恋は盲目?ならこの愛は失明だろう

藍都相楽

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梅、猛勉強

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「な、何故でございますの?」

 わたくしは、本家に乗り込めば開幕一言、そう告げました。京様の秘密を見破ってしまったわたくしが受かるのはおかしい、そう言いに行ったのです。

「何故?そんなの決まっているよ。君は素直で、尚且つ、京が気に入ったからだ」

「気に入った、?でもわたくし、京様に失礼な事を......!」

「ふむ、そうか。。では君は、京の事が嫌いなのかな?」

「そんな訳、ある筈が無いでしょう!黒髪も、透き通った目も、完璧で隙のない所作の、どこが嫌いだと思われるのですかっ!!」

 はっとすれば、口元を押さえる。嗚呼、わたくしはなんて事をしてしまったのだろう。
 本家に乗り込むだけでもお咎めモノなのに、当主様にこんな口を聞くだなんて。

 いや、これで良かったのかもしれない。
 無作法だと分かっただろう、京様への無礼の罰だ。せっかく頑張った作法も、信用信頼あっての物種。

だが、その悲しみと共に、キツく叱られるのを覚悟したのは、杞憂に終わった。
最初に目に入ったのは、笑いを我慢していた当主様だったからだ。

「はははっ笑笑すまないね、実は」

襖を開ければ、そこには顔を真っ赤にした、京様が立っていたのだ。戸惑うわたくしに、当主様は、笑い涙を拭きつつ、話してくださいました。

「そこまで京の事を想ってくれたのは、君が初めてだよ笑。実は、最終審査というのがあってね、京が選んだ君と、我々が選んだ2人がいたんだ。そして、時間をバラバラに分けて、気持ちを聞いてみた。」

「すると、2人とも、嬉しさでいっぱいの顔をしながら、受かって当然と豪語したんだ。」

真実は、何とも儚く簡単なものだった。
当主様は、京様に、良き子を選んだね、と頭を撫でては、そのまま執務室へ行ってしまわれました。

残されたわたくしに京様は、応接室で雑談でも。と誘ってくださり、なんとも嬉しかったのですが、その雑談というものが、至難の会話でした。

ある数学理論の考察に、詩の感想から導く筆者の本心、政治的な話では、君はどちら側か。なんて、嬉々として話されました。

悔しかった。わたくしには、到底理解できない、別視点から物事を考える。というのが当たり前だったのです。

その時に、京様から、体調がすぐれないのか?と心配され、胸が張り裂けるかと思いました。

京様のお役に立ちたい、せめて、隣にいても違和感など皆無な、完璧な付き人になりたい。

それからは、怒涛の日々でした。
勉学を、朝日が昇る前から初め、作法の稽古を増やし、寝る前までにラクの幼子までの名前を片っ端から頭に叩き込みました。

勉学では新聞も駆使し、稽古では足を痛めるまでくらいつき、名前を叩き込めば、茶会を増やし、英語も習いました。

すると、日に日に京様の話が理解できるようになり、時には共に考察しました。竹虎、という新しい付き人が来ると、大体わたくしと同じ道筋を辿る事になり、少し笑いが溢れました。

当主様が亡くなられた時には、若様に竹虎と共に寄り添い、無礼なラク共はつきっきりで密偵し、変わってしまった奥様を、心を殺して追い返しました。

今のわたくしは強くなりました。
昔のわたくしを、これ程応援し、励ましたいと思ったのは、初めてでした。

胸を張って、堂々と、道を切り開く若様に寄りつく虫は許さない。嗚呼、あの問いと、同じことをしていますね。あの時から歩んだ若様との信頼は、絶対に裏切られない。......そう、思っておりました。

あの、忌々しいマフィアの幹部を、いつもの虫のように追い払ったのち、若様の衝撃の一言を聞くまでは。
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