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これが俺の生きる道
10 思ったより弱かった
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「沢山歩いたな。足は大丈夫か」
「…大丈夫」
「疲れたら背負うから」
「…大丈夫」
聞かれて気付いた。怠い。楽しくて気が付かなかった。重怠いけど歩ける。転けてからフィルが手繋ぎして先導してくれる。子供扱いもあるけど、心配してくれてるのは知ってる。うん。胡散臭いけど、優しいのはわかってる。
すれ違う人、人。石畳を走る馬車。たまに車。街の喧騒を屋敷に向けて歩いていく。石の道は硬かった。慣れない靴は土や草より足底に辛いものがある。足の怠さも手伝い、少しふらついた。
どんっ
「っあ」
「…なんだ前見て歩けよ、」
「レオ」
「…ごめんなさい」
「うちの子が失礼を。申し訳ない」
すれ違う男にぶつかった。確かに疲れて俯き加減だった。素直に頭を下げて謝る。男は立ち止まったまま俺を見てる様だった。フィルが手を引き足を進める。俺は呼ばれた気がして足が止まった。
「…お前、ラズ、か?」
「…あ」
「レオ?行こう」
呼ばれたのは今世の本名。知ってるのは田舎から出稼ぎに来た仲間。
「ラズ。お前小姓か?いい成りじゃねーか」
「…え、そんな感じ」
「ははっ、その顔じゃな。まぁ仕事見つかって良かったな。見ないから皆心配してたぞ」
「…そう。皆によろしく」
「おう。俺は港の荷運びだ。ルカもイーリーも居るぜ。近く来たら寄れよ」
「…うん。じゃあ」
「またな」
男は笑顔で去る。レオは反対に沈んだ顔になって項垂れた。フィルが心配して視線の高さに腰を落とした。
「…レオ」
「…田舎の人。先に皆職に就けた。飢えたって知らない」
「名前、ラズなんだな」
「…レオでいい」
楽しかった気分台無しだ。街に出れば誰かに遭うなんて分かるだろ。何も考えてなかったな俺。
組合
ギルド
で歳を信じて貰えず斡旋も無い。飢えと食べ物に有り付く苦労、朦朧と石畳に転がっていた事を思い出し、テンションだだ下がりだった。
「そうか。バルが待ってるな。帰ろうか」
「…うん」
思ったより足が進まなかった。気分的なものか。仕事に就けなくて悔しくて皆に頼らなかった。中身が転生しまくって知識はあっても、見た目は薄汚れた子供だった。うまく行かない事に腹が立ち、変な意地張ってた。だから飢えた。俺、今もそうかな。いろんな事に意地張ってるのかな。
「レオ?疲れたか?」
「…そうかも」
「背負うから」
「…いい」
「まだ屋敷前の坂道が残ってるぞ」
「…あ」
俺は結局甘えた。背の高いフィルにおぶられ足がブラブラすると、擦過傷になった膝が布と擦れて少し痛い。子供以来だな。背負われるって楽だな。二時間位歩いたか。思ったより疲れた。はは。広い背中だ。背も百九十より上あるなこれ。俺は、俺は、小さいな…。レオはフィルの背中に頼りきりウトウトし始めた。
「お帰りなさいませ。レオはどうしました」
背負われたレオを見てバルモンクは問う。
「歩き疲れかな。背負ったら寝たんだ」
「部屋で休ませましょう」
バルモンクが部屋のドアを開ける。ベッドに降ろしても起きないレオは熟睡してる。衣服を緩め掛布を掛ける。穏やかな寝顔だ。成人してると聞いても見た目が十歳前後だ。容姿に自覚がないのも困ったもんだ。
「ラズだって」
「は。何ですか」
「本名だよ。街で村の男に遭遇した」
「そうですか。レオはレオですよ。鼻先と手を擦りむいてる様ですな。手当しますか」
「はは。それ位ほっといていいだろう」
「何を。玉肌に傷ですよ」
「そういわれるとなぁ」
フィルはくすっと笑い手を患部に翳した。首に掛けていたレモンシトリンの石を握り、短い単語を呟くと柔らかな光が手を纏う。治癒師だけ使える技術だ。軽度の創傷、挫滅創など骨に以上が無いなら組織再生できる魔術が使えるのだった。
