55 / 71
第二章 勇者召喚
さいあくなニオイ
しおりを挟む
全身嫌な色の草木に覆われたバイソン体型は、初めて見る牛獣だった。
森を抜け街道に出る直前の遭遇。
群れで数十大小いるが、大きい者だけ鼻が曲がる腐臭と共に突進してくる。単純な攻撃は横に避けるだけでいい。
「……これくらいか」
ドンッ
バキバキポキッ
「ブモーーッ!」
エルンカを分断したより弱めに、側面からの魔力当身だけで骨の砕ける音が聞こえ絶命する。重さを感じる音を聴かせて地に倒れる仲間の姿に興奮して次がくるという繰り返しだった。これはもう単純作業。
「……飽きた」
ブチブチッ
「ブモッ!?」
嫌々ながらクサイ草木を鷲掴みにした。汚物色の腐汁が飛び、千切れる音を聞きつつ魔力をそれに込めて群れに思いっくそ投げた。
豪速球とも言える速度でぶっ飛んだ獣は群れを薙ぎ倒し、跳ね上げ木々に当たった者はひしゃげるか変形してこと切れた。パニックになった生き残る獣は自ら激突し脚を折る。これで息があれど衰弱死するだけ。
秘技ローリング・スマッシュボーリング!
内心技の名をつけてみたが古臭い。センスの無さと、ひと暴れの運動としても物足りなさを感じたが、服も汚れず時短討伐完了だ。よしとする。
「鼻が曲がる」
手と顔を洗おうと川辺に戻る。後方をライバが狩る音に声、獣の鳴き声もしたが助けには行かない。魔力があるから大丈夫だろう。だって臭すぎるからもう嫌だ!バシャバシャと臭気を洗浄した。
臭いってのはな、その粒子が嗅覚に直接作用してるんだ。つまりだ。直接それが自分に付くってことだ。ウンコが鼻の中に付いてんだ。そう自分で思ってムカムカした。
「気分悪い」
森林の香りを感じて嘆息して座り込み、コートの内側から角ウサギの食べかけを出し喰いちぎる。
クロウのくれたマッキントッシュコートは魔術が組み込まれ、裏地は異空間の収納保存ができる。物語で存在するマジックボックスを話したら、師匠と作り上げてしまった。アイツら変人なのに腕が良い。ホント凄い。
アクセサリーの類に小型化はまだ無理で、装飾品に興味がないから服になった。
魔力を使うとき服は汚れない。回路だが原理は聞いても理解不能だった。軽く魔法耐性結界も施されている優れものだ。エルンカの粘液は完全油断。
数日前の日常が遠く感じたが、風に乗る匂いに顔を顰めた。
「くさっ!」
「な、なんで寛いで!しかも無傷!?」
林間から出てきたのはライバ。腐汁を被り汚物色に染まるイケメン。フードマントやズボンに溶けたような穴が空き、汚物の臭気に包まれていた。
「寄るな、ウンコエルフ!クソ臭い!」
「な、なんで、酸で無傷だよ!?」
「は?酸なんかあったか」
「納得いかねえ!お前何者だよ!」
「知らんわ。お前は今ウンコだ。寄るな!」
振り回す長弓から滴る腐汁を避け、ライバに怒るより洗えと言った時だった。
「うわあああっ!」
「きゃーーっ!!」
「腐森牛だーーっ!」
悲鳴がした方角は半キロ程先の街道。ライバは頭をガシガシと掻いて呟いた。
「数頭逃した」
「二次被害」
「だな」
「……」
「……」
二人して無言で目を閉じ腕を組む。あの獣はウンコ。ウンコ牛なんだ。いや、ここにもウンコ臭いエルフがいる。どっちにしろウンコ。連呼するのも臭い気がしてきた。天を仰ぎ、このクソRPG展開に舌打ちをする。
「そこで洗浄魔法でもしてろ。矢を二本貰うぞ。行ってくる」
「あ?そ、任せた」
悪びれる事なく軽い返事を後に、街道に向け駆け出した。
荷車が腐汁を被り倒れ荷が散乱していた。周りにの人は恐怖で座り込むか、立ったまま硬直して動けない。運悪く体当たりされたのか蹲る人達がいた。
「ひ、昼に、森から出てくるなんて」
「おぃ、動くなよ」
「ぉ、お前、冒険者だろ、狩れよ」
「あれ中級クラス!俺初級なんだよ!」
「と、突進したら避けるんだ」
「避けれるならなぁこうならねえよぉ」
「ブモーーッ!」
「ブモッ」
興奮した腐森牛は二頭。人の多い方へ同時に並んで地を蹴った。
「うわぁぁあっ!」
「キャーっ!」
「おまえ退けっ」
「逃げろっ」
ドッ!ドスッ!
