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第57話 ド・オデッセリアの攻防⑮ セント・インゴッド学院を救え⑦ スカルドゥルグ
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もしかして、いやまさか、そんなことが……けど、だとすると、すべての事柄に説明が付く。
ドゥルグが私たちを探そうと周囲を見回そうとしていると、なぜか私たちの乗っているスカルドラゴンの首が辺りを見回していたことも。
そしてドゥルグ自身が言っていた。声は聞こえども姿は見えずっていうその意味がね。とりあえず、まさかとは思うけど念のために確認してみる必要はあるわね。そう決断付けると早速ルミナは行動を開始した。
一人ルミナはスカルドラゴンの頭骨まで行くと、スカルンの目玉を覗き込んでみたのである。すると彼女の顔が目に入ったのかスカルンが話しかけてくる。
「やあルミナ女史。やっと見つけたよ。というか、なんでそんな僕の目の前にいるんだい?」
「って、やっぱあんたドゥルグ!?」
「ん? もちろんそうだとも。それともなにかね? 家名と実力と容姿を兼ね備えたこの紳士たる者が、この僕以外にいるとでも言うのかね?」
「家名はともかくとして、容姿と実力っていうのには語弊があるとおもうけど、まぁいいわ。それはおいとくとしても、確かにこの馬鹿っぽいしゃべり方はドゥルグにそっくりね」
「って、言うにことかいてバカっぽいとは何だね! このクアーズ家の子息たる僕を捕まえて!」
「この偉そうな言い方。やっぱりドゥルグに間違いないみたいね」
「だからさっきから、僕はそう言ってるじゃないか!」
「まぁいいわ」
「僕は良くないっ良くないぞ!」
「とにかくっこれからあんたに真実を告げるわ。心して聞きなさい」
「うむ。なんだかあまり納得がいかんが、せっかくだし、聞いてあげようじゃないかね」
「あんた。スカルドラゴンになってるわよ」
「そんなわけあるわけないじゃないかね」
言いながらもなんとなくドゥルグは自分の身体を見下ろした。
「…………なにいいいっ!」
「ちょっ静かにしなさい! うるさいから下から怒鳴らないで!」
「そうは言うがね君ぃぼ、ぼ、ぼ、この僕がぁスカルンになっているんだぞ!? これが叫ばずにいられるかぁああぁぁ!」
ルミナやカナタをその背に乗せているのも忘れてドゥルグは暴れだした。
「ってうおっあぶねっ落ちる落ちるって!」
「うああああ~なんでこの僕、ドゥルグ・ムド・クアーズともあろうものが~っホネホネロックのスカルンなんかに~!」
暴れながら泣き喚くドゥルグをよそに、ルミナとカナタの二人は何とかスカルドラゴンと化したドゥルグから振り落とされまいと必死になってしがみついていた。
「とにかくグルグル暴れるな! 落ちるっ落ちるから!」
「だああぁぁぁ! もう僕は駄目だぁぁこのままスカルンとして一生を過ごしていくんだぁあ! 僕の婚約者ジョセフィーヌウウゥッ結婚も出来ずにごめんよおおお!」
終いにはわけのわからないことを叫びだす始末。
そんなバカ騒ぎを止めたのは、いつの間にか今はスカルンと同化してスカルドゥルグとでも言うべき物となった物体の頭骨へと移動していたルミナだった。
「ああ~もうっこの馬鹿ドゥルグ! うるさいから少し黙ってなさい!」
ルミナは怒鳴り声を上げながら、スカルドラゴンと一体化した彼の頭骨の頭頂部にたいして思いっきり、魔力の込められたかかと落としを食らわしたのだった。
ピンポイントで強力な魔力の込められた一撃を頭頂部に受けたスカルドゥルグは、ビキビキッといった感じに骨にヒビが入って泣き叫ぶ。
「うだあああっ! 痛い! 痛いじゃないかね! ルミナ女史! 君はいきなりなにをするんだね!?」
「あんたがピーピーギャーギャーとち狂ってわめいてるからでしょうが!」
「仕方ないじゃないか! いきなり目が覚めたら僕はホネホネロックのスカルンになっていたんだぞ! これが混乱せずにいられるわけがないじゃないかね!」
「あ~もうっと・に・か・く! わけわかんないのは承知したけど、今は戦いに集中して!」
