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断章
第二十話 これは見なくていい話だ
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最初に言っておく。
これは見なくていい話だ。
見なくても何も問題のない話だ。
見ればかならず「なんだかなぁー」と言う気持ちになるだろう。
それでも良いのなら見るとよい。
◆◆◆
「そうだな。嫁でも貰って畑でも耕すかな」
「ほぅ」
「よ、よ、よ、嫁って。あ、あ、あの二人は、も、もう死んでるぞ?」
地の姐さんが、やたらどもっていたが言いたい事はわかったので答える。
「ああ、違う違う。あの二人には悪いが。今度はちゃんと恋愛なんてものをやれる相手を探そうと思ってる」
「ほほほっ、なるほどのぅ。それは良い考えじゃの。あの二人も喜ぶ事じゃろう」
「れ、れ、れ、れっ! ん、ん、ゴホン。あーザガンーー相手は、い、いるのかい?」
姐さんがやたら良いキメ顔で訊いてきた。
「いるわけねえだろ。俺、起きたばかりだぜ。そもそも恋愛なんてものどうすりゃいいかもわかってないんだぜ? そもそも俺に恋愛感情を持ってくれる相手がいるかどうかだよなぁー」
「あぁ、それは大丈夫じゃろ。少なくとも二人はおるじゃろ」
「ん? ああそういや二人で思い出した天の兄さんはどうしたんだ? さっきの炎? 天の兄さんだろ? 何処いったんだ?」
そう、三皇の最後の一人の天鳳凰の兄さんの姿が見えないのだ。
俺が疑問を口にするとーー
「はぁー」
「くくくく」
冥の爺さんは深くため息ををつき、地の姐さんは笑いを押しころしていた。
俺は不思議に思い首をかしげる。
「天よ、いい加減諦めて出てくるが良い」
爺さんが声をかけた方に視線を向けたが、俺には暗くて人の姿が見えないが、爺さんには見えているのだろう。
「はぁ、どうせすぐにバレるのじゃ、それともずっと、こ奴を避け続けるつもりか? 先を越されても知らんぞ」
「ちっ、余計な事を」
「わ、わかったわよ」
爺さんの言葉に姐さんが舌打ちしたが、てっきり兄さんがいると思っていた俺は、聞こえて来た女性の声の方が気になった。
「ひ、久しぶりね」
そんな挨拶と共に暗闇から出てきたのは燃えるような赤毛の美女だった。
「......」
俺は言葉が出なかった...哀しいことに事実は一つだろう...冥の爺さんが天と呼ぶのは一人だけだ。
ああ...確かに面影がある。その燃えるような赤髪にその面影に見覚えがある...あぁ...一体兄さんに何が起こったんだろう? あの無駄に格好良かった兄さんが...まさか...まさか...
「オ「ちがうわよ! 普通に女よ。女になっただけよ」
俺の言葉に被せてきた兄さんの言葉に涙が出そうだ。
「オカマはみんなそう言う」
「踏むわよ?」
俺の顔を踏んでから天の兄さんはそう言った...。
そう俺の顔をだ。
実は...ずっと俺は簀巻きのままだった。アラクネから今までずっとだ。遠い眼をして「嫁でも貰って、畑を耕すか」とか言ってた時も芋虫状態だったのだ。
いや...頼めば剥がしては貰えたろ...しかし、それを言うと俺の弱体化がバレる訳で言い出せなかったのだ。
「あっははははははははっ! ひぃ、ひぃ......ダメだ、腹が...おさまらね!」
「ぶほっ! あ、あ、天よ、流石にそう思われるのも仕方があるまい。説明をしてやれ」
「...まあ、確かにそうよね」
そう言いながらも...グリグリ踏み続ける天の兄さん。
流石は『世界の管理人』の一人である...今の俺ではダメージを防げないようでーー普通に痛い。
「はぁ...私の正体は鳳凰なのわ覚えているでしょ? 本来私は雌雄一対の存在なのよ。でも人間の姿になる時は精神に引っ張られてしまってしまうのよ。だから今はーー女って事なの。わかった?」
「...なんとなく...ようは今は兄さんじゃなく...姉さん?」
「うむ、そういう事じゃ。 今のこやつは『天鳳凰』ではなく『天凰王じゃ」
「なるほど、要は兄さんでもあり姉さんでもあるって事か?」
なんとも意外な事実だった。昔はずっと男性型だったから本気でオカマになったのかと...。しかし、何で今...女性型なんだ? 男性型で出てくれば...ああ、からかわれたのか。
「ああ、お主の考えてる事はたぶん違うの。コロコロ性別を変えたりはできん。簡単に精神を変えたりはできんからのーー今のこやつは女のままじゃ」
おう...と言うことは...あの無駄格好いい兄さんは過去の話ってことか?
