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約束と共に歩む道
12 緑地祭に行って帰る
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出来る範囲で見上げると、フィルにちゃんと聞こえてた様でしっかり俺の視線を捉えた。
何でそんな冷静な目なんだろ。もう一押し?
「ね?」
首を傾げてみた。
あれ?変わらないな。どうしよう。目をそらしてまた少し考えてみる。変なスイッチ入っても困るし、ストレートに祭り行こうで良いのかな。ほんと何回生きても甘えるのって加減難しくて苦手だ。
「レオ、お前な」
「ん?」
視線を戻す瞬間気が付けば、屈んだフィルに唇を奪われていた。
「何?」
「間違ってる。ダメだ。それじゃ可愛くて外に出したくない。押し倒すぞ」
「ま、まさかの逆効果」
「はははっ、早く外行きたいのに悪かった。おねだりも良いもんだな」
何だバレてたのか。何やってもダメって事?
フィルは機嫌よくデコちゅうしながら俺に仮面をつけてくれる。薄い緑でこれも小さな造花がつき、目と鼻を覆う。装着感もそうだけど違和感凄い。
フィルのは片目と鼻、頭部を少し覆う飾り羽と枝葉の模様が見事な物だった。
「目はわかるけど知らない人に見えるね」
「そうだな。醇麗な精霊様、さあ御手を」
手を繋ぐだけで文句言ってた頃を思い出す。
今は触れてる事で側にいるって実感できて嬉しくて自分からぎゅっと握った。
屋敷の門を出ると行き交う人々は本当にもう緑、緑の人だった。屋敷はこの街の中心部にある。すぐ近くが会場広場なのだ。
オリーブ色でドレスアップした人、一枚布を被り装飾を施し獣の耳を付け目出し帽にしてる人、礼服で口元だけは出てる狼の様なマスクを被る人、もう観てて楽しい。
「レオ、前見て歩け」
「無理」
「ははっ、転けるなよ」
街路樹は造花も追加して青々しくなり、広場は屋台も並ぶ。屈強な男達は仮面だけ付けて酒瓶を持ち歩き飲み歩く。恋人同士なのか仲睦まじい者達は手を繋ぎ生演奏に合わせ踊ったり眺めたり。思い思いに休日を楽しんでいる。
「思ったより多い」
「そうなんだ」
見慣れた人混みも確かに余所見をしていたら直ぐ人にぶつかるが、フィルが手を引いて注意してくれる。軽快な音楽と人の喧噪と賑々しく盛況な雰囲気に気分も高揚する。広場の中心では皆が音に合わせ踊っていた。
「踊れるか、レオ」
「え、多分。……村の踊り?」
「それでいい」
村と今迄の経験と混ざってるけど、軽快な弦楽器中心の音楽と雰囲気に足が軽くステップを踏む。フィルは手を放し、レオはドレスになった布羽を持ち上げくるくると舞う。髪も重なった布羽も飾り花も舞い散るように咲き誇る。
フィルは久し振りにみた無邪気でいて蠱惑的なレオに心奪われた。その姿は緑に歓喜する精霊に見えた。
自然と皆の注目を集め囲むように輪ができ、華麗さに賛嘆の声があがりはじめた。
楽しい。楽しい。フィルも踊ろう!
レオの差し伸べた手を取るがその踊りは独創すぎた。フィルは動きをぐいと引き留めた。
「んー?」
「それ、俺には無理だぞ。どこの踊りだ」
「色々適当?」
「ははっ、それでこれか。目立つから移動するぞ、何か食べよう」
竜国の故郷のとか日本人だった頃某ロックPVで見たダンスミックス?フィル踊らないんだ。何だよ俺だけ踊らされたのか。でも、まいっか。
「フィル、俺楽しい」
「そうか。都は人で動けなくなるから、これくらいが丁度いいかもな」
目が合うとお互いを見て微笑み合う。知ってるよこれバカップルだよ。うふふ、あははってやつ。フィルは俺は俺でいいって。執事だと肩張らなくていいって。広い心で俺を受け入れてるからなと男前な事サラッと言っちゃってんだ。こんなの甘えたくもなるよ。
目に入るは緑。明度は違えど心凪ぐ色だ。青天と相まって変な感じ。
俺の心はもうフィルに染まってるけどね。
自分で思って少し寒くなった。うわー。本当にもう駄目だ。今、恋人って位置?……って待って俺。これ振られたり別れたらどうなるんだ。執事は続ける?フィルの横で?キツイな。転職だよね。
じゃあずっと続くなら?嫁は無いって言質だし、そんな気も無さそうだし。フィルって何歳まで生きる?俺は確実に歳取ってるから、老けてきたらバルみたいに側仕えでも置いてくれるのかな?
今考える事じゃないな。不毛だ。
「また何考えてるんだ」
フィルが掌で俺の頭を優しく小突いた。
「え」
「レオ?」
目の前が真っ白になった。目を開けても閉じても真っ白。次に耳鳴りの様な高い音が響き始める。頭の血がさがるってこんな感じなのかと浮遊感と脱力感に襲われた。立ってるのが辛くなってその場に座り込む。これって立ちくらみの酷いヤツ?寝不足から低血圧?
「大丈夫か?!」
「……多分、めまい?」
目を少し開けてぼやける視界を見てまた閉眼する。最近食欲無くてふらついてたしなあ。
「レオ、帰るぞ」
「少し休んだら直ると思う」
「駄目だ」
フィルはレオを軽々と抱き上げて屋敷に向かい始めた。
「屋台」
「今日は駄目だ。祭りは三日ある。目も開けれないくせにワガママだな」
「ええ……」
何でそんな冷静な目なんだろ。もう一押し?