「元どおりですな」
「はは。やっぱり可愛いな。癒される」
「まったくです」
「…大丈夫」
「疲れたら背負うから」
「…大丈夫」
聞かれて気付いた。怠い。楽しくて気が付かなかった。重怠いけど歩ける。転けてからフィルが手繋ぎして先導してくれる。子供扱いもあるけど、心配してくれてるのは知ってる。うん。胡散臭いけど、優しいのはわかってる。
すれ違う人、人。石畳を走る馬車。たまに車。街の喧騒を屋敷に向けて歩いていく。石の道は硬かった。慣れない靴は土や草より足底に辛いものがある。足の怠さも手伝い、少しふらついた。
どんっ
「っあ」
「…なんだ前見て歩けよ、」
「レオ」
「…ごめんなさい」
「うちの子が失礼を。申し訳ない」
すれ違う男にぶつかった。確かに疲れて俯き加減だった。素直に頭を下げて謝る。男は立ち止まったまま俺を見てる様だった。フィルが手を引き足を進める。俺は呼ばれた気がして足が止まった。
「…お前、ラズ、か?」
「…あ」
「レオ?行こう」
呼ばれたのは今世の本名。知ってるのは田舎から出稼ぎに来た仲間。
「ラズ。お前小姓か?いい成りじゃねーか」
「…え、そんな感じ」
「ははっ、その顔じゃな。まぁ仕事見つかって良かったな。見ないから皆心配してたぞ」
「…そう。皆によろしく」
「おう。俺は港の荷運びだ。ルカもイーリーも居るぜ。近く来たら寄れよ」
「…うん。じゃあ」
「またな」
男は笑顔で去る。レオは反対に沈んだ顔になって項垂れた。フィルが心配して視線の高さに腰を落とした。
「…レオ」
「…田舎の人。先に皆職に就けた。飢えたって知らない」
「名前、ラズなんだな」
「…レオでいい」
楽しかった気分台無しだ。街に出れば誰かに遭うなんて分かるだろ。何も考えてなかったな俺。
組合
ギルド
で歳を信じて貰えず斡旋も無い。飢えと食べ物に有り付く苦労、朦朧と石畳に転がっていた事を思い出し、テンションだだ下がりだった。
「そうか。バルが待ってるな。帰ろうか」
「…うん」
思ったより足が進まなかった。気分的なものか。仕事に就けなくて悔しくて皆に頼らなかった。中身が転生しまくって知識はあっても、見た目は薄汚れた子供だった。うまく行かない事に腹が立ち、変な意地張ってた。だから飢えた。俺、今もそうかな。いろんな事に意地張ってるのかな。
「レオ?疲れたか?」
「…そうかも」
「背負うから」
「…いい」
「まだ屋敷前の坂道が残ってるぞ」
「…あ」
俺は結局甘えた。背の高いフィルにおぶられ足がブラブラすると、擦過傷になった膝が布と擦れて少し痛い。子供以来だな。背負われるって楽だな。二時間位歩いたか。思ったより疲れた。はは。広い背中だ。背も百九十より上あるなこれ。俺は、俺は、小さいな…。レオはフィルの背中に頼りきりウトウトし始めた。
「お帰りなさいませ。レオはどうしました」
背負われたレオを見てバルモンクは問う。
「歩き疲れかな。背負ったら寝たんだ」
「部屋で休ませましょう」
バルモンクが部屋のドアを開ける。ベッドに降ろしても起きないレオは熟睡してる。衣服を緩め掛布を掛ける。穏やかな寝顔だ。成人してると聞いても見た目が十歳前後だ。容姿に自覚がないのも困ったもんだ。
「ラズだって」
「は。何ですか」
「本名だよ。街で村の男に遭遇した」
「そうですか。レオはレオですよ。鼻先と手を擦りむいてる様ですな。手当しますか」
「はは。それ位ほっといていいだろう」
「何を。玉肌に傷ですよ」
「そういわれるとなぁ」
フィルはくすっと笑い手を患部に翳した。首に掛けていたレモンシトリンの石を握り、短い単語を呟くと柔らかな光が手を纏う。治癒師だけ使える技術だ。軽度の創傷、挫滅創など骨に以上が無いなら組織再生できる魔術が使えるのだった。
「元どおりですな」
「はは。やっぱり可愛いな。癒される」
「まったくです」
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