたとこではそういう文化なの」
「何それ、どこの変な文化よ。」
変なは余計じゃないですか?レイネルさん。
我が日の丸大国ニッポンではそういう文化なんだよ。縄文時代、弥生時代、古墳時代からそうなんだよ。多分。知らんけど。
「じゃあ、リスケって名前なんだね。」
とと、いきなりというかテトナがそう告げる。
そうだよ。変な名前じゃないからね。
「まあ、慣れない名前だけど。まあ、いいや。」
うん、なんだか適当に流された気がするが良しとし、俺は「そゆこと」と付け加える。
すると、「よし」とコラルとテトナが同時に呟き魔法の光が消えた。どうやらガラスの修復が完了したらしく、見ると出来立てホヤホヤの曇りのないピカピカの窓が完成させられていた。
「魔法ってすげーな。物理法則とかどうなってんの…」
「難しいことはわかんない。感覚で発動させる。」
「適当すぎるにゃテトナ。魔法は魔力を駆使して繊細な操作と頭の中で具体的なイメージが必要なんだにゃ。」
俺の発言に二人はそう応じた。
両方の幼女の発言は全然違うけれども、なんだか上級者の言うことのように感じる。
天才のセリフかな?
ガラスの修復作業をしている最中のテトナ、その幼女が唐突に俺の方を向き、そう問いを投げかけた。
「…え?俺?」
いきなりの質問に俺は自分の身に指を刺すと、テトナはコクリと首肯する。
唐突な幼女からの問いかけ。
まあ、たしかにテトナからしたら俺は未知の人物なのかもしれない。かもしれないというか確実に知らない人間だろう。
「………」
そういや、俺は自己紹介ってこの三人にしたっけ?
「あれ?そういや、俺ってまだ名前…名乗ってなくね?」
「そういや、そうだニャー。わちはお兄さんの名前知らないのにゃ。お兄さんはなんていう名前なんだにゃ?」
「そうね。私もあんたの名は知らないわね。ずっと頭の中で変態って呼んでたわ。」
「………」
レイネルとコラルはお互いに口弁する。やはりここまで一緒にいたが二人は俺の名前を知らないようだ。
とりあえずレイネルの言い分に俺はジト目で返答しておく。
この女は俺の気を逆撫ですることを常に言ってきやがるな。
「…それで?あなたは誰なの?」
俺が文句を胸中で垂れている中、テトナが同じ質問を繰り返した。
それを聞き俺は「あ、ああ、そうだな」と言い、
「えぇ、ゴホン。まあ、自己紹介が遅れちまったが、とりあえず俺は笹加里介っていう名前だ。以後よろしく。」
「ササカリスケ?」
俺の名を聞き、キョトンと首を傾げるテトナ。それから「ふーん」と言葉を紡ぎ、
「なんか変な名前だね」
「…おい。」
名前をカミングアウトしたわりにはだいぶ気分が落ちる感想を向けられた。思わず、ガクリと肩を落としてしまう。
変な名前て。テトナさん。お父さんとお母さんがつけてくれた名前なんだけど。
……あの夫婦二人、元気してるかな。
「まあ、変かどうかはともかくあまり通な名前じゃないのにゃ。お兄さん、ササカって呼べばいいのにゃ?」
肩を落とした俺に対しコラルが言葉を投げかけた。
てか、笹加かあ。名字呼ばわりなんだね。もうちょっとフレンドリーでもいいんだけどな。
「リスケでいいんじゃないですか?」
と、コラルの発言に嘆息しながら異議を申し立てるのはレイネルだ。
しかし、その言には少し違和感を感じるもので、
あれ?レイネルさんが名前の方で呼んでくれるの?
んん?あれ?そんなに俺とレイネルさんってそんな仲良いっけ?友達以上恋人未満?
「ファーストネームで呼ぶほど親密な関係でもないでしょう?」
「んー、でも、これからお兄さんここに住むんだし、ファミリーネームの方で呼ぶのはちょっと距離がある気がするにゃあ。」
「私としてはまだそれに物申したいものなんですがね」
けれども、そこから紡がれる言葉でさらに違和感を増す。というより、レイネルのその言葉でなんか軽く納得して、
ああ、そうか、そうか。分かった分かった。そういや外国の名前って姓と名が逆になるんだっけ?てか、日本の名字と名前の順の方が珍しいんだっけか?
「……」
ふむふむと、目を瞑り俺は一人頷く。
そして、「ちょっといいか」と、手を挙げて
「俺の名前はリスケなんだけど。ササカの方がファミリーネームだぞ?」
「え?」
と、レイネルは軽く驚きながら呟く。
どうやら俺の考えは的中したようだ。なるほど、この世界はマジで中世ヨーロッパみたいだな。街の風景も文化も。
「どういうこと?」
「だからつまりは名と姓が多分お前らとは逆ってこと。」
首を傾げながらのレイネルの呟きに俺は「ふんー」とため息まじりに応じる。
「え?じゃあ、ササカがファミリーネームでリスケがファーストネームってことかにゃ?」
横から声音が加えられる。コラルは少しだけ驚きまじりで俺の言ったことを理解したよう。
「ま、そういうこと。俺の生まれたとこではそういう文化なの」
「何それ、どこの変な文化よ。」
変なは余計じゃないですか?レイネルさん。
我が日の丸大国ニッポンではそういう文化なんだよ。縄文時代、弥生時代、古墳時代からそうなんだよ。多分。知らんけど。
「じゃあ、リスケって名前なんだね。」
とと、いきなりというかテトナがそう告げる。
そうだよ。変な名前じゃないからね。
「まあ、慣れない名前だけど。まあ、いいや。」
うん、なんだか適当に流された気がするが良しとし、俺は「そゆこと」と付け加える。
すると、「よし」とコラルとテトナが同時に呟き魔法の光が消えた。どうやらガラスの修復が完了したらしく、見ると出来立てホヤホヤの曇りのないピカピカの窓が完成させられていた。
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「難しいことはわかんない。感覚で発動させる。」
「適当すぎるにゃテトナ。魔法は魔力を駆使して繊細な操作と頭の中で具体的なイメージが必要なんだにゃ。」
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天才のセリフかな?
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