「ね?」
首を傾げてみた。
あれ?変わらないな。どうしよう。目をそらしてまた少し考えてみる。変なスイッチ入っても困るし、ストレートに祭り行こうで良いのかな。ほんと何回生きても甘えるのって加減難しくて苦手だ。
「レオ、お前な」
「ん?」
視線を戻す瞬間気が付けば、屈んだフィルに唇を奪われていた。
「何?」
「間違ってる。ダメだ。それじゃ可愛くて外に出したくない。押し倒すぞ」
「ま、まさかの逆効果」
「はははっ、早く外行きたいのに悪かった。おねだりも良いもんだな」
何だバレてたのか。何やってもダメって事?
フィルは機嫌よくデコちゅうしながら俺に仮面をつけてくれる。薄い緑でこれも小さな造花がつき、目と鼻を覆う。装着感もそうだけど違和感凄い。
フィルのは片目と鼻、頭部を少し覆う飾り羽と枝葉の模様が見事な物だった。
「目はわかるけど知らない人に見えるね」
「そうだな。醇麗な精霊様、さあ御手を」
手を繋ぐだけで文句言ってた頃を思い出す。
今は触れてる事で側にいるって実感できて嬉しくて自分からぎゅっと握った。
屋敷の門を出ると行き交う人々は本当にもう緑、緑の人だった。屋敷はこの街の中心部にある。すぐ近くが会場広場なのだ。
オリーブ色でドレスアップした人、一枚布を被り装飾を施し獣の耳を付け目出し帽にしてる人、礼服で口元だけは出てる狼の様なマスクを被る人、もう観てて楽しい。
「レオ、前見て歩け」
「無理」
「ははっ、転けるなよ」
街路樹は造花も追加して青々しくなり、広場は屋台も並ぶ。屈強な男達は仮面だけ付けて酒瓶を持ち歩き飲み歩く。恋人同士なのか仲睦まじい者達は手を繋ぎ生演奏に合わせ踊ったり眺めたり。思い思いに休日を楽しんでいる。
「思ったより多い」
「そうなんだ」
見慣れた人混みも確かに余所見をしていたら直ぐ人にぶつかるが、フィルが手を引いて注意してくれる。軽快な音楽と人の喧噪と賑々しく盛況な雰囲気に気分も高揚する。広場の中心では皆が音に合わせ踊っていた。
「踊れるか、レオ」
「え、多分。……村の踊り?」
「それでいい」
村と今迄の経験と混ざってるけど、軽快な弦楽器中心の音楽と雰囲気に足が軽くステップを踏む。フィルは手を放し、レオはドレスになった布羽を持ち上げくるくると舞う。髪も重なった布羽も飾り花も舞い散るように咲き誇る。
フィルは久し振りにみた無邪気でいて蠱惑的なレオに心奪われた。その姿は緑に歓喜する精霊に見えた。
自然と皆の注目を集め囲むように輪ができ、華麗さに賛嘆の声があがりはじめた。
楽しい。楽しい。フィルも踊ろう!
レオの差し伸べた手を取るがその踊りは独創すぎた。フィルは動きをぐいと引き留めた。
「んー?」
「それ、俺には無理だぞ。どこの踊りだ」
「色々適当?」
「ははっ、それでこれか。目立つから移動するぞ、何か食べよう」
竜国の故郷のとか日本人だった頃某ロックPVで見たダンスミックス?フィル踊らないんだ。何だよ俺だけ踊らされたのか。でも、まいっか。
「フィル、俺楽しい」
「そうか。都は人で動けなくなるから、これくらいが丁度いいかもな」
目が合うとお互いを見て微笑み合う。知ってるよこれバカップルだよ。うふふ、あははってやつ。フィルは俺は俺でいいって。執事だと肩張らなくていいって。広い心で俺を受け入れてるからなと男前な事サラッと言っちゃってんだ。こんなの甘えたくもなるよ。
目に入るは緑。明度は違えど心凪ぐ色だ。青天と相まって変な感じ。
俺の心はもうフィルに染まってるけどね。
自分で思って少し寒くなった。うわー。本当にもう駄目だ。今、恋人って位置?……って待って俺。これ振られたり別れたらどうなるんだ。執事は続ける?フィルの横で?キツイな。転職だよね。
じゃあずっと続くなら?嫁は無いって言質だし、そんな気も無さそうだし。フィルって何歳まで生きる?俺は確実に歳取ってるから、老けてきたらバルみたいに側仕えでも置いてくれるのかな?
今考える事じゃないな。不毛だ。
「また何考えてるんだ」
フィルが掌で俺の頭を優しく小突いた。
「え」
「レオ?」
目の前が真っ白になった。目を開けても閉じても真っ白。次に耳鳴りの様な高い音が響き始める。頭の血がさがるってこんな感じなのかと浮遊感と脱力感に襲われた。立ってるのが辛くなってその場に座り込む。これって立ちくらみの酷いヤツ?寝不足から低血圧?
「大丈夫か?!」
「……多分、めまい?」
目を少し開けてぼやける視界を見てまた閉眼する。最近食欲無くてふらついてたしなあ。
「レオ、帰るぞ」
「少し休んだら直ると思う」
「駄目だ」
フィルはレオを軽々と抱き上げて屋敷に向かい始めた。
「屋台」
「今日は駄目だ。祭りは三日ある。目も開けれないくせにワガママだな」
「ええ……」
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