いや...まあそういう事なら隠れていたわけはわかるな。いきなり「私、女になったの」って言われた相手の反応を考えてしまったら出ずらいわな...。
「わかった、安心しろ天の姉さん。吃驚したが問題ない。まあ理由は気になるが...まあ今後も仲良くしようぜ」
「っ! ええ、ええ、そうねこれからも仲良くしましょうね」
俺が安心さすように言うと姉さんは一瞬吃驚してから...妖艶? なんかそんな感じの笑みを浮かべた。その笑みを見た俺はやっぱり気になったので訊いてみた。
「完全にもう女だよな...一体何があったんだ?」
いや、デリカシーが無い質問だとはなんとなく思うが...もうね完全に女なんだよ! 仕草とか表情とかが完全に女なんだよ! 男の時の面影と言えば...俺を踏みつけたままのサドっぽさか?
そんな俺の質問に姉さんははバツの悪い顔でそっぽを向いたがーー
「ああ、そりゃ拗らせただけだ」
「うむ、二百年程引き込もっておったらなっておったわ」
冥の爺さんと地の姐さんがそんな事を言ってきた。
「拗らす? なんか嫌な事でもあったのか?」
いや...本当に性別変わる程の事って何だ?
「あー、もううるさいわね! そんなことよりいい加減帰るわよっ! あなたも何時までもそんな変な格好をしてないでいい加減立ち上がりなさいよ!」
切れぎみに怒鳴る姉さんだったが俺の胸中は.ーーああ...この時が来たか。だった。
「出れない」
俺は素直に助けを求めた。
「「???」」
三人とも心底わからなさそうな顔を浮かべる。
「出してくれ」
「「???」」
今度は頼んで見たが同じ反応が返ってきた。しかし天の姉さんが何かに気づいたような顔をした。
「...そう言えば村のお城...なんともなってなかったわよね?」
「ああ、そういやそうだったね。...おかしいね?」
「うむ、確かにの。普段のこやつならクレーター程度は造っていくはずじゃな?」
「そうよね。あんな見せしめに向いた条件のお城ーー残すはずないわよね?」
「「......」」
どうやら気づいたようだな...。
無言で俺を見下ろす三人。
確信を得るためなのだろう...冥の爺さんが気味が悪い程に優しく問うて来た。
「のうザガンや、もしやお主...弱くなったのかの? 本気でその糸から出れんのかの?」
俺は黙って頷く。
「ふむふむ、そうかそうか、具体的にはどれぐらい弱体したのじゃ?」
俺は一パーセントでも可能性があれば諦めない男だ。
それが王と言う者だろう。
どんな窮地でも可能性があればそこに全力を尽くす。
しかし...いくら迷い考えても可能性を見出だせない時はある。
王はその行動に責任を持たなければなら無い。
その時が今なのだろう...回避することは不可能だろう...。
俺は王の矜持をもって自分の現状を答えた。
「「「......」」」
三人は、それはそれはーー悪い顔をした。
具体的にはーー獲物を前に舌なめずり。ーーやったのは世界の管理者の三人だ。
まず、顎に衝撃を感じたら空中にいた。
絶妙の力加減で俺の意識は翔ぶことが無い...そして空中にいたと思えば地面にクレーターを造っていた。
朦朧としながら立ち上がると、恐らくは地の姐さんが俺の頭を捕み真横にぶん投げるーー木々を巻き沿いにして吹き飛んでいたが、衝撃を感じた瞬間、また空中にいた。
そんな感じで一方的になぶられているが、ふと奴の言葉を思い出した...確か...
ーー「お前らの戦闘はファンタジーじゃねえっ!」
だったと思う。
まあ、そんな中でも会話は出来るもので...。
「てめえら! 力が戻ったら覚えてやがれよ!」
「構わん! 儂は今を生きる! この一瞬が全てじゃ!」
「最高だ! 今あたしは生を! これが生きるって実感だぁーーーーっ」
こんな感じで俺は気絶するまでボコられた。
◆◆◆
気絶から眼を覚ました俺が最初にみたのは
「儂、生きてて良かった」
「ああ、わかる、わかるぜ爺さん。あたいもだよ」
俺をボコり終えてーー肩を組み空を見上げながら感涙の涙を流している爺さんと姐さんだった。
..いいのかそれで? 仮にも世界の管理者だろ?
「フフフ。 眼が覚めたみたいね?」
どうも寝心地が良かったと思ったら天の姉さんが膝枕をしていてくれたらしい。もう完全に女だなぁーと再確認をした気分だ。
「そういや...姉さんは参加してなかったよな?」
何故疑問係かと言うと...自分が何をされていたのか以前に、姿すら殆ど目にできなかったからだ。
「ええ、していないわよ」
...ほほぅ...と言うことは兄さんーーいや姉さんがの性格からすると...じっくりと......。
俺がそんな嫌な事を考えていると。
「あなたには二つの可能性があるわ」
俺はゴクリと唾を鳴らし先をうながす。
「一つめは、じくっりとねっとりと...ふふ、わかるでしょ?」
ああ、やっぱり姉さんは兄さんなんだなぁーと遠い眼をしてる俺にーー
「二つめは、こ、だ、ね」
あの忌まわしきアマゾネスどもと同じ表情で姉さんは言った。後ろで地の姐さんがーーその手ががあったかとばかりに額を叩いていたが...俺は見ていない。
「ああ...世界は甘くて美しい」
俺はまったく脈絡の無い願望を口にした。
◆◆◆
そして俺はボロボロの状態で村に連行された。
だから言ったろ? これは見なくてもいい話だと。
ん? 姉さんへの返事か?
言っただろーーおれは生きるための努力は惜しまないと。
これは見なくていい話だ。
見なくても何も問題のない話だ。
見ればかならず「なんだかなぁー」と言う気持ちになるだろう。
それでも良いのなら見るとよい。
◆◆◆
「そうだな。嫁でも貰って畑でも耕すかな」
「ほぅ」
「よ、よ、よ、嫁って。あ、あ、あの二人は、も、もう死んでるぞ?」
地の姐さんが、やたらどもっていたが言いたい事はわかったので答える。
「ああ、違う違う。あの二人には悪いが。今度はちゃんと恋愛なんてものをやれる相手を探そうと思ってる」
「ほほほっ、なるほどのぅ。それは良い考えじゃの。あの二人も喜ぶ事じゃろう」
「れ、れ、れ、れっ! ん、ん、ゴホン。あーザガンーー相手は、い、いるのかい?」
姐さんがやたら良いキメ顔で訊いてきた。
「いるわけねえだろ。俺、起きたばかりだぜ。そもそも恋愛なんてものどうすりゃいいかもわかってないんだぜ? そもそも俺に恋愛感情を持ってくれる相手がいるかどうかだよなぁー」
「あぁ、それは大丈夫じゃろ。少なくとも二人はおるじゃろ」
「ん? ああそういや二人で思い出した天の兄さんはどうしたんだ? さっきの炎? 天の兄さんだろ? 何処いったんだ?」
そう、三皇の最後の一人の天鳳凰の兄さんの姿が見えないのだ。
俺が疑問を口にするとーー
「はぁー」
「くくくく」
冥の爺さんは深くため息ををつき、地の姐さんは笑いを押しころしていた。
俺は不思議に思い首をかしげる。
「天よ、いい加減諦めて出てくるが良い」
爺さんが声をかけた方に視線を向けたが、俺には暗くて人の姿が見えないが、爺さんには見えているのだろう。
「はぁ、どうせすぐにバレるのじゃ、それともずっと、こ奴を避け続けるつもりか? 先を越されても知らんぞ」
「ちっ、余計な事を」
「わ、わかったわよ」
爺さんの言葉に姐さんが舌打ちしたが、てっきり兄さんがいると思っていた俺は、聞こえて来た女性の声の方が気になった。
「ひ、久しぶりね」
そんな挨拶と共に暗闇から出てきたのは燃えるような赤毛の美女だった。
「......」
俺は言葉が出なかった...哀しいことに事実は一つだろう...冥の爺さんが天と呼ぶのは一人だけだ。
ああ...確かに面影がある。その燃えるような赤髪にその面影に見覚えがある...あぁ...一体兄さんに何が起こったんだろう? あの無駄に格好良かった兄さんが...まさか...まさか...
「オ「ちがうわよ! 普通に女よ。女になっただけよ」
俺の言葉に被せてきた兄さんの言葉に涙が出そうだ。
「オカマはみんなそう言う」
「踏むわよ?」
俺の顔を踏んでから天の兄さんはそう言った...。
そう俺の顔をだ。
実は...ずっと俺は簀巻きのままだった。アラクネから今までずっとだ。遠い眼をして「嫁でも貰って、畑を耕すか」とか言ってた時も芋虫状態だったのだ。
いや...頼めば剥がしては貰えたろ...しかし、それを言うと俺の弱体化がバレる訳で言い出せなかったのだ。
「あっははははははははっ! ひぃ、ひぃ......ダメだ、腹が...おさまらね!」
「ぶほっ! あ、あ、天よ、流石にそう思われるのも仕方があるまい。説明をしてやれ」
「...まあ、確かにそうよね」
そう言いながらも...グリグリ踏み続ける天の兄さん。
流石は『世界の管理人』の一人である...今の俺ではダメージを防げないようでーー普通に痛い。
「はぁ...私の正体は鳳凰なのわ覚えているでしょ? 本来私は雌雄一対の存在なのよ。でも人間の姿になる時は精神に引っ張られてしまってしまうのよ。だから今はーー女って事なの。わかった?」
「...なんとなく...ようは今は兄さんじゃなく...姉さん?」
「うむ、そういう事じゃ。 今のこやつは『天鳳凰』ではなく『天凰王じゃ」
「なるほど、要は兄さんでもあり姉さんでもあるって事か?」
なんとも意外な事実だった。昔はずっと男性型だったから本気でオカマになったのかと...。しかし、何で今...女性型なんだ? 男性型で出てくれば...ああ、からかわれたのか。
「ああ、お主の考えてる事はたぶん違うの。コロコロ性別を変えたりはできん。簡単に精神を変えたりはできんからのーー今のこやつは女のままじゃ」
おう...と言うことは...あの無駄格好いい兄さんは過去の話ってことか?
いや...まあそういう事なら隠れていたわけはわかるな。いきなり「私、女になったの」って言われた相手の反応を考えてしまったら出ずらいわな...。
「わかった、安心しろ天の姉さん。吃驚したが問題ない。まあ理由は気になるが...まあ今後も仲良くしようぜ」
「っ! ええ、ええ、そうねこれからも仲良くしましょうね」
俺が安心さすように言うと姉さんは一瞬吃驚してから...妖艶? なんかそんな感じの笑みを浮かべた。その笑みを見た俺はやっぱり気になったので訊いてみた。
「完全にもう女だよな...一体何があったんだ?」
いや、デリカシーが無い質問だとはなんとなく思うが...もうね完全に女なんだよ! 仕草とか表情とかが完全に女なんだよ! 男の時の面影と言えば...俺を踏みつけたままのサドっぽさか?
そんな俺の質問に姉さんははバツの悪い顔でそっぽを向いたがーー
「ああ、そりゃ拗らせただけだ」
「うむ、二百年程引き込もっておったらなっておったわ」
冥の爺さんと地の姐さんがそんな事を言ってきた。
「拗らす? なんか嫌な事でもあったのか?」
いや...本当に性別変わる程の事って何だ?
「あー、もううるさいわね! そんなことよりいい加減帰るわよっ! あなたも何時までもそんな変な格好をしてないでいい加減立ち上がりなさいよ!」
切れぎみに怒鳴る姉さんだったが俺の胸中は.ーーああ...この時が来たか。だった。
「出れない」
俺は素直に助けを求めた。
「「???」」
三人とも心底わからなさそうな顔を浮かべる。
「出してくれ」
「「???」」
今度は頼んで見たが同じ反応が返ってきた。しかし天の姉さんが何かに気づいたような顔をした。
「...そう言えば村のお城...なんともなってなかったわよね?」
「ああ、そういやそうだったね。...おかしいね?」
「うむ、確かにの。普段のこやつならクレーター程度は造っていくはずじゃな?」
「そうよね。あんな見せしめに向いた条件のお城ーー残すはずないわよね?」
「「......」」
どうやら気づいたようだな...。
無言で俺を見下ろす三人。
確信を得るためなのだろう...冥の爺さんが気味が悪い程に優しく問うて来た。
「のうザガンや、もしやお主...弱くなったのかの? 本気でその糸から出れんのかの?」
俺は黙って頷く。
「ふむふむ、そうかそうか、具体的にはどれぐらい弱体したのじゃ?」
俺は一パーセントでも可能性があれば諦めない男だ。
それが王と言う者だろう。
どんな窮地でも可能性があればそこに全力を尽くす。
しかし...いくら迷い考えても可能性を見出だせない時はある。
王はその行動に責任を持たなければなら無い。
その時が今なのだろう...回避することは不可能だろう...。
俺は王の矜持をもって自分の現状を答えた。
「「「......」」」
三人は、それはそれはーー悪い顔をした。
具体的にはーー獲物を前に舌なめずり。ーーやったのは世界の管理者の三人だ。
まず、顎に衝撃を感じたら空中にいた。
絶妙の力加減で俺の意識は翔ぶことが無い...そして空中にいたと思えば地面にクレーターを造っていた。
朦朧としながら立ち上がると、恐らくは地の姐さんが俺の頭を捕み真横にぶん投げるーー木々を巻き沿いにして吹き飛んでいたが、衝撃を感じた瞬間、また空中にいた。
そんな感じで一方的になぶられているが、ふと奴の言葉を思い出した...確か...
ーー「お前らの戦闘はファンタジーじゃねえっ!」
だったと思う。
まあ、そんな中でも会話は出来るもので...。
「てめえら! 力が戻ったら覚えてやがれよ!」
「構わん! 儂は今を生きる! この一瞬が全てじゃ!」
「最高だ! 今あたしは生を! これが生きるって実感だぁーーーーっ」
こんな感じで俺は気絶するまでボコられた。
◆◆◆
気絶から眼を覚ました俺が最初にみたのは
「儂、生きてて良かった」
「ああ、わかる、わかるぜ爺さん。あたいもだよ」
俺をボコり終えてーー肩を組み空を見上げながら感涙の涙を流している爺さんと姐さんだった。
..いいのかそれで? 仮にも世界の管理者だろ?
「フフフ。 眼が覚めたみたいね?」
どうも寝心地が良かったと思ったら天の姉さんが膝枕をしていてくれたらしい。もう完全に女だなぁーと再確認をした気分だ。
「そういや...姉さんは参加してなかったよな?」
何故疑問係かと言うと...自分が何をされていたのか以前に、姿すら殆ど目にできなかったからだ。
「ええ、していないわよ」
...ほほぅ...と言うことは兄さんーーいや姉さんがの性格からすると...じっくりと......。
俺がそんな嫌な事を考えていると。
「あなたには二つの可能性があるわ」
俺はゴクリと唾を鳴らし先をうながす。
「一つめは、じくっりとねっとりと...ふふ、わかるでしょ?」
ああ、やっぱり姉さんは兄さんなんだなぁーと遠い眼をしてる俺にーー
「二つめは、こ、だ、ね」
あの忌まわしきアマゾネスどもと同じ表情で姉さんは言った。後ろで地の姐さんがーーその手ががあったかとばかりに額を叩いていたが...俺は見ていない。
「ああ...世界は甘くて美しい」
俺はまったく脈絡の無い願望を口にした。
◆◆◆
そして俺はボロボロの状態で村に連行された。
だから言ったろ? これは見なくてもいい話だと。
ん? 姉さんへの返事か?
言っただろーーおれは生きるための努力は惜しまないと。
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