death after

kzeroen

文字の大きさ
53 / 68
六道・修羅、毘沙門城編

chapter55 危機

しおりを挟む
玉連…お前は…昔からわかんねぇ奴だよ…
 
空に浮遊する酷魔は、下にいる玉連に向け思った
 
「玉連、何故お前がこんなことした?」
 
「いいや~修羅も対人戦のみでしょう。少し、刺激が欲しかっただけですよ」
 
ニヤニヤと笑いながらの発言に、酷魔は苛立つ

嘘つくなよ…俺を、舐めんな…
 
「お前のせいで、どんだけ犠牲出たのかわかってんのかっ!」
 
酷魔は左手でクナイを投げつけ、玉連に斬りかかる
 
「はっ!」
 
法力でクナイを、避けるそして術を酷魔にかけた
 
幻覚と分身か…俺から動かない方がいいか…

玉連は、三人に分かれる
 
「まぁ、修羅は強き者が居るところ。その者達は弱かったのでしょう」
 
「・・・んだと…?」
 
「私はこの弱い人たちが居るより、修羅らしく強い者のみいる界にしたいんですよ」
 
「だから怨霊らを封印し、姉貴を使い離したと…?」
 
「まぁ、その通りです」
 
玉連は怨霊らを封印し、封印した怨霊らを雛に拡散させた
そして、弱者の戦士を排除し強者のみの修羅を作ろうとした
 
「ふざけんなっ!!理由はわかったが、お前は煉獄送り確定だ」
 
「それは私だけですか~?雛さんはどうなるんですか?」
 
「……。お前、何か隠してねぇか?姉貴は自分の意識ではしねぇ」
 
酷魔は降下し地面に剣を指した。
三人に見える玉連の真下に、それぞれヒビ割れさせる
 
「っと…」
 
右の玉連が避け、左、真ん中の玉連が消えた
 
「そこか…」

「そうは、いきません」
 
剣を突き刺したままの酷魔に、今度は玉連がチャクラムを投げた
酷魔は無防備だ
 
すぐ近くまでチャクラムが来たが、酷魔は左手の剣の枝をつかむ。
そして枝を支えにし、片手で逆立ちした
そしてギリギリで避けた
 
「甘いな玉連」
 
更に酷魔は、剣を赤黒く光らせ玉連の真下にヒビ割れを作った
玉連は何とか避けたが…
 
「くっ…」
 
"カチッ"
 
玉連は隠していたスイッチを押した
 

 城の各地から爆発音がし、崩れる音がする
 
「玉連っ!今何しやがった!!」
 
「爆弾を、城中に仕掛けて爆発させましたが、なにか?」
 
「てめぇ…」
 
「では、さようなら~」
 
玉連は煙玉を投げ姿を消した
 
「兵士、戦士全員逃げろっ!戦闘してる奴ら今すぐ中断しろっ!!」
 
戦士達は、すぐさま門へ逃げ出す
 
「酷魔様は!!」
 
「俺は最後でいい!さっさと全員逃げ出せっ!」
 

 
 「ヒナっ、どこよっ?ヒナー?!」
 
レナードは、戦闘中煙で姿を消した雛を探す
だがどこにも見あたらない
 
「雛さーん!!どこですかー?!」
 
冬至も急いで探すが、姿がない
道方、納も同じ行動を取る
 
「お前ら、何やってる?!逃げろって言ったはずだっ!!」
 
「ヒナがいないのよ!」
 
酷魔は、雛を探して城内に残っている冬至達の元へ行く

「姉貴の早さを信用しろっ!」
 
雛は大天狗ともあって、修羅で早さは酷魔と一、二位を争う
 
「でも…」
 
「でもじゃねぇよ!」
 
「くっ、苦しいっす…酷魔さん…」
 
「おーい、酷魔。兵士達全員外に逃げたの確認出来たが…」
 
「ああ、ありがと。それで?」
 
酷魔は冬至の首を腕で絞めながら、一応安心する
圭助と霊華は兵士達の避難をし、酷魔の元へ戻った…
 
「門が無事を確認した。後、この通り…」
 
門は落石により閉ざされていた
 
ここはあいつの技にかけるか…
 
酷魔は霊華の様子を見た
何やら霊力を鎌に集中させている
 
あっ、これ七人分か…やるしかないか…
 
「ふぅ…」
 
霊華は深呼吸を、一回、二回とする
 
「全員静かにしろ…」
 
酷魔は霊華に集中させるため、発言した
 
「はぁっ!!」
 
霊華は鎌を振りかざした。そして、空間に縦の光の亀裂が入り開く
 
「全員この中にっ!早くっ!!」
 
「えっ?」
 
「ぐっ…」
 
納は圭助の首筋を引っ張り、道方、レナード、霊華の順に入る
最後に冬至の首を絞め、引きずりながらも一緒に入った瞬間
 
"ガラガラッ"
 
毘沙門城が、亀裂の消滅と同時に崩壊した…
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

魅了の対価

しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。 彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。 ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。 アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。 淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

さようなら、たったひとつの

あんど もあ
ファンタジー
メアリは、10年間婚約したディーゴから婚約解消される。 大人しく身を引いたメアリだが、ディーゴは翌日から寝込んでしまい…。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

処理中です...