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第二十九話 ブタっぽい俺の箱庭② ブタと箱庭の虫たち①
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結果から言えば、樹液の湧き出している場所はすぐに見つかったのだが、そこには先客たちがいた。
そう、木といえば、虫だ。
見るからにたくさんの巨大な昆虫たちが、大木から染み出る樹液に群がっていたのだ。
まぁ多少虫の大きさが俺の元いた世界と比べて規格外だからと言っても、すでにオークや蝙蝠などの異世界モンスターを目にしている俺は驚かない。
んで木に群がっていたのは、日本のクワガタ虫のようにノコギリを持った黒光りする虫に、長い触角と白と黒の斑模様をした細長いカミキリムシのような虫。
それに丸っこい玉虫のような奴やテカリのある緑色の甲殻をしたカナブンっぽい奴に、カブトの雌っぽいのに、ほかには蝶に似たのや見たことのない足が四本ある金色っぽい黄金虫? ぽいのもいた。
とりあえず樹液の出口を見つけた俺は、樹液に群がる昆虫たちと同じように、よく肥え太った豚のような両手両足を使って、樹液の湧き出している場所を目指して木を登り始めた。
と言いたいところなのだが、進まない。一向に手足が進まないのだ。
どんなに力を込めても、手足が前に進まなかったのだ。
そう、俺の体重が重すぎたせいで、俺は木を一歩足りとも上へと登ることができなかったのだった。
「うおおおおっせっかく苦労してここまでたどり着いたのにっおやつエサのエサ場までたどり着けねぇえぇええええええっっ!! 俺のおやつエサぁぁあああっっ!!!」
俺はおやつエサが食べたい一心で、何度も何度も木に登ろうとチャレンジするが、何度も何度もずり落ちて、昆虫たちが群がっている樹液の湧き出ている場所に近づくことはおろか、一センチたりとも、木に登ることができなかった。
「こうなったら、最後の手段だ!」
声を大にして叫んだ俺は、某忍者マンガを思い出して、助走をつけて木を一気に駆けのぼろうとしたのだが……
当然の如く木にたどり着く前に失速して、相撲のぶちかましのように木に勢いよく激突してしまったのは言うまでもない。
「くそっくそっくそくそくそっ!! ここまで来て手詰まりかよ!」
俺はやっとおやつエサを見つけたというのに、おやつエサを手に入れる手段が思い浮かばなかったために、イラつきヒステリックな叫び声を上げながら地団太を踏んでいた。
俺が地団太を踏んでいると、のそり。と何かが起き上がってくる気配がした。
それは、俺が木に激突した衝撃で樹液を吸っていたところを叩き落とされてご立腹状態となっていた虫たちだった。
のそりと食事を邪魔されて立ち上がった虫たちは、はたから見ても殺気立っているようだった。
「これって、俺のせい……だよな?」
誰にともなく問いかけると、虫たちはその通りだと言わんばかりに俺を無言で睨み付けて来た。
「やっぱそうだよな。俺でも腹が減ってるときに飯食うのを邪魔されたら腹を立てる。それと同じだよな。けどな。求めて求めて求めてやっと見つけてたどり着いてっ手に入らなかったものの苦悩がお前らにわかるのか!」
俺の行き先のない憤りと、俺に食事を邪魔された虫たちの怒りがぶつかった。
まずはまだら模様の黒っぽくて細い。自らに短気っぽい全長一メートルほどのカミキリムシみたいなのが、二本の触覚をピクピクと怒りにひくつかせながら、歯をキリキリ言わせて飛び掛かって来た。
いい加減戦闘に慣れ始めていた俺は、飛び掛かって来たカミキリムシに向かって、とっさにリュックに吊るしていたハルバードを引き抜くと一閃させる。
俺の振り回したハルバードの斧のついている先端が、飛び掛かって来たカミキリムシに激突すると、カミキリムシを真っ二つにして斬り飛ばした。
「うしっまずは一匹目」
俺がハルバードの斧でカミキリムシを仕留めていると、今度は全長五十センチほどの玉虫とカナブンが俺に向かって、バスケットボールやサッカーボールのように飛び込んでくる。
「うおっ!?」
玉虫たちのあまりの速度に俺は、目も体もついていかず、まともに玉虫とカナブンの体当たりを喰らってしまう。
玉虫とカナブンは、俺の脂肪の内包されまくった腹に突き刺さると、体当たりをして来た勢いそのままに、ボンヨヨヨーンと俺のゴムボールのようなお腹の弾力で弾き返されたのだが、空中で踏みとどまると、懲りずに俺に向かって体当たりをかまして来た。
そのため俺は、先ほどと同じように腹で受けて弾き返してやろうと思っていたのだが、玉虫とカナブンは、俺の腹にぶつかると同時に、今度は俺の腹にはじき返されないように、八本の足で俺の腹に縋りつくと、そのまま腹のぜい肉や脂肪を食いちぎろうと、小さいがギザギザのたくさんついた口で、噛みついて来ようとした。
そのため俺は、とっさにハルバードを放り投げて、自由になった両手で引きはがしにかかる。
「くそっこの虫っはなれろ!」
何とか力づくで、玉虫とカナブンを一匹づつ引きはがした俺は、そのままサッカーボールのように思い切り蹴り飛ばしてやった。
