天性の、恥ずかしい性癖 第115話:魂の漂白

知佳

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天性の、恥ずかしい性癖

天性の、恥ずかしい性癖 第115話:『沈黙の告白 ―― 汚辱の記憶、漂白の誓い ――』

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魂の漂白

梨沙が自ら情事の様子を語る「18:00……、跪座、終了だ、叔母さん、よく頑張ったね」

リビングに響く敏則の声は、スピーカー越しでも梨沙の鼓膜を痺れさせた。
三時間。 一歩も動かず、床に膝を突き続けた梨沙の脚は、すでに感覚を失っている。 膝の傷がシーツと擦れ、血と体液が床を汚していたが、彼女はそれを「不潔」だと感じる以上に、敏則への「申し訳なさ」で胸を締め付けられていた。

「……っ……、あ、う……」

崩れ落ちるように床に突っ伏した梨沙。 その背中に、帰宅した敏則の冷たい影が落ちる。 彼は倒れ込む梨沙を助け起こすのではなく、その場に座らせ、一台のICレコーダーを差し出した。

「さあ、内省の成果を聞かせて……あのアパートで、君がどんなに醜い声を出し、どんなに汚い男に身を委ねていたか……それを、今の『清潔な君』の言葉で、ひとつ残らずこのICレコーダーに向かって吐き出すんだ」

梨沙は、凍りついた。
それは、思い出したくもない、泥に塗れた記憶。 だが、敏則の眼鏡の奥の瞳は、それを許さない。

「……私は……、……十万円のために……、あの狭い部屋で……」

「声が小さいよ、叔母さん……ちゃんと反省するところは反省し、もっと詳しく、あいつにどこを触られ、どう感じたのか……そこいらが肝心でしょう?それを全部僕に話すことが、君の中の『汚れ』を完全に漂白する唯一の儀式なんだ」

梨沙は、震える唇を開いた。
辱め。 羞恥。 だが、敏則に見つめられながら、自分の「汚点」を告白することは、奇妙な解放感を伴っていた。
自分がどれほど堕落していたかを言葉にするたび、敏則という管理者に、より深く、より逃げられない場所まで所有されていく。

「……っ、私は……、あの男に……、……っ、とっちゃん、もう、言いたくない……っ!」

「ダメだ……全部、言うんだ……言い終わるまで、今日の『上書き』はしてあげないよ」

敏則の究極の焦らし。
梨沙は、もはや敏則の「上書き」なしでは夜を越せない身体になっていた。
彼女は涙を流しながら、自らの恥ずかしい記憶を、一言、また一言と、敏則という空っぽの器に注ぎ込み始めた。

※完全オリジナル作品です。
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