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25.新しい、でも望んでない感覚
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ゴブリン狩り。
それは数多のファンタジー系物語の中でも屈指の人気イベントと言えよう。
あ、いや、人気じゃなくてただの強制イベントって言った方が適切か。
でも、いきなりそんなとこに連れて行かれるとなると俺ちゃんとしてはびっくりなことこの上ないことだ。
びっくりってか、うむ、普通に行きたくないことだ。
俺はそんな戦うとかギスギスしたとこなんて行きたくないのに。
そんな俺の気など知らずこの子はいったい何を言ってるの?
「へ?」
「そんじゃ、ちょっとリスケ借りてくね?最近確か近くの山のゴブリンを狩る依頼来てたよね。私それ掃除しに行くよ。」
「んにゃ?まあそれをするのはテトナの自由だけどにゃあ」
「よし、じゃあ今から行ってく……」
「ちょっと、待てえええい!」
なんだか勝手に話が進んでいるところを俺は必死に決死の表情でせき止める。
当事者の主張を少しは聞いてもいいんじゃないのこの人たち?
「何?リスケ。うるさい。」
「なぜ俺は、小さい子から睨みつけられている?じゃなくて!今はそっちじゃなくて、何で俺はそんなゴブリン狩りとかいう戦場真っ只中なとこに放り出されんだよ!あれか!放置か?のたれ死ねってことか?島流しか?この人でなしぃ!」
「うるさい。黙って。リスケうざい。」
「ぐはあっ!」
剣呑なとても冷たい声音で幼女から黙れと言われた。
ああ、ダメージが大きい。俺のヒットポイントが減っていく。精神攻撃とはやってくれるじゃないか。
「んにゃ、テトナがゴブリン狩るのは難なく終わると思うけど。でも、なんでそのお兄さんを連れて行くニャァ?」
「ん?……んー、それはー」
「んにゃ?」
微笑を含めたテトナの言い分にコラルはキョトンと首を傾げる。
幼女に蔑視され、床に野垂れ落ちていた俺も脳内で首を傾げる。
俺を連れて行く理由か、それは如何なるものなのか。
てゆうか、あるなら言ってみぃ!
まったり人生を送りたい俺にとって納得させるのはハードル高いと思うぜ、テトナちゃんよ!
「なんか、リスケ連れてくと面白いことになりそうだから」
「んにゃ、それが理由かにゃ?」
「うん、それが理由」
「それが?」
「それが」
…………。
それが?それが理由?おもしろそうとは、はてはてなんぞや?
腑に落ちないとは、このことである。
「何それ⁈そんな理由⁈いや、理由じゃないよ⁈それはただの私情!純粋な自由な童心の表れに俺を巻き込まないで!」
「リスケうるさいって言ってんじゃん。どうして言うこと聞かないの?」
「………おうふっ…」
駄目だよこの子。なんか全然取り合ってくれないよ。あれ、僕に人権ないのかな?そういや所有物にするとか言ってたっけ?
あれ?俺、ペット?
「うん、まあ、どうこう言ってらんないや。暇だし、ちょっと狩ってくるよ。」
と、俺の考えなどいざ知らず、そうテトナが嘆息しながら言うと、紫色の光を醸し出しテトナは自分の身を浮かした。部屋の中で一人ふわふわと幼女は宙をさまよう。この子、空中も飛べるのか。念魔法ってすごいね。
「あ、ほら、リスケ。早く立ち上がって」
「あえ?俺も?……って、おいおいおいおい⁈」
と、瞬間俺の体もいきなり空中へと浮遊する。重力の感覚がなくなり、思わず動揺してしまう。
新たな感覚に驚きを隠せない。てか待って、結構高い、高い!落ちたら絶対怪我するよ⁈怖いんだけど⁈降りたい!降りたい!降りたい!