ドンッ
「ブモッ」
「モッ」
腐森牛は鈍い音がして寄り添うように密着して脚を止めた。自分の体の異変に首を傾げて足踏み、オタつき始めたのがみてとれる。
「え」
「な、なんだ」
「あっちに逃げるべっ」
「今のうちだっ」
「頭を狙ったが。外れたか」
ワラワラと散る人達の中から、さっき迄そこに居なかったはずの男がぼやく。
艶やかな軽く波打つ黒髪、薄い褐色の肌に見るものを魅了する金の双眸。黒いコートは銀の刺繍で品がある。タイトなボトムに皮の長ブーツ。全身黒に近いが雰囲気に華がある人化した魔狼。
人々の目は突如たる存在に釘付けになる。
腐森牛は首を振り回し、腐臭のする酸化したどす黒い血をぼたぼたと垂らす。肩口は矢が貫通し二頭を縫い付けていたが、激しい首振りにポキと音がした。
「折れたか。もう多少力がいるな」
鼻息荒く前に立つ魔狼に狙いをつけた腐森牛は頭を低く突進した。
闘牛を知っているなら牛の首振り脚蹴り、急旋回にジャンプの勇猛果敢な姿が浮かぶだろう。しかし、人には腐森牛がそれ以上に危険だった。唾液は酸を含み火傷を負うし、強い酸を持つ個体は物を融解し、噛まれると毒素が回る。
しかし、魔狼には最早ウンコでしかない。
避けず動かず更にぼやく。
「クサイ」
ドンッ!!
魔狼は魔力を込めた矢を振り下ろし、骨をも貫通して脳をひと突きした。直ぐさま抜くと、向かい来る二頭目に翻り、同様に突き刺した。
グラッ
ドッ!
ドドッ!
腐森牛二頭は動きが急に止まり、ゆっくりした速さで崩れ落ちた。
「は?」
「な、何が起こった?」
「いや、頭に矢が刺さっとるぞ!?」
「あの人動いた?」
「み、見えんかった」
「すげえ」
周りのざわめきに気付き、目立つ事をしたと後悔しても遅い。既に容姿で惹きつけていたのだから。
ふと怪我をしている人に崩れた荷に目が行った。
「あー、騒がせたな」
そこまで責任持てない。獣は倒したが一帯が汚物臭がするのは変わりなかった。さっさと退散しようと踵を返すと一人の老婆が進路を塞ぎ立った。
「あっ、アンタ!待ちなされ!」
「……何だ」
「これじゃ!これアンタじゃろ!」
ガサガサと歳の割にふくよかな胸の谷間から紙を出し広げて見せた。それは似顔絵だった。
「孫から精霊の加護を受けた勇者様が来たと都で持ちきりじゃと聞いてなあ。あんたコレに瓜二つじゃ!黒髪といえばそうじゃろ!魔王を倒しに行くんじゃろ!」
「は?」
似顔絵は似ていた。周りに字らしきものが沢山書いてあるのは新聞か、おふれなのか。
「勇者?」
「勇者なら強いのもわかるな」
「本物かぁ?」
「怪我人はそこの冒険者に任せての、ほれ、御礼にウチで飯でもくっていかんか。勇者様に会えたと孫にも自慢したいしの。ように男前よなあ。こっちじゃこっち!ほれ!」
「……え、おい」
老婆は魔狼のコートをぐいぐい引っ張り出したが長弓がすっと間に入った。
「先を急ぐ。遠慮して貰おう」
フードを目深に被る男はライバ。魔法で服も直し身綺麗になっている。気配もなく忽然と現れて老婆はあんぐりと口を開けた。助け舟と乗ることにして老婆に声をかけた。
「連れがいるし急ぐ。すまないな」
ライバと街道に足を向ける。
老婆は『魔王倒すからのう』と納得したようだ。羨望の眼差しが背にチクチクと突き刺さるのにイライラした。
少し離れてからも魔狼の耳は声を拾った。
『ありゃ勇者のパーティメンバーじゃ』
『勇者が魔王討伐に向かってるぞ』
完全に勘違いだ。否定するのもあまりの面倒臭さに眉間にシワを作り、無言で歩き続けた。
「そんな眉間にシワ作る程まだ臭いか」
鼻のきく魔狼の事情を知らないウンコ呼ばわりされたライバは、自分の手や腕をスンスン臭いながら街道を進むのだった。
森を抜け街道に出る直前の遭遇。
群れで数十大小いるが、大きい者だけ鼻が曲がる腐臭と共に突進してくる。単純な攻撃は横に避けるだけでいい。
「……これくらいか」
ドンッ
バキバキポキッ
「ブモーーッ!」
エルンカを分断したより弱めに、側面からの魔力当身だけで骨の砕ける音が聞こえ絶命する。重さを感じる音を聴かせて地に倒れる仲間の姿に興奮して次がくるという繰り返しだった。これはもう単純作業。
「……飽きた」
ブチブチッ
「ブモッ!?」
嫌々ながらクサイ草木を鷲掴みにした。汚物色の腐汁が飛び、千切れる音を聞きつつ魔力をそれに込めて群れに思いっくそ投げた。
豪速球とも言える速度でぶっ飛んだ獣は群れを薙ぎ倒し、跳ね上げ木々に当たった者はひしゃげるか変形してこと切れた。パニックになった生き残る獣は自ら激突し脚を折る。これで息があれど衰弱死するだけ。
秘技ローリング・スマッシュボーリング!
