DachuRa 1st story -最低で残酷な、ハッピーエンドを今-

白城 由紀菜

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LI 雷鳴の轟く夜-V






「――!」

 そんな私の気持ちを知ってか知らずか、彼の指先が徐に秘部をなぞる。そして蜜壺の入り口を擽る様に弄ったと思ったら、躊躇いも無く一気に蜜壺の奥迄指を差し込んだ。

「考え事か」

 彼の表情はやや複雑で、怒っている様にも拗ねている様にも見える。

「そういう、訳じゃ……」

 彼の顔から視線を逸らし曖昧に答えると、彼が抉る様に強く蜜壺の中を擦った。
 突然与えられた快楽に、思考が追い付く前に声が押し出され腰が僅かに浮き上がる。

「俺とのセックスはもう飽きたか?」

「ち、ちがっ……!そんなんじゃないわ!」

 否定をする度に、ぐりぐりと奥を擦られ身体が震える。弄られているのは、私が蜜壺の中で最も快楽を得る場所。
 彼はそれを、分かってやっているのだ。いやいやをする様に首を左右に振り、彼の肩を叩いた。

「最中に考え事をするなんて、飽きたって言われてるみたいで傷付く」

「ごめ……なさ、……っん、ぁ……!」

 奥を擦る指が、徐々に激しくなっていく。差し込まれた指2本はどちらも違う動きをしていて、焦らす様に好(い)い場所を掠める為話に集中が出来ない。

「否定、出来ないんだな」

「ちが、ちがう、の……あ、あっ」

 先程果てた事もあって、感度は普段以上に上がっている。このままでは、また直ぐに果ててしまうだろう。
 あまりにも繰り返し絶頂を迎えると、翌日に響いてしまうだけでなく、声を抑えられなくなってしまう為痴態を晒してしまう事になる。はしたない姿を見せる事だけは避けたい。
 しかしそんな願いも虚しく、激しく動かされる指に呆気なく果ててしまった。充分に潤った蜜壺に差し込まれた指を、弄ぶ様に出し入れするその動きにすら快感を得てしまって喉奥から声が溢れる。

「違うって、言ってるのに……」

 弱々しく彼の肩を叩くと、「何が違うんだ」と短く返ってきた。

「私、貴方の事愛してるの」

「愛してないと困る」

「そうじゃ、なくて……。貴方は大切な家族だけど、それ以上に深く愛してる……というのかしら。もし万が一家族に何かがあった時、私娘を差し置いて貴方を選んでしまいそうで怖いの……」

「――……」

 彼の指先が、愛でる様に私の頬を撫でる。私を見つめる瞳は優しく、その顔からは先程の様な悪戯な表情は消えていた。

「勿論、娘は大事よ。自分の命に変えてでも守りたいって思う。でも、それでも貴方の姿を1番に探してしまうの。最低な母親ね」

 私の頬に触れる彼の手を握り、その掌にそっと頬擦りをした。
 きっと、娘が双子ではなかったら別の事を思っていたかもしれない。何があっても、私たち2人で守らねばならないと、そう思っていたかもしれない。
 しかし、ルイにはレイがいて、レイにはルイがいる。まだ5歳の幼い娘だが、2人の間には目に見えてわかる特別な絆があった。
 まるで私達など居なくても、お互いさえ居ればそれでいいとでも言うような、強い絆が。
 だから、こんな事を思ってしまうのかもしれない。私にはセドリックが居ればいい、だなんて。
 これは、ただの言い訳だろうか。責任逃れだろうか。母親になって5年も経つのに、これ程簡単な事が分からない。答えが出ない。
 しかし彼は、そんな私を咎める事はしなかった。

「――最低じゃない。俺だって、お前が言うその状況になったらきっとお前を1番に探すと思う」

 彼がシーツと背の間に腕を差し込み、私をきつく抱き締めた。
 少々苦しく感じるその腕の強さが、今は心地良い。

「そうならないように、俺達で2人を守っていこう」

 囁く声が優しく、耳に溶けていく。頷きながら彼の背に腕を回すと、彼がもう一度私を強く抱き締めた。


 それからというもの、彼はまるで私を安心させるかの様に強く、優しく抱いてくれた。
 相変わらず、外では激しい風が吹き荒れている。きっと、明日の朝にも残るだろう。もしかすると、レイが怖がって泣いてしまうかもしれない。
 泣き出したレイはどうにも厄介で、場合によっては家事すらままならなくなってしまう。ルイが上手くあやしてくれればそれで落ち着く事もあるのだが、ルイは非常に気まぐれであり泣いているレイそっちのけで1人絵本を見ている事も多かった。ルイは手が掛からない為苦労しないが、レイは泣いている自分に見向きをしないルイに腹を立て機嫌まで悪くしてしまう事もある。そんな事になってしまえば大変だ。今から、少々憂鬱である。
 しかしそれでも、こうして彼と甘い時間を過ごす事が出来たからか、そんな明日も良い1日に変えられる気がした。
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