枕営業から逃げたら江戸にいました。陰間茶屋でナンバー1目指します。

カミヤルイ

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ミックス番外編SS集(なんでも許せる方むけ)

十五夜の約束

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❋本編蜜月~幕間の時期のお話



「うーさぎうさぎ、なに見て跳ねる」

「百合、故郷の歌か?」

 
 旧暦八月十五日、今日は華屋のお月見会。
 華屋の中庭にござを敷き詰め、上座にひな壇を置いて、俺達陰間はそこに順列で座って楽器を奏でる。
 もちろん、ひな壇にはお月見のお供え物。

 俺は女将に言われて団子を運びながら、幼稚園の時に習った「うさぎうさぎ」の唄を口ずさんでいた。

「楓。そうだよ。この歌知らない?」
 童謡だけど、江戸時代にはまだなかったのかな。

「そうだなぁ。俺は知らないな。そう言えば、百合の故郷って……」
「百合ー、すすきも運ぶんだよ。早くしな!」

 楓が話している途中で、広間から俺を呼ぶ女将の声が響いた。
 女将ってば、俺は菊華になったっていうのに、未だに下働きの子みたいに扱うんだから。
「百合! まだかい!」
「あー、もう。はいはいはいはい。ごめん、楓。またあとでね」

 楓に小さく手を振り、広間に向かった。

 ──百合の故郷って……

 楓、そう言いかけてた? そうだよな。俺は自分のこと、なにも楓に話していない。と言うより、誰にも話せるわけがない。
 現代なら信じてくれる人もいるかもしれないけど、江戸時代の誰が信じてくれるのか……タイムリープだなんて。

***

 遊郭や陰間茶屋には季節の行事に合わせたキャンペーン日があって、その日を「紋日」と呼ぶのだけれど、このお月見会もそうだ。
 俺達陰間は馴染みの中でも特に羽振りの良い上客数人に文を書いて登楼を促し、褥で着る緋襦袢ではなく、見世で着るような豪華な打掛を着てお客を待つ。
 登楼したお客は陰間にいいところを見せようと高い料理や酒を注文し、花代を撒いてくれると言うわけだ。


「百合、来たよ。今日は一段と綺麗だねぇ」
 呉服屋の大店の若旦那到着。
 若旦那は俺の手を取り、さわさわと撫で握る。
 と、前方に楓の視線。すっかり男形が板についた楓の視線は刺々とげとげしく俺と若旦那の背を刺している。

 女形の時は仕事上で完璧なくらいに表情を崩さなかったのに、今ではすっかり顔に表れるようになって……でも駄目だって。お客に変に思われちゃう。
「楓さん……! お手紙ありがとう」
「楓、今日はいくらでも好きなものをお言い。糸目はつけないよ」

 楓に視線で訴えようとしたところで、わんさかと女性陣が登楼した。奥女中グループの到着だ。
 まるでアイドルグループsakusi-doに群がる女性ファンみたいに、熱気むんむんと楓を取り囲み、持参したプレゼントを押しつけつつ、楓の体に触れている。

 くーっ、触るな。寄るな。楓は俺の彼氏なんだから!

 心の中で叫んでグループの背中を睨む。楓は俺に気づいて「フッ」と笑った。
 あーー! 楓、今俺を挑発した!?  なんだよ、さっきまで自分もやきもち焼いてたくせに!

 いいよ、俺だって。
「藤平さま、さ、こちらへ。今日は特別ご奉仕致します。あ、吉野さま、いらっしゃいませぇ」
 俺は次々登楼する客に愛想を振りまき、たくさんの酒や料理を注文させた。あっという間にノルマ達成だ。

 ちら、と楓を見ると、もちろん楓も負けていなかった。相手は女性客だというのに、宣言した通りに金をばら撒かせ、飲めや歌えの大騒ぎ。

 けれど、牡丹のお客も小花や若草の客もそう。みんなお月見でなく、陰間遊びに夢中だった。
 そう、これが「紋日」
 いつもの褥仕事以上に、陰間への花代の還元率きゅうりょうが良いから、陰間達は総力かけてお饗しに気合いを入れているのだ。