「ええ⁈ちょっとマジで行くの⁈俺行くなんて一言も言ってないけど⁈そして今、俺自身の移動する権利を剥奪されてるんだけど⁈何これ、身動きできない!自由プリーズ!」
「うるさいなあ。私の言うことに従えば良いんだよリスケは。ほら喚かずに手足バタバタさせないでみっともない。気色悪い」
「最後の言葉いる⁈そういうの、ガラスのハートにはダメージ大きいんだよ⁈」
「テトナ?なんでここで浮遊するにゃ?」
「んじゃ、行ってくるよ。コラル、レイネル。またね」
と、幼女が告げた瞬間、凄まじい速度でその場から移動しテトナはバリリィィン!と盛大な音を立てるとともに部屋のガラスを割って外へと出て行く。一方、俺もその幼女の思うままにされ、ビューンと猛スピードで空中を移動。
俺とテトナは一緒に窓から空へと飛び立ちました。せっかく修復した綺麗なガラス窓は盛大に飛び散りました。
「にゃあっ!テトにゃぁぁぁっ!!」
なんか飛び出す寸前にコラル先生のお怒り声が聞こえた気がするけども俺はそんなのに構ってる暇もなくテトナの念魔法とやらに身を委ねることしかできない。
拝啓、お父さんお母さん。僕、幼女と一緒に空を飛びました。今日はとても良い天気です。晴れやかな外を僕は今飛んでいます。下を見ると、あらま、あんなに地面が遠い。落ちたら確実にお陀仏です。
あ、ちょっと怖くなってきました。なんか想像しちゃいました。もし落ちたらどうなるだろうなんて今考えちゃいけないことを考えちゃいました。
「駄目!まって!怖い怖い怖い!テトナっ!テトナさん⁈ストッープ!一旦ストーップ。ボディとメンタルが逝っちゃう!」
「うるさいなあ。リスケは無駄に口数が多いね。しのごの言わずに何もせずに何も考えずにいてよ。落とすよ?」
「それ脅し⁈」
俺の前を行くテトナさんは空中で余裕さをかましています。
でも怖がる俺にその言葉はちょっとどうかと思うな。落ちたら死よ?地面と激突なんてグロいから嫌よ?
とりあえず俺は迫りくる恐怖になんとか耐えながらテトナの念魔法とやらで空へと旅立ちました。
それは数多のファンタジー系物語の中でも屈指の人気イベントと言えよう。
あ、いや、人気じゃなくてただの強制イベントって言った方が適切か。
でも、いきなりそんなとこに連れて行かれるとなると俺ちゃんとしてはびっくりなことこの上ないことだ。
びっくりってか、うむ、普通に行きたくないことだ。
俺はそんな戦うとかギスギスしたとこなんて行きたくないのに。
そんな俺の気など知らずこの子はいったい何を言ってるの?
「へ?」
「そんじゃ、ちょっとリスケ借りてくね?最近確か近くの山のゴブリンを狩る依頼来てたよね。私それ掃除しに行くよ。」
「んにゃ?まあそれをするのはテトナの自由だけどにゃあ」
「よし、じゃあ今から行ってく……」
「ちょっと、待てえええい!」
なんだか勝手に話が進んでいるところを俺は必死に決死の表情でせき止める。
当事者の主張を少しは聞いてもいいんじゃないのこの人たち?
「何?リスケ。うるさい。」
「なぜ俺は、小さい子から睨みつけられている?じゃなくて!今はそっちじゃなくて、何で俺はそんなゴブリン狩りとかいう戦場真っ只中なとこに放り出されんだよ!あれか!放置か?のたれ死ねってことか?島流しか?この人でなしぃ!」
「うるさい。黙って。リスケうざい。」
「ぐはあっ!」
剣呑なとても冷たい声音で幼女から黙れと言われた。
ああ、ダメージが大きい。俺のヒットポイントが減っていく。精神攻撃とはやってくれるじゃないか。
「んにゃ、テトナがゴブリン狩るのは難なく終わると思うけど。でも、なんでそのお兄さんを連れて行くニャァ?」
「ん?……んー、それはー」
「んにゃ?」
微笑を含めたテトナの言い分にコラルはキョトンと首を傾げる。
幼女に蔑視され、床に野垂れ落ちていた俺も脳内で首を傾げる。
俺を連れて行く理由か、それは如何なるものなのか。
てゆうか、あるなら言ってみぃ!