俺がサッカーボールのように、思い切り蹴り飛ばした玉虫とカナブンは、木にぶつかるとそのまま動かなくなった。
そう、木といえば、虫だ。
見るからにたくさんの巨大な昆虫たちが、大木から染み出る樹液に群がっていたのだ。
まぁ多少虫の大きさが俺の元いた世界と比べて規格外だからと言っても、すでにオークや蝙蝠などの異世界モンスターを目にしている俺は驚かない。
んで木に群がっていたのは、日本のクワガタ虫のようにノコギリを持った黒光りする虫に、長い触角と白と黒の斑模様をした細長いカミキリムシのような虫。
それに丸っこい玉虫のような奴やテカリのある緑色の甲殻をしたカナブンっぽい奴に、カブトの雌っぽいのに、ほかには蝶に似たのや見たことのない足が四本ある金色っぽい黄金虫? ぽいのもいた。
とりあえず樹液の出口を見つけた俺は、樹液に群がる昆虫たちと同じように、よく肥え太った豚のような両手両足を使って、樹液の湧き出している場所を目指して木を登り始めた。
と言いたいところなのだが、進まない。一向に手足が進まないのだ。
どんなに力を込めても、手足が前に進まなかったのだ。
そう、俺の体重が重すぎたせいで、俺は木を一歩足りとも上へと登ることができなかったのだった。
「うおおおおっせっかく苦労してここまでたどり着いたのにっおやつエサのエサ場までたどり着けねぇえぇええええええっっ!! 俺のおやつエサぁぁあああっっ!!!」
俺はおやつエサが食べたい一心で、何度も何度も木に登ろうとチャレンジするが、何度も何度もずり落ちて、昆虫たちが群がっている樹液の湧き出ている場所に近づくことはおろか、一センチたりとも、木に登ることができなかった。
「こうなったら、最後の手段だ!」
声を大にして叫んだ俺は、某忍者マンガを思い出して、助走をつけて木を一気に駆けのぼろうとしたのだが……
当然の如く木にたどり着く前に失速して、相撲のぶちかましのように木に勢いよく激突してしまったのは言うまでもない。
「くそっくそっくそくそくそっ!! ここまで来て手詰まりかよ!」
俺はやっとおやつエサを見つけたというのに、おやつエサを手に入れる手段が思い浮かばなかったために、イラつきヒステリックな叫び声を上げながら地団太を踏んでいた。
俺が地団太を踏んでいると、のそり。と何かが起き上がってくる気配がした。
それは、俺が木に激突した衝撃で樹液を吸っていたところを叩き落とされてご立腹状態となっていた虫たちだった。
のそりと食事を邪魔されて立ち上がった虫たちは、はたから見ても殺気立っているようだった。
「これって、俺のせい……だよな?」
誰にともなく問いかけると、虫たちはその通りだと言わんばかりに俺を無言で睨み付けて来た。
「やっぱそうだよな。俺でも腹が減ってるときに飯食うのを邪魔されたら腹を立てる。それと同じだよな。けどな。求めて求めて求めてやっと見つけてたどり着いてっ手に入らなかったものの苦悩がお前らにわかるのか!」
俺の行き先のない憤りと、俺に食事を邪魔された虫たちの怒りがぶつかった。
まずはまだら模様の黒っぽくて細い。自らに短気っぽい全長一メートルほどのカミキリムシみたいなのが、二本の触覚をピクピクと怒りにひくつかせながら、歯をキリキリ言わせて飛び掛かって来た。
いい加減戦闘に慣れ始めていた俺は、飛び掛かって来たカミキリムシに向かって、とっさにリュックに吊るしていたハルバードを引き抜くと一閃させる。
俺の振り回したハルバードの斧のついている先端が、飛び掛かって来たカミキリムシに激突すると、カミキリムシを真っ二つにして斬り飛ばした。
「うしっまずは一匹目」
俺がハルバードの斧でカミキリムシを仕留めていると、今度は全長五十センチほどの玉虫とカナブンが俺に向かって、バスケットボールやサッカーボールのように飛び込んでくる。
「うおっ!?」
玉虫たちのあまりの速度に俺は、目も体もついていかず、まともに玉虫とカナブンの体当たりを喰らってしまう。
玉虫とカナブンは、俺の脂肪の内包されまくった腹に突き刺さると、体当たりをして来た勢いそのままに、ボンヨヨヨーンと俺のゴムボールのようなお腹の弾力で弾き返されたのだが、空中で踏みとどまると、懲りずに俺に向かって体当たりをかまして来た。
そのため俺は、先ほどと同じように腹で受けて弾き返してやろうと思っていたのだが、玉虫とカナブンは、俺の腹にぶつかると同時に、今度は俺の腹にはじき返されないように、八本の足で俺の腹に縋りつくと、そのまま腹のぜい肉や脂肪を食いちぎろうと、小さいがギザギザのたくさんついた口で、噛みついて来ようとした。
そのため俺は、とっさにハルバードを放り投げて、自由になった両手で引きはがしにかかる。
「くそっこの虫っはなれろ!」
何とか力づくで、玉虫とカナブンを一匹づつ引きはがした俺は、そのままサッカーボールのように思い切り蹴り飛ばしてやった。
俺がサッカーボールのように、思い切り蹴り飛ばした玉虫とカナブンは、木にぶつかるとそのまま動かなくなった。
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