 円もたけなわになる頃、俺達は用意されたひな壇に上がり、曲を奏でた。静かな、お月見にぴったりの曲は会場を穏やかな空気で包み、ようやく、お客達は月を愛でていた。

 お月見会のお開き後は、各陰間のところに来たそれぞれ一番羽振りが良かったお客を褥へと誘う。
 選ばれたお客は鼻高々、選ばれなかったお客は「次こそは」と別れの言葉をつけ加えて帰って行くのだ。

 ただ……選ばれたはずのほとんどの客は酔いに酔っている。部屋に通したものの、俺のお客の藤平さまも大いびきをかいて眠ってしまった。まあ、これはしてやったりではある。
 褥はなくとも泊まりになるわけだから、相応の揚げ代は生じるし、俺達陰間にとってはご奉仕しなくていいから願ったり叶ったりと言える。

 俺は熟睡の藤平様に夜着をかけて湯殿に向かった。
 前室に入ると楓もいる。楓のお客は大奥の女性陣だから、門限前に皆引き上げたのだろう。

「楓も湯浴み?」
「うん。……いや、百合を待ってた」
「俺を?」

 待ってた、なんて言われてうれしくなって、頬がほんのり熱くなる。
 いや、でも!

「そう言えば楓、お月見会が始まる前、俺に当てつけただろ? ちょっとむかついたんだから」
 どうせやきもちを焼かそうとしたんだ。そうだよ、めちゃくちゃジェラシーしてたんだからな!

「ふ。百合、かわいい」
 楓は男前に唇を上げて微笑み、膨らんだ俺の頬を撫でる。
「でもあれは嫉妬させようとしたわけじゃない。ああすれば百合は闘志を剥き出しにして、お客を酒で堕とすだろうと踏んだのさ」

「えぇ? それって」
 
「そ。俺も初めは百合に触る藤平様に嫉妬したけど、要は百合を抱かさなけりゃ良いんだと思ってさ」

「そっ……!」
 楓、策士! 確かに俺は手練手管はあまり得意じゃなくて、お客はお金は弾んではくれるけど、あまり飲まずに大抵は褥までお付き合いがあるのが常だった。
 最近は楓が自分の揚げ代を俺に回してまで、普段の褥仕事の制限はしてくれていたけど、紋日だけはそうは行かなくて、楓はそのたびに不服な顔をしていたっけ。
 
「もー……。楓ってば」
 好き……。

 引き寄せられるように楓の体に寄りかかった。楓の腕が回り、俺を抱きしめる。

「……他の男の匂いがする。百合、洗ってやるから、おいで」

 楓は俺の浴衣の帯を解き、下帯も外す。

「楓も女の人の匂いがする。嫌だ……」
 俺も、楓の浴衣を取り去る。

 楓の下腹の先はもう、すっかりと立ち上がり、俺への色欲を見せつけていた。もちろん、俺も。

 他には誰もいないのをいい事に、俺達は唇を合わせ、絡み合いながら浴室へと向かった。

「ん、んんッ……楓。楓」
 誰か来たらどうしよう、って思うのに、楓を求める指が止まらない。
 俺は楓の雄々しい昂ぶりを握り、楓も同じように俺の昂ぶりに指を絡ませている。

「はっ……あぁっ……」
 俺は大華の技術であっという間に上りつめてしまう。けれど楓はまだ熱さを残したままだった。

「楓、して……?」
 俺は壁に手をつき、臀を楓に捧げる。

「百合……」
 楓のなめらかな肌が、背にぴたりと合わさる。耳たぶを優しく食んでくれて、指は胸の尖りを摘んでくれる。
 それだけでまた、俺も体を熱くした。

 楓の昂りが太ももの間を埋める。最初はゆるりと動き、俺の会陰を撫でた。

 ──華屋にいるあいだは、節度を守った付き合いをする

 ──百合を抱く時は、あったかい布団の上で、夢見てるみたいに抱いてやる

 楓が誓っていること。俺達の未来のための約束。
 だから俺達は挿入はしない。ここまでしたらもう、って流されそうになることは何度もあるけれど、楓は決して誓いを破らない。
 必ず叶う日が来るとわかっているから────


