便所の落書きにもならない雑記帖

乃武子

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バイクの話(原付編)

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いきなり中型バイクを扱える自信がなかったので、まず原付免許を取ることにした。

参考書を1ヶ月ほど読み込んだおかげか、学科試験は無事合格。視力検査が心配だった適性試験もなんとかなった。ここまではよかった。

実車での講習が想像以上に難しかったのだ。自転車に乗れるから原付も簡単に乗りこなせるだろうと甘く見ていた。完全に舐めてかかっていた。

同じ日に講習を受けたメンバーの中で、恐らく私が一番問題児だったのだろう。講習が終わって免許証を受け取りに行く途中、指導員が「乗るの?身分証に使うだけ?」と聞かなくてもいいようなことを聞いてきた。

ライダーへの足がかりとして原付免許が欲しかったので「の、乗ります!」とは答えたが、あの時の質問はきっと「お前の運転は危ない。絶対に事故を起こすから乗るな」という意味も含まれていたんだろうなと思っている。

初めての免許を取得して少し経った頃、運転に慣れるためにレンタルバイクを借りて軽くツーリングすることになった。地元でよく原付に乗っていたという夫が先導をしてくれたが、2回も派手に転倒した。カーブをちゃんと曲がり切れなかったり、先に駐車場を出た夫を慌てて追いかけようとしてバランスを崩したのが原因だった。

転倒のせいで公道を走るのが怖くなってしまったが、29歳の誕生日には自分用の原付をプレゼントとして買ってもらった。トモスというオランダ製(正確にはスロベニア製)のモペッドが私の人生初のバイクとなった。ちなみにモペッドとはペダル付き原付のことである。鮮やかなオレンジ色の車体、自転車としても使えるという物珍しさが気に入った。

トモスが家に来てからはレンタルバイクと併用しつつ、交通量の少ない深夜から早朝を中心に月1ペースでツーリングするようになった。川原でカップラーメンを食べるためだけに奥多摩へ行ったり、小田原までロングツーリングを決行したこともあった。車に幅寄せされて怖い思いもよくしたが、原付の宿命のようなものだと聞いていたので、開き直ることにした。

中型二輪免許を取った今、レンタルバイクも中型を借りるようになったので、トモスはほぼ乗らなくなってしまった。ただ、定期的にエンジンをかけてあげないと不具合が出るので、メンテナンスも兼ねて夫がたまに乗っている。簡単に手放してしまうのは惜しい。思い入れも薄れてきたとはいえ、偶然見初めて嫁に来てもらったようなものだから、もう少しだけ手元に置いておきたいのだ。
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