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約束と共に歩む道
13 レオの生き方
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「レオ、あーんは?」
なんか前にもあったぞコレ。
ベッドにクッション盛り盛り起座位でフィルがスプーンを持ってる。また介護されてる。
「……目眩直った」
「最近食が細い。ふらつく。仕事し過ぎだ。いい機会だから執事中心の生き方を見直せ。それに自分を甘やかしていいんだぞ。休め」
「俺は執事だよ」
「レオ」
横抱きで帰宅して、フィルに衣装をぺっと脱がされた。皆が心配してベッドに直行。御飯食べてないからサモンがリゾット作ってくれて今ここ。ベッドに腰掛けたスプーンを握るフィルに心配顔させてる。
自分を甘やかせだって。散々言われたから意味はわかる。確かに従僕も増えたし余裕があるから出来ないことはない。だから手始めに祭りで肩の力抜いて羽伸ばしたかった。
「……自分で食べる」
「そうか」
フィルの持つスプーンを奪い、サイドテーブルに乗るディッシュを持って一口食べる。
「美味しい……から、サモンもバルもミナも心配しなくて大丈夫だよ」
ドアの隙間から視線を感じるから少し大きめの声で言ってみると、バタンと音を立てドアが閉まった。
「フィルも、えーと心配してくれて有難う。祭りなのに直ぐ帰ることになってごめん」
「俺はいい。今日はベッドで過ごせ」
「もう動ける」
「駄目だ。ルース呼ぶから寝てろ」
「えー……」
バルモンクがフルーツを運んで来たのを少し摘んでウトウトし始めたレオ。背凭れにしたクッションを崩し横になるように言うと、直ぐに眠ってしまった。
髪につけたままの花飾りを除けてやり、穏やかに眠るレオの額にキスを落とす。
「心配して、有難う、か」
デザート皿を取りに来たバルモンクとドアの前で鉢合わせた。
「レオは、どうですかな」
「眠った」
「朝からそわそわしてましたからな。祭が楽しみで寝れてなかったようですぞ」
「子供か」
「レオは子供でしょうに」
「あれが怒るぞ」
くっと笑っては見たものの、執事を始めてから仕事関連以外で連れ出して無かった事を振り返る。
長生きは飽く。毎年の祭、催事は何回も繰り返すとうんざりすると言うものだ。最低限出席すればいい。特に出かける気にもならなかった。
レオは何もかも一人でやりこなそうとする。執事は使用人だからと主に全てを合わせる。農家育ちは幼少から畑仕事の手伝いをして育つが、レオもそうだろう。ずっと働き詰めだという事か。
祭程度でそわそわするとは田舎の子らしく可愛い事だが、あれは楽しみや遊びを余り知らないのだろうか。
仕事ではあちこち行ったが、他に行きたい、何か見たいと言う希望も無かった。それらしい不満の一片も表出し無かった。
一日中執事として過ごし、今でも買い物に出掛ける程度だ。
くるくると舞うレオを思い出し頬が緩む。
この数年、侮蔑されながら弱音を吐かず頑張っていた。それを知りながら泣きつくか甘えてくるかと様子を見たが、思惑通りには行かず乗り越えた。
ここに来て認められて気が抜けたのか。
「いつか倒れると、バルの言う通りだな」
「帝国帰郷時、ランス達が調子に乗り過ぎてレオを追い詰めましたし、あれで溜めたものが出たんでしょう。やりすぎました」
バルモンクも髭を摩りながら溜息をつく。
「サボり方を教えないからだ」
「あんなに真面目だと思いませんでしょう。可愛い部下に見本にならずどうしろと」
「確かにレオまで急に休みたいからと女の所へ行くのも困る。お前は仕事の出来る不真面目だからな。ルースは夜には到着か」
目を細めるだけで笑むバルモンク。
「その予定です。飛ぶ勢いで来るはずです。レオは暫く休ませますか」
「自由過ぎて蔑ろにするなとまた泣くか」
「レオはもう違います。楽を覚えて甘い汁でも吸えば少しは不真面目になりましょうぞ」
ほっほっほと笑いながら皿を取り雑用に戻るバルモンクの背を見送る。
「……バルが二人になるのは避けたい」
親と生まれは選べないが生き方は変えれる。執事になって真面目に勤しむレオ。
あれは本当に賢いが、何も考えてない時もある。歳より下に見えるが目の奥は時折底が見えない不思議な子だ。
それに人の子で短命だ。人の倍生きる帝国の魔人族ではない。興味が尽きず退屈しない愛おしいレオ。仕事に自信を持ち、気が抜けた今ならまだ間に合う。
周りが甘やかしても無闇に靡かないなら自分を甘やかす事をして貰わないと、次は本当に倒れるか何かが起こる。
レオのプライドを損ねず程々で甘やかす。
……あれは頑固だ。
難関だぞ。
なんか前にもあったぞコレ。
ベッドにクッション盛り盛り起座位でフィルがスプーンを持ってる。また介護されてる。
「……目眩直った」
「最近食が細い。ふらつく。仕事し過ぎだ。いい機会だから執事中心の生き方を見直せ。それに自分を甘やかしていいんだぞ。休め」
「俺は執事だよ」
「レオ」
横抱きで帰宅して、フィルに衣装をぺっと脱がされた。皆が心配してベッドに直行。御飯食べてないからサモンがリゾット作ってくれて今ここ。ベッドに腰掛けたスプーンを握るフィルに心配顔させてる。
自分を甘やかせだって。散々言われたから意味はわかる。確かに従僕も増えたし余裕があるから出来ないことはない。だから手始めに祭りで肩の力抜いて羽伸ばしたかった。
「……自分で食べる」
「そうか」
フィルの持つスプーンを奪い、サイドテーブルに乗るディッシュを持って一口食べる。
「美味しい……から、サモンもバルもミナも心配しなくて大丈夫だよ」
ドアの隙間から視線を感じるから少し大きめの声で言ってみると、バタンと音を立てドアが閉まった。
「フィルも、えーと心配してくれて有難う。祭りなのに直ぐ帰ることになってごめん」
「俺はいい。今日はベッドで過ごせ」
「もう動ける」
「駄目だ。ルース呼ぶから寝てろ」
「えー……」
バルモンクがフルーツを運んで来たのを少し摘んでウトウトし始めたレオ。背凭れにしたクッションを崩し横になるように言うと、直ぐに眠ってしまった。
髪につけたままの花飾りを除けてやり、穏やかに眠るレオの額にキスを落とす。
「心配して、有難う、か」
デザート皿を取りに来たバルモンクとドアの前で鉢合わせた。
「レオは、どうですかな」
「眠った」
「朝からそわそわしてましたからな。祭が楽しみで寝れてなかったようですぞ」
「子供か」
「レオは子供でしょうに」
「あれが怒るぞ」
くっと笑っては見たものの、執事を始めてから仕事関連以外で連れ出して無かった事を振り返る。
長生きは飽く。毎年の祭、催事は何回も繰り返すとうんざりすると言うものだ。最低限出席すればいい。特に出かける気にもならなかった。
レオは何もかも一人でやりこなそうとする。執事は使用人だからと主に全てを合わせる。農家育ちは幼少から畑仕事の手伝いをして育つが、レオもそうだろう。ずっと働き詰めだという事か。
祭程度でそわそわするとは田舎の子らしく可愛い事だが、あれは楽しみや遊びを余り知らないのだろうか。
仕事ではあちこち行ったが、他に行きたい、何か見たいと言う希望も無かった。それらしい不満の一片も表出し無かった。
一日中執事として過ごし、今でも買い物に出掛ける程度だ。
くるくると舞うレオを思い出し頬が緩む。
この数年、侮蔑されながら弱音を吐かず頑張っていた。それを知りながら泣きつくか甘えてくるかと様子を見たが、思惑通りには行かず乗り越えた。
ここに来て認められて気が抜けたのか。
「いつか倒れると、バルの言う通りだな」
「帝国帰郷時、ランス達が調子に乗り過ぎてレオを追い詰めましたし、あれで溜めたものが出たんでしょう。やりすぎました」
バルモンクも髭を摩りながら溜息をつく。
「サボり方を教えないからだ」
「あんなに真面目だと思いませんでしょう。可愛い部下に見本にならずどうしろと」
「確かにレオまで急に休みたいからと女の所へ行くのも困る。お前は仕事の出来る不真面目だからな。ルースは夜には到着か」
目を細めるだけで笑むバルモンク。
「その予定です。飛ぶ勢いで来るはずです。レオは暫く休ませますか」
「自由過ぎて蔑ろにするなとまた泣くか」
「レオはもう違います。楽を覚えて甘い汁でも吸えば少しは不真面目になりましょうぞ」
ほっほっほと笑いながら皿を取り雑用に戻るバルモンクの背を見送る。
「……バルが二人になるのは避けたい」
親と生まれは選べないが生き方は変えれる。執事になって真面目に勤しむレオ。
あれは本当に賢いが、何も考えてない時もある。歳より下に見えるが目の奥は時折底が見えない不思議な子だ。
それに人の子で短命だ。人の倍生きる帝国の魔人族ではない。興味が尽きず退屈しない愛おしいレオ。仕事に自信を持ち、気が抜けた今ならまだ間に合う。
周りが甘やかしても無闇に靡かないなら自分を甘やかす事をして貰わないと、次は本当に倒れるか何かが起こる。
レオのプライドを損ねず程々で甘やかす。
……あれは頑固だ。
難関だぞ。
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