「楓、楓」
「百合、愛してる。百合」

 太ももも、会陰も、再び硬さを取り戻した肉欲も、全て楓に支配されている。
 腰を突き当てるスピードが早くなり、こすれ合う俺達の昂りはより熱を増した。

 楓の吐息が耳にかかる。うれしい。楓が俺で、たくさん感じてくれるのが嬉しい。

「あン、んんっ……楓、こすれるの、きもちいい」
 そして俺も、体全てで楓を感じられることが嬉しい。

「あ、ああっ……!!」
 胸の先をぎゅ、と引っ張って捩られて、俺の太ももに力が入った。
 楓の動きがさらに増す。

「……っつ……!! 百合っ……」
 二人の交わりの跡が、俺の太ももを、そして洗い場の板を白く染めた。

 

 楓は湯で俺と床を綺麗に洗い流し、自分も湯をかぶると、俺を樽の浴槽に促した。二人では少し狭いけど、楓も一緒に入って体をくっつけ合って温まる。

 見上げればちょうど真上に大きな満月。
「お月様、きれいだね。江戸で見ると凄く大きく見える」

 楓にもたれてなんとは無しに言うと、楓は俺の首に口づけを落としてから聞いた。

「百合はどこから来たんだ? 江戸で暮らしていたのではないんだよな?」

「……うん。あのね、凄く凄く遠いところ……場所は江戸と同じだけど江戸じゃない。東京……って……わからないと思うけど………」
 楓に隠したくはないけど、やっぱり上手くは言えない。

「とうきょう……聞いたことないな」
「うん。誰も知らないんだ。誰も行ったことない。ねぇ、そんな俺のこと、気味が悪い? 来た時から明らかに風貌も違って……気持ち悪い?」

 楓の目が見れなくて、月を見たまま言った。
 
「百合」
 楓の優しい声が耳たぶをくすぐり、大きな腕が腰を締めた。

「俺は百合を愛してる。百合がどこから来たのであろうと……例えばまやかしの者だったとしても構わない。ずっと愛してる」
「楓……」

 楓はいつも、まっすぐに気持ちをぶつけてくれる。だから、信じられる。

 俺は体をねじり、楓に胸を向けて、首に腕を回した。

「俺も楓を愛してる。楓が何者でも好き。ねぇ、楓。もし遠い未来に生まれ変わっても、俺をまた好きになってくれる?」

「遠い未来? 生まれ変わる? 百合、南蛮の人間みたいなことを言うんだな」
 楓がくすくすと笑う。
「……ああ、でも。そうだな。生まれ変わりが本当にあるとして……そうしたらきっと、俺はまた百合に恋をするよ。百合も、俺を好きになってくれるか?」

 目を合わせ、唇も合わせてくれる。

「ん………」

 返事をしようとしたのに、すぐに舌を絡めとられ、できなくなった。

 ちゅ、ちゅく、と湿った音に酔いそう。楓がくれる、甘い蜜に溶けていく。


 星は何万光年も昔の光を今に伝えていると言う。月は? 月はどうなんだろう。
 太陽の光を照り返している月の光。今日、今の光は平成の時代に届いているのかな。

 平成の、いつかのお月見の日を、楓と一緒に過ごす日が来ますように。
 返事ができない代わりに、心でそう願う。

  
 月が輝く夜。
 俺達はいつまでもいつまでも口づけをかわしていた。



       終
 

 ❋この作品はアルファポリスさんのBLレーベル「アンダルシュ」さんのイベント参加のために作りました。
「#アンダルシュ_うち推し」と言うイベントで、テーマは「お月見」

 久しぶりの江戸話。作者は楓推しなので(笑)すが、皆様にも楽しんで頂けていたら嬉しいです。

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