と怒鳴り散らすようなルミナの剣幕に尻込みしたドゥルグは、首を縦に振る以外の選択肢が見つけられずにカクカクカクと頷くのだった。
ドゥルグが私たちを探そうと周囲を見回そうとしていると、なぜか私たちの乗っているスカルドラゴンの首が辺りを見回していたことも。
そしてドゥルグ自身が言っていた。声は聞こえども姿は見えずっていうその意味がね。とりあえず、まさかとは思うけど念のために確認してみる必要はあるわね。そう決断付けると早速ルミナは行動を開始した。
一人ルミナはスカルドラゴンの頭骨まで行くと、スカルンの目玉を覗き込んでみたのである。すると彼女の顔が目に入ったのかスカルンが話しかけてくる。
「やあルミナ女史。やっと見つけたよ。というか、なんでそんな僕の目の前にいるんだい?」
「って、やっぱあんたドゥルグ!?」
「ん? もちろんそうだとも。それともなにかね? 家名と実力と容姿を兼ね備えたこの紳士たる者が、この僕以外にいるとでも言うのかね?」
「家名はともかくとして、容姿と実力っていうのには語弊があるとおもうけど、まぁいいわ。それはおいとくとしても、確かにこの馬鹿っぽいしゃべり方はドゥルグにそっくりね」
「って、言うにことかいてバカっぽいとは何だね! このクアーズ家の子息たる僕を捕まえて!」
「この偉そうな言い方。やっぱりドゥルグに間違いないみたいね」
「だからさっきから、僕はそう言ってるじゃないか!」
「まぁいいわ」
「僕は良くないっ良くないぞ!」
「とにかくっこれからあんたに真実を告げるわ。心して聞きなさい」
「うむ。なんだかあまり納得がいかんが、せっかくだし、聞いてあげようじゃないかね」
「あんた。スカルドラゴンになってるわよ」
「そんなわけあるわけないじゃないかね」
言いながらもなんとなくドゥルグは自分の身体を見下ろした。
「…………なにいいいっ!」
「ちょっ静かにしなさい! うるさいから下から怒鳴らないで!」
「そうは言うがね君ぃぼ、ぼ、ぼ、この僕がぁスカルンになっているんだぞ!? これが叫ばずにいられるかぁああぁぁ!」
ルミナやカナタをその背に乗せているのも忘れてドゥルグは暴れだした。
「ってうおっあぶねっ落ちる落ちるって!」
「うああああ~なんでこの僕、ドゥルグ・ムド・クアーズともあろうものが~っホネホネロックのスカルンなんかに~!」
暴れながら泣き喚くドゥルグをよそに、ルミナとカナタの二人は何とかスカルドラゴンと化したドゥルグから振り落とされまいと必死になってしがみついていた。
「とにかくグルグル暴れるな! 落ちるっ落ちるから!」
「だああぁぁぁ! もう僕は駄目だぁぁこのままスカルンとして一生を過ごしていくんだぁあ! 僕の婚約者ジョセフィーヌウウゥッ結婚も出来ずにごめんよおおお!」
終いにはわけのわからないことを叫びだす始末。
そんなバカ騒ぎを止めたのは、いつの間にか今はスカルンと同化してスカルドゥルグとでも言うべき物となった物体の頭骨へと移動していたルミナだった。
「ああ~もうっこの馬鹿ドゥルグ! うるさいから少し黙ってなさい!」
ルミナは怒鳴り声を上げながら、スカルドラゴンと一体化した彼の頭骨の頭頂部にたいして思いっきり、魔力の込められたかかと落としを食らわしたのだった。
ピンポイントで強力な魔力の込められた一撃を頭頂部に受けたスカルドゥルグは、ビキビキッといった感じに骨にヒビが入って泣き叫ぶ。
「うだあああっ! 痛い! 痛いじゃないかね! ルミナ女史! 君はいきなりなにをするんだね!?」
「あんたがピーピーギャーギャーとち狂ってわめいてるからでしょうが!」
「仕方ないじゃないか! いきなり目が覚めたら僕はホネホネロックのスカルンになっていたんだぞ! これが混乱せずにいられるわけがないじゃないかね!」
「あ~もうっと・に・か・く! わけわかんないのは承知したけど、今は戦いに集中して!」
と怒鳴り散らすようなルミナの剣幕に尻込みしたドゥルグは、首を縦に振る以外の選択肢が見つけられずにカクカクカクと頷くのだった。
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