内心技の名をつけてみたが古臭い。センスの無さと、ひと暴れの運動としても物足りなさを感じたが、服も汚れず時短討伐完了だ。よしとする。
「鼻が曲がる」
手と顔を洗おうと川辺に戻る。後方をライバが狩る音に声、獣の鳴き声もしたが助けには行かない。魔力があるから大丈夫だろう。だって臭すぎるからもう嫌だ!バシャバシャと臭気を洗浄した。
臭いってのはな、その粒子が嗅覚に直接作用してるんだ。つまりだ。直接それが自分に付くってことだ。ウンコが鼻の中に付いてんだ。そう自分で思ってムカムカした。
「気分悪い」
森林の香りを感じて嘆息して座り込み、コートの内側から角ウサギの食べかけを出し喰いちぎる。
クロウのくれたマッキントッシュコートは魔術が組み込まれ、裏地は異空間の収納保存ができる。物語で存在するマジックボックスを話したら、師匠と作り上げてしまった。アイツら変人なのに腕が良い。ホント凄い。
アクセサリーの類に小型化はまだ無理で、装飾品に興味がないから服になった。
魔力を使うとき服は汚れない。回路だが原理は聞いても理解不能だった。軽く魔法耐性結界も施されている優れものだ。エルンカの粘液は完全油断。
数日前の日常が遠く感じたが、風に乗る匂いに顔を顰めた。
「くさっ!」
「な、なんで寛いで!しかも無傷!?」
林間から出てきたのはライバ。腐汁を被り汚物色に染まるイケメン。フードマントやズボンに溶けたような穴が空き、汚物の臭気に包まれていた。
「寄るな、ウンコエルフ!クソ臭い!」
「な、なんで、酸で無傷だよ!?」
「は?酸なんかあったか」
「納得いかねえ!お前何者だよ!」
「知らんわ。お前は今ウンコだ。寄るな!」
振り回す長弓から滴る腐汁を避け、ライバに怒るより洗えと言った時だった。
「うわあああっ!」
「きゃーーっ!!」
「腐森牛だーーっ!」
悲鳴がした方角は半キロ程先の街道。ライバは頭をガシガシと掻いて呟いた。
「数頭逃した」
「二次被害」
「だな」
「……」
「……」
二人して無言で目を閉じ腕を組む。あの獣はウンコ。ウンコ牛なんだ。いや、ここにもウンコ臭いエルフがいる。どっちにしろウンコ。連呼するのも臭い気がしてきた。天を仰ぎ、このクソRPG展開に舌打ちをする。
「そこで洗浄魔法でもしてろ。矢を二本貰うぞ。行ってくる」
「あ?そ、任せた」
悪びれる事なく軽い返事を後に、街道に向け駆け出した。
荷車が腐汁を被り倒れ荷が散乱していた。周りにの人は恐怖で座り込むか、立ったまま硬直して動けない。運悪く体当たりされたのか蹲る人達がいた。
「ひ、昼に、森から出てくるなんて」
「おぃ、動くなよ」
「ぉ、お前、冒険者だろ、狩れよ」
「あれ中級クラス!俺初級なんだよ!」
「と、突進したら避けるんだ」
「避けれるならなぁこうならねえよぉ」
「ブモーーッ!」
「ブモッ」
興奮した腐森牛は二頭。人の多い方へ同時に並んで地を蹴った。
「うわぁぁあっ!」
「キャーっ!」
「おまえ退けっ」
「逃げろっ」
ドッ!ドスッ!
