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これが俺の生きる道
15 変態はこういうやつ
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毎日が充実して来た。居場所があるっていいよな。ちょっと昼から暇だけど。
数日前は執事としての契約書を渡された。見た目子供だし、見習いすっ飛ばして何言ってんだと返却した。本当あいつら頭わいてるな。
フィルは手を繋ぐ以外は何も無い。俺、ホッとしてる。心配とか、子供みてるとか、そんな目だと思う。
ルースの勉強も一段落した。覚えが早すぎると嘆いてた。
俺は大人しく普通にしてるぞ。今日もほら暇だ。だってバル爺が他の仕事をくれない。これで給金でるんだぞ。いいのかこれ。なんかあれなので勝手にポーチ周りから掃除してたりする。
馬の蹄鉄と車輪の軋む音がする。近づいている。
「…馬車」
小型の二人乗り白いクーペが門扉から入って来た。俺の前を通り過ぎ、玄関前で停まる。馬車からは短髪の男が降り、続いてエスコートされて女が降りた。腰まで有るアンバーの薄めの茶髪が目立つ。おっとりした雰囲気の美人だ。ちょっと年上だけど好みだな。ズボン履いてるって活発か。俺を見た。
「…小姓かしら、アンフィルはいる?」
「居ます。バルモンクを呼びます」
「居るなら勝手にするわ。行ってくるわね」
男を置いて玄関の中に消えて行った。なにあれ。男の顔をぽかんと見てしまった。少し明るい茶髪で柔らかい雰囲気。フィルを細くしたらこんな感じかな。男も俺をじっと観察するみたいに見た。
「君見ない子だね。小姓なんて珍しいな。いつから雇わてる?」
「…半年前くらい」
言いながら段々近づいて来る。この人フィルより少し背が高い。俺は勿論見上げるしかない。クソ。嫌がらせか。首が痛いな。そう思っていたら顔に出たらしい。俺とした事が。
「ああ、ごめん。身長差が辛いかな。うわ。君近くで見ると凄いね。睫毛長いね~」
「…は?」
「うん。この髪もいいね。可愛いね~」
中腰で顔を覗き込まれたと思ったら、頬にキスされた。
「…俺は可愛いけど男です。失礼します」
なんだコイツ。袖でキスされた所をごしごし拭いた。容姿を褒めた時点で離れるべきだった。撤収しようと反転する。つかさず腕を掴まれた。
「俺、君が気に入ったよ。年寄りより俺の小姓しない?待遇上乗せするよ」
「結構です。えーと。どちら様でしょうか」
「ランスだよ。聞いてない?」
「…?」
「ラ、ン、ス」
「……」
男は顔を指差し名前を言う。ランスって誰だ。こいつ…多分アホだ。言い方変えても知らんもんは知らんわ。報告書に載ってた名前でもないしな。思わず小首を傾げてしまった。
「ちょ、これ可愛すぎる。ちょっと君遊びに行こうよ。リー、馬車を街に」
「…奥様が中に居ます」
「いいからいいから。行って帰って小一時間だよ」
俺の腕を掴んで馬車ドアに向かう。
「はなせ」
「…ランス様それは不味いです」
「ほら乗って。行こう行こう」
「…ランス様駄目ですよ」
「はなせよ、変態」
体格差が酷すぎる。力の差も歴然だった。踏ん張る足もズルズルと引き摺られる。
「ほらほら遠慮しないで」
「やめろって」
馭者も断るが、ランスという阿呆は俺をぐいぐい引っぱり馬車に乗せようとする。腕を引き、腰に手がまわる。俺、これは流石に拉致られそうだ。ああ、しつこい。もう腕でも噛もうかな。
「ランス!何をしている!」
「ランス様?」
「あらあら、困った子ねえ」
数日前は執事としての契約書を渡された。見た目子供だし、見習いすっ飛ばして何言ってんだと返却した。本当あいつら頭わいてるな。
フィルは手を繋ぐ以外は何も無い。俺、ホッとしてる。心配とか、子供みてるとか、そんな目だと思う。
ルースの勉強も一段落した。覚えが早すぎると嘆いてた。
俺は大人しく普通にしてるぞ。今日もほら暇だ。だってバル爺が他の仕事をくれない。これで給金でるんだぞ。いいのかこれ。なんかあれなので勝手にポーチ周りから掃除してたりする。
馬の蹄鉄と車輪の軋む音がする。近づいている。
「…馬車」
小型の二人乗り白いクーペが門扉から入って来た。俺の前を通り過ぎ、玄関前で停まる。馬車からは短髪の男が降り、続いてエスコートされて女が降りた。腰まで有るアンバーの薄めの茶髪が目立つ。おっとりした雰囲気の美人だ。ちょっと年上だけど好みだな。ズボン履いてるって活発か。俺を見た。
「…小姓かしら、アンフィルはいる?」
「居ます。バルモンクを呼びます」
「居るなら勝手にするわ。行ってくるわね」
男を置いて玄関の中に消えて行った。なにあれ。男の顔をぽかんと見てしまった。少し明るい茶髪で柔らかい雰囲気。フィルを細くしたらこんな感じかな。男も俺をじっと観察するみたいに見た。
「君見ない子だね。小姓なんて珍しいな。いつから雇わてる?」
「…半年前くらい」
言いながら段々近づいて来る。この人フィルより少し背が高い。俺は勿論見上げるしかない。クソ。嫌がらせか。首が痛いな。そう思っていたら顔に出たらしい。俺とした事が。
「ああ、ごめん。身長差が辛いかな。うわ。君近くで見ると凄いね。睫毛長いね~」
「…は?」
「うん。この髪もいいね。可愛いね~」
中腰で顔を覗き込まれたと思ったら、頬にキスされた。
「…俺は可愛いけど男です。失礼します」
なんだコイツ。袖でキスされた所をごしごし拭いた。容姿を褒めた時点で離れるべきだった。撤収しようと反転する。つかさず腕を掴まれた。
「俺、君が気に入ったよ。年寄りより俺の小姓しない?待遇上乗せするよ」
「結構です。えーと。どちら様でしょうか」
「ランスだよ。聞いてない?」
「…?」
「ラ、ン、ス」
「……」
男は顔を指差し名前を言う。ランスって誰だ。こいつ…多分アホだ。言い方変えても知らんもんは知らんわ。報告書に載ってた名前でもないしな。思わず小首を傾げてしまった。
「ちょ、これ可愛すぎる。ちょっと君遊びに行こうよ。リー、馬車を街に」
「…奥様が中に居ます」
「いいからいいから。行って帰って小一時間だよ」
俺の腕を掴んで馬車ドアに向かう。
「はなせ」
「…ランス様それは不味いです」
「ほら乗って。行こう行こう」
「…ランス様駄目ですよ」
「はなせよ、変態」
体格差が酷すぎる。力の差も歴然だった。踏ん張る足もズルズルと引き摺られる。
「ほらほら遠慮しないで」
「やめろって」
馭者も断るが、ランスという阿呆は俺をぐいぐい引っぱり馬車に乗せようとする。腕を引き、腰に手がまわる。俺、これは流石に拉致られそうだ。ああ、しつこい。もう腕でも噛もうかな。
「ランス!何をしている!」
「ランス様?」
「あらあら、困った子ねえ」
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