俺はいつも拾われている

つちやながる

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これが俺の生きる道

12 常識範囲はどこまでだ

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 午前中はバルモンクとフィルの仕事の書類整理を手伝う。地名に名前や個人支出、動向とか書いてる。ここは興信所か。何の書類だろ。日付や要返信の有無など、仕分けは慣れたら簡単だ。

 休憩にフィルが菓子を食べろという。初めて見る食べ物が沢山ある。これもそうだ。マシュマロかと思う弾力のある白い物。食べるとサクサクとした歯応え。しかも果汁が出る。美味しい物は顔が緩むな。

 ちらりとフィルを見る。クソ。これは餌だったか。食べてる俺を見て、やっぱりにこにこしてる。

「…俺、執事見習い。自由過ぎる」
「うちのやり方だ。レオは気にするな」
「使用人契約書は」
「…良く知ってるな」
「俺書いてないぞ」
「…試用期間だからな」
「曖昧だな。勉学とか。見習はいつまでだ」
「…えーと、そうだな、」

 なんだその間。まさか適当に言ったのか。やっぱ騙されるのか。あ。そうか。

「帝国帰る前までって事か」
「なんだ帝国人て知ってたのか」
「ルースが教えるの帝国語。聞いて知った。帰国する前に解雇?」
「…さあな。一緒に帝国来るか?」
「え。いつの話?」
「まだここで仕事するのは数年以上ある。その頃にはレオも成長して青年執事か」
「…じゃ、それまで頑張る」

 成長し青年執事。いい事言うじゃないか。数年あるならいい。嫁じゃない保証、衣食住、職もある。将来転職も可能だ。紹介状もらって他の貴族に仕えてもいい。あ、これで生き方の展望が開けたじゃないか。顔がほころぶ。視線を感じた。フィルを忘れてた。

「…何」
「いや。可愛いなレオ」
「あ、そ。今だけだ。よく見とけ」
「ははっ。そうか。そうだな」

 これだ。良くニコニコして見つめたりする。俺が見た目可愛いのはわかってる。

 じじいの子煩悩だと解釈したけど。まさか今回もショタじゃないよな。ほんと今のうちに堪能しとけよ。西洋系は成人後ごついだろ。俺だってまだ望みはある。無精髭が似合う細マッチョがいいな。あ。フィルがちょっとそんな感じか。

「レオ。俺の職は帝国官僚だ。資産は家系の物だけどな」
「…何だよ急に」
「この大陸は平和主義だ。一国だけ権力武力主義の阿呆がいてな。ここから情報操作をするんだ。わかるか」
「え、うん」
「わかるか。賢いな」

 ははって笑うフィル。国家情報機関的なやつだろ。じゃあ人や動向書いてた書類って機密じゃないのか?俺触っていいのか…。

 て、急に語り出したのは何かの前兆なのか。

「ルースは?」
「あれは医術師。バルは執事。レオは養子にしたい」
「…だから家族無理。執事見習いで」
「はははっ頑固だな。他気になる事あるか」

 真向かいのソファーに座り寛ぐフィル。こう見ると普通に男前だな。少し面長だけどバランスがいい顔。睫毛も髪も茶色で柔軟な雰囲気。肩に乗る束ねた髪と白シャツ、タイトなボトムにロングブーツ。きちっとしたナリに逆三角形の均整のある身体。クッソ羨ましい体格。俺もこうなりたい。

「無いか?」
「…えーと」

 休憩時間は質疑応答か。気になる事ね。知らなくても支障無いんだけど。えーと。基本的な事とか。

「…フィルの歳?」
「歳か。さあ、もう数えてないな。何歳だ」
「 アンフィル様は千歳と百五十二ですよ」

 バルモンクが茶を入れ直しに来て、次いでとばかりに答えた。

「そんなもんか。まだ先は長そうだな」
「そうですね」

 聴き間違いじゃ無いよな。桁がおかしかったぞ。

「……千歳?」
「らしいな」
「、も、もう一回?」
「千と百五十二らしいな」

 ポカーンと開口して固まるレオ。

「ルースのやつ歴史で教えて無いのか」

 大陸の国の人種は一般常識だったらしい。フィルとバルモンクは苦笑いした。
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