ドンッ
「ブモッ」
「モッ」
腐森牛は鈍い音がして寄り添うように密着して脚を止めた。自分の体の異変に首を傾げて足踏み、オタつき始めたのがみてとれる。
「え」
「な、なんだ」
「あっちに逃げるべっ」
「今のうちだっ」
「頭を狙ったが。外れたか」
ワラワラと散る人達の中から、さっき迄そこに居なかったはずの男がぼやく。
艶やかな軽く波打つ黒髪、薄い褐色の肌に見るものを魅了する金の双眸。黒いコートは銀の刺繍で品がある。タイトなボトムに皮の長ブーツ。全身黒に近いが雰囲気に華がある人化した魔狼。
人々の目は突如たる存在に釘付けになる。
腐森牛は首を振り回し、腐臭のする酸化したどす黒い血をぼたぼたと垂らす。肩口は矢が貫通し二頭を縫い付けていたが、激しい首振りにポキと音がした。
「折れたか。もう多少力がいるな」
鼻息荒く前に立つ魔狼に狙いをつけた腐森牛は頭を低く突進した。
闘牛を知っているなら牛の首振り脚蹴り、急旋回にジャンプの勇猛果敢な姿が浮かぶだろう。しかし、人には腐森牛がそれ以上に危険だった。唾液は酸を含み火傷を負うし、強い酸を持つ個体は物を融解し、噛まれると毒素が回る。
しかし、魔狼には最早ウンコでしかない。
避けず動かず更にぼやく。
「クサイ」
ドンッ!!
魔狼は魔力を込めた矢を振り下ろし、骨をも貫通して脳をひと突きした。直ぐさま抜くと、向かい来る二頭目に翻り、同様に突き刺した。
グラッ
ドッ!
ドドッ!
腐森牛二頭は動きが急に止まり、ゆっくりした速さで崩れ落ちた。
「は?」
「な、何が起こった?」
「いや、頭に矢が刺さっとるぞ!?」
「あの人動いた?」
「み、見えんかった」
「すげえ」
周りのざわめきに気付き、目立つ事をしたと後悔しても遅い。既に容姿で惹きつけていたのだから。
ふと怪我をしている人に崩れた荷に目が行った。
「あー、騒がせたな」
そこまで責任持てない。獣は倒したが一帯が汚物臭がするのは変わりなかった。さっさと退散しようと踵を返すと一人の老婆が進路を塞ぎ立った。
「あっ、アンタ!待ちなされ!」
「……何だ」
「これじゃ!これアンタじゃろ!」
ガサガサと歳の割にふくよかな胸の谷間から紙を出し広げて見せた。それは似顔絵だった。
「孫から精霊の加護を受けた勇者様が来たと都で持ちきりじゃと聞いてなあ。あんたコレに瓜二つじゃ!黒髪といえばそうじゃろ!魔王を倒しに行くんじゃろ!」
「は?」
似顔絵は似ていた。周りに字らしきものが沢山書いてあるのは新聞か、おふれなのか。
「勇者?」
「勇者なら強いのもわかるな」
「本物かぁ?」
「怪我人はそこの冒険者に任せての、ほれ、御礼にウチで飯でもくっていかんか。勇者様に会えたと孫にも自慢したいしの。ように男前よなあ。こっちじゃこっち!ほれ!」
「……え、おい」
老婆は魔狼のコートをぐいぐい引っ張り出したが長弓がすっと間に入った。
「先を急ぐ。遠慮して貰おう」
フードを目深に被る男はライバ。魔法で服も直し身綺麗になっている。気配もなく忽然と現れて老婆はあんぐりと口を開けた。助け舟と乗ることにして老婆に声をかけた。
「連れがいるし急ぐ。すまないな」
ライバと街道に足を向ける。
老婆は『魔王倒すからのう』と納得したようだ。羨望の眼差しが背にチクチクと突き刺さるのにイライラした。
少し離れてからも魔狼の耳は声を拾った。
『ありゃ勇者のパーティメンバーじゃ』
『勇者が魔王討伐に向かってるぞ』
完全に勘違いだ。否定するのもあまりの面倒臭さに眉間にシワを作り、無言で歩き続けた。
「そんな眉間にシワ作る程まだ臭いか」
鼻のきく魔狼の事情を知らないウンコ呼ばわりされたライバは、自分の手や腕をスンスン臭いながら街道を進むのだった。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる
まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」
父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。
清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。
なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。
学校では誰もが憧れる高嶺の花。
家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。
しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。
「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」
秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。
彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。
「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」
これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。
完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。
『著者より』
もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる