この世界じゃ本気出してないだけー異世界冒険録ー

硝子

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生きるそれはパンのみにあらず

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アルバニアは遠いらしい。
アルバニア王国の首都アルバニアを目指している。
何も無い草ボーボーの道をひたすら歩いている。
っていうか暑い。
よく2人とも厚着でいられるな。

「なぁヴォーレン次の街までどれくらい?」

「そうですね…今日野宿して明日の夕方には着きますね」

「ええ!もう嫌だお風呂入りたい」

「…我慢して下さい」

「おいおい!オレはこんな奴の為に呼び出されたのか?!」

「おい!ジーク!失礼だぞミロク様に向かって」

「ヴォーレンも思ってるんだろ?へたれだって」

ヴォーレンの顔が歪んだのを見逃さなかった。

「ははは、いいよ。オレだって思うもん。クズでだめだって」

そういうと2人は黙ってしまった。
オレが欲しかったのは無口で従順なロリ巨乳メイドだったんだけどな…。なんで賢者と勇者なんて!


無言で何時間も歩いた。
周りが暗くなってきたので野宿の準備に取り掛かる。
2人とも手際が良い。オレはボーッとしてるだけだった。
飯を食べて酒を頂く。焚き火を囲みながら。

「悪くないな」

ボソッとジークが言った。

「こんなのんびりしてるの何て久々だ。ちょっと前まで魔界域に居たから毎日死と隣り合わせだったぜ…」

「そうですね。私も智者の塔に挑んでいたので毎日命懸けでした。寝る時間もほとんどありませんでした」

「今朝は悪く言ってすまなかった!」

突然ジークが声を荒げる。少し震えていることから誠意がとても伝わった。

「いや、何も悪くないよ。オレはクズでダメでヘタレで君らみたいな偉大な人が仕える様な人間じゃないし、実際魔王討伐なんて実感もないし今すぐ逃げたいよ」

「そうですね。逃げても宜しいんですよ?」

「うん。そうしたいけどオレはヘタレだから…逃げる勇気なんてない。やれるだけやってみるよ」

そういうとジークが嬉しそうに言った。

「ミロクはダメそうで弱そうだけど人は良さそうだ」

「ああ。よく道とか聞かれたよ」

そういうとヴォーレンがクスリと笑った。

さぁ寝よう。明日に備えて。
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