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欅の木
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1939年 フランクフルト郊外
「よし、これでいい!」
ある青年は木の下に置いた黒板に漢字を書いた。黒板の前には少人数の青年達が座っていた。
「なんて読むんだ?」
「これ、漢字か?読めないよ」
皆、口々に言った。
ここの青年達は「日系人」も居たが根っからのドイツ人もいたのだから、
漢字を読めない事は当然であった。
そして、
ある青年はニヤッとし、希望に満ちた声で言った。
「これは、欅と読むんだ」
「ケヤキ?なんだそれ」
「この木の名前だ。ほらこの木、」
青年は立てかけている黒板の木を撫でた。
「そう、この木は欅と言うんだ。
俺の曾祖母がここに移住してきた時に日本から持ってきたんだ」
「え!?この大きな木を?このまま?」
「馬鹿野郎、んなわけなるか!
最初は手の平ぐらいの大きさなんだよ」
まさに彼らのやり取りは年頃の「青年」の様だった。だが、彼らは一つだけ知らないものがある。
それは「青春」というものだ。
ほとんどの一日を軍に尽くし、
軍に入る前もヒトラーユーゲントという青年団体に所属し、活動をしていたからだ。
「で、何故ケヤキなんだ?」
一人の青年が問うた
「俺の曾祖母がここに来た時、相当な差別を受けたんだ。
まぁ、日本人なんて当時は珍しいしね。
顔も、目の色も違うんだ。
その時の家族は随分苦労したんだろうな」
「でもな、その時、
日本から持ってきた欅の木をここに埋めて育てたんだ。
木のように、葉のように、自由に育って生きて言って欲しいと願ってね」
「今の俺たちの思いも同じだろう?
この間違った世を正す。武力ではなく、自由を与えると。
だから皆集まったじゃないか。
そうだろ?」
「ああ、」
「その通りだ」
皆、強く頷いた。
「彼」のお陰で皆、強く結成し、世を正そうと動いたのだ。
その「彼」の名は
アクウェル・S(シンキ)・アインハイト
それが彼の名だ。
ドイツ国防軍の中で最も恐れられた若きエリート青年将校。
18歳にて中佐という優秀さぶりを見せつけたのだ。
もし彼が居なかったら、今の世界はないだろう。
もし彼が居なかったら、ナチス・ドイツは
勝利を掲げていただろう。
「よし、これでいい!」
ある青年は木の下に置いた黒板に漢字を書いた。黒板の前には少人数の青年達が座っていた。
「なんて読むんだ?」
「これ、漢字か?読めないよ」
皆、口々に言った。
ここの青年達は「日系人」も居たが根っからのドイツ人もいたのだから、
漢字を読めない事は当然であった。
そして、
ある青年はニヤッとし、希望に満ちた声で言った。
「これは、欅と読むんだ」
「ケヤキ?なんだそれ」
「この木の名前だ。ほらこの木、」
青年は立てかけている黒板の木を撫でた。
「そう、この木は欅と言うんだ。
俺の曾祖母がここに移住してきた時に日本から持ってきたんだ」
「え!?この大きな木を?このまま?」
「馬鹿野郎、んなわけなるか!
最初は手の平ぐらいの大きさなんだよ」
まさに彼らのやり取りは年頃の「青年」の様だった。だが、彼らは一つだけ知らないものがある。
それは「青春」というものだ。
ほとんどの一日を軍に尽くし、
軍に入る前もヒトラーユーゲントという青年団体に所属し、活動をしていたからだ。
「で、何故ケヤキなんだ?」
一人の青年が問うた
「俺の曾祖母がここに来た時、相当な差別を受けたんだ。
まぁ、日本人なんて当時は珍しいしね。
顔も、目の色も違うんだ。
その時の家族は随分苦労したんだろうな」
「でもな、その時、
日本から持ってきた欅の木をここに埋めて育てたんだ。
木のように、葉のように、自由に育って生きて言って欲しいと願ってね」
「今の俺たちの思いも同じだろう?
この間違った世を正す。武力ではなく、自由を与えると。
だから皆集まったじゃないか。
そうだろ?」
「ああ、」
「その通りだ」
皆、強く頷いた。
「彼」のお陰で皆、強く結成し、世を正そうと動いたのだ。
その「彼」の名は
アクウェル・S(シンキ)・アインハイト
それが彼の名だ。
ドイツ国防軍の中で最も恐れられた若きエリート青年将校。
18歳にて中佐という優秀さぶりを見せつけたのだ。
もし彼が居なかったら、今の世界はないだろう。
もし彼が居なかったら、ナチス・ドイツは
勝利を掲げていただろう。
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