まったり人生を送りたい俺にとって納得させるのはハードル高いと思うぜ、テトナちゃんよ!
「なんか、リスケ連れてくと面白いことになりそうだから」
「んにゃ、それが理由かにゃ?」
「うん、それが理由」
「それが?」
「それが」
…………。
それが?それが理由?おもしろそうとは、はてはてなんぞや?
腑に落ちないとは、このことである。
「何それ⁈そんな理由⁈いや、理由じゃないよ⁈それはただの私情!純粋な自由な童心の表れに俺を巻き込まないで!」
「リスケうるさいって言ってんじゃん。どうして言うこと聞かないの?」
「………おうふっ…」
駄目だよこの子。なんか全然取り合ってくれないよ。あれ、僕に人権ないのかな?そういや所有物にするとか言ってたっけ?
あれ?俺、ペット?
「うん、まあ、どうこう言ってらんないや。暇だし、ちょっと狩ってくるよ。」
と、俺の考えなどいざ知らず、そうテトナが嘆息しながら言うと、紫色の光を醸し出しテトナは自分の身を浮かした。部屋の中で一人ふわふわと幼女は宙をさまよう。この子、空中も飛べるのか。念魔法ってすごいね。
「あ、ほら、リスケ。早く立ち上がって」
「あえ?俺も?……って、おいおいおいおい⁈」
と、瞬間俺の体もいきなり空中へと浮遊する。重力の感覚がなくなり、思わず動揺してしまう。
新たな感覚に驚きを隠せない。てか待って、結構高い、高い!落ちたら絶対怪我するよ⁈怖いんだけど⁈降りたい!降りたい!降りたい!
「ええ⁈ちょっとマジで行くの⁈俺行くなんて一言も言ってないけど⁈そして今、俺自身の移動する権利を剥奪されてるんだけど⁈何これ、身動きできない!自由プリーズ!」
「うるさいなあ。私の言うことに従えば良いんだよリスケは。ほら喚かずに手足バタバタさせないでみっともない。気色悪い」
「最後の言葉いる⁈そういうの、ガラスのハートにはダメージ大きいんだよ⁈」
「テトナ?なんでここで浮遊するにゃ?」
「んじゃ、行ってくるよ。コラル、レイネル。またね」
と、幼女が告げた瞬間、凄まじい速度でその場から移動しテトナはバリリィィン!と盛大な音を立てるとともに部屋のガラスを割って外へと出て行く。一方、俺もその幼女の思うままにされ、ビューンと猛スピードで空中を移動。
俺とテトナは一緒に窓から空へと飛び立ちました。せっかく修復した綺麗なガラス窓は盛大に飛び散りました。
「にゃあっ!テトにゃぁぁぁっ!!」
なんか飛び出す寸前にコラル先生のお怒り声が聞こえた気がするけども俺はそんなのに構ってる暇もなくテトナの念魔法とやらに身を委ねることしかできない。
拝啓、お父さんお母さん。僕、幼女と一緒に空を飛びました。今日はとても良い天気です。晴れやかな外を僕は今飛んでいます。下を見ると、あらま、あんなに地面が遠い。落ちたら確実にお陀仏です。
あ、ちょっと怖くなってきました。なんか想像しちゃいました。もし落ちたらどうなるだろうなんて今考えちゃいけないことを考えちゃいました。
「駄目!まって!怖い怖い怖い!テトナっ!テトナさん⁈ストッープ!一旦ストーップ。ボディとメンタルが逝っちゃう!」
「うるさいなあ。リスケは無駄に口数が多いね。しのごの言わずに何もせずに何も考えずにいてよ。落とすよ?」
「それ脅し⁈」
俺の前を行くテトナさんは空中で余裕さをかましています。
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